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DAZN観戦 2024年J3リーグ第13節 ツエーゲン金沢vsガイナーレ鳥取

2024-05-10 18:30:49 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

シーズン立ち上がりの不振を跳ね返し、改めてJ2昇格への戦いに入っている金沢。
目立つのは点の取り合いの試合が増えて来た事で、不安定ながらも無敗で切り抜けるという「多少の傷は厭わない」ような突撃ぶりを感じさせるものであり。

しかしそんな精神が災いとなったか、フロントレベルではこんな一報が跳び込んでくるに至り。
「ネーミングライツ(命名権)の件は関係無い」と釘打たれたものの、やはり(ゴーゴーカレーと)両雄並び立たずの状態になった事は想像に難くなく。
果たしてJ3の場で猪突猛進を続ける金沢、その結末は如何なるものになるか。

この日の対戦相手は鳥取。
今季から監督を務める林健太郎氏は、現役時代ヴェルディの主力選手としてのウェイトが大きく。
しかしその別れ方が拙かったため、引退後の活動は他クラブで行っているという「元クラブと袂を分かつ」典型的な人物となり。(千葉・小林慶行監督、讃岐・米山篤志監督もほぼ同類)
主に神戸でコーチ・フロントとして働き、その最中の2018年にひょんな事から暫定監督を務め。(2試合、ファン・マヌエル・リージョ氏就任に伴う準備期間での指揮)
その時以来のトップチームの指揮となり、年齢も決して若くないなか結果を出せるかどうか。

そんな鳥取に、いきなり金沢の攻撃陣が襲い掛かり。
ボール争いを制した末に、右スローインを小島がサイド奥へと投げ入れた事で右コーナーキックに持ち込んだのが前半2分。
するとキッカー大山のクロスを中央で畑尾が合わせ、このヘディングシュートをゴールライン寸前で伊川がブロック。
しかし息もつかせぬ追撃が待ち受けており、詰めた大谷のシュートも防いだ伊川ですが、さらに放たれた庄司のヘディングシュートはどうにもならず。
ゴールネットが揺れ、幸先良く金沢が先制点に辿り着きました。

しかしそれだけでは終わらず。
何とかボール保持の姿勢を作り上げんとする鳥取に対し、5分に自陣での西谷のパスカットから素早く運んでの好機。
左から大谷のクロス→右から小島のクロスという連続の放り込みは凌ぐも、跳ね返りを繋いだ金沢の、後方から上がってきた井上のミドルシュートが待ち受けており。
これがゴール左を無回転かつワンバウンドで襲う絶妙のボールとなり、立ち遅れたGK櫻庭のダイブも届かずゴールに突き刺さります。
早々の追加点で、この日もその攻撃力をアピールする結果となりました。

いきなり2点ビハインドからのスタートといった展開になった鳥取。
改めて最終ラインから繋ぐ、典型的なポゼッションスタイルの体勢から反撃に掛かり。
しかし金沢のハイプレスに難儀し、スコア同様にその船出は芳しくないものとなります。
14分には縦パスがズレた所を、畑尾が逆に縦パスで矢印を反転させて金沢の攻撃、右ワイドから梶浦がスルーパス。
手前に居たマリソンがオフサイドのためスルーすると、逆の左サイドで大谷がフリーで受けるボールとなり、そのまま左ポケットへ切り込む絶好機に。
それでも、中央に走り込むマリソンへの横パスを遮断して何とか凌ぎます。
ボールを繋がんとする所に、ミス待ちを含めたカウンターの姿勢で脅かされる未来が過る展開に。

その鳥取のビルドアップは、4-1-2-3というフォーメーションながら、長谷川アーリアが降りて世瀬と横並びになるため、感覚的にはほぼ4-2-3-1に。
このドイスボランチと化した2人が、金沢の前線五角形の内側でパスを出し入れする事でプレッシング攻略を図るという、あくまでビルドアップvsプレスの勝負に挑む姿勢を終始崩さず。

しかし、果敢に両センターバックが前に出ての守備を行う金沢の圧力に屈する流れは尚も続き。
18分に庄司のパスカットから右サイドを運び、奥に持ち込んでCKを獲得したのち、ここから2本CKを続けるなど押し込み続けます。

何とかそれを跳ね除けた鳥取、反撃の狼煙を上げたのは21分でしたが、それは上記の自身での繋ぎとは無縁のものとなり。
金沢がGKまで戻して攻め直しとなった所に掛けたプレッシングが糸口となり、パスが乱れたため畑尾が蹴り出しを選択するも普光院がブロック。
エリア内へこぼれた所に、いち早く追い付いた松木がそのままシュートをネットに突き刺します。
これで1点を返し、ホームの大声援に包まれる雰囲気を幾ばくか変えるのに成功しました。

1点差となり、金沢サイドも地上から繋いで落ち着きを得る選択が多くなり。
バタバタした最終ラインが招いた失点だったため、ある意味当然の選択でしょう。

そしてそこに襲い掛かる鳥取のプレッシングと、立ち上がりとは逆転したかのような試合展開に。
敵陣でのカットを頻発させ、反撃の機運を高める鳥取に対し、27分金沢は大山が自陣で囲まれてのボールキープ。
すると倒れながらボールを足で挟む格好となり、ホールディングの反則で鳥取のフリーキックという判定が下されると、それでも足からボールを離さない大山を温井が押し倒してしまい。
これで両軍ヒートアップし、只ならぬ雰囲気を漂わせるピッチ上。(カードの類は誰にも出ず)

この空気からどちらが立ち直るか、という状況で迎えた29分。
金沢は右サイド後方(自陣からのフリーキック)から井上縦パス→小島フリックで一気にチャンスエリアへ運ぶ事に成功すると、ハーフレーンで受けた梶浦がカットインを経てのミドルシュート。
これが2点目同様に狭い所を通すボールとなり、ゴール右へと突き刺さり。
再びミドルシュートで2点差とした金沢。

このゴールにより、立ち直ったのは金沢、と言わんばかりにその後も攻勢を掛け。
システム的には、左ワイドに張りっぱなしの大谷を軸として、長短交えてそこに奥に届ける事が第一の攻撃。
それを盾にしながら、3点目のような他の選択肢を活かすという感じ。
36分には井上が対角線のロングパスをその大谷に通し、上げられたクロスをファーサイドで梶浦がヘディングシュート。
叩き付けて嫌なコースを突くこのフィニッシュを、GK櫻庭が身体を広げてコースを塞いだ末に足でセーブと、何とか防ぐ事に成功します。

このままでは神戸・町田と対戦するようなポゼッションの敗北という展開が避けられない鳥取。
終盤も近くなり、やや微調整の節が伺える立ち回りに。
金沢の前線五角形に入るのは1人のみとなり、世瀬がさらに降りて(ないしは開いて)その外でパスを受ける事が増え。
そして相手ドイスボランチの脇で、右で東出・左で普光院がパスを受けるというやり口でディフェンスを揺さぶりに掛かります。

この調整が奏功し、最後方でのプレス回避も容易となる流れが出来上がり。
43分にはハイプレスをGK櫻庭の短めのフィードで回避、温井の落としを経て前へ運び。
そして田中翔のスルーパスを受けた東出が右ポケットへ切り込んでシュート(ゴール左へ外れる)と、決定機への道筋も見え始め。

そして突入したアディショナルタイム。
ここも最後方でショートパスの連続でプレス回避した末に敵陣へ運び、後はアタッキングサード攻略という段階に入る鳥取。
左の松木が奥を取るも一旦戻して作り直しと、長らく繋いだ末に再度松木を使い、今度は普光院が左ポケットへのスルーパスを送った所に走り込み。
そしてクロスがファーサイドに上がり、田中翔のヘディングシュートで見事攻略に成功します。
これで再度1点差とした鳥取。

その後は何も起こらず3-2で前半終了となり。
点の取り合い(かつ中2日の試合で)で前線の消耗も激しく、ハーフタイムで両チームとも交代を選択します。
金沢はマリソン→土信田へ、鳥取は松木→小澤へと交代。

後半の立ち上がり、前半の再現を果たさんと積極的に仕掛ける金沢。
大谷のドリブルで左サイド奥を突き、グラウンダーのクロスに対しニアで土信田が走り込み、シュートは撃てずもCKとなったのが後半2分。

