パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

音は変わったか?

2009年06月09日 22時23分10秒 | Weblog
とうとう誘惑に負けてレコードプレーヤーを
トーレンス(TD126 MK3)からノッティンガムに替えてしまった
先日オーディオショップから来たDMで案内されていた下取り品だ

で、音の違いは実際にあったのか?

一番最初に感じたのはレコードを聴く時に
音量を上げるとボーッとした音が出るのが
このプレーヤーではあまり聞こえなかったこと
(アースが2本ついているから?)
そのおかげで?CDを聴いている時のような
静寂、無音の良さを感じ取ることができたみたい

次に感じたのは、音が痩せたみたい
ということ
音自体はひとつひとつスッキリしたようなのだが
トーレンスの時のようなふくよかな感じはない

レコードプレーヤーを替えただけで
こんなに印象が変わるものなのだろうか?
カートリッジはいったいどちらの音の方が
本当の音なのだろうか

いや本当の音などは存在しなくて
それぞれの好みの音だけが存在しているのかもしれない

最初に聴いて確かめたのは
ドビッシーの小組曲のオーケストラ版
これが上記の印象

次にカインド オブ ブルーのB面
これはこのプレーヤーの方が良かった
サックスの息を吹き込む様子、微妙なニュアンスが
より感じられた

ジャズの方がいいかも!と次に引っ張りだしたのが
キースジャレットのスタンダーズ1から
ゴッド ブレス ザ チャイルド
あのアヴァンギャルドのある喫茶店で聴いた曲
これもベースの音がくっきりイキイキとして
曲間に聞こえるキースのうなり声も以前のものより
しっかり聞こえる
(あまり上手くないと言うか、変な音程?)

どうやらこのプレーヤーはジャズの方が
相性がいいのかもしれない

クラシックの分野は
夜に音量を上げてオーケストラ曲を聴くわけにはいかないので
正確には評価できないが(ちょっとだけモルダウを聴いたが)
オーディオショップの方の言うように
聞こえなかった音が聞こえる!
といった瞬間が確かに存在する

トーレンスはフローティングであるのに対し
ノッティンガムはカチッと固めている
この違いが音の違いに大きく影響しているのだろうか?

だが静かに回るだけに徹しているこのプレーヤーは
確かにプレーヤーとはそうあるべきと思わせる何かがある
これで自分の耳がもう少し慣れてくると
もっと違った印象を与えてくれるかもしれない

だがあのあったかい感じ、ボワッとグラマラスな音の
トーレンスもよかったな(下取りに出してしまった)
と後悔の念があるのもまた事実

好みというものは理屈やスペックで
納得できるものではないようで
もう少し自分の好みを自覚しておけばよかった

それにしてもCDのお化粧した様な音と比べて
レコードのなんと生々しい音であることか

便利さだけでCDや配信に音楽ソフトがシフトしているが、
なんだかインスタントラーメンを食べているみたいで
本物の音楽でないみたいに思えて少し心配

もっともレコードにしても生演奏に比べれば
作り物、複製品に過ぎないが
それでもどこか技術者、音楽家の執念みたいなところが
感じられるのは何故なんだろう

しばらくは古いレコードを引っ張りだす日々が続きそうだ

コメント
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