イラクサ科のカラムシです。
本州から四国、九州に分布する多年草、道路わきや空き地などで見られます。
「苧麻(ちょま)」ともよばれます、古代から茎の繊維を取り出し衣料や寝具として使ってきました。
衣類で麻とよばれるのはこのカラムシがほとんどだったようで、人家の周りで栽培もされていたそうです。
江戸時代には綿が普及してきて廃れてきましたが、作業着などとして使われていたそうです。
国重要無形文化財に指定されている「越後上布」はこの苧麻で多数の手をかけて作られたものです。
高さは1メートルから2メートル、枝分かれして群生します。
葉は互生、葉柄があり卵形、先はとがりまわりには鋸歯があります、葉脈ははっきりします。
茎の上部に雌花がさきます。下の写真は茎の先端に集まる雌花穂です。
花穂の中にトゲトゲのイガ栗のように見えます、花が密着して球形となり花柱がイガのように見えるのです。
下は茎の中央部で、雄花が花穂になってさいています。
うすい緑色の花弁は4枚、雄しべ4本が付き出します。