ここから怒涛のフィニッシュ攻勢に入り、この左CKからクロスの跳ね返りを西谷がミドルシュート、ブロックされるも尚も繋ぎ。
大山が左サイド手前からクロスを上げ、中央で土信田がヘディングシュートを放つもゴール上へと外れ。
続く4分には小澤の(小島への)反則で右サイドからのFK、再び大山のクロスから土信田がヘディングシュートという流れで、GK櫻庭のセーブで防ぐも再度CKに。
この左CKからも、キッカー大山のクロスをファーサイドで小島がヘディングシュート、ブロックされ混戦となった所を梶浦がシュート(ブロック)と徹底的に撃ち続けます。

いきなり窮地といった鳥取でしたが、何とか凌いだ末に最初の攻撃に入ったのが7分。
ここでそのボールポゼッションによる攻めの神髄を発揮し、大城がボールを持つ所に長谷川アーリアが降りて大山を引き付けると、その左脇を通す縦パスを送る大城。
これを普光院ポストプレイ→世瀬浮き球パスとワンタッチの連続で左へ繋ぎ、受けた温井の裏へのパスはブロックされるも、東出が拾って右へ展開して崩しの姿勢に入り。
ボールを持つ長谷川アーリアから、またも中央の世瀬→右ワイドの伊川→中央の東出とサイドを揺さぶりながらのワンタッチパスの連続でギアアップすると、東出がフリックを選択した事でエリア内へ転がるボール。
そして普光院が抜け出してシュートにいき、GK上田が前に出てブロックするも、こぼれ球を田中翔が詰めて無人のゴールに突き刺します。
最終ラインから完璧に崩しきり、同点に追い付いた鳥取。

これで振出しに戻り、意気上がる鳥取はその後、投入された小澤の推進力を押し出して攻め上がり。
自らのカットインや裏抜けを交えて左サイドを跳梁するその姿に、金沢もタジタジになるように、その攻めの圧はすっかり消え失せ。
鳥取の最終ラインにプレスを掛けるも、3失点目の影響が大きく、奪えずに結局自陣でリトリートを強いられる時間が長くなり。

かくして盤石の攻撃体制を得た鳥取。(ビルドアップの体勢は前半同様、相手ボランチの両脇で出口を作るスタイル)
組織力で攻略しつつ、個の力を前線の矛とする姿勢で攻撃権を支配します。
それでも金沢が自陣で5-4-1で固め始めた事で、フィニッシュはミドルシュートに留まるなど難しい崩しを余儀なくされる展開。

このままでは勝てない金沢が交代要員を準備していた所、23分に小澤が左ワイドからカットインの体勢に。
エリア内に入るかどうかという所で、梶浦に倒されて反則の笛が鳴り、PKにはならずも左角すぐ脇という絶妙の位置でのFKを獲得します。
セットプレー守備となったものの、金沢はここで交代を選択し大山→塚元。(梶浦がボランチに回り塚元は右シャドーに)
シュート・クロスどちらも可能という位置で、壁が作られないのを見たキッカー普光院はシュートを選択しますが、ゴール上へ大きく外れ。
勿体無さの方が強く残る結果となり。

これを境に鳥取の勢いも削がれ、26分には逆に金沢が左ポケット奥を突き、大谷がマイナスのクロスという好機。(手前でカットされ撃てず)
すると鳥取ベンチも動き、28分に長谷川アーリア→富樫へと交代。
これで東出がインサイドハーフに回ったようでしたが、以降東出の前残りが目立ち守備時は4-4-2の色を強める結果となります。
またこれにより普光院が長谷川アーリアの役割、つまりビルドアップの際にボランチに降りる繋ぎ役に回り。

布陣が変わった事で、その後方も乱れ始める鳥取。
32分に最後方から繋ぐも、GKへ戻した所に大谷のプレッシャーが襲い掛かり、櫻庭のパスが大谷を掠めるも何とか右の大城に繋ぐという危ないシーンが。
その後の大谷→東出へのロングパスもズレる(一応、小澤がこれを拾ってドリブルで奥へ運ぶ)という具合に、怪しげとなるビルドアップ。
それを突きたい金沢、34分に自身が最終ラインから組み立てる攻撃で、右へロングパス→戻しを経て今度は左から石原が中央へミドルパス。
これを土信田が絶妙なトラップで反転しながら収めた事で、二階堂を外した末に横パス、受けた塚元がドリブルでエリア内を突く絶好機に。
ディフェンスに遭うも左に流れながら確保した塚元、そのラストパスを託された大谷がシュートするも、GK櫻庭のセーブに遭い決められず。

35分に双方選手交代が行われ、金沢は大谷→櫻井。(これによりシャドーが右に櫻井・左に塚元)
一方の鳥取は東出・田中翔→常安・東條へと2枚替えで、常安が右ワイドに入る事で富樫・東條の2トップとなった感があり。(つまりは完全な4-4-2か)

以降、富樫・東條のポストワークを使いながら再度前進の流れを作る鳥取。
しかしそれにより、今度はフィニッシャーがゴール前に居ないという問題が生まれた感があり。
39分には中盤で富樫・東條の2人が繋ぎ、富樫→世瀬へのスルーパスが遮断されるも、拾った常安が左ポケットに進入成功。
溜めを作ったのちの戻しから温井がクロスを上げるも、ファーに走り込んだ富樫には僅かに合わず。
いかにも2トップに上がる時間を与えるかのような攻撃。

そして終盤を迎えると、疲労感からか鳥取の攻撃は機能不全となり。
やはり最後は地力の勝負に落ち着くというように、金沢が攻撃権を支配する流れに突入します。
44分に最後のカードも使い、小島・庄司→杉浦・山本へと2枚替え。(櫻井が右ウイングバックに回り、シャドーは右=塚元・左=杉浦)

一気に劣勢となった鳥取、44分にはカウンターを反則で阻止した二階堂が警告を受けるなどその被害が出始め。
そのFK、中盤の位置からですが放り込みを選択し、乱戦の末に杉浦が左ポケットからシュートに持ち込み。
これを脚先で東條がブロックして防ぎますが、これが当たり所悪く(先の細い所に当ててしまったか)、その後の金沢の二次攻撃の間も倒れ込んだままとなる東條。
プレーが途切れた所で治療に入ると、続行不可能となり無念のインアウトに。
それでも最後のカードを残していた鳥取、曽我を投入し破綻を防ぎます。

窮状に陥ったような相手を仕留めたい金沢でしたが、こちらも終盤故に放り込みオンリーとなる攻撃。
土信田のフリックを活かしながら押し込みますが、結局フィニッシュには辿り着けず。
3-3のままスコアは動かず、引き分けで幕を閉じました。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第14節 水戸ホーリーホックvsロアッソ熊本

2024-05-09 16:01:12 | サッカー視聴記(J2)

※前回の水戸の記事はこちら(12節・藤枝戦、2-3)
※前回の熊本の記事はこちら(9節・長崎戦、3-4)

<水戸スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 監督を交代。13節(横浜FC戦、0-2)終了後に濱崎芳己監督を解任し、コーチ(正式な肩書は「ディベロップメントコーチ」)の森直樹氏が代行監督に。
  • 前節は落合がトップ下の4-2-3-1で、この日再度4-4-2に。
  • 緊急事態を受けてか、超ベテランのGK本間が今季初のベンチ入り。

<熊本スタメン>

  • 長らく負傷離脱していた竹本が、10節(甲府戦、3-3)で復帰し即スタメン出場。
  • 負傷離脱していた石川が、前節(鹿児島戦、2-2)復帰し途中出場。
  • 前節負傷交代したGK田代がベンチ外に。それに伴い佐藤優が今季初スタメン、佐藤史が初のベンチ入りとそれぞれ序列アップ。

現在のJ2の順位的な状況は、群馬の1人負けといった感じ。
2017年を彷彿とさせる展開でありますが、その際群馬の一つ上でブービーだったのが熊本。
山口・讃岐と熾烈な残留争いを繰り広げ、敗れてしまい降格圏が確定したものの、J3での昇格クラブが栃木のみに終わったため残留という形になりました。(結局翌年降格してしまうのですが)

