![]() | 五輪書 (ちくま学芸文庫) |
佐藤 正英 | |
筑摩書房 |
どんなことにも「呼吸」ってありますよね。言葉では表せないコツ。機微。
宮本武蔵の書いた『五輪書』は、刀で戦って勝つための「呼吸」をあえて文字にしたものです。
「呼吸」は本来、言葉で覚えるものではなく、体得するしかありません。
それを達人が文字にすると、刀だけではなく、あらゆる世界に通じるバイブルになります。
いわば人を殺すために書かれた書物が、言葉のとらえかた次第で、人を活かす書物になります。
よく、ひとつの道を極めた人は、あらゆる道に通じる「呼吸」を得るといいますよね。
『五輪書』は、まさにその証明なのだと思います。