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DAZN観戦 2024年J3リーグ第22節 アスルクラロ沼津vsFC岐阜

2024-07-25 16:00:33 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

2位以下の混戦(と言うよりは、首位・大宮の独走)により、どの方面を向いても「昇格争いを占う大事な一戦」になりがちな現在のJ3。
こうした混戦から一歩抜け出せるだけの力は何処にも無く、4位に着けている沼津も、最近5試合は勝敗が綺麗に交互している2勝3敗という成績であり。
無敗で来ている富山・八戸に若干勢いがあると言えますが、果たしてその通りの道を歩むかどうか。
共にそんな状況を抜け出したいチーム同士の対戦。

特徴である「偽サイドバック」戦術をどう活かすかという沼津。
早々の前半1分に、左ワイドでのワンタッチパスの連続による前進から、中央を突かんとしてこぼれた所を、安在が走り込んで右ポケットからグラウンダーでクロス。(シュートには繋がらず)
果敢に最前線にまで上がる安在ですが、この日の立ち位置は何時もの(攻撃時に)ボランチでスタートする姿勢から一転し、ワイドでのプレーを目立たせていた節がありました。
続く2分にも、中村のロングパスをワイドの位置でフリックで繋げた安在、ディフェンスに遭ってのこぼれ球を拾うと奥を突いてクロス。
逆サイド奥へ流れるも鈴木が拾い、戻しから濱縦パス→和田フリックで左ポケットを突き、受けた持井がゴールに近い位置でシュート。
GK後藤の左を抜くも遠藤のブロックに阻まれ、早期の先制点はならずも、これまでのギャップを活かしての攻撃に見えました。

実際岐阜はそれに振り回され、沼津の地上でのビルドアップでも、ワイドの安在をフリーにしてしまう状況を数多作ってしまい。
攻撃機会を多く作られ押し込まれると、エラーも生まれてしまうもので、13分には最終ラインであろう事か左→中央へのパスをエリア内で持井にカットされてしまい。
沼津の攻めを切っての繋ぎの場面で、左ワイドで詰まり気味となった文は最初GKへの戻しを選択しようとした(様に見えた)ものの、鈴木のプレスバックを視界に入れたため真横へのパスに切り替えた結果持井に読まれて発生したものであり。
ここから右ポケット奥に切り込んでマイナスのクロス、受けた津久井が前進の姿勢からヒールパス、濱がダイレクトでシュート(西谷がブロック)と細かくフィニッシュにまで繋げたもののゴールならず。

岐阜は上記の危機から、尚もボール保持する沼津に対し北のボール奪取を切欠にカウンターを仕掛けたもののフィニッシュにまでは持ち込めず。
押し込まれるなか偶発的な好機に賭けるという流れを強いられますが、もう一つの要因が沼津の前線のディフェンスであり。
持井がFWに上がる4-4-2の布陣が基本姿勢の沼津ですが、その持井がマンツーマン気味に西谷に付く姿勢を取るため、中々ボランチ経由での前進姿勢を取れず無駄に時間を潰していきます。

沼津は徳永のミドルシュートの連発など、攻勢をフィニッシュに着実につなげていくもののゴールは割れず。
岐阜がタッチに切った所で、21分とやや早めの段階で飲水タイムが挟まれ。

ブレイクが明けたのちも安在は右ワイドでのプレーが目立ち、23分の最初の好機では後方から一気にエリア内へロングパス、これを鈴木が走り込んでヘディングシュートに繋げ。(枠外)
やはり「偽SB」と評される戦術な以上、何処かで本来のSBとしての働きを混ぜなければ脅威にはなり得ないもの、という結論に落ち着いたでしょうか。

迎えた26分、こぼれ球をやはり右ワイドの位置から安在がダイレクトで縦パスを打ち込んでの好機、和田のポストプレイを挟んで繋ぐも再び安在の下に戻ってくるボール。
最終ラインで中央→左へとサイドを変えると、こちらも濱がワイドで受けて前進と見せかけ中央へパス。
そして菅井が遠目の位置ながら果敢にシュートを放つと、ゴール右へと豪快に突き刺さります。
両ワイドで目線を釣り、中央に出来たスペースを突く(シュートは菅井のゴラッソ気味なものでしたが)という理想的な形で先制を果たした沼津。