時を経て再度似たような状態が訪れ、自身の立場を確認すると、目下5戦未勝利。(2分3敗)
この間常時複数失点しておりチームの安定感は皆無という、不調期にありがちな症状でありますが、このままでは残留争いに巻き込まれた時が怖い。
当時のシーズンをなぞってしまわないためにも、何とか歯止めを掛けたい所ですが果たして。

対戦相手の水戸は、そのために監督交代という荒療治を敢行してからの最初の試合。
メンバー選考で目を惹くのがGK本間で、精神的支柱の彼を加える事で、まずは精神面からという建て直しを図ってきた感がある森監督代行。

しかし水戸に対する逆風は、文字通り向かい風という形に表れ。(まあコイントスで熊本が選択権を得た結果ですが)
この悪条件(熊本サイドも、追い風でロングボールが伸びすぎて困るという要素があり)へのアジャストが第一となった入り。
早速の前半2分に、後藤田のロングパスが伸びずに大西に拾われると、左サイドでのパスワークを経て奥を取った松岡がクロス。
これが風で伸びた結果ゴールに向かうボールとなり、GK松原がコーナーへ何とか逃れ。
するとその右CKでも、キッカー豊田のインスイングでのクロスが強烈な弧を描き、右ゴールポストを直撃するあわやのキックとなります。

水戸は逆風の状況でもロングボールを主体とし、伸びない事を計算に入れて2トップがターゲットを務める立ち回り。
一度ボールが左タッチラインを割れば、大崎のロングスローを躊躇わずに活用するという、いかにも監督交代から間も無いといったサッカーを展開します。
戦術的な調整としては、右サイドバックが最初から高い位置を取るのを取り止め。
最終ラインはボックス型でのビルドアップの姿勢を取る、オーソドックスな形へと戻して再出発を図るやり口。

そんな積み上げたものをリセットした相手に対し、ペースを掴みたい熊本。
しかし風がそれを邪魔し、ロングボールのみならず、グラウンダーでのスルーパスも距離・速度が付加され繋がらないシーンが数多。
ならばと何時ものようにショートパス主体で繋ごうとした所に、水戸のハイプレスが襲い掛かるという悪循環で、思うように攻撃機会を増やせません。

16分、水戸は左サイドからの組み立てで、中央に寄っていた黒川が縦パスを受けたのち寺沼のミドルパスで右へ展開。
そして受けた後藤田のアーリークロスが入ると、中央で跳んだ安藤を越えた奥で寺沼が身を屈めてのヘッドで合わせ。
しかし枠を捉えられずと、逆風を突くように作った好機はモノに出来ず。

その後は、熊本のショートパス攻勢と、水戸のハイプレス・ゲーゲンプレスが噛み合う事で狭い局面でのやり合いが増え。
ボールカットに成功してもすかさず奪い返されるの連続で、攻勢の流れが生まれる事無く時間が進んでいきます。

チームは不振ながら、攻撃面はいつも通りの流れを保っていた前節までの熊本だけに、この展開はある意味予想外であり。
風を味方に付ける事が出来ず、苦戦を強いられる感じだったでしょうか。
33分、右サイドでの繋ぎによる狭い局面から、戻しを経て黒木が一気に左サイド裏へとロングパス。
これを奥で松岡が受けて状況打開といきたかったですが、その後三島へのバックパスが繋がらずと、こうしたイージーなパスの繋ぎも乱れが生じてしまい。

以降も、裏抜けのパスを狙えばオフサイドを量産する結果となるなど不本意な時間を過ごす熊本。
それを尻目に、水戸は38分大崎のロングスローから、安藤フリック→黒川ポストプレイ→前田ダイレクトでシュート(枠外)と好機。
良好な流れを作れないなかでも、出来る事でしっかりフィニッシュに結び付ける精神を発揮し始め。

ようやく最終盤に熊本が攻勢に入るも、それも松岡を中心とした左サイドでの前進からのクロス攻勢一辺倒。
45分に松岡の手前からのクロス、跳ね返りを竹本がボレーシュート(GK松原キャッチ)に持ち込んだのが唯一のフィニッシュとなり。
結局ゴールが生まれる事無く前半終了。

ハーフタイムで双方交代。
水戸は寺沼→久保、熊本は竹本→べジョンミン。
ともに連戦を考慮した節がある交代ながら、どちらかといえば、故障明けで長く持たない竹本という要素が混じる熊本の方が後ろ向きな采配に見え。

そして後半開始、エンドが変わり追い風となった水戸の攻勢が始まり。
前半に向かい風を計算に入れてのプレーを見せていた事もあり、熊本と異なり風が敵に回る場面は殆ど無く。

早速敵陣に入り込み、セットプレー中心に脅かしていく水戸。
後半2分は例によって大崎のロングスローからで、クリアされたのち逆サイドから後藤田のクロスが再度入り、跳ね返りを山田がシュートするもべジョンミンのブロックで右CKに。
これがこの日水戸の初CKであり、モノにするべくゴール前に密集を作り、クロス→長井折り返しの跳ね返りを牛澤がさらにヘッドで前に送るもGK佐藤優に抑えられ。

その圧力から脱したい熊本ですが、相変わらず水戸のプレスに悩まされ距離感が狭いなかでのプレーを余儀なくされ。
その結果、5分に豊田のトラップミスから水戸の好機となり、久保のミドルシュートはブロックされるもその後浮き球をヘッドの連続で運んで左スローインに。
当然大崎のロングスロー、投げ入れられたボールに対しクリアに跳んだものの目測を誤るべジョンミン。
そして山田が前へ繋いだボールを黒川が詰める格好で、シュートをゴールに叩き込みます。
浮き球への対応力の差が露骨に現れる格好で、水戸がリードを奪いました。

この浮き球に対しての熊本の不調ぶりは続き。
9分に左→右のサイドチェンジを通さんとするも、受けたべジョンミンが収められずに大崎のダイレクトパスで一転水戸の攻撃に。(その後新井→安藤と推進も奪われる)
GK佐藤優のロングフィードは、風により強烈に押し戻される有様で何度もキックミスの絵面を見せてしまいます。

逆に15分、またも大崎のロングスローからで、今度は誰も触れずに中央でバウンドするボールとなり。
何とか掻き出す熊本ですが、長井が間髪入れずにエリア内へ縦パスを送り、こぼれ球をクリア→再度長井がボレーで縦パスと押し問答。(その後前田のハンドで途切れ)

リズムを作れない熊本を尻目に、水戸は17分に安藤→落合へと交代。
前節同様の4-2-3-1にシフトしたようですが、久保がターゲットとして下がり目となるため常時4-4-2にも見え。

何とか反撃したい熊本。
しかし依然として、地上でのパスワーク→水戸のタイトな寄せに苦しむ→ロングボール→風に押し戻される、という悪循環を振り払えず。
21分にベンチが動き、藤井・松岡→石川・道脇へと2枚替え。
ターゲット役を重視した前線の布陣となるも、一向に彼らにロングボールが伸びないので活きずに終わります。

逆に泥臭く熊本ゴールに迫る水戸。
25分には長井が前に出て蹴り出しをブロックし、そのままミドルシュートを放つも枠外に。
しかもこの際熊本のパスが急所に当たったらしく、シュートの後倒れ込んでしまう事態となり。(その後起き上がりプレー続行)

熊本は29分に右スローインから形作り、黒木の縦パスを受けた三島が右ポケットへパスを送り、石川→べジョンミンと繋いでいくもディフェンスに遭い浮き球に。
これを道脇が落とし、クリアされるも左サイドで拾って継続し、岩下のグラウンダーのクロスをニアで受けた石川がシュート。
長井がブロックした跳ね返りを、さらに上村周がミドルシュートで追撃しますが、これも牛澤が頭でブロックとようやく辿り着いたフィニッシュ攻勢も防がれてしまいます。
この際に牛澤が脳震盪チェックを受ける(問題無し)など、守備でも身体を張ってリードを守りにいく水戸の姿勢が光る事に。

