芥(あくた)ブログ

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3DSのポケダンについて

2013-10-17 00:14:19 | game
前の記事で述べた通り、下の記事がネタバレゆえに下げる&
ポケダン3DSの出来についてどうしても疑問を感じるのでやや書きます。
ややと言いつつ、めっちゃ長い。



今作、ポケダン3DSはクソゲーというよりもガッカリゲーの扱いを受けている印象です。
元々、ポケダンはシリーズ1作目の救助隊からそれまでの登場していた
第3世代までの400弱にも及ぶポケモンがすべて登場していたという満足度、
そして続作の時・闇の探検隊及び、決定版の空の探検隊で極まった
おまけも含めた膨大なボリュームと長大なシナリオの完成度などもあり、
ファンの中での次世代機でのハードルは非常に高い状態でした。

ただ、チュンソフト(現スパイク・チュンソフト)さんは
ドラクエから培われた高いプログラミング技術、
かまいたちの夜に見られるシナリオの質の高さなど、
(もちろんポケダンとは同じ方ではないですが、人選とクオリティの要求は製作元とプロデュースの明確なプランと指示があってのものだと思ってます)
ファンの期待に答え得るゲーム会社だという(勝手な)印象があります。
ファミコンやディスクシステム黎明期からの実績ある会社ですし、
ほんとうにどうしてこうなったという言葉が頭をよぎりました、ええ。


ただ、今作「ポケモン不思議のダンジョン マグナゲートと∞迷宮」は
仕上がっている部分(シナリオ、グラフィック、音楽、一部を除くUIやシステム)は
ゲーム単体としてはとても高いレベルで仕上がっており、
依頼が単一しか受けられないことやポケモン別の賢さを無くしたり敵ポケモンのAIのウザさ、
(アイテムを優先的に拾う奴ばかりなのはストレスたまります)
マップが無駄にジグザグしている・見渡しづらいなど、細かい不満点はありますが、
究極の不満点はボリュームの圧倒的な不足、その1点です。

BGMは過去作のアレンジもあり、終盤のダンジョンなど氷のようなはかなさと
最終ダンジョンである壮大さが詰まっており、かなりいい曲だと思います。
カレカレ草原のBGMがドラマティックな感じでとても好きなのですが、
大結晶の塔はその上をいってましたね。
まぁ曲に関する不満はさほど目にしなかったので、満足した人も多そうです。
またポケモンたちのグラフィックは素晴らしく、アクションや技の繰り出し、
モーションなども可愛らしく、カッコよく仕上がっていると思います。
もちろん、特定のポケモンに思い入れのある方からすれば不十分と感じる向きも
あるかもですが、私はさほど不満に感じることはありませんでした。
ポケダンおなじみの顔グラで見られる表情の豊かさなども
愛嬌やバラエティに富んでおり、意外な表情を見られたポケモンもいるのではないかと思います。


ただ作品で登場していたポケモンたちは全部で153体と少なく、
仲間にできるのは144体と初代赤緑のポケモン数にすら及んでいません。
BWの発売後なため、第5世代のポケモンが多く登場しますが、
それもすべて網羅はしていないという手落ちな印象をどうしても受けてしまいます。

それに加え、シナリオの短さ―あくまでも従来のシリーズと比較してですが―と、
おまけ要素…すなわちクリア後シナリオの貧弱さなど、
空の探検隊の膨大なボリュームを経験したファンにとっては、
どうしてもポケモンが立体化した劣化版になってしまうでしょう。
正直、プレイ開始時に中ボス枠の少なさを見た時私はとても残念な気持ちになりました。


しかし前述のとおり、登場ポケモンたちのグラフィックは素晴らしく、
顔グラに表示されるドットの表情も種類が多く可愛らしいものばかりです。
またネタバレになるので詳細は前の記事に書いているのですが、
最後、エンディングでのあの演出は3DSでしかできなかったであろうギミックで
とても感動した要素ですので、3DSという機体を活かそうとした痕跡が随所に見られます。

シナリオも含め、その点を見ていくと、制作スタッフさん方のこのゲームに対する
愛情や真摯な姿勢はとてもわかる気がするのです。
邪推してしまうと、ポケモンの新作が当時発表されましたので、
元から急な計画であったのかなとか、もっと言うとBW以降シナリオ()に力を入れ始めた
本家ポケモンに対し、シナリオ面での外伝はもう不要だと判断したのかな、とか…。

3DSでの開発はかなり前から決まっていたことだと思いますので、
予想外に作業量が膨大になったのかなぁとも思ってます。
兄弟に、3Dグラフィックはポケモン図鑑から拝借しても良かったのではと言われたのですが、
ポケダンの動きの幅を見るに、おそらく図鑑のデータを借りても
足りない動きやモーションを組む必要性もあったかもしれないし、
その場合、不具合が生じた場合は一からグラを組み直す可能性もあります。
会社さんが違うので、ここらは一概に言えないのではないかな、と思った次第ですが…
どうなんでしょうね?


