鳥海山近郷夜話

最近、ちっとも登らなくなった鳥海山。そこでの出来事、出会った人々について書き残しておこうと思います。

古い葉書に見る鳥海山大物忌神社

2020年07月10日 | 鳥海山
 下の写真は昭和の初期、またはそれ以前のものでしょうか。
  鳥海山一の鳥居と書いてありますが、これは蕨岡大物忌神社旧拝殿の登り口に一の鳥居があったのです。現在は写真の石段を上って左に三の鳥居があり、その奥にこの先の山の上から昭和28年に移設した本殿があります。

 上の写真は山頂の御本社と参籠所ですが、配置は現在も変わらないようです。正面奥にあるのがご本殿です。山肌も何となく現在よりも荒々しいように見えます。ここで注目するのは写真の下に「鳥海山蕨岡口 山上御本殿」と書いてあることです。山頂の本殿は蕨岡の大物忌神社のものであると主張しているのですね。また発行所が蕨岡共栄社となっています。これは蕨岡の宗徒が明治期に作った組織です。このころはまだ蕨岡の大物忌神社にもまだ力があったのでしょうか。現在では蕨岡の大物忌神社は吹浦大物忌神社の管理するところとなっています。

 神社というのは不思議なもので、神様の子孫であるはずの天皇が仏教に帰依したてまつったために神仏習合となり、かつては隆盛を誇ってきました。大物忌神社もその例外ではありません。
 明治政府の神道を優遇しようとした神仏分離令が逆に神社の衰退を招いてしまった第一の原因ではないかと思います。基本神道は現世の御利益、仏教は来世の安堵、神仏が習合していれば参拝者にとってこれ以上のことはありません。でも現世御利益の神社に比べて来世安堵の寺院の方が広く生活に密着しているのは徳川時代の影響が今なお残っているからでしょうか。神社よりお寺の方が営業力ありますからね。でも、新築や事務所の開設で神棚を買う人はいても仏壇を買う人はいません。これももちろん現世の利益、家内安全、商売繁盛を求めてですね。

 この写真は以前も載せましたが、横堂にあった頃の箸王子神社です。この間を通って山頂へ向かいます。昭和50年ころにはまだ建物は残っていました。もちろんすでに廃墟でしたが。
 あれだけ隆盛を誇った蕨岡大物忌神社は訪れる人も少なく、登拝道も今では登る人もありません。

御浜神社の結婚式

2020年07月10日 | 鳥海山
 今年は御浜小屋も営業中止ですが、過去にここで結婚式を挙げた方がいらっしゃったことを思い出しました。
 写真は改築後ですけれど、その出来事は改築前。他にもそういう方がいらっしゃったかどうかは知りません。そして、残念なことにその時私は居合わせませんでした。そこに居合わせた人から後日聞いた話です。
 御浜の小屋も宿泊客が出立して、後片付けが終われば一休み。とそこへ、若い二人連れが他の人と一緒にやってきた。
 「すみません、私たちここで結婚式を挙げたいのですが、」
 もちろん断る道理がありません。然し困ったのは神官さん、この辺りでは神官さんは「たよさん」と呼びますが、そのたよさん、若いのでまだ結婚式の祝詞をおぼえていなかったとか。そこはそれ、なんとか無事式を済ませ、跡はめでたや、めでたやの大宴会。
 いやー、是非とも居合わせたかった出来事でした。その時の神官さん、内情をばらしてごめんなさい、でももうかなり昔のことなので聴かなかったことにしてください。

買って損した 映画マイ・フーリッシュ・ハート

2020年07月03日 | Jazz
 前のチェット・ベイカーをモデルにした映画オールモスト・ブルーのイーサン・ホークよりもチェットに似ているところはいいんだけど、話がちっとも面白くない。90分弱なのに最後まで見るのがつらい、つまらなくて。

 「終わりなき闇」を読み直してから映画作り直した方がいいんじゃないかと思います。本気でチェットの「終わりなき闇」を映像化したら見るに堪えないものになるでしょうけれど。
 救われるのはエンディングのYou've so nice come home to が流れてくるところくらいでしょうか。それと、DVDなのでアップスケーリングされても映像はまあ何とか耐えられるとして、字幕の文字の粗さが目立ちます。観たい方は20インチ以下の小さなモニターで見ることをお勧めします。私は二度見ることはないでしょう。
 ジャズミュージシャンをモデルにした映画はすべて外れのようです。ドキュメンタリーならいいのがいっぱいあります。なかでもチェットのLet's get Lostがおすすめ。かつては日本語字幕の付いたLDがありましたが今は日本語字幕の付いたものはありませんん。Blu-rayはイタリア版があります。他には先頃発売されたマイルスの「クールの誕生」、リー・モーガンの「私がモーガンと呼んだ男」がいいですね。この二つはNetflixで字幕付きで見ることが出来ます。Netflix video downloader があれば配信終了しても見ることが出来ます。あと一つ、ビル・エバンスのタイム・リメンバードも忘れられません。

たまには出かけてみよう

2020年07月03日 | 鳥海山
 大物忌神社の山頂御本社の御朱印を頂きに吹浦口の宮まで。(今年だけこちらで山頂の御朱印を頂くことが出来ます。)
 毎週のように鳥海山へ登っていたころは御朱印なんて一度も頂いたことが無かったんだけれども何故か思い立って吹浦口の宮まで行ってきました。あれから宮司さんも何代か変わって、当時の若い神主さんが今は宮司さんです。
 社務所の前には花笠埋の絵馬が。社務所の窓口にはネットオークションへ出品しないようにお願いが張り出してあります。平日、訪れる人は誰もいません。ついでなので蕨岡口の宮にも行ってきました。
 紫陽花がいい色で咲いていました。こちらも誰にも会うことがなくぶらぶらしてきました。

大物忌神社もお怒り

2020年07月01日 | 鳥海山
 御朱印について大物忌神社もFACEBOOKで注意していらっしゃいます。以下の投稿がありました。

「昨今、インターネット上での御朱印の転売を多くお見掛けいたします。
初穂料の10倍以上でオークションに出品されている御朱印もあり、神社としても大変憤りを感じております。
直接ご参拝いただきお受けするのが本来であることは言わずもがなでありますが、このような状況下で御朱印が取引されていることは御祭神に対してあまりに失礼であり、神社としても看過いたしかねる事態であります。
お電話でご相談いただければ御朱印の郵送を致します。
どうか転売された御朱印はお求めいただかないよう、何卒お願い申し上げます。
鳥海山大物忌神社々務所」

 やはりこういうものはオークションサイト、フリマで取り扱わないようにするべきでしょう。個人の自由だろうという人は法の条文になければ自由というつもりなのでしょうが、個人の自由など無制限にあるものではありません。やって悪いことは悪いのです、法の条文に殺人罪が無かったらそういう人はやっちゃうんでしょうね。売る方も売る方ですが、買う方も大バカ者というしかありません。これが某宗教に関するものだったら命はないでしょう。宗教に関するものをそういう扱いをしてはいけません。私は氏子でもありませんが、そう思います。