やっぱりアビスって場所がすでに魂と身体の混じり合った混沌空間なんだろうな。
2期最終話は2話分の長さだったけど、でもこれ、途中で分断することは話の流れ的に無理だから、大正解だった。
とにかく凄い。
もうなんていうか、ファプタが完全に、一種の幻想破りで、ワズキャンがイルミューイを使って生み出した「成れ果て村」というコロニーを、完全にぶち壊して終わり。
これ、イルミューイの子どもであるファプタからすると、完全に復讐なんだけど、でも、このアビスの深界6層までやってきたワズキャンからしたら、冒険を続けるためのベースキャンプだったんだよな、って改めて思った。
本来なら、成れ果てになって、人間性を喪失して終わり!のところを、とにかく知恵を使いまくって、ここまで生き延びたのだから、このワズキャンの執念は執念でちゃんと正当に評価しないといけないのだと思う。
キャラ的には完全にマッドサイエンティストだけで、でもマッドだろうがどうかに関わらず、謎の世界の扉を開けようとしてあがいたのだから。
冒険ってそういうものでしょ?という過酷さを表現した点で、結局、この第2期の話はワズキャンこそが裏主人公だった、ってことだよね。
というか、ワズキャンがゲーマスか。
状況次第では、ワズキャンは、黎明卿ボンボルドのように、白笛になっていたのかもしれない。
あー、そうか、だから、ナナチは、ワズキャンの策謀に気づけたのか。
ボンボルドの思考様式に通じていたナナチだからこそ、ボンボルドと同類のワズキャンの企んでいた、今度はリコを贄にして自分たちをアビスでも自由に活動できる身体に作り変えようとする計画に気づくことができた。
人の道を踏み外したやつがどんなことをするのか。
未知の謎を解こうとする人の欲望には限りなんてないことに。
そう思うと、これまでの冒険があったからこそ、リコたちはこの危機を切り抜けることができた、ということだった。
ボンボルドが他人の命と身体を踏み台にして、自分の魂だけを転移させ続けることで、一応、人間の装いを保ったのに対して、
ワズキャンは、人間の身体そのものをアビスに適合したものに変貌させようとした。
要するに、ボンボルドは魂だけを取り出して別のボディにその魂を転移死綴ることでアビスでの生存を可能にしたのに対して、ワズキャンは、身体そのものの改造を考えた。
ともに冒険してきた者たち全員で、アビスの攻略を完遂しようと考えた点で、ワズキャンのほうが、ボンボルドよりもパーティリーダーだったのかもしれない。
ボンボルドが徹底した個人主義者であったとすれば、ワズキャンは集団があってこそのリーダーだった。
だからワズキャンには「成れ果て村」が必要だった。
実際、あの村には、あそこまでやってきた人たちがみな、成れ果てのまま、一応は意識を残しながら生活していたのだから。
あれはあれでものすごい快挙だよね。
もちろん、成れ果てであるから、もう半分は死の世界に足を踏み入れていたわけで。
それは、今更ながら成れ果てになってしまったヴエコの様子を見ればよくわった。
あのヴエコは、ナナチからしたらミーティの成れ果て化の再演のように見えて、だから、ちゃんとフォローできたのだろうな。
その意味では成れ果て村って、煉獄のような場所だったわけで。
その中二階のような場所が、その場所を生み出したイルミューイの最後の子どもである異形の子ファプタによって破壊されるという因果。
でもまぁ、ワズキャンも仕方ないな、それは、って思ってたんだろうな。
それでも、レグを使えばファプタを抑え込むことができると思っていたところが、さすがのワズキャンだったわけだけどw
いや、ほんとすごいや、ワズキャンのアビスの底を目指す執念は。
それにしても、イルミューイの体内であるがゆえの、アビスの呪いの解除が可能だった、というのはやっぱりすごい。
ただ、だんだん、このアビスというのが、一種リアルな物質でできたゲーム空間のように見えてきたのも確かで。
なぜなら、もう魂が魂だけで存在することは当たり前になっているし、魂は身体を移り変わることも当たり前になっている。
輪廻転生のサイクルが思い切り早くなっているように思えるし。
ナナチやレグ、あるいはファプタのように、人間とは異なる生命体も誕生している。
前から言っているように、アビスの底で死産の子だったリコが生き返っているのも、もはや異なる生命原理が働いているようだし。
なんていうかねー、もう、このお話は見てるだけで、ホント、いろんなことを考えさせられる。
だから面白いんだけどね。
今期で言えば、リコリコやエンキスのようにオリアニは、物語放棄のアトラクションものになってしまったし、
原作ありのもののほとんどは、なろうの焼き直しか、その反動で人気を博した漫画のになってしまったけど、
この『メイドインアビス』だけはもう、完全にカテゴリーエラーが起こってもおかしくない、唯一性の高い作品で驚愕する。
問題は、これでほぼ原作ストックを使い果たしてしまったので、下手をすると、このまま未完で終わる可能性もゼロではないこと。
この作品のテーマは、どんどん現実世界でもリアルになってきている気がするので(技術的にも、政治的にも)、不幸な賞味期限が来ないでほしいことも含めて、続きを早く転回してほしい、と思う。
デジタルなゲーム世界がリアルの物質で可能になったらどうなるのか。
アビスは、それを可能にする閉鎖生態系のように思うんだよね。
ダンまちのダンジョンと似たようなものとして。
生命のみならず生態系そのものを現出させる不思議物質。
そういう気がしてきている。
とまれ、2期すばらしかった!
