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DAZN観戦 2024年J2リーグ第24節 モンテディオ山形vsいわきFC

2024-07-19 16:14:15 | サッカー視聴記(J2)

※前回の山形の記事はこちら(19節・大分戦、0-0)
※前回のいわきの記事はこちら(20節・甲府戦、1-1)
※前回の両クラブの対戦はこちら(6節・いわき 0-0 山形)

<山形スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 天皇杯3回戦(札幌戦、3-6)からの継続スタメンは無し。途中出場も坂本亘1人のみ。
  • ディサロがJ1・湘南から完全移籍で加入(再加入)し、今節から登録され即スタメン出場。
  • 熊本の負傷が発表され、6/11に手術実施して全治約5ヶ月との事。
  • GK長谷川の負傷が発表され、6/7に発生して6/11に手術実施、全治約4~5ヶ月との事。

<いわきスタメン>

  • この日の布陣は、守備時に4バック・攻撃時に石田が最終ラインに残っての3バックという可変システムを採用。(yahooスポーツナビでは、山口がボランチに降りての4-2-3-1)
  • 天皇杯3回戦(広島戦、0-4)からの継続スタメンは、生駒・加瀬・山口・谷村の4人。山下・有馬が途中出場。
  • 堂鼻がJ3・福島から完全移籍で加入し、今節から登録され即スタメン出場。
  • 照山が長崎へ完全移籍となり、今節をもって登録抹消。
  • 嵯峨が岡山へ完全移籍となり、(以下同文)
  • 速水の負傷が発表され、6/21に発生して全治約3ヶ月との事。
  • 加藤悠馬の負傷が発表され、7/2に手術実施して全治約3ヶ月との事。
  • 特別指定選手の五十嵐が、7/12にプロ契約を締結。

移籍選手が出場可能となった今節。
山形はディサロ、いわきは堂鼻が早々にスタメンとなり、補強した戦力を早速チーム力に還元しようと何処も躍起になるのは必至。
しかし今季は、この試合の後に中断期間が挟まれるという日程。
そのため本格的なフィットは再開後、と見られても可笑しくは無いですが、実際に戦う立場では目の前の試合を全力でやるのみでしょう。

山形は移籍ウィンドウが開いてから早い時期に、ディサロの加入を決定させ。
言わずと知れた2年前にFWとして活躍した選手であり、(チーム成績が芳しくないのも相成って)その期待感は膨らむばかりといった状態に。
そして待ちわびたと言わんばかりに、早速スタメンで出場の運びとなり。
しかし相手は2年(実質は1年半か)前にはJ2の舞台に居なかったいわき。
フィジカルを前面に押し出す特異なチームとの対戦で、ブランクによる浦島太郎状態を強いられた感がありました。

入りの攻防で、1分の経過とともに早速敵陣でセットプレー攻勢に入るいわき。
五十嵐のロングスローと、そこから生まれるコーナーキックを繰り返して相手に守勢を強いるという立ち回りでプレッシャーを与え続け。
その数は、前半10分までにロングスロー3度・CK5度にも昇り、最後は五十嵐のミドルシュート(9分、枠外)とフィニッシュで締められたこの流れ。
当然山形は攻め上がる隙が無く、期待のディサロもストーン役としてのクリアで目立つ格好となり。

失点せずに凌いだ山形、10分過ぎから、持ち味のGK後藤雅からの組み立てによる攻撃に入り。
アンカーの山下以外の前線5人による、いわきの果敢なハイプレスの間を通しながら、前掛かりとなる裏を突かんと立ち回ります。
しかしいわきのプレッシャーを受けながらのロングパスは精度が今一つで、裏抜けを敢行してもボールが長くなりGK立川に抑えられるの繰り返し。
また2年前と同様にディサロのポストワークを利用しようとすると、そのディサロに対する(主に堂鼻の)強烈な寄せで機能せず終わるという具合に、好機を齎せません。

14分敵陣でパスカットした山下のミドルシュート(西村がブロック)を機に、再びセットプレー攻勢に入ったいわき。
ロングスロー2度→CKという流れから、左から石田のクロスが上がるも合わずに右奥へと流れ。
追った高江が棚田を牽制しながらラインアウトを選択するも、ボールはコーナーフラッグに当たり止まった事で、蓋をしてのボール確保を余儀なくされた高江。
棚田との競り合いを何とか制すも、いわきと同じ土俵(フィジカル勝負)を強いられるその流れに精神が削られるという感じだったでしょうか。

25分いわきのパスミスで矢印を反転させる山形、左サイドで吉田がスルーパスを出してパス&ゴー、坂本亘から受け直して左奥からカットインに入り。
そして左ポケットからシュートするもGK立川のセーブに阻まれます。
いわきの守備網を掻い潜って放ったフィニッシュにより、ここからペースを奪いに掛かり。
前述の通りのプレッシャーを呼び込んでの裏狙いや、陣形が乱れた所を安部がドリブルで運ぶなど、後方でのビルドアップの流れは組み立てられつつあり。
しかし前線は、肝心のディサロが抑えられ機能不全となったため、サイドから何とかするしかない状況を強いられます。

二の矢を放てないまま、39分に加瀬の右サイドの突破によりセットプレー攻勢の流れへ再び持ち込んだいわき。
右CK→スローインと続き、ニアに投げ込まれる五十嵐のロングスロー。
これを堂鼻がポジション取りを制した末に完璧に合わせ、ヘディングシュートをゴールに突き刺します。
先制に成功したいわきを尻目に、山形サイドは堂鼻のプッシングを猛アピールする(当然判定は覆らず)という具合に、フィジカル勝負故の苛立ちを露わにする結果となり。

何とかやり返したい山形。
次の好機はアディショナルタイムでまたも左サイドからの突破、坂本亘が吉田とのワンツーで奥を突いてマイナスのクロス。
そして中央で収めた國分のポストプレイを経て高江が後方からミドルシュートと、流れるように繋げたもののゴール右へと外れてしまい同点ならず。

結局0-1と、いわきのリードで折り返しとなり。
ホームの山形は巻き返しを図りたいのと、このままディサロを機能不全のまま終わらせられないという板挟みとなっていたでしょうか、ハーフタイムでは動かず。

そして始まった後半、早速山形は敵陣深めで右スローインとなると、岡本がロングスローという相手をインスパイアするような攻めの流れ。(岡本のロングスロー自体は前半から使用していた)
これをニアで安部がフリックするもディフェンスに当たってラインアウトし、CKで継続かと思ったその刹那、安部が石田に後ろから倒されたのをまたも猛アピールする山形サイド。
國分が異議により警告を受ける程の権幕に、そのフラストレーションぶりが窺い知れましたが、ここで冷静さを欠いてしまっては勝負にならないのは明白であり。

何とか気を取り直し右CKで再開すると、キッカー小西のニアへのクロスを西村がフリック気味に合わせ。
ゴールに向かいフィニッシュとなるも、棚田が同じくヘッドでブロックして跳ね返し。
続く後半4分にはGK後藤雅からの組み立て、一旦戻してプレッシャーを引き込み、安部のドリブルで前進。
そしてサイドチェンジを通した末にイサカのグラウンダーでのクロスが入るも、中央で合わせた國分のシュートはゴール左へ外れと、いわきの守備網を破るには至りません。

そのいわきの守備ですが、HTを経て微調整を敢行し、本来の3バックへシフト。
石田が左センターバック・堂鼻が右CBとなり、ウイングバックを右=加瀬・左=五十嵐とした3-3-2-2(3-1-4-2)の布陣に落ち着き。

相変わらずボールに絡めないディサロは、6分に縦パスを送った堂鼻に対しアフターチャージで反則を犯してしまい、警告を受ける始末。
10分にもこぼれ球の確保で激しく加瀬と交錯して反則となるなど、そのボールに向かう姿勢が空回りという結果に終わり。
そしてこれによるフリーキック(右ワイド・中盤から)でいわきは、キッカー山下が丁度ペナルティアーク付近へ送ったロビングを山口が落とした事で、エリア内で混戦に持ち込み。
そして左ポケット奥でこぼれ球を拾った谷村、切り返しで小西を剥がしてからのシュートでゴールゲット。
またもセットプレーからの得点で、リードを広げます。

苦しくなった山形は、直後に國分・坂本亘→後藤優・氣田へと2枚替え。
ここから両ウイングは、裏抜け狙いから突破力を押し出す立ち回りを重視するに至ったでしょうか。
一方いわきサイドも、16分に加瀬・棚田→大森・西川へと2枚替え。(石田が左WBに回り、五十嵐が右WBに)

いわきはWBも果敢に前に出る、ハイプレスの姿勢は崩さず。
しかしその走力を活かした撤退も早いので、山形は隙を突かんとしても実らない局面が多く。
それ故に交代を経ても中々流れを掴めない時間が続き、迎えた24分西村→岡本→イサカと、最終ラインから直に右ワイドに繋げるパスワークを経てイサカの突破に持ち込み。
そして石田の腕でのチャージを振り払い奥からカットインと、そのフィジカルを剥がす絵図を見せ付け。
クロスがニアでクリアされCKとなり、安部のヘディングシュートがGK立川にキャッチされ結局不発に終わったものの、その推進力でいわきの守備網を破る期待が高まり。

続く25分には同サイドでのパスワークから、裏へのミドルパスに抜け出したイサカがグラウンダーでのアーリークロス。
これにニアにディサロが走り込むも僅かに合わず、GK立川がキャッチ。
結局ディサロの見せ場はこれぐらいで、27分に退く事となりました。
ここで同時に3枚替えを敢行(ディサロ・吉田・イサカ→高橋・川井・横山)し、一気に交代枠を使いきり。

