ぼくの住む相模原市は、何の個性もない東京圏の郊外都市。わずか50年で、人口は50倍にふくらんでいます。しかしその個性のなさが住みやすさになっているのでしょうか。外国人を多くみかける地域でもあります。 黒い人、白い人。身分の高そうな人(外務省の研修施設が団地のそばにある)、みるからに怪しげな人。基地が近いので、もちろん米軍兵風の人もよくみかけます。
黒人の幽霊が出るという噂のたえないわが団地は、分譲の部分と賃貸の部分でいささかその趣を異にしています。分譲部分はバブル華やかなりし頃は、億ションだったとか。いまは3分の1ほどに価格が下落していますが、住人の大半が由緒正しき大企業のエリートサラリーマン。他方、賃貸部分には種々雑多な人たちが住んでいます。
ファミリータイプとワンルームが混在していること。家賃は、決して安くはないのですが、公団住宅故に、障害者や高齢者の方々には家賃の補助制度もあることが、住人の多様性をもたらしているのでしょう。 ゲイのカップルあり。「プレーリードックさん」というあだ名の、一日通りを眺めている中年男性あり。謎のSOHOをやっている夫婦あり。猫を自室で飼って(契約上の厳禁事項!)溺愛している、不思議な社長夫婦あり…。
そうした情報を教えてくれるのが、田中さんというおば(あ?)さんです。いつも団地の自治会の世話で走り回っています。うわさ好きがたまに傷ですが、人の噂話をした後に「いい人なんだけどね」と付け加えることを忘れません。異質な人間に寛容な相模原の町。火星人がうちの団地に住み着くことがあるかも知れません。すると田中さんはそのことをぼくたちに教えれてくれるでしょう。「今度うちの棟に来たあの若い人、火星人らしいよ。いい人なんだけどね」。
黒人の幽霊が出るという噂のたえないわが団地は、分譲の部分と賃貸の部分でいささかその趣を異にしています。分譲部分はバブル華やかなりし頃は、億ションだったとか。いまは3分の1ほどに価格が下落していますが、住人の大半が由緒正しき大企業のエリートサラリーマン。他方、賃貸部分には種々雑多な人たちが住んでいます。
ファミリータイプとワンルームが混在していること。家賃は、決して安くはないのですが、公団住宅故に、障害者や高齢者の方々には家賃の補助制度もあることが、住人の多様性をもたらしているのでしょう。 ゲイのカップルあり。「プレーリードックさん」というあだ名の、一日通りを眺めている中年男性あり。謎のSOHOをやっている夫婦あり。猫を自室で飼って(契約上の厳禁事項!)溺愛している、不思議な社長夫婦あり…。
そうした情報を教えてくれるのが、田中さんというおば(あ?)さんです。いつも団地の自治会の世話で走り回っています。うわさ好きがたまに傷ですが、人の噂話をした後に「いい人なんだけどね」と付け加えることを忘れません。異質な人間に寛容な相模原の町。火星人がうちの団地に住み着くことがあるかも知れません。すると田中さんはそのことをぼくたちに教えれてくれるでしょう。「今度うちの棟に来たあの若い人、火星人らしいよ。いい人なんだけどね」。