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DAZN観戦 2024年J2リーグ第29節 V・ファーレン長崎vs栃木SC

2024-09-04 16:04:24 | サッカー視聴記(J2)

※前回の長崎の記事はこちら(25節・水戸戦、1-2)
※前回の栃木の記事はこちら(26節・山口戦、3-4)

<長崎スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • フォーメーションはDAZNの予想では4-1-2-3。攻撃時はアンカーシステムなものの、秋野で固定化とはなっていないようでJ1・新潟と同様のシステムっぽい。
  • 前監督のファビオ・カリーレ氏の二重契約問題でFIFAの回答が出たものの、満足に至らず今後も問題解決に向け行動していくとの事。
  • モヨマルコム強志が藤枝へ育成型レンタル移籍となり、27節(山形戦、2-4)をもって登録抹消。
  • 五月田がJ3・宮崎へ育成型レンタル移籍となり、今節をもって登録抹消。
  • 前節(山口戦、1-2)HTで交代となったフアンマがベンチ外に。エジガル・ジュニオも2戦連続ベンチ外で、センターフォワード不在で挑む事に。

<栃木スタメン>

  • 土肥がレンタル先変更という形でJ3・今治へ移籍(レンタル元はJ1・広島)となり、前節(甲府戦、1-2)をもって登録抹消。
  • 負傷離脱とみられていたラファエルは、27節(秋田戦、0-0)無事にスタメンに復帰。

立場は違えど、目標のためには勝利が欲しいクラブ同士の対戦。

3強の一角という立場から、無敗記録が途切れたのを境にズルズルと失速してしまい脱落気味となった長崎。
新スタジアムの会場を間近に控える一方で、開幕前に騒がせたカリーレ前監督の契約問題におけるFIFAの回答も出される等、外野はホットな状況となっており。
それが悪影響に及んでいるのかは不明ですが、肝心のサッカーに関しては建て直しが必須な残り10戦。
点取り屋のCFエジガル・フアンマがともに欠場という、不測の事態も絡めば尚更の事であり。

他方、降格圏からの脱出を図る栃木は、良い勝負は演じているものの目標達成には至らずという立場。
前節は気を抜いた形で先制点を献上してしまう(自陣でのフリーキックでパスミス)等、緊迫した展開の連続で1ミスも許されないという戦いが続き。
小林伸二監督の就任以降、サッカーの質は確実に向上しているだけに、勿体無いポイントをどれだけ減らせるかどうかといった所でしょうか。

お互いにロングボールでプレス回避という定番の入りですが、長崎はCFにターゲットを欠くという状態で行われるその立ち回りは異質に映り。
そのため今季初スタメンと急に抜擢された中村が降りてパスを受ける、実質ゼロトップのようなシステムとなり、ターゲットはジェズスが前に出て務める事となりました。

攻撃時は縦横無尽に動き回る中村ですが、もう一人その存在が居り、基本右ウイング(サイドハーフ?)であるギリェルメ。
中村が右に回った際は中央に位置を変えるという具合に、自然と絡み合うように2人のフリーマンが流動性を齎します。

この2人を活かしながら、ボール保持の体勢に入る長崎。
前半6分、右サイドで戻りながらキープするギリェルメから中央→左へと展開すると、左サイドで溜めを作るジェズスの近くに寄って来るギリェルメ。
そしてパス交換からジェズスがカットインする体勢を作る(その後エリア内へスルーパスも繋がらず)という具合に、逆サイドでのプレーも厭わず。
11分に今度は左から中央→右へとサイドを移すパスワークで、増山の縦パスを中村がヒールでポストプレイ、更にジェズス→増山→澤田とダイレクトパスの連続の末に中央からエリア内を突き。
そして澤田のシュートが放たれますが、ゴールバー直撃となり惜しくも決められません。

一方栃木も、宮崎狙いのロングボールでの攻めが機能せずとなると、最終ラインから繋ぐ体勢へとシフトし。
こちらはポジションの流動性はあまり無く、長崎2トップ(中村・ジェズス、守備時)の間にボランチの片割れが常時位置取り。
これにより彼らを引き付け、サイドからの前進を中心に行うというオーソドックスなスタイルを取ります。

試合展開は12分、長崎が中盤での秋野のパスカットから素早く攻め、ジェズスがミドルシュートを放つもあろう事か前方の中村の後頭部に当たって外れる形に。
これにより中村に脳震盪チェックが入り、文字通りの水入りとなってしまった長崎は失速。
以降は栃木のサイド攻撃に押される形となり、反則も膨らむ事でセットプレーでの放り込みをGK若原のキャッチで何とか凌ぐという危ない流れとなります。

それでも決定打に欠ける栃木により、ジェズス以降全くシュートが生まれないまま飲水タイムが挟まれ。(23分)
突入した第2クォーター、お互いボール保持したいという思惑がぶつかった結果、ペースを握ったのは長崎。

