すっかり葉桜の季節になりましたね。
アタシは満開の桜よか葉桜の方がよほど好きなんですが、それというのも葉っぱもなしに咲き誇る花花花の群れを見ていると、一体根からいかほどの精気を吸い取っているものかとゾッとするんですなァ。桜の下には人のむくろが埋まっているとの言い伝えはその辺りから生まれたものではないでしょうかネ。そして淡い発色の桜ですらそうなのだから、色鮮やかな花をたわわにつける桃が生命力の最たる木とされるのもきッと同じ発想なんではないかと、自儘に得心する日々です。いや、ホントのところなんて知りませんよ。
そんな季節のうつろいを散歩がてらに味わえるほどヒマな日々を送っておりますから、時間はうなるほどあるわけです、人生は二度ない~三~度ある♪その時間を時代劇に費やして、これまた素敵に過ごしております。アタシが見る時代劇といったらそれァ必殺シリーズに決まってますワね。
前にも話したような気がしないでもないですが、三味線屋の勇次は好きなキャラの一人です。この中条きよし演ずる必殺シリーズ屈指の人気キャラ・勇次が初登場するのはシリーズ第17作目にあたる「新必殺仕事人」から。本日のタイトルは、シリーズ第1話「主水腹が出る」にて、母おりくより非情の過去を打ち明けられた勇次が、昔を背中でふり払い、ふたたびりくを母と呼ぶ、もはや伝説とされる名シーンでのセリフでございます。この時の「何を話されたのかもう忘れちまったよ」に象徴される「忘れちまった」は、勇次という人の美学の一端を象徴するセリフのように思いますネ。
必殺はイイです。出撃テーマがかかってからは特に、どの画面を切り取っても一幅の絵になっておりますからね。あそこまでコダワリの画を見せてくれる時代劇、そうそうないと思います。最近特に新・必殺ばかりみているんですが、「主水留守番する」ですかね、あの回の富士講の知識サマvs勇次、の戦いはいつもと違ってちっともスマートじゃないんですが、それがまたイイのです。ロウソクの火の上を走る三味線の糸、瞬時に崩れる白い煙!もうー、シビレちゃいますネッ。火の上を走ったかと思うと次は水の上ですからネ!
それが、おりくさんがいなくなると小唄のおっしょさんとかして芸者さんとか連れまわしちゃったりニヤケたヤロゥになりやがったりしてもうぅぅ、憎らしいったらありゃしないッ。お背ナのすみっこ、ひねってやりたいくらいですッ、勇サンのバカッ(←きぃ、と手ぬぐいを噛んでみる)。おっかさん、ってゆってる勇サンが好き・・・アタシも三味線習おうかしら。三味線といえば、少年舞妓千代菊ちゃん(コバルト文庫)の最新刊は三味線のお話です、愛らしい千代菊チャンに小一時間デレデレできますことウケアイですのでよろしかったらどうぞ。
とマァ楽しんでおりますと居ても立ってもいられなくなり、木津川の流れ橋に行くことにしたわけです。木津川流れ橋とは、この橋を使ったシーンを見たことがない者は時代劇好きにはいないというほど、名の知られた時代劇ロケ地であります。交通費をシブって原チャでたどりつくまで片道1時間半という、なかなかハードな時間を過ごして参りましたが、いやぁ、行く価値ありの場所ですョ。
流れ橋、正式名称を上津屋橋(コウヅヤバシ)といいます。京都の久御山町と八幡市を結ぶこの橋は全長約360メートルの日本最大の木造橋。橋が渡される昭和28年までは、この辺りは渡し舟で渡していたそうな。橋桁と橋脚が固定されておらず、川が橋桁の高さまで増水すると橋脚から浮いて流れてしまうように作ってあることから「流れ橋」といいます。川の水の圧力をまともにうけることになるのが橋桁、それを浮かせて流してしまうわけです。生活に欠かせない橋を、壊れないように頑丈に作るよりは多少壊れても速やかに修復できることを選んだ構造なわけですね。橋桁も流されるままにはせず、8つのブロックにわけてワイヤーでつないであるそうです。ちなみに前述のおりく×勇次のシーンで、画面奥の橋脚に「9」って書いてありますでしょ、あれは橋桁が流された時にもとの橋脚に戻しやすいようつけられた目印の数字ではないかと思われます。橋の下をうろうろしていると、たくさんの数字が所々に書かれておりましたのでネ。