34分水戸は再度交代カードを使い、長井・新井→長尾・得能へと2枚替え。
前線の機動力を保つと、その成果を発揮したのが36分でした。
熊本が最終ラインから繋ぐ所に、前田が前に出てパスカットに成功してショートカウンターに持ち込み。
久保→前田と経由して落合が前を向く状況となり、ペナルティアーク際から果敢に放ったミドルシュートがゴール右へと突き刺さります。
貴重な追加点で、勝利へボルテージを一気に高める水戸サイド。

一方ここに来て繋ぎの精度の悪さが失点に直結した熊本。
これまでの試合とは一転、攻撃も守備もまるで駄目という内容ですが、狼狽する暇は無く。
しかしベンチはその後交代カードを使わずと、この悪条件故に動けなかったのか、それとももう切れる選手が居なかったのか。

その後も38分に水戸の好機、交代で入った得能が左サイドを抉ってカットイン。
ポケットでディフェンスが奪ったものの、直後のプレッシャーを受けそのままゴールラインを割ってCKと、圧力に屈するという絵図は尚も続きます。

終盤になり、ようやく矢印が前に向いてきた熊本は42分に江﨑が前に出て敵陣でパスカット。
するとすかさず落合に倒されて反則となり、水戸の流れを切る事に成功します。
(このフリーキックの前に、水戸は黒川→甲田へと交代)
ここから水戸サイドに反則が膨らみ、特にエアバトルでのチャージが目立ち。
熊本が不利となっていた空中戦ですが、時間も押し迫った事で水戸に疲弊による立ち遅れの色が濃くなってきたでしょうか。(アディショナルタイムにはべジョンミンに対し頭部にチャージした山田が反則・警告)

しかしこれらによるセットプレー攻勢もモノに出来ず。
ATも終盤、流れの中から好機を作り、右奥から石川クロス→クリアされて左で拾った大西がクロスと最後といえるクロス攻勢。
この2本目のクロスに、ファーで石川が合わせヘディングシュートを放つも、ゴール上へ外れてしまい万事休すとなり。

結局2-0のまま、水戸が勝利に辿り着き。
笛が鳴ったその刹那、関係者から一斉に祝福を受ける森氏、その慕われぶりが伺える光景となりました。

最後に、水戸の監督交代について軽く振り返り。
サッカーに関しては濱崎氏なりに色々思考した節が伺えるも、結局は戦力的な不利を打開できずに終わり。
特にビルドアップは、極端な右肩上がりかつ3枚の最終ラインが幅を取るという基本形に、さらにボランチが降りてくるなど複雑化。
傍らから見ても、それが魔改造のように映ってしまった感がありました。
新人の大量補強と活用も、苦しいなりの方策として納得できるものの、それにより前年多数起用されていた主力選手が置いてきぼりになっていなかったか。

徳島の件に比べるとゴタゴタ感は薄いものの、それ故に色々邪推し考えさせられてしまう。(自分が悪い)
それはともかくとして、この日シンプルになって結果を出した事を軸とし、何とか立ち直って貰いたいものです。

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DAZN観戦 2024年J1リーグ第12節 ヴィッセル神戸vsアルビレックス新潟

2024-05-08 18:31:32 | サッカー視聴記(J1)

<両軍スタメン>

  • 神戸はマテウス・トゥーレルが累積警告で、新潟は早川が前節退場により出場停止。
  • 神戸はDAZNの予想フォーメーションでは、鍬先アンカー・佐々木と井手口がインサイドハーフの4-1-2-3。しかし攻撃時でも鍬先と井手口が横並びの4-4-2に見える。(守備時の4-4-2はデフォ)

現地で観戦して以来の、直に見る新潟のサッカー。
しかしそれは苦虫を噛み潰すようなものとなり……と、私事を述べるのは相応しくないので止めておきます。

ポゼッションスタイルのチームにとって、高い壁として立ちはだかる存在が前年王者の神戸。
彼らが繰り広げるプレッシャーを物ともしない程のサッカーを展開出来れば……という理想を脳裏に浮かべた所で、そんなチームは果たして日本国内に存在し得るのか。
戦前から、そんな事を考えさせられるこのカード。

中2日の試合故に神戸が9人入れ替えと、ターンオーバー率が8割越えのメンバーで臨んだのに対し、新潟は3人のみに留まり。(うち1人が早川の出場停止という要素)
新井がシーズン途中に移籍し、堀米やトーマス・デンに負傷の疑いありと、目に見えてディフェンスラインが厳しく映る陣容では満足なターンオーバーも出来ず。
かくして前半は、そんなフィットネスの面での影響を露骨に感じさせる両軍の出来となりました。

前半3分、新潟のボール保持に対し、中央での縦パスを鍬先がカットして敵陣から攻撃開始となる神戸。
そして佐々木が左ワイドへと流れそのまま奥へと切り込み、ボールキープする様に対し必死に付いていったのがボランチの秋山。
しかし最後は腕でのチャージにより倒してしまい反則と、新潟の攻めの流れの悪さと、対応の重さを痛感する絵図となり。

それを引き摺るように、5分藤原がプレッシャーを受けて何とかスペースに出したボールを、拾おうとした高木へアクシデントが襲い。
突然倒れ込んでしまうと、やはり筋肉系トラブルらしく続行不可能に。
超早期での交代を強いられる事となりました。(鈴木が投入され、小野との2トップにシフト)

2センターバック+アンカーでの繋ぎはほぼ不可能という思惑から、ボックス型でのビルドアップを試みる新潟。
しかし2トップがしっかりボランチへのパスコースを切り、かつ島田に対しプレッシャーを掛ける井手口の存在で、その体制も早々に崩されます。
そして神戸の攻撃を浴び続ける展開となり、13分には井手口の右サイドからのクロスを大外でパトリッキが落とし、すかさず放たれた初瀬がシュートを島田のブロックで何とか防ぎ。

その神戸のビルドアップは、新潟程の細かな繋ぎはしないものの、しっかりと距離感を広く取ってのパスにより展開され。
疲労感が伺える新潟はそれに対しプレッシングもままならず、「神戸の方がしっかりとポゼッションしているのでは?」と錯覚を受ける事もあり。
主たる最終ラインの形は、菊池が前に出ての右肩上がり。
センターバックタイプの菊池の方が上がるそのシステムに若干の違和感を覚えながらも、殆ど破綻無くペースを掴んでいきます。

そして15分、先制点に辿り着く神戸。
岩波のフィードによるセカンドボールを拾ってからの攻め(井手口が前に出て合わせにいく事で、拾い易い体勢を作ったのも見逃せない)で、パトリッキの左からのクロスは流れるも、右奥で飯野が拾って逆から再度クロス。
星のブロックに当たるもそのまま中央へと入り、逆にこれにより新潟のマークの方がズレてしまったか、佐々木が走り込んでドンピシャでヘディングシュートが放たれ。
細かな相手を纏めて吹き飛ばすような、力強さを感じさせるゴールでリードを奪います。

反撃したい新潟ですが、そのビルドアップの流れは一向に上向かず。
パスミスが頻発し、攻撃機会を全く得られずにひたすら受けを強いられる流れが続き。

そんな縮こまったような相手に対し手を緩めない神戸、次なる手段は初瀬のロングスロー。
24分に、左から初瀬が投げ入れたボールをニアで菊池がフリック、ファーへ浮いた所に岩波が合わせにいくという理想的な流れに持ち込み。
GK小島が弾いた所を、飯野がダイレクトでシュートと完璧なフィニッシュを放ちます。
これをゴール寸前で星がブロックして防いだ新潟ですが、尚も右コーナーキックで継続する神戸。
キッカー初瀬のクロスが中央へ落ちる所に、菊池が身体を投げうってのヘッドで落とし。
これでカオスが生まれた所を、宮代が流し込んでゴールゲット。
追加点もやはりパワー溢れるプレーからで、リードを広げました。

その後も同様の流れは続き、反撃すらままならない新潟。
止むを得ず、ボランチ1人が降りての3枚の最終ラインの形を取り始め。
加えて小野が降りてビルドアップの形を作る事で、何とかプレス回避だけは果たされるもののそれ以上の成果は出ず。