最終ラインから繋ぐ体勢を取る度に、栃木はそれを防ぐ立ち回り、つまりプレッシングも欠かさず。
基本の5-2-3の布陣に、ボールサイド寄りのウイングバックが前に出る事で、4-4-2気味に変形して前の人数を増やし規制を掛け。
しかし第1クォーターからそれを受け続けた長崎は対策も図り、30分にはクリアボールを拾って最終ラインから攻め直しとなり、増山→田中と右から中央にパスが出され。
当然さらに左へ流すと踏んだ栃木、右の福島が前に出るも、田中はそれを避けて中央へパスと切り替え。
これを秋野が1タッチでミドルパスをエリア内へ送って好機となり、走り込んだジェズスがクロス(ブロックされコーナーに)と、対策の対策を見せます。

相手を上回る事で精神的に優位となった長崎は、ボールを奪われずに長らくパスを繋ぐ絵図が増えていき。
そして34分栃木の攻めを切ってボールを確保すると、今度は秋野が左へ斜めのロングパス、受けたギリェルメが溜めを作ってカットインの姿勢からクロスと大きい展開の連続。
これが奏功し、サイドを振られた栃木のファーサイドがフリーとなった所に、走り込んだ中村が綺麗に合わせてのボレーシュートでゴールネットを揺らします。
CF不在の逆境で、今季初スタメンの選手が得点するという好循環で先制した長崎。

これで味を占めたか、37分にも左サイドへのミドルパスを(澤田がスルーののち)受けたジェズスが溜めを作るという同様の流れから、今度は地上でポケットを突きに掛かり。
中村のスルーパスに走り込んだ澤田のグラウンダーのクロスに、ギリェルメが脚で跳び込んだもののGK丹野が前に出て脚でブロックと応戦し際どく防ぎます。

守備では粘りを見せるも、中々攻撃の流れを呼び込めない栃木。
長崎のミスからショートカウンター、という場面(41分)でも、エリア手前でキープする玄が奪われた事で逆にカウンターを受け。
ギリェルメのドリブルで一気に運ばれてスルーパス(安部が受けてエリア内へ切り込むもこぼされてCKに)と、個の力に勝る長崎に押し込まれる展開は避けられず。

長崎は45分にも決定機を迎え、またも左サイドを狙ったロングパスを澤田が入れ替わりで受け、フリーとなった事で今度は自ら切り込む選択に。
そしてカットインで侵入したポケットからグラウンダーのクロスが中央でフリーの中村に送られましたが、放たれた中村のシュートはゴール右へと外れ追加点はなりません。
結局1-0で、リードしている長崎が尚も優位を保ったまま前半終了となりました。

共に交代無く始まった後半。
巻き返したい栃木は、とにかく精神的に互角以上の立場を迎えたい所であり。

後半2分にGK丹野のフィードを中央で収めた宮崎が、激しいアタックを受けながらもキープを果たして倒れながら繋ぎ。
ここから敵陣で展開し、左→右へのサイドチェンジは通らずも尚も繋ぎ続け、エリア内に運ぶ(左から大森がクロス、ブロックでポケットへこぼれた所を奥田が中央へ送るも撃てず)という具合にストロングポイント(ターゲット宮崎)も活かしたファーストチャンス。
これで立ち上がりに押し込む権利を得て、長短混ぜ合わせながら好機を生み出し。
その成果であるCKを5分に得た(左CK)ものの、キッカー青島ファーにクロス→坂折り返しでチャンスボールが生まれるも、ボレーで合わせにいった大島が秋野を蹴ってしまう形となり反則で終了に。

こうした流れで一度途切れてしまうと、クオリティ高い長崎の攻めが襲い掛かり。
11分、澤田がボール奪取してのバックパスを秋野がダイレクトで縦パス、これをジェズスが入れ替わりで受けた事で抜け出しに成功。
そして前進を経て中村に託し、ペナルティアークからシュートが放たれましたが、威力に欠けて(GK丹野キャッチ)何とか命拾いします。

このままのペースを保ち、相手が焦った所で追加点というのが理想となった長崎。
しかしベンチは先に動く事を強いられ、前半終わり際に足を痛めていた中村が、後半も出続けた事で限界が訪れたのが12分。
ゼロトップによる流動性と先制点を齎した中村でしたが、稼働時間は短く終わってしまいました。
同時に秋野も交代となり、名倉・山田を投入します。

栃木は前半同様、地上からも繋ぐ立ち回りを見せるものの、必死にショートパスで長崎ディフェンスの間を通して前に運んでも然したる成果を齎せず。
最後のエリア内を狙ったパスが通らずに、結局その後長崎の手数の少ない攻めに脅かされる、精神的にもキツい展開を強いられます。
18分にベンチが動き、坂・奥田・大島→大谷・南野・山本へと一挙3枚替え。

