鳥海山近郷夜話

最近、ちっとも登らなくなった鳥海山。そこでの出来事、出会った人々について書き残しておこうと思います。

これは便利

2022年01月14日 | 兎糞録

 ダイソーでこんなもの見つけました。

 段ボールカッター。今まで大きめの段ボールを再利用して物を送るときは指金で印をつけてそこに浅い切れ込みを入れて折り曲げてサイズ調整していたのですが、これだと一発で出来ます。今までなかったのが不思議なくらい。こういうものが出てくるのもオークションやフリマが多くなったせいでしょう。

 本体の半透明の部分が深さを決めるストッパーで使わないときは一番下に降ろして畳めば刃のカバーになります。これで値段は110円。さっそく使ってみましょう。


山形県議会におけるスノーモービルに関する質疑

2022年01月13日 | 鳥海山

 昨年の12月、山形県議会で鳥海山のスノーモービルについて質問がなされたそうです。議事録は年末の分までまだで公表されていませんが、傍聴した方から聞いた話では質問の内容はおおむね、「自然豊かな国定公園鳥海山でスノーモービルが走り回っていることに対して何らかの対策が必要なのではないか?せめて月山のようにスノーモービルの自主規制を促すような看板の設置はできないか?」というものだったようです。
 それに対する答弁は、「スノーモービルが自然に与える悪影響の科学的根拠がないので調査しなければならない。」というものだったようです。「早く調査しろよ!」というヤジが多く飛んでいたそうですが、これは議員の仕事の一つがヤジを飛ばすことなのでしょうからさもありなんです。

 (本文には何の関係もない写真です)

 私は冬山はまず登らないのでスノーモービルに出会ったことはありませんが其の自然にあたえる影響は想像できます。不思議なのは、普段高山植物がどうしたとか、山の風景がどうだかという人たちが何の反応もしないことです。冬山の事だから私ゃ関係ございません、ということなのでしょうか。せめて思うところを一言でも発してくれたらいいのですけれど。鳥海山をレジャーランドとして食い潰したいのなら致し方ありません。しかし鳥海山は守り続けなければいけない歴史と自然の塊なのです。どうか皆さん一言でも発してください。


最弱クレーマー

2022年01月13日 | 兎糞録

 自らのの阿呆ぶりを露呈するクレーマー、こんなものもいるそうです。

 「お前んところはどうなっているんだっ。なんで今電話で注文したものが明日来ないんだっ、

 Amazonなら電話すれば次の日に届くぞっ!!!

 十年もAmazon利用していますけど、電話で注文したことはないですねえ。今度やってみよう、カスタマーサービスでいいのかなあ。

 


索道なきゴンドラ スノーモービル

2022年01月11日 | 鳥海山


 昨年の五月、河北新報に載ったスノーモービルの記事を読んで以来、これは鳥海山の自然保護について、秋田県側のゴンドラ設置計画、山形県側のスキー場設置計画以来の危機ではないかと思い、様々な人に会い意見を聴き、またさまざまな資料を調べてみた結果一言申し上げたく一筆したためさせていただく次第です。

 

 さて、半生を鳥海山の北東斜面へのゴンドラ設置の阻止、自然保護に全力を尽くしてきた秋田の斎藤重一氏はその著書「鳥海山」(1997年なんば書房)の中でスノーモービルの自然に及ぼす悪影響に対する懸念をすでに言及しています。(文末参照ください。)

 その甲斐もあってか秋田県側ではスノーモービルに対して自主規制が敷かれており、鳥海山の自然保護には前向きの姿勢がうかがわれます。しかるに、山形県はスノーモービル対策に消極的であり、無法状態、スノーモービル天国となっております。これはゴンドラやリフトが常時運航しているスキー場と何ら変わりありません。かつて秋田県は鳥海山の自然保護のためにゴンドラ設置計画を撤回、同様に山形県はスキー場設置計画を撤回したはずです。

 

 その昔、コクドと八幡町が鳥海山の自然を食い潰そうとした時に、その自然保護の大きな役割を果たしたのがイヌワシでした。しかしながら現在、イヌワシの保護活動をする環境省の鳥海南麓自然保護官事務所(酒田市)の担当者は「モービルの騒音による影響について具体的な研究はない。種の保存法で規制すれば登山さえ禁止となる可能性があり、現実的ではない」と言う発言があったという話でしたが、それでは鳥海南麓自然保護官事務所は何のために存在するのか疑問に思ってしまいます。

 スノーモービルがイヌワシに及ぼす影響は調べないとわからない、スノーモービルが自然に及ぼす影響も調査しないとわからないし、規制する法的根拠もない、ということはイヌワシに及ぼす影響が顕在化し、最悪イヌワシが絶滅したことを確認するのを待つ、また自然破壊が明らかになるのを待つということを意味しているのではないでしょうか。鳥海山の自然保護のシンボルでもあるはずのイヌワシは、本当は、経営不振となったコクドと計画遂行の無理を悟った八幡町との間の、計画中止のためにちょうどよく現れた神輿に過ぎないものだったということで、それ以上のものではなかったということになります。