神戸も2点リードで落ち着いた感があったものの、40分台を迎えると再びギアアップ。
40分には自身での最終ラインからの繋ぎで、山川斜めの縦パス→パトリッキ浮かせるポストプレイ→佐々木胸で落とし→宮代→パトリッキドリブルと流れるような運び。
そして左ポケットを突いたパトリッキがシュート(GK小島セーブ)と完遂される攻撃。
続く41分にはまたも新潟のパスミスから、佐々木のスルーパスを受けた飯野が右ポケット奥を突いてのクロス。
これがブロックに当たりゴールに向かい、右ポストを叩く際どいボールとなり。

パワーが強調される神戸の攻撃ですが、要所要所で主体的な攻めの形も取ったり、一旦戻して作り直すシーンも見られ。
ボール保持の形をある程度取り入れるという、あくまで「4局面」の全てを効果的に使いバランスを取る、強者の振る舞いを終始貫きます。

アディショナルタイム、ようやく新潟は最終ラインからボールを運び、舞行龍の縦パスを使いながら迎えた好機。
ここでも左サイド手前から舞行龍のクロスと、奥へ切り込むまでには至らずでしたが、中央で鈴木が収めた事でシュートチャンス。
こぼれ球を星が繋ぎ、シュートしたのは長谷川元でしたが枠を捉えられず。
結局これが前半唯一のフィニッシュシーンとなり。

2-0のまま前半を終えましたが、既にアクシデントでカードを使っていた新潟、ハーフタイムでの交代も見送る事に。

まずは流れを変えたい新潟、キックオフからの攻撃で、左サイドを長谷川元が運ぶ状況を作り。
これは遮断されるも、拾った秋山から逆サイドへ展開し、藤原のミドルパスに走り込んだ太田がクロスに持ち込み。(繋がらず)
ショートパス以外の要素を取り入れて一つ形を作ると、続く後半2分に左サイド奥を取った小野が相手に当ててCKをゲット。
これがこの日初のセットプレーと、今までどれだけ押し込まれていたのかと痛感させる事象ながら、ショートコーナーを経て上がった長谷川元のクロス。
ファーサイドで遠藤が落とし、舞行龍に当たったこぼれ球を尚も繋いでシュートチャンスを作りましたが、舞行龍の時点でオフサイドを取られ終了となります。

その後神戸の反撃に遭うも、迎えた6分、ここも舞行龍のロングパスを中央で鈴木が収めての起点と手札を変えて攻め。
そして左へと流れてスルーパス、奥で受けた長谷川元がカットインでポケットを突くと、グラウンダーのクロスが中央へと流れ。
これに走り込んで来たのが藤原で、大外から合わせるという形で放たれたシュートがゴールネットを揺らします。
HTを挟んで変わった流れをモノにし、1点差に詰め寄った新潟。

しかし神戸は落ち着きを取り戻し、10分再び最終ラインからの攻めで、中央から山川縦パス→佐々木スルーパス→飯野と突然ギアチェンジしての運び。
飯野の前進は防がれるも、続く右スローインから右奥を取った菊池がカットイン。
そしてポケットから入れられたクロス、ブロックを掠めて中央に入った所、遠藤がクリアしたボールがあろう事か逆方向に。
ゴールに吸い込まれ、無理に利き足(右)で処理しようとしたというオウンゴールとなってしまい、折角の得点がフイとなり。
再び2点差でのスタートを強いられます。

その後、何とかGKからの繋ぎで組み立てんとする新潟。
13分にプレス回避から舞行龍右へミドルパス→太田から中央へ展開ののち秋山左へミドルパスと、幅を使っての組み立てで前進。
そして受けた小野がカットインを経てハーフレーンからミドルシュート。(ゴール左へ外れ)
ゴールを脅かしたのも束の間、続く14分にもGKからの組み立てを取るも、あろう事かエリア内で佐々木にカットされるという失態を招き。
舞行龍が反則気味のディフェンスで辛うじて防ぐも、神戸の強度を前にした厳しい戦いは前半と変わり無く。

そして神戸ベンチの方が先に動き、15分に3枚替え。
酒井・武藤・大迫と本来のレギュラー陣を一挙に投入(菊地・飯野・佐々木と交代)と、這う這うの体の相手に止めを刺す、と言わんばかりの采配を敢行する吉田孝行監督。

その思惑通りに好機を作る神戸。
18分には右CKから、キッカー初瀬のクロスは流れるも逆サイドで拾った井手口が再度クロス、これを大外で収めてシュートしたのは最初に蹴った初瀬。(GK小島セーブ)
続く19分にも、ゴールキックのロングフィードを拾われるも、飯野が取り返して確保したのち鍬先が中央突破。
ラストパスを左ポケットで受けたパトリッキがカットインを経てシュート(枠外)と、マークすべき交代選手が入った事で、既存の選手が輝くといった流れとなり。

窮地の新潟も20分にベンチが動き、神戸と同じく3枚替え。
島田・太田・小野に代え、奥村とダニーロ・ゴメス、長倉の3人を投入します。
手薄となった陣容故に、お鉢が回ってきたような奥村(ボランチも前節宮本が負傷交代……)は多彩な動きでパスを引き出し、相手もまだ研究段階なのか以降彼のプレーに翻弄され気味に。

22分にCKを得た新潟、クリアボールをダイレクトでシュートにいった遠藤ですがあろう事か空振り。
これを拾われて神戸のカウンターとなり、酒井・大迫が絡む状況となったものの、何とかシュートは撃たせず。
この日の大迫はじめ神戸の交代選手は、やはり体力面に不安を抱えていたのかあまり調子は良くなかった事が新潟にとって幸いだったでしょうか。(27分に鍬先→山口へと交代)
それでも30分には、初瀬の左サイドの突破を経て上げられたクロスに、武藤が合わせヘディングシュート(ゴール上へ外れ)と一発の恐怖は兼ね備え。

31分の新潟、敵陣でサイドを振り続ける攻撃の末に、左ポケット奥を突いた星により左CKに辿り着き。
キッカー長谷川元の中央へのクロスを遠藤がフリック(この時点でGK前川が跳び出してゴールが空に)し、大外から舞行龍が折り返したボールを合わせたのは、フリックで倒れたのち素早く起き上がった遠藤。
ゴールネットを揺らし、CB2人の敵ゴール前での働きで得点を挙げ、これで再度1点差に迫ります。

勢いを付けたい新潟は、続く32分にダニーロのドリブルがパトリッキに倒され、反則によりフリーキックとその目論見通りという流れに。
このFKでの二次攻撃で長く繋ぎ、またもダニーロの突破で右ポケットを突いてクロス。
遠藤の折り返しを経て長倉がシュート(ゴール左へ外れる)と、ジョーカーらしいダニーロの働きでリズムが生まれてきました。

一方前半の圧倒的な流れから一転、という神戸。
交代により勢いを失う、と取られかねない流れでしたが、最後の交代は37分で宮代→山内。
ここに来て経験の浅い選手を選択(もう片方残っていたのは本多)と、やはりターンオーバーを敢行した試合な以上、フレッシュな方が良いという判断でしょうか。
その読みは当たり、尚も続けられる新潟の攻勢に対し、ボール奪取からの好機を頻発させる神戸。

41分にはロングパス→落としを経て、拾った武藤が舞行龍に倒されて反則。
すると山口が素早くFKをリスタートし、右ポケットに送られたボールを受けた大迫から、ファーへのクロスをパトリッキが落とし。
何とかクリアされたボールを井手口がシュートし、GK小島が片手で辛うじてセーブという決定機に。

追い上げたい終盤で、守勢を強いられるのは避けたい新潟。
何とか体勢を整えるも、強度を保った神戸の前に地上での運びは厳しくなり。
そんな中で44分、左サイドで繋ぐ状況から、長谷川元がミドルパスでの戻しを選択し最終ラインへ。
一旦神戸の守備を引き付けて、という読みは当たり、その後秋山の左ポケットを突くミドルパスに走り込んだ鈴木が折り返し。
そして中央で長倉が合わせてゴールネットを揺らし、値千金の同点弾か、と思われましたがオフサイドを告げる笛が鳴り響き。
鈴木の抜け出しの時点で取られた模様で、ピッチ脇でガッツボーズをした松橋力蔵監督もぬか喜びに終わる結果となってしまいました。

