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なっちゃん農園たより

ネコじいじが、都会に住む農園主のなっちゃんに、農園たよりと館山の花だよりを送ります。
お花好きな方もコメントどうぞ。

お台所の必需品6

2022年03月10日 18時33分24秒 | 日記

 刃物の研ぎ方は「刃物に教われ」と言われます。

 出刃包丁などは、鎬線から刃先に向かった平らな部分を砥石に密着させれば、刃先角はあまり狂わずに研げます。

 刃の背側から見ると柄側から先端に向かって薄くなっています。鎬が同じ幅でも、刃の厚さが変わるので、先端に向かって刃先角が鋭くなります。

  また、刃は舟の底のように湾曲していますので、刃先の鎬は曲面になります。

 刃の柄側の一部に小刃付けをして、骨を切っても良いように小刃付けしてあるものもあります。

 刃の裏面は返りを取る程度にします。

 三徳包丁は、文化庖丁とも呼びます。

 野菜を切るのは菜切り庖丁の役目でしたが、今は三徳包丁に変わっています。

 材質も鋼やステンレスで鋼の刃を挟んだものがありましたが、錆びるので嫌われています。

 「三徳」とは、肉、魚、野菜の三種類を調理できるので三徳と名前がついたそうです。

 何でも切るためには、全体を薄く作り切れ込みやすくしておいて、刃先角を大きくとるようにして硬いものを切っても刃持ちするようにしています。

 果物ナイフやアーミーナイフの刃はこの形です。

 三徳包丁は、両刃で刃先だけ数ミリほどを船底のように刃付けしてあるので、研ぐのは難しいです。

 刃の背側で、10円玉何枚分持ち上げるというあれですね。

 右手でしっかり柄の角度を固定してゆっくりと少しづつ研ぎます。

 刃面の研磨方向を変えると、研ぎ目の方向でどこまで研いだか分かります。

 また、中砥石と仕上げ砥石を交互に使っても、研ぎ目の違いで同じように分かります。

 「三徳」と言っても、大きな魚の背骨は無理ではないかと思いますが、キャベツなどは鋭く、大根、ニンジンは大きめの角度で、よく切る野菜に合わせて刃先角を調整するのが良いと思います。

 わからなくなったら「刃物に教われ」です、初心に帰ってみてください。

つづく 


お台所の必需品5

2022年03月06日 18時14分00秒 | 日記

 「お台所」とは少し外れますが、記事を書くことになった発端がハサミなのでご了承ください。

 下は我が家で使用中の植木用の鋏です。

 左から「大久保鋏」、普通の「剪定鋏」、右2本は「芽切鋏」です。

 大久保鋏は、お花を生けるのにも使われる一般的な鋏です。力を入れて切ると指を挟むので嫌いです。

 下は一般的な剪定鋏、円形の切り刃と反対側の受け刃が向かい合います。

 受け刃で枝をおさえて、切り刃が切り込んでゆく構造です。

 枝を切った時、受け刃側は切れずに枝がつぶれるので、切り捨てる枝側にします。(切る向きがあります)

 太いものも切るので刃先同士がかみ合わないように、切り刃の内側が外に向かって削られています。(反射で光っている部分です)

 この刃先構造なので、剪定バサミは紙やヒモはうまく切れません。

 こちらは芽切鋏、柄の黄ばんで汚れた方が、20年ほど使用したもの。新旧で柄の止めゴムが替わっています

 柄の白い方は20年使ったからと、新しいのを買ったのですが、古い方が使いやすいのでまだ使っています。

 刃の長さは5ミリほど短くなって、幅も3ミリほど狭くなっています。

 芽切鋏は、マツの新芽やサツキ、ツツジなどの新枝を整える鋏で、刃の先端1センチほどをよく使います。

 使用後はヤニを取り、仕上げ砥石で軽く研いでからCRC556を吹き付けます。

 次に使うときにCRCは刃の部分では揮発していますが、軸部分ではまだ油分が効いています。

 どんなハサミも軸の油分は切らさないようにしてください。特にリベット使用の場合は重要です。

 