ここから、ウイングに縦突破という状況を作るべく、ビルドアップはサイドチェンジで大きく揺さぶる手法を多くする山形。
逆サイドを薄くした所に届け、前進を図りにいき。
しかしいわきの中央の堅さを警戒してか、クロスは低いものしか上げられず。
相手としてもワイドが薄くなるのを承知でマイナスのクロスだけは入れさせないという守備対応で、中々ポケット奥への突破を許しては貰えません。
36分左からの後藤優のサイドチェンジを、ワイドでは無くハーフレーンで受けた横山、ワントラップでポケットを突ける状態に。
そしてエリア内へ入り込み、カットインからシュートを選択しましたがゴール右へと外れ。

こうして相手の攻撃を凌ぎながら、カウンターで脅かすという立ち回りへと変節していくいわき。(32分に谷村→下田へと交代)
しかし37分に敵陣浅めで反則を受けた所、キッカーの位置に着いた山下は放り込みかショートパスか迷った末に、遅延行為を取られて警告を受け。
止むを得ず右奥へラフに放り込み(有馬が受けるもオフサイド)と、ボールを捨てる事を余儀なくされた結果、山形の攻勢が幕を開けます。
仕方ない状況とはいえ、弱気な姿勢を見せてしまってはこうなるのは必然であり。

40分に右スローインからクロス攻勢に入る山形(FKからの流れでCBは上がったまま)、左からの氣田のマイナスのクロスが中央で混戦を呼び込み。
そしてこぼれ球を拾った西村のパスを右ポケットで受けた横山、再びカットインからシュートを放ちましたが、右ゴールポストを直撃してしまい跳ね返り。
詰めにいった高橋も足に当てるだけとなり、この決定機も決められずとなります。
その後もセットプレーの流れから立て続けにシュートを放った横山、ジョーカーの役割を果たさんとしますがゴールは奪えません。

いわきサイドも一息つく時間は無く、スコア上のリードが頼みという状態に。
セカンドボールを拾われ、たまに拾ってもその後の縦パスがカットされるなど自陣から脱出できない状況が続きます。
そもそも、ボール保持して時間経過という選択肢を取れていない(全体この日は、再び縦に速い攻めの一辺倒に陥っていた節があった)ので、相手の攻撃を遮断する手段が無ければこうなるのは必然でもあり。
布陣的にも山下・下田がドイスボランチとして位置取る事で、5-4-1での撤退戦を強いられ。(43分に有馬→近藤へと交代)
しかし時間はATに突入し、大きな間違いを続けなければ勝利は堅いという展開。

敵陣で外回りのパスを強いられる山形ですが、後方に戻してから安部の斜めの縦パスで素早いくサイドを移し、左から氣田のクロスが上がり。
今度はハイボールで、これを高橋がヘディングシュートに持ち込みゴールネットを揺らします。
最終盤故の強度の緩み(GK立川が跳び出すも触れず)か、ようやくこじ開けて1点差に詰め寄り。

いわきのキックオフで再開も、またすぐに攻撃権を奪い返し攻め上がる山形。
流れの中で西村が最前線へと上がるも、そこには放り込まずあくまで地上から組み立てんとします。
そして1点目のシーン同様、安部の斜めの縦パスが氣田に渡ると、今度はカットインで切り込んでのシュートを選択する氣田。
これを五十嵐が頭部でブロックし、脳震盪の疑いが過る絵図(一瞬手で頭を抑える)もありましたが直ぐに山形のCKで継続。
GK後藤雅も前線に加わる最後の攻撃で、キッカー高江はその後藤雅に合わせるボールをニアに送りましたが、跳ね返されて万事休す。

試合終了の笛が鳴り、中断直前で貴重な勝ち点3を得るに至ったのはいわき。
順位的には昇格も夢では無いという立ち位置(8位、勝ち点34)で、パワーサッカーの全盛を象徴する存在となり得るでしょうか。

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ABEMA観戦 UEFA EURO2024決勝戦 スペインvsイングランド

2024-07-18 16:00:45 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • 両チームの選手名はyahooスポーツナビに準拠。
  • コイントスでコートチェンジし、↓とは逆のコートで前半スタート。

参考動画

前回のEUROの記事 -準決勝・スペインvsフランス(2-1)


栄光のグランドファイナル。
準々決勝以降、強豪しか残っていないという状態に相応しいカードとなりました。
6戦全勝でここまで昇り詰めたスペインと、接戦に次ぐ接戦を逆転の連続で制してきたイングランドの対決。
派手な試合前セレモニーに彩られながら、迎えたキックオフの時間。

イングランドのキックオフから始まると、GKまで戻してロングフィードという手法で幕を開けた試合。
これまでスペインの試合ばかり観て来たためか、日本で見慣れているはずのその絵図も何処か違和感を覚えるものであり。
強敵相手故にセーフティにいく事を優先したでしょうか、その通りに立ち上がりの3分間はお互いさしたる好機の無い時間帯に。

前半4分、左サイドでショーのボール奪取から、攻撃の中心であるベリンガムにボールが渡ったイングランド。
しかし彼のボールキープも、スペインの素早い寄せの前に発揮できず奪われてしまい。
ここからスペインへと針が傾く展開となり、ガッチリとボールを支配してイングランドを自陣に押し込めます。
お馴染みであるラポルテ・ノルマンのセンターバックの持ち運びも絡め、イングランドの前線の守備を無力化しに掛かり。

そのイングランドの守備は、4-4-2の基本布陣ながら、2トップはフォーデンがボランチの片割れをマーク・ケインがセンターバックへチェイス(ただし強度はそれ程でも無い)という分業制。
状況次第でベリンガムがCBへプレッシャーを掛け、その際に空いた右サイドはショーが前に出るというプレッシングの体勢。
しかしスペインの伝統であるポゼッション能力の高さの前に、ボール奪取どころか十分な規制すらままならない時間が続きます。

スペインは押し込みによりコーナーキックに持ち込んでも、焦って連続してクロスを入れるという事はせず、ボール確保によりあくまでペースの維持に努める立ち回り。
イングランドと手法は違えど、こちらも決勝戦故の慎重さが垣間見えていたでしょうか。
12分に左からウィリアムズのカットインシュート(ストーンズがブロック)で初フィニッシュと、攻勢を維持した割にはやや遅く。

15分にイングランドが、この日初ともいえる攻撃機会(ウォーカーが右ポケット奥を突いてマイナスのクロス)でCKを得た事で、スペインのターンを終わらせ。
スペインと同じくボール保持の時間を高めに掛かります。
17分スペインのゲーゲンプレスを受けながらの繋ぎで、戻しを受けたストーンズはさらに浮き球のパスで一気にGKまで戻す事を選択。
これを収めたピックフォードも当然ながらロングフィード、しかし結果的にスペインのプレッシャーを呼び込んで前へ送る形となり、ベリンガム落とし→ショーのサイドチェンジを経て好機到来。
サカが右ハーフレーンからエリア内へ切り込み、そのままポケットを抉ると見せかけて戻し、そして中央からライスがミドルシュート(ロドリがブロック)と最後方からの組み立てでフィニッシュまで持っていく事に成功します。

中心選手と目されるベリンガム、モノが違うと思わされたのが20分の場面で、左サイド中盤でボールを持ち。
ボールキープによりルイスを引き付けながら、中へのパスを意識させる事でカルバハルの目線も操ってワイドを開け、そこへ走り込むショーへスルーパス。
1人で複数人を困らせる高次元のプレーを目の当たりにしましたが、ここはショーが受けたパス地点がタッチラインを割ってしまい好機とはならず。

しかし依然として守備時は、スペインのボール保持に難儀するシーンが続き。
特にウィリアムズという矛が活かされる左サイド(イングランドから見て右サイド)の押し込みを受け、サカがウイングバックの位置に降りての5バックとなる事もしばしばあり。
ボール保持もままならなくなるイングランド、23分にはスペインのプレッシャーを受けたフォーデンがバックパスをミスし、オルモに拾われスペインのショートカウンターに。
ボールキープを経て託されたヤマルが右ポケット奥を突いてシュート(グエヒがブロック)と、スペインの武器である両翼の突破も目立たせてしまい。

決勝故に審判も難しいコントロールを強いられたでしょうか。
25分のイングランドの攻撃、ケインが中央でドリブルに入るも、こぼされた所でルイスを削ってしまい反則・警告を受け。
30分にはスペインの攻撃で、クリアボールを拾ったオルモが前進する最中、ライスへのチャージで反則・警告。
お互いオフェンスファールで警告が出された事で、これまでの場とは一味違うという雰囲気に。

そんな絵図もあり、時折ペースの乱れが垣間見えるスペインですが、やはり根底がしっかりしているチームは強いというべきか。
35分前後から再度、立ち上がりのような攻勢へと突入。
敵陣でサイドを振りながらのパスワークに持ち込み、両翼の威力でアタッキングサードを脅かす攻撃を繰り広げ。
35分の左CKから、ショートコーナーからの中央への戻しを経て、オルモがミドルシュートを放ち。
しかしエリア内でケインがこれを足下でカットと、攻撃がままならない状況で、守備面で存在感を発揮せんとするセンターフォワード。

相変わらず守勢が続くイングランドですが、そんなキャプテンの思いには応えなければならず。
42分ライスのパスカットから攻撃機会が訪れ、スペインのゲーゲンプレスもありベリンガム→ケインへのパスは遮断されるも、拾い直したベリンガムが左→右へのサイドチェンジで包囲網を突破。
そして受けたサカはここも縦突破をチラつかせながらカットイン、メイヌーを経由して中央のケインに預けんとしますが、このパスもカットされて実らず。
しかし45分敵陣でベリンガムがカルバハルからボール奪取、やっとショートカウンターの好機が訪れ。
そのまま左奥から入れられたグラウンダーのクロス、中央で受けたケインがシュートと、とうとうCFにフィニッシュが生まれたもののロドリがブロック。
しかしこぼれ球を拾いにいったウォーカーがウィリアムズに倒された事で、反則となり右ワイドからのフリーキックで継続。
ここからキッカー・ライスのファーへのクロスがこぼれた所、フォーデンが左ポケットからシュート(GKシモンキャッチ)と、終盤で得点の匂いが高まってきたイングランド。
しかし結局スコアレスから動かず、前半終了となりました。