結局これが最後の好機となり、ATでは神戸がセットプレー攻勢に持ち込むと、左CKの連続による大迫のボールキープで時間を使い。
スコア的には接戦も、終始優勢を保った神戸が順当というべき勝利に辿り着きました。

必死に食らい付いた新潟ですが、地上での運びに関しては課題しか見えない試合となり。
特に前半は、神戸の前線の守備をスライドさせる事が殆ど出来ずに終わったという感じでした。
コンディション面での不利を組織力で跳ね返す展開には持ち込めず、今後に不安を残しかねない内容でしたが果たして。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第14節 レノファ山口FCvsモンテディオ山形

2024-05-07 16:32:28 | サッカー視聴記(J2)

※前回の山口の記事はこちら(6節・愛媛戦、1-1)
※前回の山形の記事はこちら(10節・仙台戦、0-2)

<山口スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 前節(仙台戦、0-2)退場となった前が出場停止。
  • 水口がJFL・アトレチコ鈴鹿クラブ(旧・鈴鹿ポイントゲッターズ)へ育成型レンタル移籍となる。これを見る限りではまだ登録抹消はされていない模様。
  • 高橋秀典の負傷が発表され、ルヴァン杯1回戦(松本戦、3-3・PK3-4)で発生して手術実施、そこから全治約6か月との事。
  • 峰田(大阪体育大)の来季加入が内定し、同時に特別指定選手となり12節(鹿児島戦、1-0)から登録される。

<山形スタメン>

  • 相馬がスタメンに抜擢され、リーグ戦ではプロ初出場。
  • 菊地が清水から育成型レンタル移籍で加入し、12節(徳島戦、1-2)から登録されて前節(岡山戦、2-2)スタメン出場。
  • 吉田がプロA契約を締結。

ゴールデンウィーク中に、無理矢理気味にねじ込まれる格好となったような14節。
中2日の開催となり、選手起用で何処も頭を悩ませる試合と化したでしょうか。

山口のホーム(維新みらいふスタジアム)で行われたこの試合、もう一つ選手たちを悩ませ、かつウェイトの大きい要素となったものがあり。
それは悪天候で、画面からもハッキリと判る程に水分たっぷりのピッチコンディションでの開催を強いられました。
思えば、山口は6節のホームでもこうした状況での試合であり。
山口サイドがそうした命運を抱えているのか、自分が観る試合で悉く当たる運命なのかは不明ですが、かくして始まった「田んぼサッカー」。

山口は6人、山形は7人入れ替えと、疲労度を考慮して選考されたスタメン。
このコンディションからしても、実績よりもなるべくフレッシュな選手を使い、文字通り「汚れ役」を務めさせるといった所でしょうか。

ボールが落ち着かず、とにかく裏に蹴り込まれるボールに走り込む相手選手に対し、蓋をしたディフェンスも安全第一にタッチラインに出すのが主となった試合絵図。
そしてそれが、相田のロングスローという武器を持つ山口が本領発揮となる展開に。

スローインのみならず、コーナーキックでも一工夫見せる山口。
前半6分の最初の左CKから、キッカー野寄はニアサイド・エリアから手前という位置にクロスを上げ、これを新保が胸で落とし。
それを田邉がダイレクトで再度クロスという、中々見ないセットプレーを披露。
キックオフでも山口は、いきなり田邉が浮かせる蹴り出しで始めるという変化を付けるなど、この悪天候を味方に付けるような立ち回りを演じていたでしょうか。
それでも7分若月のボール奪取でショートカウンターになりかけるも、その若月がスリップで転倒して実らず。(こぼれ球を相田がラフにスルーパスも繋がらず)
9分にも裏へのミドルパスを受けた若月が転倒して収められずと、平等に敵として襲い掛かる水分という要素。

10分を過ぎると、後手に回っていた山形も何とかピッチに馴染んだか、押し込んでCKを量産する流れに。
するとこのCKでは、山形も常に杉山・後藤優の2人がキッカーの位置に立つという工夫を見せ。
そしてこちらも、右スローインからは川井がロングスローを放り込むなど、原始的な攻防への応戦姿勢を取ります。

綺麗な攻撃が作れない中で、山口は野寄が奮起を見せ。
17分に若月のボールキープによるこぼれ球を拾って中央突破を仕掛ける野寄、これが西村の反則を呼び込んで直接フリーキックに。
キッカーも自ら務めた野寄、直接狙いゴール左を襲うシュートを放つも、コースは甘くGK後藤雅の正面でのセーブで防がれます。
24分にはロングボールの跳ね返りを繋ぎ、末永が左からカットインでポケットを取る好機。
そしてクロスがファーに上がると、野寄が跳んで合わせにいきましたが、勢い余って振り上げられた右腕に当たる格好となってハンドで終了となり。
しかも腕を振り上げたという事で故意ととられ、警告を受けるおまけが付いてしまいました。

時間が進み、やはり過去(6節)に経験している分だけ慣れを示した山口が優勢に立ち。
ロングパスを巧く繋いでアタッキングサードに進入、という好機を繰り返して押し込みます。
矢印を反転させたい山形も、ロングパス→有田フリックというパターンで脱出を図りますが、単純化された影響であっさり切られてはまた山口の攻撃という流れに。

そして31分、中盤でのFKから、セットプレー攻勢に入る山口。
相田の放り込みを左ポケットで収めた山本がシュートし、相馬がブロックするも左奥からのスローインで継続。
ここはロングスローを使わずの攻防に入り、2本続いたスローインを経て左CKとなり、二次攻撃で野寄が右からカットインシュート(ブロック)と押し込み続け。
そして今度は右スローインから、満を持して相田がロングスローを投げ込むと、新保が合わせにいってこぼれたボールをキムボムヨンがポストプレイで浮かせ。
これを収めた新保、ワントラップからのボレーシュートで綺麗にゴール左を打ち抜きます。
フィニッシュだけならば、全く泥臭さを感じさせないスーパーゴールとなり、先制点に辿り着いた山口。

この流れを覆せない山形は、直後もキックオフからの攻撃が途切れると、山口のラフな裏へのボールをセーフティにクリア。
その結果山口のセットプレー攻勢は何ら変わらず続く事となり、このスローインから空中戦が発生すると、確保した山口が新保の切り込みで左サイド奥を突き。
そして溜めたのちポケットへのスルーパスが送られると、走り込んだ若月が川井に倒された事で笛が鳴り響き反則。
当然PKとなり、川井が腕で倒してしまった以上言い訳の効かない絵図で、追加点の好機を得た山口。
このキッカーはゲットした若月が務め、今季初となった山口のPKをモノにするべく大事にゴール左へとシュート。
しかし場慣れしていない所為かコースが甘くなってしまい、GK後藤雅が読みきってセーブ、跳ね返りをゴールライン外へクリアし難を逃れました。

危機を防いだはずの山形、しかしホッとするには早かった。
尚も右CKと好機が続いた結果、キッカー新保のクロスがニアサイドでこぼれた所を、混戦のなか若月が押し込んでシュート。
末永がこぼれ球を確保してクリアさせない動きも実り、高江のブロックも及ばずゴールネットを揺らします。
PK失敗をすかさず取り返した若月により、2点差とした山口。

何とか気を取り直した山形、その後は10分台のようなCK攻勢に持ち込んだ(41分からの4分間で4本)ものの、クリアボールから放たれたミドルシュートが悉く防がれてモノに出来ず。
逆に4本目から山口がカウンターに持ち込みましたが、ここも末永が持ち運ばんとしたものの水たまりが邪魔をし、ボールを脚につけられずに終わります。

しかし結局山口は大過無く、前半を2点リードで終わらせ。
ハーフタイムで交代を敢行し、温存していた梅木を投入します。(山本と交代)
一方巻き返したい山形は、カンフル剤とすべく3枚替え。
川井・杉山・氣田→山田・イサカ・坂本亘へと交代します。(いずれも同ポジション)

両翼を入れ替えた山形ですが、雨が上がったとはいえ依然として水分の多いピッチ上。
それを活かせる環境に無く、ペースを掴めない入りを強いられます。
無理に押し込まんとした結果反則も量産してしまうと、自陣からのFKでも放り込みを選択する山口サイドにより、攻撃機会はさらに減る事となり。

