芥録 一冊目

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製作者と権利者 その一

2008-03-24 22:57:02 | コラム(著作権関連)
違反か販促か--著作権侵害動画の本質:CNET Japan オンラインパネルディスカッション - CNET Japan



権利者は「著作権を侵害された」から怒っているのではなく、「自分たちが本来得るはずだった利益が損なわれた」から怒っている。
非常に的を射たコメントだと思います。
この記事を読んで思ったことを二つに分けて書こうと思います。
今回は、権利者のネガティブかつ短絡的な発想について書きます。

考えてみれば、権利者の怒りは当然とも言えます。
自分の儲けが損なわれて怒らない人はいないでしょう。
では何が問題かというと、何故それを素直に言わないのか、というところではないでしょうか。
「儲けが減る」という問題を前面に出さず、「著作権を侵害している」という建前で行動する。
どこか汚い印象をぬぐいきれない「金儲け」という本音を隠し、「著作権」という言葉を大義名分を仕立て上げるその体質が反感を買っている気がします。
そして同時に、実際の行動が極めてネガティブなものであるのも大きな要因でしょう。
CNETの記事で言えば、それが「動画共有に共有されなくなったときが、本当は一番の営業機会の損失になる」ということです。
少なくとも話題に上る限りは、その存在は人々に認められているわけです。
「好きの反対は無関心」というのは随所で聞く言葉ですが、つまりはそういうことでしょう。

動画共有によって儲けが損なわれること自体は、どうにかしなければならないでしょう。
しかし、そのために動画共有サイトから権利を持つ動画を削除する、といった措置「だけ」ではただ反感を買うのみです。
「動画共有サイトは自分たちの利益を損ねる存在だ」と考え、そこさえ締めれば儲けが戻ってくるという短絡的な行動。
実際に利益を損ねる存在だとしても、それならばその存在を何とか利用してやろうという発想は生まれないものでしょうか。
まさにその発想によって、YouTubeは一メディアとしての地位を確立しつつあります。
日本の権利者も、ネット上に広がる様々なニーズに早く気づくべきでしょう。






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