鳥取に帰って感じることは、とにかく景気が悪いということだ。唯一の大企業鳥取三洋電機は大不振。製造業はグローバル化のなかで壊滅状態。頼みの綱の第一次産業は、後継者不足から衰退の一途。観光もふるわない。いい材料は何一つない。経済を血の流れにたとえると、「再生不良性貧血」という連想が浮かんでくる。
鳥取県の片山知事は、改革派知事の代表選手として名高い。彼は公共事業を徹底的に削減して、県の財政立て直しに大なる貢献を果した。就任以来、県の公共事業費は半減しているはずである。何故これほどの財政削減が可能になったのか。それは片山氏が岡山の人で、よそ者であることが大きかったのだと思う。地元に何のしがらみもないから、義理人情にとらわれることなく、財政削減の大なたをふるうことができたのだ。
財政出動を国や地方の政府が積極的に行い、政府は赤字を出しながもら景気を浮揚させていく。これがケインズ政策である。片山県政はこれの逆をやった。市場から県の金を引き上げて、財政の健全化を図った。その結果として残ったのが慢性的な不景気である。
片山知事は、経済政策ではまったく無策だ。バラマキに頼るのではなく、経済を浮揚させるには、地域(鳥取弁でジゲ)の力を引き出さなければならない。しかし、よそ者である片山氏には鳥取というジゲの力が何であるのか、皆目分からないのではないか。財政削減ではプラスに作用した彼のよそ者性が、経済政策の面ではマイナスに働いている。
数多の改革派知事がいま馬脚をあらわしてきている。そのなかでの片山知事の清廉さには、目を見張るものがある。県民の信望は絶大だ。かつて鳥取を支配していた土建ボス、農協ボスの類はすべて没落した。来年の知事選で片山氏は、間違いなく3選されるだろう。しかし県経済の「再生不良性貧血」に治療の目処はたたないままだ。片山氏の後には、「中央との深いパイプを」を売り物にする人物が知事の椅子に座っている。そんな予感のする今日この頃である。
鳥取県の片山知事は、改革派知事の代表選手として名高い。彼は公共事業を徹底的に削減して、県の財政立て直しに大なる貢献を果した。就任以来、県の公共事業費は半減しているはずである。何故これほどの財政削減が可能になったのか。それは片山氏が岡山の人で、よそ者であることが大きかったのだと思う。地元に何のしがらみもないから、義理人情にとらわれることなく、財政削減の大なたをふるうことができたのだ。
財政出動を国や地方の政府が積極的に行い、政府は赤字を出しながもら景気を浮揚させていく。これがケインズ政策である。片山県政はこれの逆をやった。市場から県の金を引き上げて、財政の健全化を図った。その結果として残ったのが慢性的な不景気である。
片山知事は、経済政策ではまったく無策だ。バラマキに頼るのではなく、経済を浮揚させるには、地域(鳥取弁でジゲ)の力を引き出さなければならない。しかし、よそ者である片山氏には鳥取というジゲの力が何であるのか、皆目分からないのではないか。財政削減ではプラスに作用した彼のよそ者性が、経済政策の面ではマイナスに働いている。
数多の改革派知事がいま馬脚をあらわしてきている。そのなかでの片山知事の清廉さには、目を見張るものがある。県民の信望は絶大だ。かつて鳥取を支配していた土建ボス、農協ボスの類はすべて没落した。来年の知事選で片山氏は、間違いなく3選されるだろう。しかし県経済の「再生不良性貧血」に治療の目処はたたないままだ。片山氏の後には、「中央との深いパイプを」を売り物にする人物が知事の椅子に座っている。そんな予感のする今日この頃である。