パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

ディック・マードック

2009年06月03日 21時07分58秒 | Weblog
20数年前、金曜の8時と楽しみと言えば
新日本プロレスの中継だった

初代タイガーマスクがダイナマイト・キッドとえげつない戦いをしたり
スタン・ハンセンの衝撃的な破壊力のウエスタン・ラリアットが爆発したり
古館伊知郎の機関銃のように後から後から出てくる言葉に
感心しながら、しかも大笑いしながら呆れたり
アントニオ猪木は究極のロマンティストなのかな
と考えたりしていたが
そんな中自分の好きだったレスラーはディック・マードックだった

ディック・マードックは前歯がかけて、
直ぐにタイツを下ろされてお尻が見えそうなシーンを
水戸黄門の印籠のシーンのごとく繰り返した
お茶目なレスラーみたいなところもあるが
自分はこの人のプロっぽいところが好きだった

彼は普段はたいしたことはしない
時間に収まるように、たいがいたいがいの仕事だけ

だが許された環境下では、それこそ別人で
その技の掛け方が相手の受け身の技量を計って
それに応じたキツい技を発揮していた
(担いでコーナーポストに頭ごとぶつけてみたりなど)
しかし、これは自分には戦う男同士の暗黙の了解で
ここまではお互いにプロとしてやっていいとしていたように
思えてならない

彼は猪木には本当にその真の実力を見せることに終始できたようだ
そして猪木もディック・マードックのよさを充分に引き出して
エンターテインメントとしてのプロレスを盛り上げた
この戦いはお互いが信用しきっているためにキツい内容でも
後の強さだけを競う殺伐とした戦い(前田のUWFなど)よりは
戦いの後の印象はずっと暖かいものだった

こいつ本当にいい奴!
プロフェッショナルで、間違いなく喧嘩が強くて
もしかして気遣いもしっかりできていて
そんなところがそれとなく感じられて
今でもその印象が残っている

こんな風にディック・マードックを急に思い出したのは
あるラジオ番組を聞いていたとき番組にファックスした人の
ペンネームがディック・マードックなんとか、だったから

もしかしてこの人もディック・マードックにたいして
同じように感じたのだろうか

なんだかまた直ぐにお尻の見えそうになる
強くてあったかいディック・マードックのビデオがまた見たくなってしまった




コメント
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