この辺は本当に邪推なので、時間が経って当時の事情を
一ファンながら知りたいなと強く思っています。
残念ですが、今作で以降ポケダンを買うファンはがくりと減ったでしょうし、
よほどの事が無い限り新作も出ないだろうなという予測です。
(ホームページも長く更新が無く、DLCもほぼありません。
 更新は広報や担当の仕事ですし、予定されていたDLCも無くなったのかなと…)



また蛇足ではありますが、シナリオについてより話を引き延ばす深める場合に
こんなのがあれば良かったなと思うのを考えるだけ考えたので、列記します。


・崩壊する世界、希望の無い世の中について

話の随所で、世の中には希望が無い、自分勝手なポケモンがあふれているという
描写がなされるのですが、具体例は序盤だけで広場やパラダイス以外にいる
ポケモンの描写が非常に少ないと感じました。
例えばですが、カエン砂漠~カレカレ草原辺りのダンジョンで
異常気象ですとか、水の少ない地域にも生きるポケモンたちもいて欲しかったなぁと。
(私がマラカッチやシンボラーを見たいだけですが)
また、不信感が強いポケモンが多く、たまに鬱な気持ちになりましたので、
時勢で行動を決めるリベラルなポケモンや諦観してるポケモンもいたら良かったのかなと。
(私が無表情な無機質系・エスパーポケモンを見たいだけですが)
あと、ちょくちょく出てきたイシズマイさんやヤブクロンさんたちは
いるだけで特に話に絡んでこなかったのが残念なので、クリア後イベントで
何かあるといいなぁとこっそり思っています。


・すぐに氷河行きすぎな話

ぶっちゃけ、氷河に簡単に行きすぎです。
ラストダンジョンなのですから、もっと引き延ばしてくださいもとい、
たどり着くまでの苦労や過程も見たかったです。
少し悲しいのが、シナリオ進行で行けるようになる北風の岸辺というダンジョンが
氷河の前ダンジョンにぴったりで、教えてもらったダンジョンから
氷河の近く、行けるまで行ってみようよ!→寒くて長い…まだ厳しいね
とかいうエピソードあったり、GODヌオーにいろいろおしえてもらったりとか
あっても良かったんじゃないですか!!?
また、氷河に挑戦したけど出来なかった登山ポケモンとか…。
なかまモードで行った時に、すっごい思いました、これ。
っていうか、シナリオで行くダンジョンの数と開放されるダンジョンの数が
クリア前の段階で既にかなりの数であったので、没シナリオとか没イベントが
あったんじゃないかと勘繰ってしまいます…(´・ω・`)せつねぇ


・ムンナの話

ムンナは可愛い顔をした典型的な悪役なのですが、
やはり本性を現すのが早かったなぁと思います。
まぁ、サザンドラのキャラが少しでも話したらムンナの話に違和感を覚えてしまう
性格付けがされてますので、せめて接触する前に

とにかく逃げる→パートナーはムンナを信じ、主人公は言葉の端々に疑惑を抱きつつ一緒に行動する
 →サザンドラか何かの拍子でムンナの企みが明かされ、パートナー囚われる
などもう少し粘っても良かったんじゃないかなぁと思います。
ついでに、人が良さそうなポケモンが騙していたというのは空の探検隊での
ビッパのエピソードに同じような展開があるんですが、
とにかく前向きで人を信じるパートナーと、冷静な思考を持つ主人公の掘り下げなども
出来たんではないかなぁと思います。
パートナーはこの子も過去に何があったんだと訝りたくなるくらい前向きないい子なのですが、
パートナーはそういう子なんだと割り切った方がいい気がしました。

余談ですが、マグナゲートのサザンドラはとても可愛らしいです。
おなかや両手がかわいいと評判のサザンドラさんですが、
まさかあのようなキャラ付けをしてくるとは夢にも思っていませんでした。
ポケモンが好きな方で、不思議なダンジョンを未プレイの方は、是非プレイして頂きたいです。
今なら結構な安価でありそうですよ(´;ω;`)ブワッ


・ケルディオの可能性
名前だけ出てくるキャラの出番が少ないのはままあることですが、
ちょっとケルディオは出番が少なすぎましたね;
エンディング前にちょっと見られた性格はとても面白かったので、
エンターカード前後のおまけシナリオも見たいところでした。
ビクティニは…あのままでいいです、うん。


また、とても気になるのがGODヌオーですね。
ほんと何をしたのでしょう、あのヌオーさん。
おまけシナリオ…欲しかったなぁ…!!