スペインは先程シュートブロックしたロドリが(ラポルテとの交錯で?)痛んで倒れ込むシーンがあり、その影響かハーフタイムで選手交代。
ロドリ→スビメンディへと交代し、最後となるか否かという45分を戦う事となります。

ビルドアップの際にアンカーを務めるロドリが退き、どういう構成となるか注目されたスペイン。
それを確かめるに間も無い後半2分でした。
ルイスが最終ライン右へと降りて3枚での繋ぎの姿勢を取るスペイン、これによりカルバハルが前に出る事で、ベリンガムはルイス・カルバハルのどちらをチェックするか迷いが生まれ。
その隙を突くようにルイス→カルバハルへパス、ベリンガムが追い付く前にさらにカルバハルは右足アウトによるワンタッチでのパスという具合に翻弄して敵陣へ運びます。
このパスを受けるヤマル、さらに入れ替わりで前を向く事で縦に速い運びを完成させると、カットインで中央へ流れて左ポケットへパス。
広大なスペースを送られたこのボールに、ウィリアムズが走り込んだ末に放ったシュートがゴール右へと突き刺さり。
最初の変化を見事に結果に結び付け、スペインが先制に成功しました。

スコアが動き、混乱状態が続くイングランド。
4分、ノルマンがロングパスで一気に前線へ届けると、そのまま浮き球を操って運んでいくスペイン。
やや乱れた所を拾ったウィリアムズ、エリア手前からまたもシュートを狙うも、縦パス風になってエリア内のオルモに収まり。
しかし逆に決定機となり、そのまま左へ流れ角度を付けて対角線を狙ったシュートを放ちましたが、ジャストミートせずゴール右へと外れ。

その後はイングランドもボール保持により落ち着きを取り戻さんとしましたが、満足に攻撃できず。
スペインのボール保持に対しても果敢にハイプレスを掛けるものの、8分にはGKシモンがそれを縦パスでいなし。
受けたモラタのポストプレイを経てスビメンディがドリブルに入った所、反則で阻止したストーンズが警告と、どうにもやる事が巧くいきません。
すると待ち受けていたのはスペインのショートカウンターで、10分パスカットしたカルバハルがそのまま右からカットインし、ミドルシュートを放ちますがグエヒがブロック。
続く11分には縦パスをカットしたルイスから、パスを受けたウィリアムズのミドルシュートがゴールを襲いますが、左へと外れ。

何とか流れを変えたいイングランド。
16分、とうとうキャプテンのケインを交代させるという決断を下し。
ワトキンスを同ポジションで投入し、ゲームキャプテンはウォーカーに託されます。

19分、GKピックフォードのロングフィードが一気に右奥を突き、走り込むフォーデンの前でククレジャに拾われるも奪い返すフォーデン。
戻しを経てサカからのパスを中央で受けるベリンガム、反転しながらのトラップでカルバハル・スビメンディの2人を剥がした末にミドルシュート。
しかしこの高等技術からの強烈なフィニッシュもゴール左へ外れてしまい、同点とはなりません。
おまけにこれによりロングパス一本で好機を作らんという意識へ移ってしまい、簡単にボールを失うという時間帯に。

スペインも23分にモラタ→オヤルサバルへ交代と、こちらもCF兼キャプテンのモラタが退く事に。
直後の24分、そのオヤルサバルの前からの守備によりボール奪取、CKへ持ち込むという具合にしっかりと交代選手をパワーに還元させ。
このCKから何度もクロスの爆撃をゴール前へ送り、GKピックフォードがそれを跳ね返し続けるなど、プレッシャーを与えていくスペイン。

イングランドは25分、さらにベンチが動きメイヌー→パーマーへと交代。
これによりポジションチェンジが絡んだ(ベリンガムがボランチへ、フォーデンが左サイドハーフへ回る)事で、スペインは守備が曖昧になったでしょうか。
直後のゴールキックでのロングフィードから、カルバハルがクリアミスした所をすかさずワトキンスがシュート。(カルバハルがブロック)
ミス絡みのフィニッシュが生まれた事で混沌とする展開。

続く27分、スペインはパスカットしたスビメンディがそのままエリア内へスルーパスと、一気に好機を作らんとし。
そして走り込んだオヤルサバルがシュートを放ち、GKピックフォードがこれをキャッチすると、直接前線へスローして届けた事で薄い守備を突く格好となったイングランド。
右寄りで受けたベリンガムに対しククレジャが潰しにいくも、奪いきれなかった事でポッカリ空いた右サイドを突く状況が生まれ、サカが右ワイドを突いてカットインからエリア内中央へパス。
そしてここまで上がって来たベリンガムがポストプレイで後方へ叩いた所に、走り込んだパーマーがミドルシュートで一閃。
ブロックを掠めた事もありゴール左隅へと突き刺さるボール。
布陣変更を経て、投入した駒が同点弾を齎すという采配ズバリな格好となったイングランド。

当然ながら、イングランドは一気呵成に逆転を狙いにいき。
しかし得点を齎した右サイド偏重の攻撃となり、サカを中心としてアタッキングサードを突くものの、直ぐにその流れは途切れてしまいます。
すると再度スペインのボール保持により、守勢の時間が長くなる。
体力面の不安が露わとなる時間帯で、やって欲しくない(と思われる)立ち回りをみすみす許してしまう結果となり。

イングランドは交代以降、ベリンガムが若干前に出た4-1-4-1にも見える布陣でスペインの最終ラインからの組み立てを阻みにいき。
インサイドハーフというべき立ち位置のベリンガム・パーマーの2人でスペインのドイスボランチを掴まえる姿勢を採ります。
しかしその狙いも空しく、ポゼッションによる攻勢に入るスペイン。
戻して作り直すシーンを多く作り、ウィリアムズが中央~右へと流れる状況も混ぜつつ、イングランドの体力・神経を奪っていきながらゴールを狙う状態へ突入します。
(38分にノルマン→ナチョへと交代)

止む無く自陣でブロックを固めるイングランドですが、その狭い所も突きに掛かるスペイン。
37分に中央を前進するウィリアムズ、戻しからオルモの浮き球パスを収め、すかさずエリア内へと叩いた所にオルモが走り込み。
そしてさらにワンタッチで流した末にヤマルのシュートが放たれ、GKピックフォードがビッグセーブで防いだものの、決壊間近といった印象を残す好機となり。

迎えた41分、最終ラインから緩めの縦パス攻勢で中央を運ぶスペイン。
ルイスのパスはあろう事か主審の股を抜くというものとなるなど、狭い所を抜く意識の徹底を経て敵陣へ運び、オヤルサバルがポストプレイで左へ叩いた所にククレジャが走り込み。
そして入れられるグラウンダーのクロスを、踵を返してエリア内に進入していたオヤルサバルが脚で合わせてのシュート。
ゴールに突き刺さり、こちらも途中交代のオヤルサバルが決める格好で勝ち越しを果たします。
緩急を付けられての前進に、体力消耗もあり(オヤルサバルのオフサイドをアピールする以外)成す術が無かったというイングランド。

残り時間は少ないものの、諦める訳にはいかずイングランドのキックオフ。
例によって戻し→GKピックフォードロングフィードで運び、落としから好機が生まれる事となり。
ボールキープするベリンガムの縦パスがエリア内へ入り、フリーで受けたワトキンスが前を向く決定機になりかけましたがスペインはこれも素早く対応してクリア。
これにより左CKとなるも、その前に両チームともに選手交代が挟まれます。

スペインがヤマル→メリーノ・イングランドがフォーデン→トニーへと交代し、セットプレーの攻防に。
上げられたキッカー・パーマーのクロスを、中央やや遠目でライスが合わせヘディングシュート。
GKシモンのセーブで浮いたボールを、さらにグエヒが詰めてのヘディングシュート。
GK不在のゴールに決まったかと思われたこのフィニッシュも、オルモの頭でのブロックに阻まれ決められません。(さらにライスがヘディングシュートで追撃も枠外)
1点もののディフェンスで、ゴールゲッターのようなガッツポーズを見せるオルモにより、いよいよ勝利への雰囲気が高まってきたスペインサイド。

結局この攻防が、イングランドの最後の可能性あるチャンスとなりました。
突入したアディショナルタイムは、焦りからかイングランドの反則が目立つ展開(ワトキンスがナチョへの反則により警告)となり、好機の数自体が少なく終わり。
そして目安時間の経過(4分)により、決着を告げる笛が吹かれました。

全勝優勝という結果を叩き出したスペイン。
不本意なものに終わったカタールW杯からの復権が無事果たされたその姿は、「無敵艦隊」と形容されるに相応しいものとなり得たでしょうか。

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2024年J2リーグ第24節 水戸ホーリーホックvs横浜FC inケーズデンキスタジアム水戸

2024-07-17 16:01:34 | サッカー観戦記

前年のいわきと関連付け、常磐線を制してやろうという(謎の)意気込みの下、観戦の舞台に選んだのは水戸。

仙台から南下した前年とは一転して、東京から北上のルートを選び、早速「特急ときわ」へと乗り込みました。
道中柏を経由した事で、「遠出してJ2の試合を観に行く」行為に疑問符を抱きながらも、約1時間半掛けて到着。

改札を降りたその刹那、ホワイトボードに装飾されたお出迎えという粋な計らい。
わざわざアウェイ側を頭に持ってくるという配慮に感銘を受けつつも、水戸駅のカオスな混雑具合(構内は自転車も通行可能らしかったし)に翻弄される状況に。

何とか宿に到着し、休息もそこそこに駅へと折り返し、バス乗り場へ。

実に判り易い乗り場。
それもそのはず、便宜上シャトルバスでは無く、増便された普通のバス扱いなのでこうした目印は必須といえるものでした。
そしてあくまで「普通の路線バス」(行先が「市立競技場前」となっている辺りその香りが)なのが往路のカオスぶりを生み出す事に……