3分の自陣でのFKから、ロングスロー→左CKと再びセットプレー攻勢を続ける山口。
そしてCKから、GK後藤雅がパンチングで跳ね返した所を田邉がシュート(枠外)と、しっかりフィニッシュで終わらせ。

その後も自陣からFKで放り込みを続ける(11分までに計4本)事でペースを掴み。
空中戦に無類の強さを誇る梅木のターゲットとしての働きもあり、山形にマイボールにさせず攻撃機会を重ね続けます。
後半の放送内で、両チームのアクチュアリープレイングタイムが紹介されていた(山形は上位・山口は下位)一幕がありましたが、まさにその通りの展開となり。
つまりは山口がセットプレーを続け、途切れ途切れのプレーの中ゴールを狙い続ける事でプレッシャーを与えるという流れ。
そして主体的な攻勢の流れを作りたい山形は、悪条件も響き果たせずに時間を費やす羽目に。

それでも14分、クリアボールを後藤優が拾い、前進する所をこぼされるもイサカがダイレクトに左へスルーパスと強引な運びから好機が訪れ。
そして受けた有田が左ポケットへ切り込んで、奥から低く速いクロスを送り、走り込むイサカの手前でGK関がセーブした跳ね返りを後藤優がシュート。
流れるように持ち込んだこのフィニッシュも、ゴール前でキムボムヨンのブロックに阻まれてしまいます。
どうしても好機が散発的となる以上、これで決めなければ……という場面で決められないのは普段以上に大きく響く事に。

こうした逸機もあり焦りを増幅させてしまう山形。18分には山口のラフに蹴り込んだボールをトラップした野寄に対し、蓋をする相馬が対処をミスし、抜け出した状態を招く事態に。
ここからスイッチ気味に受けた若月が右ポケットからクロス、ファーに末永がフリーで……という場面となりますが、その側で野寄が山田を倒してしまった事で反則で途切れ何とか命拾いします。
この直後に山口ベンチが動き、野寄・若月→吉岡・河野へと2枚替え。(末永がFWに回り、左サイドハーフには河野)

その後もペースを保つ山口。
24分にはまたも遠目からのFKでの放り込み、梅木が合わせたボールに末永が落下点に入るも、そのままバウンドして弾んだ所さらにヘナンが落下点に。
何とか掻き出してフィニッシュは防いだ山形ですが、クリアも覚束ないという絵図に集中力も空に近い状態になってきた感があり。

27分に動く渡邉晋監督、高江→國分へと交代。
そのまま國分がボランチを務めるという、飽和状態な前線に賭ける体制に。
(同時に山口も末永→加藤潤に交代)
そして32分には吉田→高橋に交代。
これで3バック(右から山田・相馬・西村)となり、ウイングバック(右=イサカ・左=坂本亘)が降りないという超攻撃的な布陣を敷きます。

その後も続く山口のロングボール攻勢を凌ぎ、時間は35分が経過。
ようやく山形に流れが巡ってきて、スローインからの繋ぎが流れた所を西村が左へラフにスルーパス、走り込んだ坂本亘がカットインの体勢に。
左ハーフレーンからミドルシュート、と見せかけてエリア内へ縦パスを打ち込み、中央で受けたイサカが反転しながらシュート。
しかしヘナンがブロックと、山口の最終ラインを崩せません。
最悪なピッチコンディションの中でも、秩序立った純正4-4-2での守備力は健在な山口。

この後ATまでにCKを5本獲得と、遅まきながらゴールへと近付く山形。(キッカーは國分で固定)
その間に、イサカのループヘッドがゴール上を襲う(GK関がCKに逃れるセーブ)という惜しいシーンもあれど、得点するには残された力も運も足りないという状況。
(山口は43分に田邉→池上へと交代)

AT突入後も、ひたすらロングボールを前線に放り込むなど、悪条件の下で可能性の高い方法を続けたものの実る事は無く。
終盤には坂本亘に対しスライディングで倒してしまった板倉が反則・警告というミソが付いたものの、無事に時間を使っていく山口。

そして試合終了の時を迎え、2-0で勝利に辿り着き。
ターンオーバーでこの消耗戦を制した事が、今後の原動力となるでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第13節 いわきFCvsジェフユナイテッド千葉

2024-05-06 18:09:10 | サッカー視聴記(J2)

※前回のいわきの記事はこちら(11節・大分戦、2-0)
※前回の千葉の記事はこちら(8節・栃木戦、8-0)

<いわきスタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 11節で負傷交代した近藤は、その後も無事であり前節(栃木戦、1-0)も途中出場。

<千葉スタメン>

  • 前節(仙台戦、2-0)負傷交代した鈴木大はベンチ外。

昇格候補の筆頭という評価を得ながら、今一つ波に乗れない千葉。(自分もそう思っていたのですが)
リーグトップの得点数も聞こえが良いフレーズですが、栃木戦での荒稼ぎがあるため、本当の実力を測るにはある程度割引かなければならず。

11節・秋田戦では、数的優位という状況にも拘らず終盤に逆転負けを喫してしまう失態を演じ。(1-2)
シュート数25対5という圧倒的な数字を残しながらも勝ちきれずと、凸凹ぶりを露呈してしまう試合となりました。
従来、秋田のようなパワー系クラブには滅法弱いのがチーム体質としてあり。
上位に割って入るには避けては通れない関門で、この日もパワー溢れるいわきが相手となりました。

早速右スローインの連続による漸進で押し込むいわき、そして奥深くから五十嵐のロングスロー。(前半2分)
これをニアで有馬がフリックし、中央で受けた谷村がシュート(GK藤田キャッチ)と、らしさを発揮したこの日最初の好機。
対する千葉は直後の3分、日高の縦パスを田口がダイレクトで反転しながらのスルーパスという技を見せ、走り込んだ椿の奥からのクロスに繋げ。
力には技で対抗、といった図式に映った序盤の攻防。

しかしパワーが織り成す圧力はやはり脅威となり、9分に再びいわきの右スローインからの攻め。
田口のクリアミスもあり、有馬がエリア寸前で大西のパスに入れ替わった所を佐久間に倒されて反則、これにより近距離での直接フリーキックを得ます。
中央やや右寄りと、左足で巻いて狙いたいといった位置からその通りに大迫が左足で直接シュート、その軌道を作らんとしましたが壁を直撃して惜しくも決められず。

その後も15分に千葉の自陣でのパスミスから好機、西川が得意のミドルシュートを放ち。(GK藤田キャッチ)
いわき優勢に思える流れでしたが、千葉も17分に日高が左から前進しながらのカットインを経てエリア内中央へラストパス、小森→横山とポストプレイの連続で繋いだ末に田口がミドルシュート。(ゴール右へ外れる)
19分にも日高が起点となって斜めの縦パス、田口のスルーを経て小森が中央で溜めを作り、横山→佐久間と経由して右ポケットを突き。
そして奥から佐久間がシュート(ゴール上へ外れる)と有効打を放って応戦します。

しかし、プレッシングで構造的に優位を取るいわき。
2センターバック+アンカー(品田)+2インサイドハーフ(田口・横山)の形で繋ぎに掛かる千葉は、いわきの2トップから織り成されるチェックにガッチリと嵌める状況に持ち込み。
そしてサイドに出されても、千葉のサイドバックに対し果敢にウイングバックが詰めにいくという、ハイプレスの姿勢で自由を与えません。

30分前後には再びいわきが右スローインから押し込む攻勢に入り。
この辺りになると、千葉はそのプレッシャーにすっかり劣勢に立たされたという感じで、田口はじめ激しいデュエルを強いられる選手達の苛立ちも増大し。
35分にはいわきが谷村のパスカットから形を作り、こぼれ球を山口がショルダーチャージで田口を吹っ飛ばしつつボール確保。
そしてミドルシュートを放つ(GK藤田キャッチ)という、パワー満点のプレーでフィニッシュまで持ち込み。

