ガラパゴス通信リターンズ

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母は強し 女も強し

2008-12-01 07:23:59 | Weblog
「婚活」ということばが流行っています。「就活」をもじったことば。学生が会社を色々値踏みして、自分が就職する会社を決めるように、いまの男女も様々な望みを掲げて配偶者を選んでいる状況をあらわしたことばです。世も末だと思いました。

「就活」がうまくいかず、非正規雇用に就く学生が大勢います。それと同じ理屈だとすると、「婚活」から落ちこぼれて結婚できない若者が出てくることになります。男も女も、結婚相手に高いものを求めていることも非婚晩婚化の大きな要因ではないのでしょうか。「割れ鍋に閉じ蓋」。「一人口では食えぬが二人口なら食える」。そんなことばは、いつから死語になってしまったのか。

「婚活」をしているのは、「就活」をしてきた都市の高学歴層でしょう。それとはまったく異質な世界があります。「社会調査実習」という授業では、中学時代の同級生でヤンママになった子にインタビューをするという学生が、しばしば出てきます。何人もケースは出てきましたが、ヤンママになった子は、ほとんど例外なく次のような歩みをたどっています。

1.中学時代はかなりの問題児。「こわい系」。
2.高校には行くものの中退する。
3.高校在学中か退学後に知り合ったカレシと「でき婚」。
4.結婚後は自分またはだんなの両親と同居。親に子どもの面倒をみてもらいバイトに出る。
5.お母さんになると女の子はものすごくまじめになって、しっかりしてくる。「母は強し」。
6.しかし、男の方はまだ遊びたい盛り。子どもができても、ふらふらしている。夫婦仲は当然悪くなる。別れたカップルも珍しくない。

 こうしたライフスタイルを、三浦展氏ならば「下流」とそしることでしょう。しかしヤンママたちは健気に生きている。ヤンママとその子どもたちが、幸せに生きていける社会になってほしいものです。「少子化」が問題だというなら、彼女たちの生き方は賞賛されてよいはずですが。