 

 スノーモービルが楽しい乗り物で、冬季山岳遭難の救助に大きな役割を果たすことは理解できます。しかし雪上を走り回るのも自然に影響を与えないことが十二分に証明できてこその話です。「規制範囲を広げるには環境への悪影響を立証する必要があり、時間も予算もかかる」ということですが、それは当然の事でありますが、悪影響は立証する以前に予測して防止するのが自然保護の最低条件ではないでしょうか。環境影響評価は誰かが早急に行われなければいけません。ただし自然を実験台にしてはなりません。自然に影響があった場合、人間の手で回復するのはほぼ不可能です。あの時ああしておけばよかったでは手遅れです。

 

 スノーモービルの入山を鳥海山の自然保護のために規制するならば、一般の登山も、しかも夏季に於いても禁止することもありうる、と嘯くかたもいらっしゃるようですけれど、本当に鳥海山の自然を守りたいものであれば入山禁止に至ったとしてもやむを得ないと思うことは必至です。それよりも、エンジン付きの乗り物と二足歩行の人間を同列において自然への影響を議論するのは間違いです。

 

 またスノーモービルを業として客を乗せて走行しているものもありますが、これが入山規制地域にまで立ち入って走行しているという目撃もありますし、例えば七高山外輪壁からモービルごと転落して山体を毀損、さらには走行時の事故で人身事故、極端に言えば乗せた客が最悪死亡したとするならば、車両としての規制が及ばないものであるし、自然保護の立場からは何もできないと、放置するのでしょうか。過去においてはスキー客を乗せて運行しようとしたヘリコプターが下見飛行で河原宿付近で墜落した事故があり、それ以来ヘリコプターでスキー客を乗せて運行するという計画ははおこなれていないと思われます。

 現に何も手を打たないということは、悪く考えれば、スノーモービルの走行により、自然に取り返しのつかない影響が現れるか、或いは人身事故が起きるかするのを待つしかない、ということなのでしょうか。

 誰もそんなことを待っているものはいません。それらのことが起こらないためにこそスノーモービルの入山規制をする必要があるのではないでしょうか。

 今ならまだ間に合います。かつては豊かな自然の宝庫であった鳥海山も山麓ではブナの伐採、観光のための道路拡張が進められ、昭和以前の先人たちが見たら今の鳥海山でさえ昔の面影、豊かな自然は無くなったと思うことでしょう。

 かつての自然の宝庫であった鳥海国定公園も、行く末は失われた自然を代表する山としてダークツーリズムの一覧に載ることもありえなくはない現状ではないでしょうか。

 鳥海山は秋田、山形その周辺に住む人々のものであり、また日本の人々のものでもあります。決して私企業や私人、外国の企業に売り渡されたものではありません。鳥海山及びその自然は我々が率先して守っていくものではないでしょうか。

 

 粗暴な論ではあると思いますが耳を傾けて頂くことができれば幸いと思い筆をとった次第です。

 

 参考として以下、斎藤重一「鳥海山」より抜粋します。


「事実、鳥海山には全国から登山者が訪れる。みな、鳥海山の自然を見ることを目的としてくる。だから、第一 に必要なことは、自然が自然なままで残っていることだ。

道路、スキー場、ゴルフ場、売店などを見るために、鳥海山を訪ねてくるのではないということを肝に銘じな くてはならない。もちろん、登山者の安全のための登山道、山小屋、道標の整備なども必要であるが、これも自 然との調和を損ねないように細心の配慮をすべきである。雪が吹きこんで使用不能な避難小屋、舗装道路化した 歩道、なにを案内しているのかわからない道標、ゴミを捨てるのを奨励するような屑かごの設置、…

これらは、みんな行政のワッパカ仕事の結果である。

鳥海山のヘリスキーは、山形県側での事故のためにいまはおこなわれていない。しかし、残雪期の鳥海山上部 へ の雪上車やスノーモービルによるスキーヤーの登山は野放しである。ワシ、タカをはじめとする鳥類や、その 餌となる動物へ の爆音による影響を考えたら、放置すべきことではない。一定の制限をすべき問題である。」


 


龍頭寺のゴロニャン

2022年01月10日 | 鳥海山

 かつての三十三坊からなる鳥海山修験の頂点に立つ学頭寺の龍頭寺、今日は猫がお留守番。

 仁王様は裸足で踏ん張っておられます。

 大物忌神社にも誰もいません。青空に映える千木と鰹木。

 途中の竹藪では一本の竹が雪の重さを受けとめ見事なアーチを描いていました。