スコアが動いた後も、展開はさして変わらず。
反撃したい岐阜は攻撃も守備も良い所無く、無理に前進の姿勢を取ってはボール奪取から危機を招いてしまい。
34分に鈴木が反則気味にボールを奪うと、拾った濱が中央へ流れて持ち運びと、ここで本来の「偽SB」システムらしい動きで好機を呼び込み。
そして上がってきた鈴木がパスを受けて左ポケットを突くと、徳永とのパス交換を経て戻しを選択し、最後は濱がペナルティアークからシュート。
ブロックで何とか防いだ岐阜ですが、変幻自在といった沼津の矛に苦しめられ。

一方の岐阜も、文が最終ラインに残っての3枚でのビルドアップの形から、前線に運べばその文がハーフレーンを上がって来るという「偽SB」を取り入れての攻撃システム。
しかし自身が絞る事でワイドが手薄となり、ウイングが下がって守備をする沼津に対し運ぶ隙が生まれ辛い状況に陥ります。

ゲームを支配している間に追加点を得たい沼津は、43分にロングボールを合わせにいった和田が遠藤に腕でチャージされて反則に。
これで得た左からのFK、キッカー徳永のファーへのクロスを菅井が折り返して好機が生まれるも、合わせにいった鈴木がクリアした田口と交錯してしまい。
その結果反則となり警告、さらに鈴木自身が痛んでしまうという二重の被害を受けて終了してしまいます。

結局1-0のまま前半終了。
ハーフタイムで、巻き返したい岐阜は2枚替えを敢行し、北・藤岡→萩野・生地。
一方沼津も津久井→齋藤へ交代し、鈴木が逆サイドの右WGへと回ります。

岐阜はやはりボランチ経由で運べない状況を改善したかったらしく、投入された2人によるドイスボランチへと変更。
西谷がFWに回るというポジションチェンジを敢行して後半に臨みました。
広範囲に流れてパスを引き出す性質を持つ生地により、沼津の守備姿勢を崩しに掛かったでしょうか。
その狙いは概ね当たり、持井が引き続き萩野をチェックする脇で生地が動き回ってビルドアップを円滑にし。

後半6分、文のボール奪取から右サイドを前進し、細かなパスワークを経て左ポケットを突き。
荒木が安在を股抜きしてカットインを仕掛け、クリアされるも左コーナーキックで継続すると、キッカーは荒木。
ファーに向けて上がったクロスがそのままゴールへ向かう軌道となり、右ポストを直撃し跳ね返った所を、さらに新垣が追撃のシュート。
しかしジャストミートせず左へ逸れて逃してしまい。

それでも好循環は変わらず、9分に沼津のプレスを引き寄せて甲斐が速いミドルパスを送り、田口の落としを経て中央をパスワークで前進。
西谷→田口へのパスは遮断されるも、沼津が繋がんとした所パスミスが生まれ、文が拾って継続される岐阜の攻撃。
そしてパス&ゴーでエリア内へ走り込んだ文の所へ、新垣→荒木と経由し流れるボール、そして放たれるシュート。
GK武者が防がんと前に出た所を抜いて、ゴールに突き刺さり同点に追い付きます。

沼津のお株を奪うような、超攻撃的SBの働きを見せた文。
こちらも「偽SB」の立ち位置を基本としながら、後半はワイドで抜け出すシーンが目立つなど、両者を混ぜながら立ち回った結果繋がったゴールだったでしょうか。
尚も11分、左ワイドで拾った文がパス&ゴーで今度は中央へ流れ、持ち運んだ荒木のパスを受けての好機。
そして新垣を経由して右ポケットへ送られ、逆のSBである石田が上がって来てシュート(枠外)と、沼津同様に両SBが好機に絡む事でリズムを保ち。

しかしその高揚感か、前への意識を高めた結果後方では沼津のパスワークに対し激しいアタックを仕掛けるようになり、反則を量産する事に。
ブツ切りの流れを余儀なくされ、好循環も一時的なものに終わります。
そして沼津は17分、最終ラインでパスを繋いだのち一気に左サイド裏へ附木がロングパスと、疑似カウンター的なチャンスクリエイトを経て齋藤が左ポケットへ進入。
ここでさらにカットインを仕掛けて中央まで流れ、シュートを放った斎藤でしたが最後まで付いてきた甲斐のブロックに阻まれ。
そして跳ね返りを繋いだ岐阜のカウンターに持ち込まれる(シュートには繋がらず)という具合に、移籍のレールに乗っかって以降どうしても運が落ちたように見える齋藤のプレーぶり。
一方の岐阜も、ここでの好機が最後文が徳永に反則気味に止められた事で、「こっちの反則はすぐに取られるのにどうして……」という意味合いのブーイングがスタンドから沸き上がる状態に。

