言葉の旅人

葉🌿を形どって、綾なす色彩に耽溺です。

年間予定

2018年02月07日 | Weblog
 大げさな題名をつけて、大方の人達の関心を引きつけておきながら中身がなくてがっかりさせるのも気が引けるので、このような「年間予定」と。
 
 「練習艦隊歓迎の夕べ」案内状が来た。これをタイトルとするとその系統の方の関心を引くだろうけれど、それは本意ではない。単に、季節が移ろいゆくと感じたまでである。

 この案内状が来ると“あ~、春が近づいてきた”と実感する。
 少々の個人的感覚で以て表現すると、“菜の花の香りと匂いがする”気がするのだ。

 会場である都ホテル大阪の大広間で、音楽と歓声、拍手に包まれて課程を終えたばかりの海上自衛隊幹部候補生達が入場してくる。ずらり揃った雛壇に若々しい顔が見える。
 アトラクションとして、宝塚歌劇団の女性三人が華やかな歌を脳天に響くような声を張り上げて歌う。

 歓迎祝賀会場には、陸上自衛隊と違って海上自衛隊に馴染んだ顔は殆ど無い。彼らの任務仕事の性格上、地面に腰を据えてという職種が少ないのだから、時に顔を合わせて酒杯を傾けるという機会は少ない。
 しかもその上に、海の人は比較的多くある機密のせいか仲間以外の人間には寡黙なのだ。

 知り合った時に潜水艦の擬装中として二年ほど酒を飲み、基地司令であった時に二度基地を訪問したという付き合い方をした人が居た。
 その彼が、やがて定年となるときにふと口にした言葉を忘れる事が出来ない。“家を建てて以来、初めて家内と一緒に住むんです”と。
 二度年賀状を受け取ったあと音信不通になってしまった。

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