どんな形であれ、続きが楽しみだ。
2期最終話は2話分の長さだったけど、でもこれ、途中で分断することは話の流れ的に無理だから、大正解だった。
とにかく凄い。
もうなんていうか、ファプタが完全に、一種の幻想破りで、ワズキャンがイルミューイを使って生み出した「成れ果て村」というコロニーを、完全にぶち壊して終わり。
これ、イルミューイの子どもであるファプタからすると、完全に復讐なんだけど、でも、このアビスの深界6層までやってきたワズキャンからしたら、冒険を続けるためのベースキャンプだったんだよな、って改めて思った。
本来なら、成れ果てになって、人間性を喪失して終わり!のところを、とにかく知恵を使いまくって、ここまで生き延びたのだから、このワズキャンの執念は執念でちゃんと正当に評価しないといけないのだと思う。
キャラ的には完全にマッドサイエンティストだけで、でもマッドだろうがどうかに関わらず、謎の世界の扉を開けようとしてあがいたのだから。
冒険ってそういうものでしょ?という過酷さを表現した点で、結局、この第2期の話はワズキャンこそが裏主人公だった、ってことだよね。
というか、ワズキャンがゲーマスか。
状況次第では、ワズキャンは、黎明卿ボンボルドのように、白笛になっていたのかもしれない。
あー、そうか、だから、ナナチは、ワズキャンの策謀に気づけたのか。
ボンボルドの思考様式に通じていたナナチだからこそ、ボンボルドと同類のワズキャンの企んでいた、今度はリコを贄にして自分たちをアビスでも自由に活動できる身体に作り変えようとする計画に気づくことができた。
人の道を踏み外したやつがどんなことをするのか。
未知の謎を解こうとする人の欲望には限りなんてないことに。
そう思うと、これまでの冒険があったからこそ、リコたちはこの危機を切り抜けることができた、ということだった。
ボンボルドが他人の命と身体を踏み台にして、自分の魂だけを転移させ続けることで、一応、人間の装いを保ったのに対して、
ワズキャンは、人間の身体そのものをアビスに適合したものに変貌させようとした。
要するに、ボンボルドは魂だけを取り出して別のボディにその魂を転移死綴ることでアビスでの生存を可能にしたのに対して、ワズキャンは、身体そのものの改造を考えた。
ともに冒険してきた者たち全員で、アビスの攻略を完遂しようと考えた点で、ワズキャンのほうが、ボンボルドよりもパーティリーダーだったのかもしれない。
ボンボルドが徹底した個人主義者であったとすれば、ワズキャンは集団があってこそのリーダーだった。
だからワズキャンには「成れ果て村」が必要だった。
実際、あの村には、あそこまでやってきた人たちがみな、成れ果てのまま、一応は意識を残しながら生活していたのだから。
あれはあれでものすごい快挙だよね。
もちろん、成れ果てであるから、もう半分は死の世界に足を踏み入れていたわけで。
それは、今更ながら成れ果てになってしまったヴエコの様子を見ればよくわった。
あのヴエコは、ナナチからしたらミーティの成れ果て化の再演のように見えて、だから、ちゃんとフォローできたのだろうな。
その意味では成れ果て村って、煉獄のような場所だったわけで。
その中二階のような場所が、その場所を生み出したイルミューイの最後の子どもである異形の子ファプタによって破壊されるという因果。
でもまぁ、ワズキャンも仕方ないな、それは、って思ってたんだろうな。
それでも、レグを使えばファプタを抑え込むことができると思っていたところが、さすがのワズキャンだったわけだけどw
いや、ほんとすごいや、ワズキャンのアビスの底を目指す執念は。
それにしても、イルミューイの体内であるがゆえの、アビスの呪いの解除が可能だった、というのはやっぱりすごい。
ただ、だんだん、このアビスというのが、一種リアルな物質でできたゲーム空間のように見えてきたのも確かで。
なぜなら、もう魂が魂だけで存在することは当たり前になっているし、魂は身体を移り変わることも当たり前になっている。
輪廻転生のサイクルが思い切り早くなっているように思えるし。
ナナチやレグ、あるいはファプタのように、人間とは異なる生命体も誕生している。
前から言っているように、アビスの底で死産の子だったリコが生き返っているのも、もはや異なる生命原理が働いているようだし。
なんていうかねー、もう、このお話は見てるだけで、ホント、いろんなことを考えさせられる。
だから面白いんだけどね。
今期で言えば、リコリコやエンキスのようにオリアニは、物語放棄のアトラクションものになってしまったし、
原作ありのもののほとんどは、なろうの焼き直しか、その反動で人気を博した漫画のになってしまったけど、
この『メイドインアビス』だけはもう、完全にカテゴリーエラーが起こってもおかしくない、唯一性の高い作品で驚愕する。
問題は、これでほぼ原作ストックを使い果たしてしまったので、下手をすると、このまま未完で終わる可能性もゼロではないこと。
この作品のテーマは、どんどん現実世界でもリアルになってきている気がするので(技術的にも、政治的にも)、不幸な賞味期限が来ないでほしいことも含めて、続きを早く転回してほしい、と思う。
デジタルなゲーム世界がリアルの物質で可能になったらどうなるのか。
アビスは、それを可能にする閉鎖生態系のように思うんだよね。
ダンまちのダンジョンと似たようなものとして。
生命のみならず生態系そのものを現出させる不思議物質。
そういう気がしてきている。
とまれ、2期すばらしかった!
どんな形であれ、続きが楽しみだ。