こうすれば・ああすればと外から言うのは簡単と申しますが、
上記は本当に蛇足な感じでシナリオはほんとに完成されていたんだなと思うばかりです。
ポケモンはとても大好きな存在で、ポケモン不思議のダンジョンは
非常に楽しませてもらった・大好きな作品シリーズですので、
新作がまた出る事を願ってやみません。

また本家ポケモンのRSEから見られる伝説ポケモンへの偏りや長大な設定、BWのシナリオを見る限り、
ポケモンというゲームは対戦ツールであると同時に、『600匹を超えるポケモンたち』と人キャラの『キャラゲー』でもあるということを認識してほしいな、と初代からのファンとして思います。

拙文ですね、マジで。

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2 コメント

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はじめまして。突然のコメント失礼します。 (Ken)
2013-11-14 15:39:52
かのさん初めまして。私は以前マグナゲートについて考え、現在はポケモンXをプレイしつつ新作を待っているKenという者です。
今作「マグナゲートと∞迷宮」は、様々な新機能で遊びの幅が広がり、またポケダンの素晴らしい所である物語とBGMのクオリティは相変わらず高いものでありました。しかし、全ポケモン登場の断念や主パ候補、クリア後の展開を中心とした問題点が目立ってしまいました。しかし、私はこの件は仕方のない、「許すべき失敗」であると考えています。
まず、今作が発売される7か月余り前の2012年4月1日、チュンソフトとスパイクが合併し、スパイク・チュンソフトが発足されました。あいにく私は会社の経営などについて詳しくありませんが、新しいオフィスの整備やスパイクの社員との交流、その他様々な手続きで大変だったのだろうと感じています。また、株式会社ポケモンも迫り来るXYの準備(ゲームだけでなく、カードゲームやグッズなどの様々な新展開の準備、全世界同時発売もあって労力はこれまでのシリーズより大)で忙しく、今作には時間もお金も割けなかったと推測しています。
これらの件もあって製作期間が足りなくなってしまい、ボリュームを落とさざるを得なくなってしまったのでしょう。また、マッギョやレパルダスなど一部のイッシュポケモンが登場しなくなっていますが、私は最初ゲームバランスやシステムなどの問題(性別、カブルモとチョボマキの進化、季節によって姿を変えるシキジカとメブキジカなど)で除外されてしまったと推測していましたが、現在は上記の通り時間不足で3Dモデルとモーション、システム調整が間に合わなかったためと考えています。
このような事情で、これまで貫いてきた全ポケモン登場を断念するどころか大きく数を減らさなければならない。またクリア後の展開も、これまでのシリーズと比べると少なくせざるを得ない状況に陥ってしまい、これでは過去作品からのファンに間違いなく怒られると判断し、メインターゲットを現在小学生くらいの、ポケダンを初めてプレイする子どもたちに絞り込んだ結果生まれたのが、あの5種類の主パ候補だったと思うのです。
ピカチュウ、ツタージャ、ミジュマル、ポカブ、キバゴ。この5匹に共通しているのは、アニポケベストウイッシュで大きく活躍していたことです。そのため子どもたちからの人気も高く、またテレビアニメであるためポケモンをあまり知らない人々の目にも止まっているでしょうから、その人たちでも手軽に始められるよう、主パ候補として選ばれたのだろうというのが私の推測です。
やむを得ない事情でポケモンの数を大きく減らすしかないため、過去作品からのファンの希望に残念ながら応えられない。間違いなく怒りを買ってしまう。こうなることは製作者様もきっと分かっていらっしゃったと思います。インターネット上では手抜きを疑う声も見受けられましたが、私は手抜きなど断じてないと信じています。今作のパーフェクトガイドのスペシャルなポケモンのページには、ゲーム上では使われていないはずのホウオウ、ルギア、レシラム、ゼクロム、BWキュレムの顔グラが掲載されていました。顔グラが作られていたということは、何らかの台詞やストーリー上での役割がある程度考えられていて、もしかしたら仲間にできる予定だったのかもしれません。しかし残念なことに製作時間が足りず没になってしまい、技の派手なエフェクトなどを作ったのに使わないのは勿体ないということでスペシャルなポケモンという形に落ち着いたのかなと考えました。
私は、今作もストーリーを大いに楽しむことができ、サザンドラさんを中心にますます好きなポケモンが増えました。「主人公以外のポケモンになった人間」など、まだよくわからない点もありますので続編やマイチェンも欲しい所ですが…流石に難しいですよね(汗)私としては、マグナゲート及びその製作者の皆様のことを許そうと思います。失敗は成功のもとですから、きっと何とかなります。
とは思うのですが、今やポケモンの数は718種。救助隊時代の倍に迫る数にまで増えました。私としても、全ポケモンを登場させた方が楽しめるとは思いますが、救助隊の368種でもすごく大変だったみたいですから、全ポケモン登場を求めることは、最悪の場合製作者様を苦しめることになってしまうのではないかと悩んでいます。しかしながら、ポケダンにはここで終わってほしくなどありません。マグナゲートが最終作であるという発表はありませんし、今はXYを楽しみながら、いつか帰ってきてくれるのを信じて待ってはいかがでしょうか。
話したいことが多くなってしまい、かなりの長文になってしまったこと、お詫び致します。それでは、失礼しました。

