パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

聖地巡り(源氏物語)

2019年04月04日 08時39分13秒 | 旅・旅行

昨日、宇治に行った
数日前からその気になって価格の安いJR東海ツアーズのワンデイ京都チケットを利用した
これは豊橋から京都往復が9900円で通常よりだいぶ安く、おまけにキオスクで使える500円分のクーポン券と
飲み物サービズががつく
JR東海ツアーズのオフィスは近くは樋橋駅にしかないが、地元新城から交通費をかけて求めてもお釣りが来る

宇治に行ったのはこれを見るため

写真は宇治川で見るためと言うより何かを感じるためだ
宇治川は思いのほか水量も多く流れも強そうなイメージで
源氏物語の宇治十帖のヒロイン浮舟が自殺を図ったところ

物語の上とは言え、それが現実的なものか意地悪く確認したわけだが
なるほどこの水量ならば入水すれば命を落とすことはあるかもしれない、、
と勝手に想像した

宇治橋には紫式部の銅像が

宇治に来てる人の大半の目的は平等院でチラッと眺めて直ぐに立ち去る人が多い
自分もついでに平等院に寄ったがあくまでもメインは源氏物語絡みの場所

宇治駅の案内看板はぶらぶら歩きのおすすめコースが掲載されている

何かを感じるといえばもう一つ実感したかったことは、京都と宇治の距離の感覚
匂宮や薫が京都から宇治まで度々足を運ぶが、それはどのくらい時間がかかり
困難だったかを想像してみることはなかなか興味深い
電車に乗れば30分くらいの距離なので、それほど遠いという感じはしないが
平安時代の交通機関は牛に引かれての車だろうから結構大変なことだったかもしれない
道も今ほど良くないだろうし、浮舟はわざわざ苦労して自分を訪ねてくる匂宮を
情熱的と思うのも無理はないかもしれない
おまけに船に(お姫様抱っこ?で)載せたりするとなれば勘違いするかもしれない

平等院はササッと眺めて、源氏物語絡みのコースを歩いた
するとこんな植物の紹介のコーナーがあった

ヒカルゲンジと名付けられたツバキだ
ムラサキシブの花はたまたま我が家の庭にもあるが、まさかヒカルゲンジと言う名の花があるとは
(このような時いつも思うのはセイショウナゴンという花はないのかなということ)

周遊コースにはいくつかの宇治十帖絡みの碑がある

早蕨


総角

注意していないと見落としてしまいそうな地味なもので、特にそこで書かれたということではなさそうだが
紫式部も1000年前にこの地にいて、何かを感じ、その上で想像の世界を創造したというのは感慨深いものがある

正午ごろ源氏物語ミュージアムについた


水曜日で来館者はさほど多くない
展示されている当時の様子は色彩が豊富で雅(みやび)
その展示物の中に光源氏のハーレムの六条院の模型があった
春夏秋冬と分けられた区画に光源氏が関わった女性を住まわせているが
紫の上、三の宮と自分は春の地区に、花散里と玉鬘は夏の区画に
秋には秋好中宮、そして明石の君は冬の地区に植栽も工夫を凝らして
それぞれ大きな建物から成り立っている

このミュージアムは20分ほどの映画があった
ドキュメンタリー風かと思いきやなんとアニメ仕立て
確かにわかりやすい面はあったが、ちょいと入門編すぎて少し不満
せっかく宇治にあるのだから宇治十帖絡みのストーリーを扱えば良いのに
と思ったが、これを短時間で説明するのは難しいから、、仕方ないかもしれない

平安時代にタイムトリップし、しかも猫に変身した女の子がお公家さんが蹴鞠をして
遊んでいるなか、女性がいる部屋に猫として入ろうとして御簾をちょいと上げてしまうシーンは
源氏物語の重要なシーンを連想させる
(これは映画でも読んで欲しいとの説明もあった)

映画が終わるとちょうど昼時だったので昼食にした
昼食は宇治市のどこでもいいと思ったが館内のカフェの「花散里」に名に惹かれてここにした

スタッフの方に、何故カフェの名前に源氏物語でも地味な存在の「花散里」につけたのか、、と聞いてみた
夕顔とか明石とか紫の上とか(流石に生霊となる六条御息所はないだろうが)その当たりの名前のほうが
派手っぽくて素人目には良さそうだが、よく考えるとしっかりものの家庭的な花散里のほうが
こういう施設にはふさわしいかもしれない、、と思い直したら、スタッフの方の答えもそのような感じだった

このあと場所を京都市内に移して源氏物語の聖地巡りの後半
最初に訪れたのは源融河原院跡

五条大橋から少し西に行ったところで
ここは源氏物語ミュージアムで見かけた光源氏のハーレム六条院のモデルとなったところ
残念ながら何かインスパイアされるような雰囲気は全くなし
ただこのあと向かった夕顔がらみの史跡に向かう途中の町までこの河原院の中にあった
とされるのは、とんでもない広さであったことがわかる

その夕顔の史跡は

実在の人物ではないが、こうして好き者には何らかの楽しみを与え続けている京都はすごい
でも、あまりにもひっそりしすぎ(その方が夕顔にはふさわしいかも)

ここまで結構歩いたが締めは紫式部のお寺さんの蘆山寺

蘆山寺は現在の御所のすぐ近く(東へ)
ここもひっそりしていて訪れた時刻は自分だけだった
あっという間に見学はできてしまう
でも源氏物語絡みの陳列された資料をじっくり見ていくと
好きな人なら時間は忘れてしまうだろう(自分はこの頃は疲れていた)

というわけで、京都の王道のような場所巡りではなく、テーマを絞った
地味に終止した聖地巡りの一日は終了

昨日歩いた距離はスマホによると13.5キロだった



 


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