道中のバス停に各駅停車し、しかもそこに新たなサポーターも乗り付ける事で中はぎゅうぎゅう詰めに。
そしてスタジアムへ向かうべく細い道へと路線を変えるバス。
最後のバス停から終点まで、その道のりは短いようで長く、幹線道路と交錯する事で生まれる小渋滞にも巻き込まれ……。
といった中々にハードな旅路と化した末に、無事にケーズデンキスタジアム水戸の前へ到着。

その大きさに圧倒されつつ、脇道にあるホーリーくんのイラスト(工事現場でよくあるやつ)に癒されながら敷地内を歩き。

渋滞による牛歩を強いられた事もあり、既に開場時刻を回っていたためそさくさと入場。
今回は(雨天を避けるという意味合いで)メインスタンド側に座る事に。

  

その名称の通りに推されるケーズデンキの広告。
正直な所ヤ○ダ電器や100満○ルトに比べてエンターテイメントの部分が足りてないと思う

ピッチ内では、ハーフコートで行われるキッズマッチの様相が。
物珍しい光景ながら、空腹には勝てない、という事で早速スタジアムグルメを確保しに場外へ。

その腹減り具合に自制心が効かず、やってしまった肉尽くしのコンボ。
「メツゲライ・タモン」のブースのホットドッグ(行列待ちに耐えられず一口かじった)、「龍神家」のブースの「龍神飯」と名付けられた肉丼。
特に後者は厚切りチャーシュー+チャーシューのそぼろ+タルタルソースという、二郎系に属していても可笑しくない、これでもかというカロリーの暴力。
いくらイベントの場とはいえ、選択を間違えれば大変な事になるというのを、胃もたれという結果で示されての観戦となりました。

飯にがっついている間にキッズマッチも終了となり。
天気予報の通りに雨がパラつき始めるなか、試合前練習……の前に、早くも発表されるアウェイ側・横浜FCのメンバー。

前回の新潟よりも早い……と思わされたものの、発表はアウェイのみとなり。
そんなフェイントを掛けられながら、試合前練習へと突入しました。

当然ながら、目がいくのはレジェンドのGK本間。
監督交代以降全試合ベンチ入りを果たしており、こうしてその姿を拝めるのは光栄の限り、と思いながら練習ぶりを目に焼き付けました。

 

その練習の最中に行われた、この日のイベントに則してのスピーチ。
水戸市長・大洗町長ののち、目を惹く事になった「クリーニング専科」の社長の脇に現れたマスコット。

 

真っ黒なカラーが齎す威圧感、その名前は「黒田ウーサー」との事。(以下うウーサー)
初見だと(スピーチという堅苦しい場だったのもあり)ゆるキャラ独特の可愛らしさが目立たない風でしたが、そちら方面が発揮されるのは後程となりました。

そんな中で練習も終わり。
雨は小降りという状況で、屋根があるものの風の影響でメインスタンドにも僅かに降り注ぎ。
そのような状況下で行われた、水戸のスタメン発表。
やっぱり練習後のタイミングが白眉だと思わされました。

 

何時の間にか加わっていた……と言っては失礼な、育成型レンタル組の2人。
シヴァタファリは3試合目、徳島でお馴染みだった櫻井は2試合目となったこの日の出場。(後者はこの日が水戸で初スタメン)
一見大型DFというような前者ですが、ポジションは右サイドバックで、その攻撃性ぶりからディフェンスの安定感を齎すには程遠い存在……でしょうか。
後者の中盤の底としての実力は既に折り紙付きで、不安定なセンターラインを固める切り札となり得るかどうか。

そんな新戦力をどう当て嵌めるかという難しい舵取りを、残留争いの中で取らなければならない状況の森直樹監督。
こうしてスーツ姿で撮られた風貌は、就任当初のラフな姿とは一変して風格が表れた感じであり。

この日のスタメン。
4バックを貫いてきた水戸ですが、この日は相手に合わせるように3-4-2-1の布陣。
サイドアタッカーの新井晴も、左ウイングバックの役割が示す通りに最終ラインに降りて5バックの左を固める時間が長くなり。
楠本の復帰で守備陣が安定したかに見えましたが、前節(藤枝戦、1-3)でスタメン落ちした結果失点増。
また離脱か……と思われたものの天皇杯3回戦(マリノス戦、2-2・PK4-5)で出場しているなど、やや不可解な序列変更は、リザーブでDF不在という事にも表れているようであり。
一方の横浜FCは山根→中村拓という1人のみの変更と、強豪らしいスタメン選択。

方や残留争い、方や自動昇格を視野に入れているとあり正直勝利は厳しいというホームチーム。
そのため布陣変更は、傍らからでも頷けるものでありました。

 

そして選手入場。
何も音響を掛けず、サポーターの声援・チャントのみで雰囲気を作り上げる、水戸スタイルというべき場内の中で行われ。

選手達の最後尾にはもちろんお馴染みのホーリーくん(夏バージョン)……と、再び姿を現したウーサー。
そのまま整列の場に加わるホーリーくんを尻目にライン際に残るウーサー、先程と同様の威圧感を露わにしたかと思いきや……

キックインセレモニー。

このナイスなキックにより、一転してゆるキャラ本来の魅力を醸し出す存在となり得たでしょうか。

ちゃっかり撮影にも加わるウーサー、可愛らしさを存分にアピール。

そして両軍選手がピッチに散らばる……という段階で、今度はこの男が存在感を示し。

 

それは横浜FCの福森で、他選手が既にピッチに入るなか、自身はピッチ脇で入念に感触の調整に努め。
流石移籍早々中心選手に昇り詰めた男、その立ち回りは他選手とは一線を成すものであると実感させられるに至りました。

さてキックオフ。
お互いロングボールを蹴り合う定番の入りを経て、布陣変更の効果もあったか水戸が押し込む流れに。
右サイドで極端に高い位置を取るシヴァタファリを矛とし、後方から積極的に間を通す縦パスを送り、横浜FC陣内でサッカーを展開します。

その水戸の攻勢が続いた故に、自分も水戸が4バックと思い込んでいて「あの新入り(シヴァタファリ)、とんでもない超攻撃的SBだな……」などと、目の前の光景に思わされ。
また最後列も、牛澤が右サイドに思いきり開いた立ち位置のビルドアップ。
この時点で3バックだと気付くべきでしたが、前監督・濱崎芳己氏を彷彿とさせる「右CBが右サイドに思いきり張り出す」最終ラインの形を思い出させるものだったため、それには至らず。

しかし10分を過ぎると、力量差が発揮されるかのようにペースを逆転させに掛かる横浜FC。
その立役者はやはり福森で、最終ラインから地上で繋いでの前進の間、福森はそれに加わらず中央を浮遊した末にチャンスエリアへ。
そして左から小川のクロスを頭で合わせ、枠を捉えられずに終わったものの、まさかのCBの選手が(流れの中で)ヘディングシュートを放ったその姿が展開を劇的に変える切欠となり。
そして守りに回る水戸、新井晴が最終ラインに降りて5バック化するその姿に、ようやくこの日の本来の布陣を理解する運びとなりました。

しばらくはその横浜FCの攻勢に、水戸も対抗姿勢を見せ尚も敵陣に進入を果たせていたものの、その最中にアクシデント。
前半18分頃に山本が足を痛めて倒れ込み、治療を経てピッチ外→復帰。
サポーターの声援を受けつつ、プレーを続ける運びとなったものの、20分過ぎに再度倒れ込んでしまいます。
これにより続行不能となり、慌ただしく交代の準備が行われる水戸ベンチ。
本来レギュラー格の落合(チーム得点王=5点)が投入される事となりました。

ここからめっきり攻撃機会が減ってしまう水戸。
間を通すパスを落合に通して何とか攻撃を組み立てんとするも、要所でユーリを中心としたディフェンスに阻まれ、立ち上がりのような好機を作る事が出来ず。

交代直後の24分、福森のキラーパスと形容すべき浮き球パスがエリア内のカプリーニへ渡り。
そして中央への横パスを経て櫻川がシュート(ブロック)と、徐々にその福森の存在感に脅かされる状況に。
5-4-1ブロックで自陣を固めるも、ミラーマッチ故にマンマーク気味の意識という守備隊形の水戸。
それ故に、横浜FCの前方の動きに釣られ、後方にはチェックが間に合わない(そもそもする意識が低い)という両雄並び立たずの状況がチラつき始めます。
それでも激しいデュエルが織り成す、主審の判定がやや水戸に甘いと感じるものだったのにも助けられ。(倒してしまうも笛は鳴らず、というシーンが多く)
そのフラストレーションで、32分には水戸の反則で止まった所を素早く始めようとした横浜FC、静止の笛が鳴ったにも拘らず(蹴り出しを受けたのち)ボールを裏へ蹴り出すカプリーニ。
当然遅延行為で警告を受け、それに対し長らく異議を唱えるという具合に、横浜FCサイドも盤石では無い雰囲気が漂います。

しかし35分に決定機、左サイド奥に持ち込んだ中野のクロスが櫻川の頭に合い。
そして放たれたヘディングシュートがゴールを襲うも、ライン際でGK松原が片手で掻き出すというビッグセーブで何とか凌ぎます。
その後のCKからも櫻川にヘディングシュートを打たれる(ゴール右へ外れる)等、ひとしきりゴールを脅かされる流れに。

最前線で文字通り「躍動」する櫻川。
その姿に、横浜FCもその後は彼をターゲットにするロングボール攻勢へと移り変わり。
そしてそのセカンドボールを拾って攻撃権を支配と、最前線の橋頭堡を押し出しつつ、要所でパスを受けるカプリーニが水戸ディフェンスをかき乱し。
いくら5バックで守りを固めているとはいえ、こうした個人能力を押し出されては苦戦は免れ得ないという状況でした。

しかしシュートを数多打たれつつも、必死にブロックして凌ぎ。
山本の負傷もあり長くなったアディショナルタイムも、横浜FCにセットプレーで時間を奪われながらも、何とか失点せずにやり過ごします。
CKからの最後の攻撃でも、水戸の反則気味のディフェンスで終わった事で、異議を唱えながらの前半終了となった横浜FC。