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コメントありがとうございます (かの(管理人))
2014-01-01 17:35:28
返信が遅れまして失礼しました。
好き勝手書いた記事にすごく熱いコメント、ありがとうございます。
自分の考えとは違った視点からの意見を頂いて、とても興味深く読ませて頂きました。
チュンソフトとスパイクの合併については私も存じていましたので後述しますが、BWから多様化した進化やグラフィックの関係というのは考えが及んでいませんでしたね。

確かに製作期間や、ゲームの基幹部分以外のモーション、グラフィックなどに手が回らなかったというのが主な理由だと思われますが、多様化したポケモンのシステムがゲーム性の中で活かされるのが困難になっている気もしました。
進化の仕組みや本家のシステムをゲーム内でどう組み込むかを調整して詰めていくのも企画の一部ですから、そこで時間がかかってしまうと、後々の進行に問題が出てきますからね。
本家ポケモンの進化や仕組みがポケダンでどのように遊べるのかというのもダンジョンでの面白さに繋がっていた気もしますが、今は難しいのかもしれないですね…。
Kenさんの言うとおり、今作が子どもたちに向けて作られたポケダン、いわばポケダン入門編ともいえる作品というのには納得です。
子ども達は当然アニメも見るでしょうから、特に印象に残りやすいポケモン達を主人公に絞ったんでしょう。

私もネット上では失望の声をよく目にしましたが、制作者さま達が分かっていらっしゃったというのは同意です。
おそらく、実現させたかったシステム、ダンジョンなどもっとあったのではないかと思います。
確かにボリュームは足りなかったですが、シナリオやダンジョン、グラフィックを見て、あれは決して手抜きなどでは無いと私は思っています。
顔グラの件はKenさんに教えられて初めて知りましたが、従来作のように後々仲間になるイベントなどがあったのかと思ってしまいますね。
シナリオをプレイして、愛着のわいたポケモンもたくさんいましたので、なおさらそう感じます。
シナリオももっと掘り下げられそうな部分もありましたしね。

一方でチュンソフトとスパイクの合併についてですが、私はスパイク側のダンガンロンパというシリーズを遊んでおりまして。そっちのゲームはかなりのボリュームアップをしていましたので、合併ばかりが原因ではないのではないかと思ったのです。
ただ、企業合併に関しては私もあまり詳しくないのと、企業内の1チームが制作するゲームと(そっちはスケジュール的にはかなりギリギリではあったそうです)、社長自身がプロデューサーにクレジットされているゲームでは進行への影響も違いがあるでしょうから、一因にあるとは思っています。
そもそも作品のブランド力が段違いですし。
世に多く出るゲームで、企業内の理由でいわゆるクソゲーですとか、クオリティが落ちたゲームも多々例があったとはいえ、不思議のダンジョンやかまいたちの夜など先駆けとなるソフトの作り出してきたチュンソフトさんも厳しい面があるのかと思うと、寂しい気持ちになります。

マグナゲートの続編・マイチェンについては私も強く望みますが、XYも出た後なので難しそうなのが実情ですよね。
とはいえ、Kenさんの失敗は成功のもとという言葉に希望を持ちたいな、と思います。
XYもゆっくりプレイしながら楽しんでいますが、何というか人間に重きが置かれていてポケモン重視の話がやはり見たいなぁと思う気持ちが強くなります。
新年が来たことですし、ポケダンの新作が出る事を希望したいですね。

それでは、こちらもかなりの長文になってしまいましたが、ここら辺で締めさせて頂きます。
コメント、本当にありがとうございました。
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