刃物の研ぎ方は「刃物に教われ」と言われます。
出刃包丁などは、鎬線から刃先に向かった平らな部分を砥石に密着させれば、刃先角はあまり狂わずに研げます。
刃の背側から見ると柄側から先端に向かって薄くなっています。鎬が同じ幅でも、刃の厚さが変わるので、先端に向かって刃先角が鋭くなります。
また、刃は舟の底のように湾曲していますので、刃先の鎬は曲面になります。
刃の柄側の一部に小刃付けをして、骨を切っても良いように小刃付けしてあるものもあります。
刃の裏面は返りを取る程度にします。
三徳包丁は、文化庖丁とも呼びます。
野菜を切るのは菜切り庖丁の役目でしたが、今は三徳包丁に変わっています。
材質も鋼やステンレスで鋼の刃を挟んだものがありましたが、錆びるので嫌われています。
「三徳」とは、肉、魚、野菜の三種類を調理できるので三徳と名前がついたそうです。
何でも切るためには、全体を薄く作り切れ込みやすくしておいて、刃先角を大きくとるようにして硬いものを切っても刃持ちするようにしています。
果物ナイフやアーミーナイフの刃はこの形です。
三徳包丁は、両刃で刃先だけ数ミリほどを船底のように刃付けしてあるので、研ぐのは難しいです。
刃の背側で、10円玉何枚分持ち上げるというあれですね。
右手でしっかり柄の角度を固定してゆっくりと少しづつ研ぎます。
刃面の研磨方向を変えると、研ぎ目の方向でどこまで研いだか分かります。
また、中砥石と仕上げ砥石を交互に使っても、研ぎ目の違いで同じように分かります。
「三徳」と言っても、大きな魚の背骨は無理ではないかと思いますが、キャベツなどは鋭く、大根、ニンジンは大きめの角度で、よく切る野菜に合わせて刃先角を調整するのが良いと思います。
わからなくなったら「刃物に教われ」です、初心に帰ってみてください。
つづく