四国を歩いている時も吉野川で潜水橋を渡りましたがアレは鉄筋でしたからね。木製の橋というのはなかなかオツなものです。歩くごとにキシキシと軋む足元がなんともいえない味わいで、残しておきたい江戸情緒。下座のお囃子、寄席のぼり――トトントントントン・・・てこれはNHKラジオ名人寄席の口上ですが、そんな言葉がフと頭をよぎります。遠く春霞む山並みは、・・・場所柄ずっと大山崎の辺りが見えているのかと思っていたんですが宇治のほうなんですね。
渡ってるとなんだか歌いたくなってきて、いっとう口にのぼってきたのは「女は海」。続いて「夢ン中」に「さよならさざんか」「桜の花のように」と唄ってようやく「想い出の糸車」。最後についてゆきたい~ついてゆけない~♪というてたら、結局3往復ぐらいしてしまった・・・。目には青葉 山ホトトギスとはよく言ったもので。天気もイイし、とかくサイコーでした。
木津川流れ橋、京阪八幡市駅や近鉄大久保駅からバスが出ているようですが、八幡市駅近くから木津川に沿って上流に向かって1時間半ほど歩いたらトウチャクです。河畔は自転車+歩行者専用道路になっているので散策にも良です。菜の花畑が一面に広がっていたりもします、季節もよいことですしハイキングなどにどうぞ。
周辺の雰囲気からして、くだんの勇次×おりくのシーンは中州の辺りで撮影された模様。
アタシは満開の桜よか葉桜の方がよほど好きなんですが、それというのも葉っぱもなしに咲き誇る花花花の群れを見ていると、一体根からいかほどの精気を吸い取っているものかとゾッとするんですなァ。桜の下には人のむくろが埋まっているとの言い伝えはその辺りから生まれたものではないでしょうかネ。そして淡い発色の桜ですらそうなのだから、色鮮やかな花をたわわにつける桃が生命力の最たる木とされるのもきッと同じ発想なんではないかと、自儘に得心する日々です。いや、ホントのところなんて知りませんよ。
そんな季節のうつろいを散歩がてらに味わえるほどヒマな日々を送っておりますから、時間はうなるほどあるわけです、人生は二度ない~三~度ある♪その時間を時代劇に費やして、これまた素敵に過ごしております。アタシが見る時代劇といったらそれァ必殺シリーズに決まってますワね。
前にも話したような気がしないでもないですが、三味線屋の勇次は好きなキャラの一人です。この中条きよし演ずる必殺シリーズ屈指の人気キャラ・勇次が初登場するのはシリーズ第17作目にあたる「新必殺仕事人」から。本日のタイトルは、シリーズ第1話「主水腹が出る」にて、母おりくより非情の過去を打ち明けられた勇次が、昔を背中でふり払い、ふたたびりくを母と呼ぶ、もはや伝説とされる名シーンでのセリフでございます。この時の「何を話されたのかもう忘れちまったよ」に象徴される「忘れちまった」は、勇次という人の美学の一端を象徴するセリフのように思いますネ。
必殺はイイです。出撃テーマがかかってからは特に、どの画面を切り取っても一幅の絵になっておりますからね。あそこまでコダワリの画を見せてくれる時代劇、そうそうないと思います。最近特に新・必殺ばかりみているんですが、「主水留守番する」ですかね、あの回の富士講の知識サマvs勇次、の戦いはいつもと違ってちっともスマートじゃないんですが、それがまたイイのです。ロウソクの火の上を走る三味線の糸、瞬時に崩れる白い煙!もうー、シビレちゃいますネッ。火の上を走ったかと思うと次は水の上ですからネ!
