HD DVD買った人はどうなる 規格戦争の果て、消費者置き去り - ITmedia News
リンク先はITmediaですが、記事を書いているのは産経新聞です。
こういった内容の記事は、今回の件の最も馬鹿らしい取り上げ方と言っても過言ではありません。
規格戦争が勃発しそうな頃であれば、時事を捉えた良い記事と評価できるでしょう。
「これから始まる規格戦争は、企業のエゴに過ぎず消費者に不利益しかもたらさない」
そのことを早い段階で舌鋒鋭く書くことは、むしろ報道機関としてあるべき姿です。
ですが、決着がついた(正確にはつきそうな)今となっては苦笑してしまう内容です。
規格戦争が始まった段階で、「片方が撤退する」という決着は殆ど避けようがありませんから、その戦争が終わった後で騒ぎ立てても虚しいだけです。
いえ、もっとストレートに言ってしまえば、消費者の味方ぶった記事を書いているに過ぎません。
現時点でHD DVDプレーヤーを購入した人々はおそらく次の二種類に分かれるでしょう。
前者は、いわゆる「オタク層」ですね。私も去年iPod touchに早々と手を出しました。
そうしたら1月に有料アップデートがあり、実質1500円ほどの損をしたのですが、別にそれで文句を言うつもりもありません。
何故なら、自分が何らかの損を被ることを最初から覚悟しているからです。
場合によっては「具体的にどういう損を被るか」まで覚悟していることもあります。
そうした人間にしてみれば、「消費者置き去り」というのは全くの的外れと言ってもいい。
(こうした「オタク層」を大切にするかどうかも、企業の手腕と言えますが、またそれは別の問題です)
問題は後者のパターンです。よく分からないままに購入してしまった人々にしてみれば、文句の一つも言いたいでしょう。
「よく分からないまま買う方が悪い」というのは間違いです。
世の中にはこの「よく分からない」という人間が圧倒的に多いわけでして、むしろそれが当然なのですから。
ですので、この件でもし東芝を批判するのであれば、購入者に対して当然やるべきサポートを行わなかった時でいいでしょう。
勿論、それはこれからの話です。これから東芝がどういった対応を見せるのか、という点に懸かってきます。
なんにしても、この産経新聞の記事は時期はずれなものです。
参考にすべきではない代表的記事として、取り上げさせていただきました。