そしてハーフタイム。
ホーリーくんの場内一周、それにやはりウーサーもお供するという絵図に。

夏バージョンなため麦わら帽子装着のホーリーくん。
それ故に、スタンド上部からは顔が良く見えない状況が多かったですが気にしない。

 

キッズスペース前で、わちゃわちゃ状態となる2匹2人。

 

自分はメイン左側のスタンドに居たため、メイン右側から反時計回りというルートで、眼前にやって来たのはHTも終盤の事となりました。
そしてその間に、既に選手達は全員ピッチ内で円陣を組む段階へ。

 

そして始まった後半。
一度は止みかけた雨が再びぶり返し、照明を借りて肉眼でハッキリするほどの勢いとなるなかの試合と化しました。

横浜FCの猛攻とさして変わらない試合絵図。
自分の近くのサイドに攻める立場となった水戸ですが、守勢続きでボールが遠くに位置するのを余儀なくされ。

そしてその遠目で作られる決定機。
後半4分、中村のロングパスを収めた櫻川がエリア内で決定的なシュートチャンス。
これを前に出てブロックに近い形でセーブしたGK松原ですが、跳ね返りを小川に詰められシュートを許し。
万事休すと思われましたが、このシュートも巧くコースに立ちはだかって足でセーブと防ぎきった松原。
前半に続く1点もののビッグセーブで、スコアレスを保ちます。
その後も11分にCKから、カプリーニのシュートを至近距離でセーブするなど、守護神の働きぶりで勝利の芽も生まれて来たでしょうか。

そしてその通りの展開が訪れます。
後半全く攻撃機会を得れなかった水戸ですが12分、ワンタッチで横浜FCの喰い付きを剥がしながら前進し、左ポケットを突いた新井晴のグラウンダーのクロスがフリーの草野の下へ。
ややマイナス方向に流れる形となるも、収めた草野がそのまま強引にゴール方向に体を回転させながらシュート。
その行方も(シュートの前に反応してしまった)GK市川と福森の2人を掠めながらゴールに入るという、まさに執念の2文字が相応しいものとなった先制ゴール。
劣勢に次ぐ劣勢を、耐え忍んだ先に待ち受けるリードに辿り着きました。

試合の局面が変わった事で、キックオフ前に両ベンチともに動き。
横浜FCは小川→室井、水戸は草野・甲田→安藤・齋藤。
ゴールを齎した刹那退く格好となった草野、スタッフにひとしきり出迎えられたのち、スタンドに両腕でサムズアップ。

まさかのビハインドで足並み乱れる横浜FCの攻撃。
その隙を突くように17分に水戸は再び決定機、またも素早い運びでディフェンスを剥がした末に、前田椋が左ポケットを突いてシュート。
しかし左ゴールポストを直撃と、悔やまれる逃し方をしてしまいます。

その後19分に、ゴールキックで遅延行為(リスタートを促されたのちにもキャンセルと、ハッキリ解るような)をしてしまったGK松原が警告を受け。
やはり押し込まれている状況は変わらないという水戸の絵図。

しかし21分、前掛かりな横浜FCに対しまたも速攻が炸裂し、ロングパス→安藤ポストプレイを経てドリブルする齋藤が前に出たガブリエウを綺麗に剥がしてGKと一対一に。
そして市川を右にかわした末に放たれたシュートがゴールに突き刺さります。
上位相手に2点リードと、アップセットの末の勝ち点3が現実味を帯びてきた水戸。

建て直しを図る横浜FC、23分に再び選手交代。
ガブリエウ・カプリーニ→村田透馬・伊藤へと2枚替えし、村田透が右WBに入る事で中村が右CBへスライド。

相変わらず櫻川の高さは脅威であり、伊藤の投入でそれをさらに強化させる格好となり、そのうえでクロス攻勢を選択する横浜FC。
2点ビハインド故に余裕の無さは感じるものの、度々送られるクロスを跳ね返す水戸サイドも、徐々にダメージの蓄積は隠せなくなってきた感があり。

そして31分。
自陣で奪われてのトランジションという局面で、左からの浮き球パスがエリア内の伊藤に収まると、GK松原を含めた3人掛かりでブロックにいく水戸ディフェンス。
そのシュートは防ぐも、こぼれ球を伊藤に拾われてしまい無人のゴールに蹴り込まれる形となり。
必死のディフェンスがここに来て仇となる、嫌な形で1点を返されます。
尚、ブロックの際に交錯した大崎が長らく倒れ込むも、何とか無事に起き上がり。

そしてその後も、クロス攻撃に狙いを定めた横浜FCの姿勢にブレは無く。
頻繁に送られるアーリークロス、それを伊藤が収め続けるという、水戸サポーターの悲鳴が止まらないという試合展開。
38分に櫻川が交代となるも、投入されたのは同じくターゲット型の高橋利樹なため何の救いにもならず。

直後には交代投入の落合が足を攣らせてしまう事態に。
交代とはいえ、前半早めから出ていたため仕方無い感があったものの、ディフェンス型のベンチ選手が不在なため流れを堰き止める事が不可能な水戸サイド。(久保と交代、同時に新井晴→碇へと交代)
天皇杯で大崎・牛澤・甲田・草野がスタメン、新井晴も途中出場で長らくピッチに立つという具合に、連戦の影響も色濃く表れてきた感があり。

そして42分、ここも左からのアーリークロスでした。
中野のクロスを交代出場した高橋利が合わせるという、理想的な形で放たれたヘディングシュートがゴールに突き刺さり。
同点に追い付き、素早くボールをセンターサークルに戻した横浜FCサイド、まだまだ勝利を狙いにいく姿勢を維持します。

決壊は必然といった水戸ですが、ホーム故に残り時間の可能性に賭ける他無く。
何とか安藤にボールを繋いでゴールを狙いますが、状況は厳しく。
これは先程ですが、速攻の場面で新井からのパスが来ない事に苛立ちを示していた安藤(前田のポスト直撃のシュートの前あたり)、何となく連係面での不安が醸し出されているようであり。
シーズン序盤から出場を重ねるも得点出来ないという立場で、今後チームの力になるかどうか疑問符が付く一日に映りました。
(なおもう1人のFW・寺沼は負傷離脱中)

そうして迎えたAT、当然ながら攻勢に入る横浜FC。

室井のシュートをGK松原がセーブと、既に歓喜の瞬間どころの話では無いという冷や汗ものの展開を強いられ。
尚も続けられる横浜FCのクロス攻勢を防ぎ続けるという流れで、7分の目安時間を凌ぎに凌ぐ水戸。
そして2-2のまま試合終了の時を迎えました。

最悪の結果は何とか免れた水戸。
その内容はカウンター一辺倒と取られかねないものだったので、上位相手に勝ち点を得れたという切り替えが求められる事でしょう。
幸いJ2リーグはここで3週間中断するため尚更であり。


以下、試合中に撮った写真を載せてきます。(ボールペンの異常でメモを取れなかったため)

前半、無念の負傷交代となった山本。

その代わりを務めに掛かる落合。

水戸のセットプレー時のビジョン。
「水戸黄門」でおなじみの3人をモチーフにしたキャラらしいです。

カプリーニが警告を受けた事による異議。
流石に(静止の)笛が鳴った後に蹴り出しては言い訳は効きません。

5バックで整然と守る水戸。
降りたカプリーニに対し釣られ気味の位置取りに。

横浜FCのCK、蹴るのはもちろんこの男。

上げられたクロスを合わせにいく櫻川。

決して優良CBが揃っているとはいえない水戸故に、その高さは一重に脅威であり。

待ちに待った水戸のゴールに、飛び出して草野に駆け寄るベンチメンバー。

交代となったのちの、草野のサムズアップ。

ゴールへ向けて疾走する齋藤、この後見事2点目を叩き出し。

見辛いですが、ゴールした際のビジョン。

ゴール裏が芝生なため、バックスタンドに陣取る水戸サポーター団。
勝利への色も高まっていたものの……

大崎のロングスロー。
同点とされてからも何度か見られ、「何でもいいから(3点目を)取れ」という気持ちでそれを見守り。

結果的に痛恨となった1失点目。


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TV観戦 天皇杯 第104回全日本サッカー選手権大会3回戦 柏レイソルvs筑波大学サッカー部

2024-07-12 16:47:50 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • 柏ホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。

前回の天皇杯の記事 -2回戦・町田vs筑波大(1-1・PK2-4)


2回戦で、J1首位のクラブ(町田)を破るというジャイアントキリングを達成した筑波大。
それでもアマチュアの立場故に以降楽な試合は1つも無く、一戦必勝の構えで臨むトーナメント戦。
放映権を持っているNHKに対し、流石に連続で筑波大の試合を選ぶのはやり過ぎだと一言放ちたくなりますが、見所満載という触れ込み(プレゼンテーションによると、その主要因はOB・かつてのチームメイト絡み)なため納得せざるを得ず。

個人的な注目は、筑波大が柏・井原正巳監督の出身校という要因。
それにも拘らず、直近のリーグ戦(22節・FC東京戦、3-2)では体調不良で不在を余儀なくされ(栗澤僚一コーチが代行)、指揮が危ぶまれたものの何とか間に合う形に。
「古巣と戦うのは複雑な気分」というコメントが紹介されていたものの、既に2017年福岡の監督として天皇杯で相対していたため、一視聴者としてはそれを聞いて逆に複雑な気分になる事に。
というのも当時見事に筑波大に敗れる(1-2)結果に終わったため、そういった綺麗事云々よりは、何としてもリベンジするという執念に駆られていても不思議では無い。
そんな事を傍らから考えつつの視聴となりました。