フィニッシャーの意識が高い南野が入った事で、中央寄りとなる彼と対比するように山本が左サイドへ流れてのプレーを目立たせるという、両シャドーの関係となった栃木。
これにより人数を増やす左サイドから押し込み、奥を取るシーンも増えていきますが、後一押しが足りないといった状況であり。
それでもクロス攻勢に傾倒したい誘惑と戦いながら、この日はポケットを突く意識を最後まで崩さず攻め込みます。

その体制を補強すべく、26分に大森→森へ交代と左サイドをテコ入れした小林監督。(ちなみに後半は飲水タイム無し)
直後にラファエル縦パス→森受けて短いスルーパス→山本と素早く左サイドを突破すると、カットインでポケットを突いた山本がそのままシュート。
しかし田中のブロックを掠めてサイドネット外と、徐々に成果を出すものの決められません。

一方長崎の攻撃は、中村と交代で入った名倉に、中村と同様の役目を求めるのは酷であり。
これにより次第に機能不全に陥り、ジェズスをターゲットとしたロングボールも、時間経過とともにそれをこなすだけの体力は無くなり八方塞がりに。
それでも28分、栃木のCKの好機も跳ね返りを確保する所、長崎のプレッシャーに遭うという絵図に。
福島がGKに戻しを選択するも、パスが短くなってしまい走り込んだ増山が掻っ攫う絶好機が生まれます。
しかし判断良く距離を詰めていたGK丹野、トラップ際をすかさず脚で掻き出してクリア、拾った名倉からの二次攻撃も好機とはならず。
またも丹野の脚という、寸での所で凌いだ栃木。

以降激しく失速する長崎を尻目に、(GK以外)全員敵陣に入り込んで攻め上がるシーンを増やす栃木。
しかしそうなると、守備を固める相手に対しクロス攻撃に頼らざるを得ない諸刃の剣。
31分に左サイド奥を突いた山本は戻し、手前からの(ラファエルの)クロスを選択すると、これがゴールを襲う軌道になるもGK若原に片手でセーブされ決まらず。

長崎は34分に2枚替え、増山・澤田→青木義・松澤へと交代。
直後の35分に松澤がボール奪取からドリブルで推進し好機を迎えるも、防がれたのち安部の縦パスを受け直しましたが、オフサイドで途切れ。
個人能力で状況打開の兆しが見られたものの、その勢いも直ぐに無くなります。

球際でも上回りを見せる栃木、36分にこぼれ球をいち早く触れた南野が山田のスライディングで倒されて反則・警告。
39分には南野がプレスバックし反則気味に奪うも笛は鳴らず、玄から受け直してドリブルで中央を持ち運ぶ南野。
そして左ポケットへのスルーパスに走り込んだ森のグラウンダーでのクロスが、GKとDFの間に入る決定機を迎えます。
ここに足から跳び込んだのは山本ですが僅かに合わせられず、「惜しい」の連続でどうしても1点が奪えない流れにも陥り。
43分に最後の交代を敢行、福島→神戸へと交代し青島が空いた右WBに回るという布陣で最終盤に臨み。

一方の長崎はひたすら攻められ続ける状態に陥るのを防げず。
その中での最後の交代を余儀なくされるという絵図を示すかのように、CK守備の前に交代敢行。(アディショナルタイム)
ギリェルメ→白井へ交代し、彼が最終ラインに入る事で5バックシステムを採ります。

このCKからも、クロスを平松が合わせヘディングシュートを放った栃木ですが決められず。
焦りが生まれても仕方無い状況ですが、尚も最終ラインからの繋ぎを試みると、これが最後に奏功します。
左サイドで山本が奥を窺う姿勢で、センターバックのラファエルがそれを追い越す動きを見せた事で、長崎は青木義・白井の2人でワイドを見る体勢に。
するとガラ空きとなったポケットで山本のパスを受けた玄と、この期に及んでポケットでの崩しを果たした末にクロスが上がり。
山田のブロックでコースが変わるも、ファーに上がったボールを宮崎が折り返し、中央で南野が倒れながらも合わせた事でゴールネットが揺れ。
組織力と執念の結晶といえる、土壇場での同点弾が生まれました。

とうとうこじ開けた栃木、その後青島に足を攣らせる事態が発生も、尚も少ない残り時間で勢いに身を任せ2点目を狙い。
中盤でのFKを得て、キッカー南野のロビングをラファエルが落とし、混戦が齎されるなかで大谷がシュートを放ち。
値千金のゴールか、と思われましたが、ゴール左へ外れてしまい惜しくも勝ち越しはならず。

結局試合は、1-1のまま終了を迎える事に。
あまりにも痛い長崎と、執念でもぎ取った栃木という対照的な勝ち点1ながら、結果的にはどちらも痛み分けの感が残り。
目標達成のためには今後無理が必要なのは両クラブとも変わらずですが、果たして望む結末を得られるかどうか。

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