怪道をゆく(仮)

酸いも甘いも夢ン中。

10月になりましたね

2006年10月01日 21時15分33秒 | ヘンろみち
室戸岬には気象観測所があります。この鉄塔は銭湯の煙突じゃありません、観測所の測風塔。

こんなごつい測風塔を設置せにゃならんのは、室戸岬が周囲に遮るものの一切ない、完全無欠の強風地帯だから。なんでも平地における風速の最大記録が観測されたのもこの室戸岬(69.8m/s、1965年9月10日の台風23号)。風速ってのは最大瞬間風速とは違って10分間の平均速度ですから、そのすさまじさがわかるでしょ。…ってこの一言を書くために出発前からメモ帳にネタを仕込んできたんです(笑)。

えぇ、実は遍路に出る5日程前に気象予報士の南利幸さんの講演を聞きに行ったんです。南さんと言えば関西圏におすまいの方にはおなじみのお天気おじさんで、ラジオや数年前の6時台のNHKの天気予報を担当され、なんとも言えん脱力系の小ネタでお茶の間の人気者だったんですが。早い話、ファンなんです(笑)。NHK関連ではその他、スタジオとの会話が常に成立しないワシントン支局長の手島さんとか、見るたびに髪型が整っていく国際部の出川さん(中東情勢担当。最近出世されて解説委員になられました)が大好き…てのは余談ですが。

強風域であるだけでなく、室戸岬は様々な意味で気象観測上の重要地点なんだそうです。特に畿内にとって、紀伊水道から室戸岬にかけての空間は山地がなく唯一さえぎるもののない方角で、南西からの風はしばしば大雨をもたらすんだそうですよ。あ、南西ってそういえば裏鬼門ですね(笑)。

気象レーダーの画像を見ていると、室戸岬沖南東方向の雲が不自然に途切れていることがあるの、ご存じでした?ワタシあれがいつも不思議でならなかったんですが、南さんによるとその正体が実は!この測風塔なんです。観測所の南東にちょうどこいつが立ってるせいで、レーダーに影になる部分ができてしまうから途切れちゃうのですって。長年の謎がとけたということで、室戸岬に着いたら絶対この塔を見ようと決めていたのが果たせてうれしい限りです。皆様もぜひ、今後は天気予報の気象レーダ画像、室戸岬沖にご注目ください。なお、南さんの『ことわざから読み解く天気予報』(NHK生活大新書)オススメしときます。ゲタで天気予報ができるか、などが解説されてますのでこちらもぜひどうぞ。

測風塔を見にわざわざ山を登ったら寺田寅彦の五代前の先祖の墓なんかを見つけたりしました。ご先祖さん(正確には五代前の先祖の弟らしい)、24番札所の最御崎寺(ほつみさきじ)の住職をしてらしたようで(一海和尚)、寅彦が中学生の頃、父の言い付けで高知市内から徒歩でこちらまでお参りにいらっしゃったことがあるそうな。…あぁそうですか、てな感じではありますが(笑)。

さて、今日は24番最御崎寺から26番金剛頂寺まで打ってきたわけですが、いつの頃からそうなのかはちょっとわからなかったんですけども24番はまたの名を東寺、26番は西寺と呼ぶのだそうで。東と西の間には室戸の市街地があるわけですが、さて、2つの寺を東と西と呼ぶような、何がこの真ん中にあったんでしょうかねぇ。紀貫之が到着したという津呂港がありましたが…(土佐の国分寺は29番札所だから国ガとかはまだ西)。何分今日はひどい雨風で探索どころではございませんでしたもので、中途半端ですみません。

というわけで、今日は初の寺の宿坊泊まりなので明日の朝はオツトメがあるのです。ちと早いですが、オヤスミナサイ…