前回の町田と比べ、遥かにアクセスしやすいスタジアム(三協フロンテア柏スタジアム)に部員が集結し、総出でゴール裏で声援を送る体制を作った筑波大。
しかし町田が「陸の孤島」と称される地理的なアウェイの色が強かったのに対し、ここ柏はとにかくスタンドの距離が近い、物理的なアウェイの雰囲気が齎されやすい場所であり。
ゴール裏以外全方位で柏サポーターの声援と怒号が近距離から飛ぶ(とはいえカップ戦故に集客は6,527人と今一つでしたが)、そんな中で巧く戦う事が出来るか、試される試合となりました。

お互いロングボールの蹴り合いで、中々好機が生まれないという入り。
しかし先んじて最終ラインから繋ぐ体勢に入る筑波大、前半4分に左からの前進をキャンセルしてGK佐藤に戻すと、プレッシャーを受けるなか佐藤はその間を通す縦パスを徳永に渡し。
中央から運ぶ状況を生み出したうえで、中に絞った左サイドバック・安藤のドリブルで好機を作ると、中央への横パスを同じく中へ絞ってきた角が右足アウトで合わせてのシュート。
しかしブロックで跳ね返り、拾った田村がミドルシュートを放つもGK佐々木がキャッチ
最初のチャンスが防がれたと思った刹那、柏は古賀のロングパスで前掛かりの裏を突いて一気にひっくり返しに掛かり。
左サイドに山本が走り込むも、GK佐藤がエリア外へ出て倒れながら(福井と縺れながら)もクリア。
これを拾った筑波大は、ボール保持から再びGK佐藤へ戻しプレッシャーを呼び込む立ち回り。
佐藤は今度はロングフィードで前線に運び、半代が胸で落として敵陣でパスを繋いだもののフィニッシュには持ち込めず。(角のクロスがブロックされコーナーに)
最初に好機が生まれた事で堰が切られ、1分の間に慌ただしい展開が描かれました。

筑波大が地上から繋ぐのに対し、柏はパワーサッカーの色が強い、悪く言えばアバウト・良く言えば効率の良い攻撃という立ち回り。
特に普段から「マテウス・サヴィオ頼みの攻め」と揶揄されがちなその攻撃パターンで、そのサヴィオがベンチスタートなため推して知るべしな状態。
筑波大の攻めを遮断しマイボールとなっても、その後の繋ぎが雑になり結局攻撃機会を得れずという、初見だとどちらが上のカテゴリか判らなくなる絵図も多々見られ。
熊澤のロングスローを手段に加えながら、とにかく攻撃機会を増やす事でプレッシャーを与えにいきます。

そしてそれが奏功したか。
12分以降好機が生まれないという流れに陥っていた展開で、16分に最終ラインでボール保持という慣れない状況となる柏。
試合を落ち着けたい思惑もあったのでしょう、ボールを触れに木下が降りて来た(パスを受けてすぐさまレイオフで古賀に返す)のもあり、まったりとする絵図に。
しかしその刹那、野田の縦パスで速度を上げると、それを受ける山本のフリックで喰い付いた福田の裏を取る形で木下が抜け出し。
先程降りてボールタッチしていた残像もあり綺麗にフリーとなって持ち運ぶ木下、そのままペナルティアークからシュートを放つと、GK佐藤は反応できずにゴール左へと突き刺さります。
緩急付けられた柏の攻撃に筑波大デイフェンスは成す術無かったという絵図で、スコアが動く事となりました。

その後、めっきり攻撃機会が少なくなった末に前半の飲水タイムへ。(23分)
改めて反撃体制を作らんとする筑波大ですが、24分に中盤でパスミスを犯してしまい、拾った鵜木が敵陣へ切り込み。
そして中央へ流れ溜めを作り、スルーパスがエリア内へ送られましたが熊坂が走り込めず。
25分にも山本が敵陣でパスカットしショートカウンター、その推進を福井のカバーで何とか防ぐという具合に、ビルドアップの乱れが大惨事を招きかねない流れに。

柏のしっかりとした守備対応(筑波大SBに、サイドハーフが下がってケア)により、ボールポゼッションを高めても中々好機を生み出せない状況に陥る筑波大。
救いは柏の右SB・川口の安藤への喰い付きが目立つという点で、この辺りは安藤が「偽SB」的な動きを混ぜ、左の2レーンを田村・安藤が流動的に請け負う立ち回りが効いての事でしょうか。

その弱点をカバーしながら良く守るものの、「良い守備から良い攻撃へ」という意識が、サヴィオ不在により実行できない柏。
その間に得点したい筑波大、この日スタメンとなった角が右ワイドに張るのを軸に攻め込み。
41分、ワイドで持った角が中央へ横方向への縦パスを打ち込むと、手前で半代のスルーを混ぜて中に絞っていた田村が受け。
そしてコースを探した末にシュートを放つも、野田のブロックに阻まれ同点ならず。

主体的な組み立てでの好機はこれぐらいで、そのまま前半も終わり際へ。
45分にはストーミング気味に、敵陣に押し上げた末にボール奪取してからの好機。
左ワイドで縦パスを受けた内野がカットインでポケットを取ってのシュート、しかしこれも野田がブロック。
右CKで継続し、クロスの跳ね返りを拾って再度左ワイドから切り込み、ポケットを取った田村のクロスをファーで諏訪間が合わせ。
しかしジャストミート出来ず枠外となり、結局前半のうちに得点は出来ませんでした。

1-0で折り返しとなり、ハーフタイムでの交代は無く後半開始を迎え。
キックオフの柏の初手は、サイド奥へロングボール→防がれるも熊澤がロングスローと、やはりアバウトな手に訴えるものでした。

相変わらず攻撃の形が見えない柏に対し、同点に向けての流れを構築したい筑波大。
後半2分に最終ラインから組み立て、一列前に付けるパスを受けた加藤は初手の切り返しで前に出た熊坂を剥がして前進開始。
そして右へ展開し、受けた角がポケットを突くスルーパスを送り好機到来となりましたが、走り込んだ半代のダイレクトクロスはそのままシュート気味に流れてしまい。
FW故にクロス精度まで求めるのは酷な部分があるか……そんな事を考えさせられるのを余所に、このプレーで加藤が足を痛めてしまう事態に。
今後が危ぶまれたものの、切り返しの所で熊坂と接触してのものらしかったのが幸いし、無事に継続し試合終了までプレーし続けます。

後半の筑波大は、町田戦の時と同じく3バック気味に可変。
池谷が最終ラインに残り、角と安藤がウイングバックのような立ち位置を取る形によるビルドアップで、目線を変えに掛かります。
しかし敵陣でのパスミスで好機を齎す事が出来ず、逆に柏のひっくり返すようなダイレクトプレイにより押し込まれ。
12分からCKが2本続き、GK佐藤が跳び出すもキャッチできず(クリアして凌ぐ)という際どい絵図も生まれる攻防に。

ここで柏ベンチが動き、一挙3枚替えを敢行。
鵜木・戸嶋・木下→山田・サヴィオ・細谷へ交代と、主力のサヴィオ・細谷を投入して勝負を決めに掛かるという采配を取ってきた井原監督。

直後に早速サヴィオはその期待に応え、敵陣へ切り込んでのカットインで中央に託し、チャンスエリアで持った熊澤が徳永に倒されて反則。
これにより好位置での直接FKとなり、当然サヴィオが狙うという意識を植え付けながら、蹴りにいったのは熊澤。
ゴール右を襲うこのシュートをGK佐藤がセーブし、(その後のCKも凌いで)何とか一矢を繋ぎます。

そして筑波大ベンチも動き、徳永→高山へと交代。(16分)
これ以降中盤はボランチが縦関係気味となり、加藤がアンカー・高山と田村のシャドー、というような攻撃時の配置に。
20分には左ワイドで田村が(熊坂に)反則を受けた事でのFK、キッカーは投入された高山。
(角のフェイクを交えて)右足でインスイングのボールを入れると、ゴールに向かう軌道となるもGK佐々木のキャッチで防がれ。
その後柏も再度CK攻勢に入るなど、セットプレーでの立ち回りを目立たせた末に後半の飲水タイムに入ります。(24分)

勝負の第4クォーター、長らくゴールが生まれない事により、文字通り次の1点が大きく左右するという局面に。
その通りに柏はチャンスと見るや果敢にゴールを目指し、28分に左スローインを受けた細谷がディフェンスに遭うも、熊坂が奪い返し。
そしてパス&ゴーで山本から受け直してエリア内を突く熊坂、右へ流れてブロックを振りきってのシュートを放ちましたが、ゴール上へと逸れてしまい決められず。
その後30分に川口が足を攣らせたため交代となり、同ポジションで関根を投入。(筑波大も同時に田村・半代→廣井・小林へと2枚替え、角が逆の左サイドに回る)
32分には細谷がプレスバックし自陣でボール奪取、そのまま中央を推進して高山の腕でのチャージを受けつつもパスを繋ぎ。
そして山田がダイレクトでスルーパス、関根が抜け出して決定機か……と思われましたがオフサイド判定に阻まれます。

1点差のまま耐え凌ぐ筑波大。
迎えた34分敵陣での繋ぎで、ストライカー・内野へのパスは悉くカットされるも、こぼれ球を確保し続けた末に左ポケットに持っていき。
そして放たれた安藤のシュートは関根がブロックして防がれるも、左CKで継続。
キッカー高山がニアにクロスを入れ、跳んだ小林には合わせられずも、その奥の古賀のヘッドでのクリアがあろう事かゴール内へ。
古賀にとっては小林が触れられなかった事で、「急にボールが来たので」という状況になってしまったでしょうか、反応が間に合わず当てるだけになってしまい。
まさかのオウンゴールでの同点により、試合の行方は全く判らなくなりました。

その後の柏は、熊坂が足を攣らせてしまう(39分、高嶺と交代)等、消耗によるダメージを先んじて露呈してしまう流れが続き。
前半から、ボールを落ち着けるという選択が中々取れずにいたのがここに来て影響してきた感があり。
それでも流れ的には、地力に勝る柏がゴールに迫り続ける展開に。
筑波大は、44分に諏訪間がボール奪取してすかさず縦パス、受けた内野のミドルシュートでゴールを脅かし。(ゴール上へ外れる)
一矢報いるような好機で、その後は角が最終ラインに降り5バックで凌ぐ姿勢を見せるなど、町田戦同様に同点の時間を長くした末の栄光を掴みにいきます。

