東京は快晴。窓から外を見てると、米国のタハチャピの秋を思いだした。カリフォルニアのエドワ-ズ空軍基地の近くの町で、ボ-リング場とレストランが一緒になった建物とバ-があるだけで夜になってお店に行くと村の全員に会えるというくらい小さな町だった。ただこの町は風力発電の風車が数千基も設置されている全米でも有名な場所なので、当然高山地帯であり、年中風が吹いている。高地な分だけロサンゼルスとは温度差にして3~5度は低い。10月に入ればいち早く紅葉が見れる。ウインドブレ-カ-を着てないと朝夕は身震いするが、熱いコ-ヒ-を飲みながら、広大なウインドファ-ム(風車の大群)とその周囲の紅葉は、映画のシ-ンのように鮮明に覚えてる。たまに風が吹かない日があれば、ロッキ-ド社の設計者と共同で試作した風車を点検する仕事しかないが、いつ吹き出すか分からない緊張感が楽しい。風が吹き出すと測定器具を使ってデ-タを監視するが、戦争状態のような忙しさになる。映画のツィスタ-の中の、竜巻が来るのを計器や電話で確認して追いかけるシ-ンと同じだと思ってもらえば良い。微風が吹き始め、段々強くなり、発電が始まる。数時間安定している場合と、ガスト(突風)になると、数分以内に風車を停止しないと、直径30mの羽根(プロペラ)が航空機事故のように吹き飛んでしまう。風がない穏やかな数時間が本当に幸せだと思えた頃が懐かしい。今日の穏やかで東京の抜けるような青空を見てると思い出す。今日中に最終稿を仕上げないと。何とか日が沈むまでには作業を終わらせたいな。
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