 下の写真では、新品の方が長く使わないので油の黄ばんだ変色があります。

 CRCは、ホームセンターで¥398くらいです、他にも使えて1年間持てば安いものです。20年使用でも錆びていないでしょう。

 くれぐれも玄関のカギやドアー、自転車等に使って、食べ物を切る包丁には使わないでください。

 ハサミを研ぐときは、まず裏面のヤニや錆をきれいにします。

 この時、裏面はあまり削らないようにします。削ってかみ合わせが悪くなってしまうと切れません。

 次に、表側を長手方向に研ぎます。その後、剪定鋏と同じように裏刃の刃先を髪の毛くらい削ります。

 軽く仕上げ砥石を当てて、少し斜めにして数回擦る程度です。メーカーの説明では、角度15度で幅0.2mmだそうです。

 砥石は化学砥石より天然砥石の割れたものが良いです。天然砥石には、硬い砥石と粉が出て削れてしまう砥石があります。

 硬い砥石は変形しませんが砥石にヤニがこびりつきます、柔らかい砥石は錆びやヤニを取り込んで表面が削れ落ちるので早くきれいになります。

 「刈り込み鋏」もそうですが、「木の枝を切る鋏」は、2枚のハサミの刃先が合わないようになっています。刃先がぶつかると鋼なのでもろくて簡単に欠けてしまいます。

 これと違うのが「事務用」や「生地用」などのハサミです。ハサミを閉じるときに、刃の裏側で刃先の内面が手前から先端に向かって順に接触してゆく構造になっています。

 これはあくまで接触です。近所のご婦人にちぎり絵用の「豆鋏」の研ぎを頼まれて預かったのですが、上の刃と下の刃が交差するように曲がっていました。

 これでは5~6回も紙を切ったら刃先同士が削れてしまいます。常識はずれです。

 一度刃を真っ直ぐに延ばしてから密着させましたが、いつ折れるかと冷や冷やしました、こんな依頼はもう受けません。

つづく

 


