パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

今年最初に聴いた音楽と読み終えた本

2023年01月01日 21時26分08秒 | 

年始めは音楽を聴くのも本を読み終えるのも慎重になる
「一年の計は元旦にあり」の脅しが効いて
どうしても外す訳にはいかないからだ
だから昨日のうちから考えていた
結局聴き始めの音楽は

久しぶりに聴くと今まで気にならななかったところが耳に入ってくる
ポールのベースではなくて地味なサイドギターの音とか
リンゴの旋律的なドラムがいつになく気に入った
それは曲よりも久しぶりにバンド演奏として聴いたという事かもしれない

それにしても「Let It Be」は美しい音楽だと今更ながら実感した
ライブの時も聴衆がスマホのライトを照らし、まるで夜空の星の様だったのが
思い出された
美しい音楽はコーラスグループとしてのビートルズを実感させる

実はこのアルバムで気に入らないのは
「ロング・アンド・ワインディング・ロード」の編曲
オーケストラとコーラスが個人的には大げさすぎると思えて仕方ない
もっとシンプルな伴奏のほうが好きで、別のテイク(ネイキッド)では
オケ無しでそのほうが美しさは際立った

「アイ・ガッタ・フィーリング」は最近のポールのライブでは
ジョンの映像をかぶせて共演している様に見せてるようだが
このアルバムも二人の掛け合いは魅力的だ

年はじめのアルバム選択は大当たりだったと思うが
今年最初に読み終えた本も大正解だった
「植物は(知性)をもっている」ステファノ・マンクーゾ、アレッサンドロ・ヴィオラ


植物の能力について、人間(動物)中心の視点ではなくて
もっと柔軟な考え方による捉え方を紹介している
動物は脳とか心臓とか肺とか、こうした特化した器官を
持つことで進化を実現している
だがそれはその一つがだめになると死に至る
それと比べると植物はもっと生き延びる方法を持っている
彼らは身体の一部をなくしても生き続けられる
モジュール構造で、身体はほとんど同じ作りになっている
進化というのが生き延びる方法の確保ならば、
植物はイメージ以上に進んでいると考える方が自然だ

この本は昨年NHKスペシャル「超進化論」で
植物のコミュニケーションを扱った内容と似ていて
あの番組の元になったのはこれだ!と勝手に思ったりした

読んでいて面白い部分が多かったので、先へ先へと急いでしまったが
もう少しゆっくり読んで記憶に定着させたほうが良さそうだ
この中で面白い実験が紹介されていた

ある容器を2つ用意して、片方には一つの個体の種子を30個
他方には異なる個体の種子を30個いれて
どのように成長するかを観測するというものだ
その結果は母親が違う30個の種子はどれぞれがテリトリーを拡大しようと
無数の根を伸ばし、他の植物に害を与え、養分・水分を確実に
自分だけのものにしようとする
一方、同じ母親の30人の子どもたちは狭い場所に共生しているのに
母親の違う30人の子どもたちよりはるかに根の成長を抑え
地上部分の成長に力を注いでいたというのだ
つまり植物は遺伝子の近さに気づき、競争を避ける行動をとった
争うより手を結ぶほうが賢い選択とわかっているかのようだ

植物は動かない
動かずに生き続けるために動物とは違った手段を身につけている
動物だけが持っているとされる、視覚・聴覚・触覚などの感覚も
繊細な観察を行うと、それらはまるで植物も持っているかのようらしい

つまりは、人間とか動物が地上の最上位にいるとする考えは
植物は動物より太古から生き続けている事実とか
地上の生き物の総重量を測れば圧倒的に植物のほうが多いなどから
必ずしも正解ではなくて、むしろ地球の支配者は植物
とまで言えるともしている
この本は他にも示唆に富む部分が多いので再読したほうが良さそうだ

年はじめのスタートは、音楽も読書もまずまず上手くいったと言える


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