パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

「デモはテロ?」知らないうちの法律運用の怖さ

2013年12月02日 19時11分26秒 | あれこれ考えること
石破さんが「大音量のデモはテロと本質的に変わらない」
とブログに書いたものだから、
その文章を撤回せよとか訂正せよとかニュースで騒いでいる

当の石破さん、そのデモの内容が
「早く特定秘密保護法案を決定せよ!」
と言った自分にとって有利な内容だったら
果たしてこんな表現をしたのかは大いに疑問

確かに大音量でがなるだけのデモは一般生活にはうるさいし
あまり説得力を持たないケースもある

昨日のブログで取り上げた「原発ホワイトアウト」に
たまたまこの大音量のデモのことがでていたので
偶然とはいえ、なにか意味あるものに感じられるので
少し取り上げることにする

以下、抜粋の要約-------------------------------------------------------

原発反対のデモをする許可申請を警察署に行ったところ
外国の要人が来るので申請書は受理されないとの返事

「公共の安寧を保持する上の直接危険を及ぼすと明らかに
認められる場合の外は、これを許可しなければならない」
この公安条例を基に再度申請に行くが、許可には条件がついた
1.官公庁の事務妨害に関する事項
 外交上の理由から70デシベル以上の音を出してはならない。
 順守しない場合は、この許可は取り消されるものとする

ところが現実の問題としてデモ参加者全員にこの内容を伝達し
守らせることは難しい
そしてこの守れないことが狙い
結局、「デモの音声が70デシベルを超えている場合は、公安委員会の
許可は取り消される。その場合、東京都の集会、集団行進および集団示威運動に
関する条例第5条に基づき、主催者、指導者、または先導者は現行犯逮捕」
という筋道で、肝心な人々がどんどん逮捕されていく

-------------------------------------------------------------------------

こうなると小市民は怖くて仕方なくなる

もう少し別の角度からの記述もあるけれど
余りにも石破さんの発言がこの部分を思い出させたので
びっくりしてしまった

支配階級は、誰も口答えできない(国民も間接的に了承した)法律を盾に
自分たちのやりたい放題にできてしまう可能性があるのだ

一般的に法律は市民には分かりにくい
どのような解釈が行われ実践されるのかは
ほとんどの場合、生活に直接関係しないものは理解できない
ところがその法律はある時一気に危険な力を発揮する
市民にも知らせてあるはずだから、知らないほうが悪い!
この論法で上の連中は押し切ってくる(可能性が高い)

こんなことが想像されるからだけではないが
今、自分は漠然とした不安を感じている
それはまずは感情的なものから由来するために
他の人に筋道だって説明できるわけではない
しかし、心がなにかおかしいとか変だと訴えている

この国は一体何処に進もうとしているのか
大量消費の基づく経済の発展がまるで人間性の進歩であるような
そんな一方的な見方が余りにも大きな顔をしている

この国だけではないかもしれない
世界がこの方向に進もうとしているのだとしたら
人類は再びバベルの塔を建設しようとしているに
過ぎないとではないか

これが単なる杞憂に終わればいいのだが

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原発ホワイトアウト

2013年12月01日 19時06分23秒 | 
現役キャリア官僚のリアル告発ノベル
と帯のタイトルにある (若杉洌著 講談社)


思ったより読むのに時間がかかった
熟読したからではなく、何となく読む気になれなかったから

書かれている内容は、ノベル(フィクション)というものの
告発ノベルとあるように、いかにもありそうなこと
反原発デモへの対処法、再稼働に非協力的な知事へのありとあらゆる身辺調査、
将来見込みの有りそうな落選議員への就職斡旋による種まき
政治家への刷り込み、メディアへの働きかけ
原発の施設に関わる工事の管理のいい加減さ

それぞれが比較的短い章になって読みやすく、
怒りを感じてしまうはずなのに
どういうわけか、かろうじて怒りを感じることはできても
どうも読後の印象が悪い

何かに似ていると思いだしたのが
同じく官僚の方が書いた作品「プラハの春」
この作品は途中で嫌になってやめてしまった
面白くなかったというのとは違う別の理由

語る人、その作品を書いている人の人間性が
自分とは合わなかったというしかない
そしてそれは今度も感じられた
注目すべきなんだが、どこか全面的に賛成しかねる何かがある

それは結局暗部を告発して問題提起をしているにもかかわらず
どこかそこに告発される人々と同じ臭いが感じられるから
つまり自分たちは特別な存在、大衆は何も考えない衆愚に過ぎないと
決めつけているような、、、
もっとも、これは僻みからくる個人的な印象にすぎないのかもしれないが、、、

文体はどうであれ、ここで書かれている架空の(?)実態は
もう少し大きく問題視しなきゃならないかもしれない

実質的に実権を握っている官僚の考えそうなこと
その人達の能力とは文章力
エクセルでも他の難しいアプリでもない
ワードを使った文章こそが彼らの力の基となっている
その文章に込めた意図は官僚経験者しか読み解くことのできない
特殊な作文技術によっているようだ

誰にでも分かるように、ではなく
分かる人にしかわからないように書かれた文章
それを作り出す専門職が官僚

せっかくの良い頭をこんな風に使ってもらいたくないが
現実はどうにもならないところまで来てしまっているのか

それにしても、こんなふうに告発してくれても
読む側がこんなんじゃ告発した意味も無くなってしまうかもしれない
エンタメどころの作品じゃないだろうに
ちょっと自分も反省

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