どちらとも言えない流れの中、22分に後半の飲水タイムに。
ブレイク明けの段階で、岐阜はさらにカードを切り遠藤→野澤へと交代。

硬直する展開とともに岐阜も流動性を失い、再びボランチ経由の攻めが出来なくなる状態に陥る事で沼津へと針が傾き。
そうなると沼津の流動的な「偽SB」システムが活き易い状況で、27分に右からの徳永のクロスを合わせにいったのは濱。(クリアされて撃てず)

このタイミングで攻勢に繋げるべく沼津ベンチも動き、30分に川又を投入。(和田と交代、同時に鈴木→柳町に交代)
すると岐阜も31分、新垣→松本へ交代とすかさず動きを見せます。
ラスト15分(+アディショナルタイム)という最終局面に相応しい采配を見せる両サイド。

どちらもフィニッシュに繋げられない攻めを繰り返し、迎えた34分、敵陣浅めでボールを持った生地は戻しを選択して攻め直し。
すると文縦パス→西谷フリックでギアを上げ、受けた田口がディフェンスに遭いこぼれた所、拾った西谷が中村に倒された事で反則の笛が鳴り。
これにより中央・エリアからすぐ手前という絶好の位置での直接FKと、とうとうゴールを生み易い状況を作り上げた岐阜。
入念に壁を作る沼津に対し、(荒木・石田・文のうち)3人の誰が蹴るか長考した結果、蹴りにいったのは石田。
しかし壁を直撃してゴール上へと逸れ、その後のCKからの攻めもモノに出来ず終わってしまいます。

交代以降やや勢いが削がれた感のある沼津、ブーストを掛けるべく38分に最後の交代。
齋藤・川又と同じく大ベテランの染矢を投入(徳永と交代、同時に持井→遠山へと交代)し、右ウイングに入りその原動力にせんとします。(柳町が前方インサイドハーフへシフト、遠山がアンカーに入り菅井が後方IHへ)

すると39分、安在の縦パスを受けた染矢がドリブルに入り、そのまま右サイド奥を突いてグラウンダーでクロス。
これはブロックされて右CKとなるも、すかさず遠山からのショートコーナーを受け、再度遠山に返したのちクロスが上がり。
これが大外に送られるボールとなると、待ち構えていた中村が合わせボレーシュート、ゴール左へと突き刺さります。
フリーとなった状況・放たれたシュートともに綺麗な絵図となった終盤での勝ち越し点に、一斉に殊勲の中村を取り囲む沼津選手。

土壇場でビハインドとなってしまった岐阜、キックオフ前に最後の交代を使用し田口→イヨンジェ。
沼津同様、Jリーグ歴の長いベテランであるイヨンジェの存在で追い付かんとします。

しかしそれに合わせるべきクロスは中々上げられず、時間を費やす岐阜。
そしてATへ突入すると、染矢の反則気味のスライディングでボールを奪った沼津がカウンターを展開し、敵陣にドリブルで持ち込んだ安在。
スピードダウンするも、リードした終盤な以上深めまで持ち込んだその意義は絶大で、その後またも染矢が奥へ切り込んでのクロスがブロックされてCKに。
そしてコーナーで時間稼ぎに入る、齋藤・川又の元代表コンビの姿はある意味壮観であり。

その姿勢を切った岐阜、最後方の野澤が対角線のロングパスを最前線に上がった石田に送るという、強引な手法ながらも前進に成功。
そして右スローインからクロス攻勢に持ち込み、尚もCK攻勢と、ゴール前にひたすらボールを送り続ける流れに。
その左CKからの二次攻撃で、生地の後方からのミドルパスを萩野が落とし、混戦から小さくこぼれた所を西谷がシュートと決定機。
しかし中村のブロックで際どく防いだ沼津が、勝利への進軍を歩む事となりました。

最後は川又のポストワークが反則を呼んだ事で敵陣深めでのFKとなり、岐阜は万策尽き。
再開後のパスワークの最中に試合終了となり、2-1で勝利を手にした沼津。
これで3位に浮上したものの勝敗が交互する状況は変わっておらず、それを塗り替える連勝は果たして実現できるでしょうか。

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