下の写真、何でしょうか?
お解りになった方は、かなりの経験者。正解はお台所の必需品、三徳包丁の刃先です。
厚紙の上に刃を上にして立てています。
刃に太陽を当てて、その反射光を拡大して撮影しています。
拡大しているので鋸のように見えますが、最初の切れ味はありませんがまだ切れます。
こうして太陽光の反射を見れば刃の寿命、次の研ぎ時期が解ります。
大きな刃欠けが無ければそのまま中仕上げで研ぎます、めくれた刃先がこすれる音が無くなれば終わりです。
次に仕上げ砥で表を研ぎ、裏の返りをこすります。その後太陽にかざして見れば研げたかどうかわかります。
今話題の戦闘機F35のように、胴体が刃物のようになっていて太陽光(レーダー波)が反射しない構造であれば良いのです。
刃は片刃に研ぐことをお勧めします、きれいな片刃でなくとも片方だけ多く研げばよいのです。
これは「江戸研ぎ」とよばれるそうです、これの進化したものが板前さんが桂むきをするのが片刃の和包丁です。
キャベツの細切りは真上から切りますが、細切りにすると切った方が倒れるので、船のへさきのように両刃だと流れます。
これが片刃だと、刃の左面に沿って、真上から真下に進むのです。
砥石に対して角度20度で両刃包丁の左右を研ぐと、刃先角は左右合計で40度になってしまいます。
片方だけ研げば20度で、裏の返りを少し取っても25度前後の小刃付けになります。
キャベツを刻む時も、研ぐのも片刃の方が楽です。お試しください。
ここまでお読みになると、上側の写真で2本とも片刃になっているのがお分かりでしょう。
片刃だからここまで刃が荒れてもまだ切れるのです。