突入したアディショナルタイム。
再び左ワイドからのFKを得た筑波大、キッカーは先程と同様高山が務め、放たれたキックも同じくクロスがゴールへ向かうというものになりGK佐々木がキャッチ。
この辺りもう一段階制度と工夫が欲しい所であり。

一方の柏は高嶺のボール奪取から、サヴィオが左サイドを持ち運んで一気に好機到来。
そしてパスを受けた山本が左ポケットへ切り込み、奥からグラウンダーでのクロスがブロックを掠めてニアサイドへ。
合わせたのは走り込んできたサヴィオで、ヒールでの合わせで強引にゴールへねじ入れにいきましたが、GK佐藤の脇で諏訪間がブロックと寸での所で凌ぎます。
最後に際どい攻防が生まれたという格好でしたが、スコアは動かず。
1-1のまま後半終了を告げる笛が鳴り、筑波大にとっては連続となる延長戦へ突入しました。

新たに一つ追加された交代カードですが、筑波大の方が3人・2度と選択の幅が大きい状況。
既に5人交代している柏ですが、延長前半(以下延前)早々の4分にそれを使用。
片山→ジエゴに交代と、早めに駒を投入する事で試合を動かしに掛かります。

そんな個の力の圧を掛けに来る相手に対し、これまで組織力を発揮してきた筑波大も、疲労度からか思うようにボールを繋ぐ事が出来ず。
5分に右スローインを直接ポケットに投げ入れ、ディフェンスに阻まれた事でCKへ移行と、それが伺えるような好機の作り方。

それ故に柏の格好の餌食となってしまったのは、ある意味必然だったでしょうか。
9分、サヴィオが溜めを作ったのち細谷のポストプレイを挟んでチャンスエリアへ推進。
その末に中央から放たれたミドルシュートこそ福井がブロックして防ぐも、右CKで継続すると、キッカー・サヴィオのクロスが中央へ。
そして細谷のヘディングシュートが放たれると、筑波大に防ぐ術は無くゴール左へと突き刺さります。
最終盤でようやく主力の本領が発揮され、勝ち越しに成功した柏。

キックオフでの再開前に、カードを切る筑波大。
角・池谷→小川・鈴木へ交代し、小川が最終ラインの中央に入った事で本格的な3バックへシフト。(WBが右=鈴木・左=安藤)

その後は、再三左サイドを上下動してきた安藤を活用し、何とか突破口を開かんとする攻撃。
しかし既に安藤も余力はあまり残っておらず、アーリークロスが精度を欠くという絵図も目立ちます。
一方の柏は、山本が足を攣らせるも既に交代枠は無く、気力を振り絞って最前線でブロックの姿勢に入る山本の姿が痛々しく。

結局そのまま延前は終了し、ラスト15分の延長後半(以下延後)へ。
開始前に筑波大は最後のカードを使うと、福井→竹内へと交代し再度4-4-2へと戻して延後に臨みました。(竹内は右SHに入る)

柏がバックパスでGKに戻すも、佐々木がキックを空振りしてしまいCKを献上するという入りになったその延後。
この右CK、キッカー竹内のクロスは跳ね返されるも、確保ののち再度竹内に回してのクロス。
これがライナーでファーサイドを突き、小林の下へピタリと収まるボールとなり絶好機が到来します。
しかし放たれた小林のシュートは、サヴィオのスライディングを避けて撃った影響かサイドネット外に終わり同点ならず。

これを逃したのは痛いの一言で、以降運気は巡って来ない筑波大。
5分、ゴールキックからロングフィード→細谷フリックと単純明快な流れでアタッキングサードに運ぶ柏。
走り込む山本を小川が倒してしまい反則、警告を受けたのみならず絶好の位置で直接FKを与えてしまう事に。
相手に好機ととに時間を与えるのが最もキツイという反則となり。
放たれたジエゴの直接シュートは左へ外れるも、その後も逃げきりに向かう柏に対し一向に好機は巡って来ず。

逆に10分、縦パスを高嶺にカットされ、サヴィオが左サイドから切り込むという具合にまたも柏の好機に。
中央の山本への横パスは遮断した筑波大ですがこれにより左CK。
しかもこの際に諏訪間が足を攣らせてしまい、長らく倒れ込んだため担架も持ち出されたため、ピッチ外へ出る事を余儀なくされ。
このセットプレーを10人で凌ぐという具合に、逆境が続く筑波大。

何とかGK佐藤がクロスをパンチングで跳ね返し、諏訪間がピッチに復帰するも既にCBを務める余力は無く。
最前線に回った諏訪間により、加藤がCB・竹内がボランチ・小林が右SHと玉突き的にシフトした残り時間。
一方柏も、野田が足を攣らせたためか最前線に回る事に。
こちらも関根がCB・山田が右SB・細谷が右SHと激しくシフトし残り時間を戦います。

お互いダメージが深刻という絵面で、最後のATへ。
筑波大は安藤が内野を狙ったロングパスを送り、クリアされるもセカンドボールを拾って最後の攻撃。
そして竹内がミドルシュートと、ゴール裏の期待と希望を乗せて放たれたこのフィニッシュも、ゴール上へと外れてしまい。

そして試合終了の時を迎え、2-1で柏が勝利。
2戦連続の奇跡は起こせずとなった筑波大ですが、まだまだ続く彼らのサッカー人生、幸の多いものとなる事を祈りたいものです。

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ABEMA観戦 UEFA EURO2024準決勝 スペインvsフランス

2024-07-11 16:01:46 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • スペインはル・ノルマン、カルバハルがこの試合出場停止。
  • 両軍の選手表記はyahooスポーツナビに準拠。

参考動画

前回のEUROの記事 -準々決勝・スペインvsドイツ(2-1)


いよいよ栄冠まで残り2戦、というセミファイナル。このブログでスペインの追っかけをしているような感じだが気にしない

カタールW杯以降、久々に見るフランス代表。
あれから1年半という月日を経ても、当然ながら当時の代表選手も大幅に残っています。
左サイドバックのテオ・エルナンデスや、ザ・アンカーというべきチュアメニ、やや特異な守備布陣のバランスを取るラビオといった名前を見るに懐かしさが先に立つ自分。
そしてそんな軍団の先頭に立つ男はやはりエムバペ(ムバッペ)ですが、今大会でいきなり負傷に苛まれて出鼻を挫かれる格好に。
鼻骨骨折という部位もあり、欠場は1試合のみ(グループリーグ2節・オランダ戦、0-0)と無理を押してその後も出場を重ねていますが、挙げた得点はPKによる1点のみという低調ぶり。
彼に引き摺られるように得点力不足に陥っている現在のフランスですが、貫禄をもってスペインの進軍を止める事が出来るか。

yahooスポーツナビでは、ロドリ・ルイスをドイスボランチとした4-2-3-1という布陣のスペイン。
その形はこれまでも大部分で使用しているものですが、この日は攻撃時にハッキリとした、ロドリがアンカーを務める4-1-2-3の形でボールを繋ぐスタイルに。
そして守備時は4-4-2へ可変という、最近のトレンドである4-3-3をなぞる体制を採りました。

スペインの最終ラインからのパスワークに、当然ながら対抗姿勢を取る守備時のフランス。
それはW杯の時と全く変わらない、エムバペが前残りしての4-4-2という、変則なブロックへの移行とシステム面でも自分だけに懐かしさを醸し出すものでした。
エムバペの攻撃力を存分に発揮させる手法ですが、同時に守備時にサイドハーフと化すデンベレとラビオ、特にラビオのバランス調整が大変なように映るシステム。

スペインにポゼッションからの好機を許す展開が続いていたものの、前半7分にオルモ→モラタへのスルーパスを遮断したのち、こぼれ球をGKメニャンが直接ロングフィードを送ってのカウンターに持ち込むフランス。
こちらもコロ・ムアニ→エムバペへのスルーパスが遮断されて終わりますが、これによりスペインのターンを終わらせ。
そして続く8分、エムバペとは逆の右サイドで前進する体勢から、デンベレのサイドチェンジにより託されるエムバペ。
そして左奥でナバスと対峙するなか、予備動作を殆ど見せず右足でクロスを送るエムバペ。
これに中央からファー寄りに位置を変え、センターバックのマークを絶妙に外したコロ・ムアニがヘディングシュート、ゴール右へと突き刺します。
直接の得点は無くともやはり左翼の矛は強力の一言、といった先制点に辿り着いたフランス。

追う立場となったスペイン、これが今大会2度目。
1度目はラウンド16(ジョージア戦、4-1)で、その際は格上らしく猛攻の末に逆転を果たす試合を演じましたが、相手が強豪だけにどうなるか。
やはり守備布陣に気を使うフランス故に、その要因であるエムバペのサイドの右から仕掛けにいき。
11分、右ワイドで持ったヤマルがエリア内へ「横パスと表現すべき縦パス」を打ち込むと、ポケットに居たオルモはスルーを選択するもディフェンスに当たり結局自分が持つ状態に。
すると今度は奥へ切り込む姿勢からのヒールパスと、変化を付けにいったオルモでしたが結局モラタには繋げられず。

こうして敵陣での細かなパスワークで打開を図ったものの、14分にはフランスの逆襲で、ラビオをスライディングで止めにいったナバスが削ってしまい反則・警告。(ラビオは治療を受けたのち起き上がるも、警告のためそのままプレー続行)
これにより直接フリーキックのピンチも招いてしまいますが、ここはエムバペの直接シュートを壁が防いで事なきを得ます。
しかしその後も、19分にエムバペにワイドから切り込まれてカットインを許しシュート(ナチョがブロック)、こぼれ球をデンベレが逆サイドからマイナスのクロス(クリア)と両翼に押し込まれる流れに。

