鳥海山近郷夜話

最近、ちっとも登らなくなった鳥海山。そこでの出来事、出会った人々について書き残しておこうと思います。

絵葉書 七高山

2021年11月09日 | 鳥海山

 今は倒産してしまった青山堂書店、嘗ては此処でも絵葉書を出していました。その中に鳥海山があるのですが、ふつうは観光絵葉書にする場合、酒田市から見た鳥海山です。ところがこの観光絵葉書組に収められた鳥海山はなぜか虫穴を背後にして七高山に向かって歩く団体。あれっ、ここは遊佐町なんですけど。

 こういうところを絵葉書にしたというのも珍しいです。しかも表面の説明には「鳥海山(酒田市)」と書いてあります。他の組の絵葉書が雑じり込んだのかと思ったらタトウ(絵葉書の入っている袋)にはその内容で載っていたので間違いないようです。虫穴とも七高山とも書いていないのでこの一組を購入した人はこの葉書だけなんだか???と思ったのではないでしょうか。

 地元の昔からの書店、白善書房、中村書店、青山堂書店、小村書店、これらは既にすべてありません。今あるのは山形に本社がある八文字屋、あとは県外資本の書店が少しばかり。読みたくなるような本はまずおいてありません。でも紙の本屋さんにまだ客が訪れるというのは少しだけ救われるような気がします。


Bill Evans Trio, Live 1965/1966 のカラー化映像

2021年11月09日 | Jazz

 Bill Evans の古い映像までカラーになってしまいました。しかもなぜかBlu-ray。

 バーコードは12桁、頭が54なので製造はベルギー・ルクセンブルクでしょうか。しかしディスク本体には日本語も印字してあります。ケースには日本語の帯がついていますが日本での販売者は不明です。なぜかオークション、フリマサイトだけに出回っています。ふつうの販売サイトでは見かけません。長靴版でしょうか。それにしても購入価格は安かったです。

 面白半分に古い映像をカラー化したものでしょうか。時々カラー画像が変換しきれていないようなところも出てきます。元の解像度が低いものをBlu-rayにする必要は果たして??でも見ていて面白いことは面白いです。よほどのBill Evans好き以外には勧められないかな。


龍頭寺までお散歩

2021年11月08日 | 鳥海山

 まだ三時過ぎというのに山肌はすっかり夕方の色を見せています。鍋森も見えます、熔岩が流れてきた様子もはっきりと見えます。

 今日は先日作成した「鳥海山登山案内記」、「鳥海登山案内」を見ていただこうと思い久しぶりに蕨岡まで行ってきました。昼過ぎに龍頭寺に着きご住職に渡して帰るつもりが話が弾みあっという間に時間が過ぎてしまいました。

 鳥海山龍頭寺は蕨岡に在る真言宗智山派の寺院でかつての学頭寺です。貴重な資料も見せていただきました。

 「鳳鳥海山縁起」残念ながら中身はありません。現在中身は秋田県立図書館にあるということです。どういう経緯で保管されることになったのでしょうか。多くの資料が明治の神仏分離令によって散逸、焼失してしまった事例が此処にもありました。漆塗りのかつての護摩壇も焚きつけにされてしまったということも聞いたことがあります。神仏分離令というのは現代の法令からは想像もつかない世の中を激変させる相当なものだったのでしょう。鳳鳥海山というのは鳥海山の呼称の一でかつて鳥海山はその他北山きたやま 、飽海ヶ嶽、ほう鳥海山、北山ほくせんの獄、北の山、羽山うざん等の別名がありました。

箱の表に「園春艸」と書いてありますが大学のお偉い先生はこれを「與」と読んでしまったようですがこれはあくまでも「艸」。読みは(そう)で良いでしょう。龍頭寺の文書にはすべて「園春」と名前が出ているそうですしまた少し調べれば「一文を艸する」などの用例が沢山出てきますのでこの用例を見れば意味は一目でわかります。昔は意味が違ったということもあるかもしれませんがね。あくまでも素人解釈です。

 「鳥海山登山案内記」の太田宣賢氏の生家も訪ね、名前の読み方が「のぶかた」さんということも確認してきました。御当主もこの本の存在はご存じなかったです。もう一軒訪ねたかったのですがご本人の体調もあり今日は龍頭寺を訪問したのみです。