お台所の必需品4

2022年03月02日 10時46分52秒 | 日記

 ネットのユーチューブで、植木の刈り込みハサミの研ぎ方を見ました。

 館山市と周辺では西風が強く、防風林が各家を囲んでいるので、刈り込みハサミは当地の必需品です。

 さて、ユーチューブでは刃の表側を研ぎ終わったら、ガリガリと閉じたり開いたりして刃の裏側に出たまくれをとっていました。

 まくれた刃の先が反対側の刃を傷にしないか?ハサミでは刃先の裏側は一番大事なところですよ。

 また別の話で、数年前ホームセンターで、柳刃用の砥石として30センチ位の長い仕上げ砥石を売っていました。

 こんなに長く、真っ直ぐに作るのも難しいのだろう。高かった、普通買わない。

 だが、長い刃には長い砥石が必要なら、刀は1メートル以上の砥石が必要?なわけは無いでしょう。

 世間は、そんな馬鹿な話ばかりなので「台所の必需品」を書いてみました。

 刀に使うのは大きな砥石だけれど、石の先のほうだけ使ってほんの1寸づつ研いでいます。

 包丁を45度に構えて、砥石の手前から先端まで動かしたら、刃先角が維持できません。 

 包丁は時々研ぐ方向を変えて研削傷を見ます、方向の違う擦り傷を見て、思い通りの場所が研がれているか注意してください。

 金属加工では長手方向にヤスリ掛けするので、仕上げは長手方向に研いでいます。

 砥石の先側半分を使って研いで、時々砥石の向きを逆に回せば真ん中だけ減ることは避けられます。

 柔らかい荒砥石は、刃が通った場所は石が削れて凹むと思ってください。

 同じ場所で動かしていると凹んで、刃先が丸くなってしまいます。 

 研ぎ終わって砥石を修正すると、研ぎ方が良かったか悪かったか結果が出ると思います。

 砥石は近い番数の石を摺りあわせます、時々反対側にしたり、Ⅹ方向にも動かしてください。

 包丁を研いだ後は必ず修正してから方つけましょう、平らに修正しておかないと刃物はきれいに研げません。

つづく


台所の必需品3

2022年02月26日 11時39分53秒 | 日記

 砥石は使った包丁の切れ味を回復させるものです。

 刃先に太陽光線を反射させて光が見えるくらいだと「中砥石」で修正できます。

 刃を横にして、太陽に向けると刃欠けが見えます。

 刃欠けは、欠けた部分が無くなるまで削り落とさなければならないので「荒砥石」が必要になります。

 また、切れ味が欲しい方や板前さんは高価な「仕上げ砥石」を使います。

 普通の家庭で、三徳包丁を使っていて無理な切り方をしなければ「中砥石」だけで十分です。

 中砥石とは、普通に売っている化学砥石で1000番程度の粒度です、レンガ色のものが一般的です。

 1000番を中心にして200番や400番が「荒砥石」となり、3000番以上が仕上げ砥石になります。

 とりあえず1本欲しいときには、1000番程度で小型のものが良いです。

 たとえば、キングK-45は、¥1019で買えますし、鎌砥石K-35は少し小ぶりですが、¥498です。

 仕上げ砥石は、仕上げキングS-1 6000番が、¥3077ですが、少し小さなS-3 6000番だと ¥1859で買えます。

 砥石は、小さいもので全面を移動するように使うことで編摩耗を少なくできます。

 小さな砥石で慣れたら、自分の使い道に合わせた大きな砥石を買ってみてください。

 荒砥石は使い方が難しく、200番くらいだと良く削れますが、傷が残り中仕上げの間の番数の砥石が欲しくなります。

 また、砥石の粒が落ちやすく、凹んだまま使用すると刃先が丸いハマグリ刃になってしまいます。

 天然砥石については、荒砥石は研磨力が弱く、仕上げ砥石は番数が不安定で高価なため一般的ではありません。

 割れた砥石などは取っておくと、園芸用の剪定ばさみなどの脂取や研磨に使えます。

 

 下に我が家の砥石の一部を紹介します。

 左から6000、3000、1200、1000、220、細目です。

 左から2つ目の3000と右から2つ目の220がナニワ製で、他はキング製品です。6000と1000の中間がキングにはなかったのでナニワを購入しました。

 右の朝日虎印は、石の研磨用ですが、刃欠用に使っています。

 1200と1000番は、一番よく使いますので、使用後の砥石修正用にで近い番数を擦り合わせて使います。200番の差は全くわかりません。

 下は包丁用ではありませんが、事務用ハサミや剪定鋏、小型ナイフ用の砥石です。

 ハサミの開いた刃の間には大きな砥石は入りません。

 右上4本は鎌用砥石、左上の2個は道ばたの石っころです、硬さが無く石の方がよく削れます、剪定ばさみの刃に松などのヤニがついたときに、刃が傷まずヤニがよく落ちます。

 左下は天然砥石の木っ端です、ハサミの裏刃とぎなど細かい部分に使います。

 まんなかの正方形は3000番の仕上げ砥石を切ったもので、ハサミではよく使います。

 3000番の右面やほかの砥石の上面は、面が丸くなっています。これは剪定ばさみや鎌、小型ナイフなど曲面のある刃物用に作ってあります。

つづく

 

 


お台所の必需品2

2022年02月23日 11時38分25秒 | 日記

 お料理で包丁の切れ味が料理に影響するのは、お刺身やキャベツの千切りでしょうか。

 庖丁の刃先角度は決まっていますが、好みで多少の角度は替えられます。

 大工さんが使う「鉋」の刃先角度は約30度だそうですが、削る材木によって、数度の範囲で角度を変えるそうです。

 台所では、魚をおろす出刃包丁がこれくらいの角度です。

 骨を切断する柄側で約30度、先端に行くほど鋭角になって皮や身を切りやすいようになっています。

 おなじみの三角定規で、一番とがった角が30度です。

 野菜を切る三徳包丁(文化包丁)ではその半分くらいが使い良いようです。

 板前さんは12度くらいまで研いで、桂むきをするそうです。

 あまり鋭角に研ぐと刃がつぶれるのが早くなります、これに注意してご自分の一番切る食材にあった角度で研いでください。

※ 次回は砥石のお話をします。