言葉の旅人

葉🌿を形どって、綾なす色彩に耽溺です。

いくさ(13)行軍

2010年04月09日 | Weblog
 明日は朝早くから起きて吉野へと出掛ける。引き続き花見である。
 T航空隊長は去年午前六時に官舎を出たら人は疎らだったと言うのを聞いたものだから、今年も出掛けるというのだ。お陰で、出不精な私も行かなくてはならなくなった。計算上、こちらは午前五時よりも以前に出発しなければならないではないか!とすると起床時間は?強行軍である。しかも昼前に帰ってきたら、直ぐさま飲み会に変ずる事は間違いなし。 

 で、ふとこの「行軍」は一体いつから使われるようになったのか?と疑問が湧いてきた。 「日本国語大辞典」をみてみると、令義解の用例が掲載されてある。
 もっと以前にはどうなのかと思ったが、念の為に「律令」を開いて調べてみたら、「軍防令第十七の六」に“行軍之日、計火出給。(行軍の日には、火を計えて出し給えへ。)”とあった。しかしこれは、「ぎょうぐん」と読み、軍団兵の動員のことである。「火(くゎ)」は前回に説明した十名の単位である。
 義解の用例も“行軍之所録事以上也>叙勲、定簿”。軍隊を進めること。軍隊を一定地域へ行進、出征させること。
 確実な現在の用法使用は明治かららしい。江戸時代末、洋式フランス式軍隊教練を導入した時にとは思うのだが、如何せん資料を集めて等という時間は無い。