 右側が阿形像、向かって左側が吽形像です。配置はこのように決まっています。仁王様も建物の外側は冬囲いが出来ています。


古書買いは止められない

2021年11月06日 | 兎糞録

 先日ある本を読んでいたところ、久しぶりにこの本が読みたくなり、確か捨ててはいないはずと思い探したらまだありました。しかしこの焼けがひどい。かつてはタバコも吸っていたし、それrだけではなく保管状態も悪かったからなのでしょうけれどちょっとひどい。

 天も地も小口も焼けています。焼けは版面まで及んでいます。これでは読む気も失せるなあ、と思って探していたらきれいな本、しかも単行本で売っているものがありました。

 これ二冊でなんと五百円。送料は別ですけれど。1973年の初版本ですからなんと50年近く前の本。文庫本は1977年版ですからそう変わりません。きれいなのには理由がありまして、これ大学の図書館の除籍本なのです。前も二葉亭四迷全集、筑摩版を除籍本で、又姉崎岩蔵の鳥海山史も除籍本で購入したことがあります。やはりちゃんとした所に保管されていたものはきれいです。しかも大学生は本を読まないから二葉亭四迷全集なんかは開いた形跡もありませんでした。本を読まない学生さんと放出してくれた大学に感謝。しかしまあ、こういった除籍本を扱う業者は無料で仕入れてくるんでしょうかね。この平民社時代も二葉亭四迷全集も外箱付でした。図書館てのは箱は処分するものと思っていましたから二重に感謝感謝。

 


TATEditorを使ってみる。

2021年11月05日 | 鳥海山

 TATEditor こんな便利なものがあったんですねえ。

 先日の太田宣賢「鳥海山登山案内記」、Wordに書き写したのですけどこちらのTATEditor の方がきれいにできます。それにルビ振りも便利。

 上の図はWordでルビ振ったものをTATEditor に貼り付けたものです。Wordのルビは(しんぶつこんかう)のように()内に表示されます。はじめの三行は()内をルビに変換して振ったものです。この文章内の()を《》に変換すればそこに囲まれた文字がルビになります。Wordと違って行間が崩れることがありません。Wordの場合は行間を固定値にして使用しているフォントサイズの1.7倍程度にしなければなりません。そうすると文章全体がなんだかバランス悪くなるような気がするのです。是なら違和感はありません。

 ただし、こういった古い文書を移すときは欠点がありました。旧字体に一部対応していないのです。冒頭から判明しました。

 三行目、「風神級長津級長」となっていますがここは彦の旧字体「彥」が入るのですが表示されません。彦を入力して彥に変換しようとするとになります。もう一度きれいに直そうと思ったのですが最初から躓きました。こういった古い文書を復刻するにはやはりちょっと無理があるようです。それならすべて新字体に変換すればいいと思うかもしれませんがなんでも新字体に変換してしまうのはやはり日本語の漢字文化の崩壊です。ありえない常用漢字の作成については高島俊男氏がその著書で再三指摘しています。

フォントをIPAmj明朝フォントというフリーソフトを使うことにより解決しました。「彥」等のほか戸籍で使われている戸籍統一文字の約6万字も使えるそうですからこれはお勧めです。下にフォントの説明を載せておきます。

「戸籍統一文字などに含まれる6万字の漢字を収録したフリーのフォント。戸籍や住民基本台帳ネットワークシステムで必要とされる文字フォントを、各種行政機関で統一して利用できるように開発された。JIS規格などに収録されておらず表示困難であった人名漢字なども“外字”として表現可能。戸籍統一文字・住民基本台帳ネットワークシステム統一文字の58,712文字が含まれており、8ポイントから24ポイントまでの公的文書の印字に使用可能な品質を備える。」

※2 二行目、「一連同體自一社」にルビを振ったつもりがその直前の漢字「山上山下」にまで及んでいます。《の直前が漢字の場合には、漢字が途切れるまでが親文字となるということなのでこれを直すには親文字の前に|(全角縦線)を入れるのだそうですが間が開きすぎて駄目でした。そこで半角スペースを入れてみるとなんとかなりました。

※3 「山上山下一連同體自一社」「一連」の直前の漢字にルビが振られてしまうがそれを避けるためルビを振りたくない文字、この場合「山上山下」の後に解説ではアンダーバーを淹れるとなっていますがスペースが出来てしまう、半角スペースでも行ける、でももう少し何とかしたい。ということでこの半角スペースの所に《 》を淹れます。《と》の間はスペース、すると文字は途切れずルビは必要な所だけに振られます。

※4 Editorなので一部の文字だけ大きくしたり、或はインデント等の機能はありません。