そして千葉は、そのデュエルの劣勢ぶりでアクシデントにも塗れてしまい。
37分にハイボールの競り合いで、日高が有馬と激突して腰を痛めて倒れ込む事態となり。
起き上がり何とかプレーを続けるも、41分にスルーパスを送った所で再度倒れ込んでしまう日高。
ここでベンチは大事を取って交代となり、メンデスを投入して佐々木を左SBへシフトさせ急場をしのぎに掛かります。
いわきが相手で、負傷交代を強いられたのが元いわきの日高という具合に、何とも皮肉な流れとなり。

しかしここから千葉に流れが傾き、敵陣でサッカーを展開。
45分に田口がパスを受けにいった所を大西にスライディングで削られ、今度はしっかり反則・警告という判定に。
その後も千葉の攻勢に、大西があわや2枚目を貰うのではという反則チャージを犯してしまう等、苦境の色を露わにするいわき。

それでも何とか建て直し、最後はロングスロー→右コーナーキックとセットプレー攻勢で締めたいわき。
0-0のまま前半終了となり、迎えたハーフタイムで大西を交代させる田村雄三監督。
明らかに2枚目を避けるような采配で、下田が同じ位置に投入される事となりました。

後半は千葉の攻勢で幕を開け。
日高を失った事で、左サイドは椿の突破に賭けるという状態となり、その通りに高い位置でパスを受けて奥へと切り込む椿。
後半3分にはワイドから左ポケットを突いた椿から、ショートパスの連続で逆の右ポケットへ展開した末に佐久間がクロスと、アタッキングサードで目線を振る攻撃。
このクロスをファーで小森が合わせに行き、こぼれた所を前に出た田口が拾って絶好機になりかけましたが、田口が腕に当ててしまった事でハンドとなり途切れ。

これを受けていわきも、千葉が優勢の左サイドの裏を突きに掛かり。
5分に左から下田が対角線のロングパスを加瀬に通し、溜めを作ったのち奥へ切り込んでクロスを入れる加瀬。
この低いボールをニアで有馬が倒れながらもポストプレイで繋いだ所、山口がシュートと決定的な形が生まれましたが、田口のブロックを掠めて上へと外れ先制はなりません。

前半と比べて攻防が激しくなるなか、反則が局面を動かすような流れに。
12分に椿の自陣からのドリブルに対し、オブストラクション気味に止めた下田が反則・警告を受け。
これにより大西に続き、警告付きのプレーを強いられるいわきのアンカー。
直後の13分、千葉は佐々木のミドルシュートがブロックされた後も尚も繋ぎ(ここも田口が山口のアフターチャージを受ける)、佐久間が右ポケットへ切り込む好機に。
しかし大迫に対応され、最後は倒されるも反則の笛は鳴らず。

そして15分、石田のロングパスを左サイドで収めた谷村、カットインでハーフレーンに移動したのちに切り込み。
エリア内を突くという所で久保庭に倒されて反則となり(久保庭に警告)、前半同様に近めでの直接FKを得ます。
しかし今度は照山がシュートするも、壁直撃を嫌ってのものとなりゴール上へ大きく外れ。

前半同様の嫌な流れを迎えつつある千葉、このFKの直後に2枚替え。(佐久間・椿→岡庭・ドゥドゥ)
ベンチワークでそれを変えたかったものの果たせず、尚も目立つ反則のシーン。
18分には右サイドで有馬のスルーパスに走り込んだ加瀬、奥から低いクロスを入れるもメンデスのスライディングを受けてピッチ外に倒れ込み。
ニアでのポストプレイが繋がるかという所で反則の笛が鳴り響くと、今度はいわきサイドが「流してくれ」というような異議を唱える状況を招きます。
その後も、プレッシャーを掛けた小森が石田にアフターチャージをしてしまったり(21分)、ハイボールの競り合いでメンデスが有馬への反則を取られたり(22分)と大多数のウェイトを占められ。
こういう展開は、当然ながら綺麗にやりきりたいチームにとっては迷惑でしかなく。
それに従うように千葉は14分以降全く攻撃機会を作れなくなってしまい、いわきの攻撃を受け続ける事に。

そしてそれを得点で締めたのが25分、いわきの左CK。
キッカー大迫のクロスがファーに上がると、照山の折り返しがゴール方向へ。
GK鈴木椋が前に出て釣られた事で後は押し込むだけというボールとなり、その通りに有馬がヘッドでゴールネットを揺らします。
23分から、FK→左スローイン→CKという攻撃機会が続いただけに、やはり乱戦をモノにするカギはセットプレーという事を改めて証明したでしょうか。

追い掛ける立場となった千葉、以降のビルドアップは、距離感を長く取っての地上でのパスワークがメインとなり。
これでいわきのプレッシングを無効化しつつ前進、という攻撃で反撃体制を作ります。

この千葉の変化で一転して劣勢に立たされたいわき。
29分に2枚替えを敢行(加瀬・西川→大森・山下、五十嵐が右WBに回る)するも、その流れを堰き止められず。
30分には左スローインから攻める千葉、スルーパスに走り込んだドゥドゥが奥からクロス、ブロックに当たるもニアに低いボールが入り。
これを小森がポストプレイで繋ぎ、中央に入り込んでいた岡庭がシュートしますがGK立川がキャッチ。
直後には田口が敵陣でボール奪取して千葉の攻撃(ロングパスを右奥で受けた岡庭がマイナスのクロス)と、中々自陣から脱出できない苦しい流れとなり。

そして32分、その流れが状況悪化を招き。
センターサークルでパスを引き出しスルーパスを送った田口が、立ち遅れた下田のアフターチャージを受けて倒れると、一旦流されるもその先でパスが繋がらなかったのを見て反則の笛が鳴り。
主審(俵元希氏)はそのまま下田に警告を与えた結果、2枚目故に退場処分も追加される事となってしまいます。
これで数的不利を余儀なくされるいわき、大西の退場の危機をケアしたはずが、代わって投入した下田が退場になるという笑えない展開に。
(ちなみに大西はこの日の警告が4枚目であり、下田とともに次節出場停止と危機は続く事に)

逆に数的優位となった千葉。
続く33分に岡庭が、34分にドゥドゥがシュートを放つ(どちらも枠外)など、同点に向けて攻撃を苛烈化させていき。

一方10人となり、5-3-1で凌ぐ事を選択したいわき。(山下がアンカー)
谷村→ブワニカへと交代したのが36分で、以降ブワニカの1トップで有馬が右サイドハーフと微調整。
前線の守備もハイプレスを諦め、ブワニカがアンカーを切る姿勢を取った上で、前に出された所に規制を掛ける体勢に変えて臨み。
それが奏功したのが40分で、ブワニカがパスカットに成功して矢印を反転させるいわき。
有馬が倒れながらもパスを繋いでエリア内を突く好機となり、左から大迫がシュート、高橋のブロックに当たり右へ流れた所を五十嵐がさらにシュート(GK藤田キャッチ)とフィニッシュを重ね。
人数差をパワーでカバーし立ち回りますが、この際に有馬が足を攣らせてしまい、最後の交代カードを切る事に。(近藤を投入して1トップとし、ブワニカが右SHに)

以降引いて守るいわきに対し、やる事も殆ど無くなる千葉はアーリークロスに賭ける体制となり。
42分に左から佐々木がそのアーリークロスを入れてニアで呉屋がフリック、中央に小森が待ち受けるもクリアされて左CKに。
その二次攻撃で田口が左奥からクロス、今度は小森のフリックを経て呉屋が中で待ち受けるという体勢で、通って呉屋のボレーシュートが放たれ。
しかし左ゴールポストに当ててしまい決定機を逃す形となり、反面いわきは命拾い。

尚も攻め上がる千葉、45分~ATのCKからの攻勢では、横山が左ポケット奥を突いてのクロス。
跳ね返りをドゥドゥがボレーシュートにいき、ブロックで跳ね上がったボールを呉屋が詰めにいくも、GK立川のキャッチに阻まれどうしても仕留められません。
パワープレイをしたげなセンターバックのメンデスも、後方でサイドへ叩いたのちに流れの中で上がるに留まり。

結局いわきの守備を崩す事が出来ない千葉。
逆に右サイド奥で時間を使う体勢も作り、無事に試合終了の時を迎えたいわき。
1-0で勝利を挙げ、これでJ2初の3連勝を達成と、新境地の開拓は着実に進んでいるようです。

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