それが、おりくさんがいなくなると小唄のおっしょさんとかして芸者さんとか連れまわしちゃったりニヤケたヤロゥになりやがったりしてもうぅぅ、憎らしいったらありゃしないッ。お背ナのすみっこ、ひねってやりたいくらいですッ、勇サンのバカッ(←きぃ、と手ぬぐいを噛んでみる)。おっかさん、ってゆってる勇サンが好き・・・アタシも三味線習おうかしら。三味線といえば、少年舞妓千代菊ちゃん(コバルト文庫)の最新刊は三味線のお話です、愛らしい千代菊チャンに小一時間デレデレできますことウケアイですのでよろしかったらどうぞ。
とマァ楽しんでおりますと居ても立ってもいられなくなり、木津川の流れ橋に行くことにしたわけです。木津川流れ橋とは、この橋を使ったシーンを見たことがない者は時代劇好きにはいないというほど、名の知られた時代劇ロケ地であります。交通費をシブって原チャでたどりつくまで片道1時間半という、なかなかハードな時間を過ごして参りましたが、いやぁ、行く価値ありの場所ですョ。
流れ橋、正式名称を上津屋橋(コウヅヤバシ)といいます。京都の久御山町と八幡市を結ぶこの橋は全長約360メートルの日本最大の木造橋。橋が渡される昭和28年までは、この辺りは渡し舟で渡していたそうな。橋桁と橋脚が固定されておらず、川が橋桁の高さまで増水すると橋脚から浮いて流れてしまうように作ってあることから「流れ橋」といいます。川の水の圧力をまともにうけることになるのが橋桁、それを浮かせて流してしまうわけです。生活に欠かせない橋を、壊れないように頑丈に作るよりは多少壊れても速やかに修復できることを選んだ構造なわけですね。橋桁も流されるままにはせず、8つのブロックにわけてワイヤーでつないであるそうです。ちなみに前述のおりく×勇次のシーンで、画面奥の橋脚に「9」って書いてありますでしょ、あれは橋桁が流された時にもとの橋脚に戻しやすいようつけられた目印の数字ではないかと思われます。橋の下をうろうろしていると、たくさんの数字が所々に書かれておりましたのでネ。
四国を歩いている時も吉野川で潜水橋を渡りましたがアレは鉄筋でしたからね。木製の橋というのはなかなかオツなものです。歩くごとにキシキシと軋む足元がなんともいえない味わいで、残しておきたい江戸情緒。下座のお囃子、寄席のぼり――トトントントントン・・・てこれはNHKラジオ名人寄席の口上ですが、そんな言葉がフと頭をよぎります。遠く春霞む山並みは、・・・場所柄ずっと大山崎の辺りが見えているのかと思っていたんですが宇治のほうなんですね。
渡ってるとなんだか歌いたくなってきて、いっとう口にのぼってきたのは「女は海」。続いて「夢ン中」に「さよならさざんか」「桜の花のように」と唄ってようやく「想い出の糸車」。最後についてゆきたい~ついてゆけない~♪というてたら、結局3往復ぐらいしてしまった・・・。目には青葉 山ホトトギスとはよく言ったもので。天気もイイし、とかくサイコーでした。
木津川流れ橋、京阪八幡市駅や近鉄大久保駅からバスが出ているようですが、八幡市駅近くから木津川に沿って上流に向かって1時間半ほど歩いたらトウチャクです。河畔は自転車+歩行者専用道路になっているので散策にも良です。菜の花畑が一面に広がっていたりもします、季節もよいことですしハイキングなどにどうぞ。
周辺の雰囲気からして、くだんの勇次×おりくのシーンは中州の辺りで撮影された模様。