いきなりヴエコの回想回になったわけだけど・・・
これは辛い。
てか、こんな鬱、ないでしょ?
植民に向かった人びとが現地の風土病に犯される、というのは、それこそ、西欧人がアメリカ大陸やアフリカ大陸に上陸したときに実際にあったことだとはよく言われるけれど、
ヴエコたちの場合は、病気というよりも生命体そのものによる侵食、という感じだよね。
水の中にいる、人間の目には見えない細菌の類が、風土病発症の原因だということを、そもそも、その水と思っていたものが、いわば巨大な細菌だった、ということになるわけで。
要するに、大腸菌が水になったようなもので、その分、視覚的にはわかりやすく描かれてはいるけれど、
でも、そんな巨大なアナロジーを考えつく作者って、それだけでもうイッちゃってるよね?
カワイイ顔でグロテスクなことをやるという、アビスの初期にあった醜さがここに来て全面展開した、って感じで。
その上で、「欲望の揺籃」なる願望器を使うことで、イルミューイに、彼女の母になりたかったという後悔から、とにかくなんか食用に足る生命体、すなわちタンパク質の塊を生み出させる、という役をさせるわけだから。
ホント、この世界のネジのぶっ飛びぶりには心底、反吐が出る。
でも、その方向を選択したのがワズキャンだったっていうのだから、ワズキャンの頭って、黎明卿と大差ないよね。
ということで、今回だけでなく次回も、このヴエコたちの地獄絵図が引き続き描かれる、ということだよね。
いや、原作は、以前に読んだはずなのだけど、見事にディテールを忘れている。
多分、まともに記憶するには、あまりにもしんどかったからなのだろうな、と今更ながら思う。
そうそう、レグの原初形態ともいえる干渉機の存在も気になるところ。
なんていうか、レグって、ロボットからアンドロイドへと、機械体から有機体へと、人工生命体のスペックが変更になる途上にあった試作体、って感じがする。
問題は、そんな干渉機たちを誰が作ったのか、ということになるけれど。
それもまたアビスの意志であるとか言われると、もう何がなんだか、だよなぁ。。。
いや、しかし、ホント、ぶっ飛んだ話だ。
生命とは何か、これほど考えさせられる物語って、今まであっただろうか???