そらいろの日々

育児とミステリ

矢上教授の午後

2010-11-28 | 読書記録
『矢上教授の午後』森谷明子

夏休みの老朽校舎に出現した死体の謎…英国伝統ミステリのコクとユーモアがたっぷり詰まった1冊。


殺人事件が起こるミステリーなんだけど、それ以外にもいろんな人たちのいろんな物語が錯綜しているのがおもしろい。
少し、読みづらかったけどね
事件の謎そのものよりもむしろ、三谷教授と清水助手の鮮やかな立場逆転の話がおもしろかったです。
かんじんの矢上教授は、なんだかキャラがよくつかめないまま終わってしまったような


私は大学は国文学専攻だったので、作中の学科とは全然分野が違うんだけど、
研究バカな人たちの醸し出すあの空気は、なんだか読んでいて懐かしい気分になりました。


森谷 明子
祥伝社
発売日:2009-07-10