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ウガンダ内戦  政府軍支援のため100名からなる米軍部隊を派遣

2011-10-15 | アフリカ

U.S. Troops Sent To Uganda To Help Fight Rebels

ウガンダの反乱軍との戦いを支援すため米軍を派遣

by The Associated Press

もう、何十年も前から部族間や独裁者により虐殺が繰り返されてきている国です。米国世論は、正直言ってもうウンザリという反応です。確かに米軍が命を懸けてまで守る正義がここにあるのかというと、私は個人的にはそこまでやらなくてもという思いがあります。しかし、こういう正義感もアメリカの強さの源泉でもあるとも言えます。ロシアや中国は多分何もしないでしょう。

October 14, 2011

President Obama is dispatching roughly 100 U.S. troops to central Africa to help battle the notorious Lord's Resistance Army. 

オバマ大統領は、悪名高い「神の抵抗軍」との戦闘を助けるために、約100名の部隊を中央アフリカに派遣する。

The rebel group is accused of a campaign of murder, rape and kidnapping that began 20 years ago.

この反乱軍は20年も前から、殺人、レイプ、そして誘拐などにより、国際的に訴えられている。

The White House says the first troops arrived in Uganda on Wednesday. Ultimately, they will also deploy in South Sudan, the Central African Republic and Congo.

ホワイトハウスの発表では、第一陣はウガンダに水曜日に到着しており、最終的には部隊は南スーダン、中央アフリカ共和国そして今後に展開する。

A White House announcement said the troops will be combat-equipped but are not to engage in combat except in self-defense. It said they will aid in removing LRA leader Joseph Kony "from the battlefield."

同発表によると、部隊は戦闘のための装備をしているが、自己防衛目的以外では戦闘行動はとらないとしている。 また、神の抵抗軍(LRA)の指導者であるジョセフ・コニーを戦場から排除するのを助けるのが目的だとしている。

The administration and human rights groups have charged the LRA with seizing children to bolster its ranks of soldiers, and sometimes forcing them to become sex slaves.

政府及び人権団体は、LRAが子供達を兵士達の予備軍として捕えたり、或いは性的な奴隷になることを強要したりしているとして訴えている。

 

 

 ウガンダは1962年に独立するまでイギリスの植民地でした
その頃、ウガンダには30を超える民族が暮らし、また4つの王国(ブガンダ、ブニョロ、トロ、アンコーレ)が存在しました。
ウガンダが独立する時、王国ごとの独立という話もでましたが、紆余曲折の末に、4つの王国を内包する連邦国家として独立する事に決まりました。
この結果、政府は各部族からなる連立政権になり、政策をめぐって色々と対立する事になります。
そして、自己の、自分の部族に都合の良い国造りをしようと、政変やクーデターが頻発する事になりました。
こうした政変が頻発した理由の一つには、政府の腐敗があまりにも酷いという理由もあげられます。政権を握った指導者は、汚職や出身部族への利益誘導、有力ポストへの同族の配置。政敵、対立部族への弾圧等を、当然のように行ったのです。
民族の割合も問題でした。圧倒的多数を占めるような部族がいなかったのです。一番人口の多いブガンダ族でも20%で、バニヤコレ族17%、アズホリ族16%、ルグバラ族15%などと結構、人口に占める割合が伯仲しています。(部族の%の数値には文献によって諸説あり)国家の中心となるような多数派の民族がいないのです。その為、紛争が起きても速やかに完全に鎮圧する事が難しく長引く事になったのです。

少し歴史を紐解くと・・・
ウガンダ独立時の最初の首相オボテ氏は、社会主義を導入しようとして、政府内の対立を生みます。また閣僚3人とともに密輸にも関わっていると告発されました。するとオボテ氏は強権を発動し、自分に対立する5人の閣僚を逮捕、終身大統領の地位につきます。
これに反発したのが、ブガンダ王国のムテサ2世で、ブガンダ王国のウガンダからの独立を宣言します。
しかし、オボテ大統領は軍によりブガンダ王国を攻め滅ぼします。また他の王国も廃止しました。
その後は自分に敵対する勢力、政治家等を弾圧、粛清し恐怖政治を行います。
この後、軍人のアミンがクーデターを起こし政権を奪取します。アミンはカクワ族という少数民族出身でしたが、ブガンダ族を味方につけ、また国外から傭兵を雇って治安を維持し、オボテと同じように弾圧と粛清の恐怖政治を行いました。
この後、アミン政権が倒れ、またもやオボテが政権を握るなどしますが、またクーデーターにあい政権を失います。
こうした政変がその後も何度も起き、その都度、勝者による敗者への弾圧と、それに対抗する抵抗運動が繰り返し行われ、今に続いています。

なお、アミンの民衆への虐殺は有名ですが、オボテもかなりの事をしており、BBCではオボテの行った人権侵害はアミン以上だという報道もしています。

ウガンダの各民族は支配したり、支配されたりする中で、加害者にも被害者にもなり、お互いに憎悪を募らせてきた苦い過去があるのです。独立の時から今まで、ウガンダでは反政府勢力の武力闘争が無かった事はありません。
また、あまり歴史的に有名ではありませんが、少数民族の中にはウガンダ独立時から20年以上も、独自の独立国家の達成をめざし、武力闘争を繰り広げた民族もいます。

現在、政府に抵抗しているので有名なのは「神の抵抗軍(LRA)」です。
これはキリスト教徒のアチョリ族を主体にしたもので、腐敗した政権を倒す為に決起したと主張している反政府組織です。まあ、かなり人道的に酷い事をしているようです。

また、政府軍の攻撃により、かなり痛めつけられ壊滅状態のようですが、「同盟民主軍(ADF)」という抵抗組織もあります。これは旧アミン政権時代の残党とイスラム教徒の青年が参加している組織です。ちなみにアミンはイスラム教徒でした。この組織も一応、政権奪取を目指しています。ここも山賊まがいの事をしているようです。

一昔前は、もっと抵抗組織がありましたが、政府軍により打撃を受け、抵抗を諦めた模様です。

なお、ウガンダにおいては、昔からそれほど先進国の介入はありません。あまり地下資源が豊富でない事と、地政学的に重要な位置にないからです。



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