そんな状態故に、こちらもウイングの力を発揮するのが一番という思考に落ち着いたでしょうか。
迎えた21分、ナチョの縦パスを受けたオルモを経由し中央からモラタに託すも、ディフェンスに遭いこぼれ球を拾ったのは右WGのヤマル。
するとカットインから果敢にミドルシュートを放ち、これが芸術的な弧を描き左ポスト内側を叩いてのスーパーゴールとなります。
これが大会史上最年少のゴールという事で、一躍スターダムへと躍り出たヤマル。

これにより、一気に上げ潮モードとなるスペイン。
先制点のように中央での前進を見せながら、右サイドのヤマルを使う事で、可変を強いられるフランスディフェンスは混乱気味に。
逆の左サイドでは、ウィリアムズが主に中央寄りでビルドアップの出口役を務め、自らの突破は控え気味とやはり肝は右サイドと踏んでいた感があり。

そして25分でした。
最終ラインからパスを受けたヤマルは、中央へ流れての縦パスを選択とここでも最初に中央を見せた事で、空いた右スペースを突き上がって受けたナバスがクロス。
クリアが小さくなった所を右ポケットでオルモが受けると、空中での絶妙なトラップでチュアメニを剥がして奥へ進入、そして斜めからシュート。
GKを抜いた奥でクンデがブロックに入るも、ゴールへ向かうボールの運命を変える事が出来ずにネットに突き刺さり。
最初はクンデのオウンゴールという記録も、のちにオルモのゴールに切り替わったこの逆転弾で、前に出たスペイン。

一気にビハインドとなってしまったフランス。
こうなるとエムバペを警戒されるのは明らかで、以降は逆の右からデンベレが仕掛ける攻撃を続けます。
その思惑通りに何度も右奥からマイナスのクロスを送るデンベレですがスペインに防がれ。
エムバペも31分に仕掛けたドリブルがナチョに止められるという具合に、依然今大会で本調子とはいかないというシーンを露呈してしまい。
ここでビルドアップまで停滞しては一巻の終わりといったフランスですが、こちらはチュアメニが最終ラインに降りる3枚での繋ぎにより何とか安定を保ち。

39分に再び右ワイドで持ったデンベレ、今度はカットインを選択すると、その初動でククレジャの足に引っ掛かって倒れ反則。
これでワイドからのFK→左コーナーキックとセットプレーが続く流れに入り、ショートコーナーからの繋ぎを経てエルナンデスのクロス。
ファーでサリバが合わせるもミート出来ずに終わると、流れたボールをスペインが繋いでカウンターに持ち込み。
ウィリアムズの前進から託されたのはヤマルで、先程と同様にカットインを経て中央からミドルシュートが放たれましたが、ここはエルナンデスのブロックで何とか防いだフランス。

結局、攻撃の流れ自体は悪くなかったもののゴールは奪えなかったフランス。
2-1で折り返し、ハーフタイムを挟んで後半を迎えます。

そしてスペインのキックオフで始まった後半、その通りボールを握りにいったスペイン。
しかしフランスが果敢にハイプレスを掛けた事で、ナバスのバックパスが乱れて辛うじてゴールライン際でナチョが掻き出しCKを防ぐというシーンで開幕。
これで得た左スローインから好機を作りたかったフランスですが、狭い局面での繋ぎは逆にヤマルのパスカットからスペインのカウンターが齎され。
こちらも細かな繋ぎを強いられるもロドリの縦パスで脱出に成功し、素早く逆サイドへ展開、広大なスペースへ送られたルイスのスルーパスにウィリアムズが走り込む状況に。
そして飛び出してきたGKメニャンに先んじて触れたウィリアムズですが、メニャンは身を挺してのスライディングでその推進を阻み、この危機を凌ぐ事に成功します。
この際に無理をした所為か足を痛めたメニャン、それを見たフランスベンチでサブGKの準備が行われるもその後も無事にプレーを続け。

フランスのハイプレスは、常時アンカーを切り、その脇に降りてくるルイスに対しカンテが付くという体制で行われ。
しかしそれも次々とかわしていくスペインのボール保持。

後半8分にようやく、降りて受けにいったウィリアムズに対しクンデが前を向かせず、監獄を生み出した末に奪ったクンデ。
そのまま上がってパスを受け直してクロスに繋げたクンデによりCKに持ち込むという具合に、このままボールゲインの流れを生み出せれば……というフランス。

しかしスペインも9分、センターバックの持ち上がりを使い、その期待通りにコロ・ムアニを剥がして敵陣へと運んでいったラポルテ。(その後敵陣でパスワークもフィニッシュには繋がらず)
ただのパスワークだけでは無いスペインの前進の前に、敵陣で奪ってショートカウンター……という手法もやり辛くなり。

こうなると残るは主体的な攻撃のみのフランスの道筋。
強力なWGが居るだけに、そこにどう出来るだけフリーな状態で託すかがカギとなり。
10分、遊びのパスでククレジャを釣り出した隙にデンベレに預けるというその通りの手法を発揮したものの、シュートには繋がらず不発。
直後の11分には、こちらもCBウパメカノの持ち運びを使い、その後スルーパスがエムバペに通り。
そして奥からのカットインでポケットに入ったエムバペですが、放たれたシュートはブロックの間を通すもののGKシモンが正面でキャッチ。

1点差故に気の抜けないスペインは、12分にナバスが足を痛めた事で先に交代カードを切り。
カルバハルの代役を何とか務めた格好となり退いたナバス、ビビアンを投入してCBに入れ、ナチョが右SBにシフトし穴を埋めに掛かります。
その直後に観客がピッチに乱入(放送席の談)というトラブルが発生するも、冷静さを保つ両チーム。

15分に自陣でボール奪取したデンベレから素早く縦に運び、スルーパスに走り込んだデンベレがダイレクトで奥からクロス。
これがシュートも取れるゴールに向かうボールになり、前に出ようとしたGKシモンの逆を突きましたが片手で何とかセーブ。
敵陣では奪えずも、スペインのポゼッションに対し何とか早めに奪いたいという思惑は変わらず。
直後にモラタのポストワークを倒してしまったチュアメニが警告を受けるものの、多少の被害は覚悟の上であり。
17分にベンチが動き、一挙3枚替えを敢行するディディエ・デシャン監督。
ラビオ・カンテそしてコロ・ムアニに代え、カマビンガ・グリーズマン・バルコラを投入。
そしてこれによりエムバペがセンターフォワードに回る(左WGにはバルコラ)という具合に、最後はエムバペの能力に頼る体制となり。

エムバペが居なくなった分、エルナンデスが前への意識を高める事となったフランス左サイド。
その通りに、20分・24分と2度前に出てボール奪取に成功したエルナンデスから好機を作るも、フィニッシュには繋げられず。
特に後者は、右へ展開してデンベレがカットインという状況に持ち込むも、スリップしてボールロスト(その後勢い余ってモラタを削り反則)と勿体無い終わり方。

ウイングの仕掛けが中心というフランスの攻撃パターンは、エムバペが不在となっても変わる事は無く。
それ故に中央で張るエムバペは相手へのプレッシャーとなっても、ボールが渡らずに能力を活かす機会が少なく。
31分、左サイドから前進していきグリーズマンが奥を突いてクロス、ファーサイド奥へ上がったボールをデンベレが足で折り返し。
マイナス方向へ流れるも拾ったカマビンガが左へ横パスを送り、エルナンデスがフリーの状態でシュート。
しかし利き足とは逆(右足)なためかふかしてしまい枠外と、エムバペのプレッシャーの外で作った好機も実りません。
直後にスペインベンチが動き、途中交代の定番となりつつあるメリーノ・オヤルサバルの2人を投入します。(オルモ・モラタと交代)

やはりエムバペの1トップ状態では厳しいと踏んだか、34分にジルーを投入したフランス。
デンベレと交代し、以降4-4-2に近い布陣で同点を狙いにいき。(サイドハーフは右にグリーズマン・左にバルコラ)

フランスの攻撃機会が続くも、然したるフィニッシュは生まれず時間が進み。
36分は逆にスペインの攻撃、左サイドでのパスワークから中央→右へ展開し、先制点を挙げたヤマルが再度カットインからミドルシュート。
これも先制点同様に強烈にゴール上部を襲うも、僅かに外れて追加点とはいきません。

しかし攻め疲れの様相も見せるフランスに対し、ポゼッションを高めてボールを動かす立ち回りの色を強め。
敵陣アタッキングサードまで運ぶも、戻して作り直しという絵図を何度も作り、諦めずに掛けられるフランスのプレッシングも物ともせず時計を進めていきます。

44分にククレジャをアフターチャージで倒してしまったカマビンガが反則・警告と、焦りを隠せないフランス。
それを見計らって続く45分、ついに打って出て戻さずにエリア内を突きに掛かるスペイン。
左ポケットへのオヤルサバルのスルーパスによりCKを奪い、同時にアディショナルタイムに突入。
攻めの姿勢を見せたスペインですが、この左CKからカウンターに繋げるフランスと一瞬の隙が生まれてしまいます。
グリーズマンのドリブルをヤマルが反則で止め、当然ながら警告が出たものの防ぐ事に成功。
それによるFKから、ウパメカノがヘディングシュートを放つも枠外と、どうしても決定打を放てないフランス。
(スペインは最後の交代、ヤマル・ウィリアムズ→トーレス・スビメンディへと2枚替え)

押し込み続けたいフランスですが、その後もバルコラのアーリークロスからのグリーズマンのヘディングシュート(枠外)のみに終わり。
単発で終われば、その分スペインのボール保持が待っているという具合に追い詰められた状況のAT。
結局それをひっくり返せないまま、2-1で試合終了の笛が鳴り響きました。

ついに決勝へと駒を進めたスペイン。
一方の相手も、その翌日にイングランドがオランダを破って(2-1)勝ち上がり決定。
果たしてどんな結末が待ち受けているのか。

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