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DAZN観戦 2024年J3リーグ第13節 ツエーゲン金沢vsガイナーレ鳥取

2024-05-10 18:30:49 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

シーズン立ち上がりの不振を跳ね返し、改めてJ2昇格への戦いに入っている金沢。
目立つのは点の取り合いの試合が増えて来た事で、不安定ながらも無敗で切り抜けるという「多少の傷は厭わない」ような突撃ぶりを感じさせるものであり。

しかしそんな精神が災いとなったか、フロントレベルではこんな一報が跳び込んでくるに至り。
「ネーミングライツ(命名権)の件は関係無い」と釘打たれたものの、やはり(ゴーゴーカレーと)両雄並び立たずの状態になった事は想像に難くなく。
果たしてJ3の場で猪突猛進を続ける金沢、その結末は如何なるものになるか。

この日の対戦相手は鳥取。
今季から監督を務める林健太郎氏は、現役時代ヴェルディの主力選手としてのウェイトが大きく。
しかしその別れ方が拙かったため、引退後の活動は他クラブで行っているという「元クラブと袂を分かつ」典型的な人物となり。(千葉・小林慶行監督、讃岐・米山篤志監督もほぼ同類)
主に神戸でコーチ・フロントとして働き、その最中の2018年にひょんな事から暫定監督を務め。(2試合、ファン・マヌエル・リージョ氏就任に伴う準備期間での指揮)
その時以来のトップチームの指揮となり、年齢も決して若くないなか結果を出せるかどうか。

そんな鳥取に、いきなり金沢の攻撃陣が襲い掛かり。
ボール争いを制した末に、右スローインを小島がサイド奥へと投げ入れた事で右コーナーキックに持ち込んだのが前半2分。
するとキッカー大山のクロスを中央で畑尾が合わせ、このヘディングシュートをゴールライン寸前で伊川がブロック。
しかし息もつかせぬ追撃が待ち受けており、詰めた大谷のシュートも防いだ伊川ですが、さらに放たれた庄司のヘディングシュートはどうにもならず。
ゴールネットが揺れ、幸先良く金沢が先制点に辿り着きました。

しかしそれだけでは終わらず。
何とかボール保持の姿勢を作り上げんとする鳥取に対し、5分に自陣での西谷のパスカットから素早く運んでの好機。
左から大谷のクロス→右から小島のクロスという連続の放り込みは凌ぐも、跳ね返りを繋いだ金沢の、後方から上がってきた井上のミドルシュートが待ち受けており。
これがゴール左を無回転かつワンバウンドで襲う絶妙のボールとなり、立ち遅れたGK櫻庭のダイブも届かずゴールに突き刺さります。
早々の追加点で、この日もその攻撃力をアピールする結果となりました。

いきなり2点ビハインドからのスタートといった展開になった鳥取。
改めて最終ラインから繋ぐ、典型的なポゼッションスタイルの体勢から反撃に掛かり。
しかし金沢のハイプレスに難儀し、スコア同様にその船出は芳しくないものとなります。
14分には縦パスがズレた所を、畑尾が逆に縦パスで矢印を反転させて金沢の攻撃、右ワイドから梶浦がスルーパス。
手前に居たマリソンがオフサイドのためスルーすると、逆の左サイドで大谷がフリーで受けるボールとなり、そのまま左ポケットへ切り込む絶好機に。
それでも、中央に走り込むマリソンへの横パスを遮断して何とか凌ぎます。
ボールを繋がんとする所に、ミス待ちを含めたカウンターの姿勢で脅かされる未来が過る展開に。

その鳥取のビルドアップは、4-1-2-3というフォーメーションながら、長谷川アーリアが降りて世瀬と横並びになるため、感覚的にはほぼ4-2-3-1に。
このドイスボランチと化した2人が、金沢の前線五角形の内側でパスを出し入れする事でプレッシング攻略を図るという、あくまでビルドアップvsプレスの勝負に挑む姿勢を終始崩さず。

しかし、果敢に両センターバックが前に出ての守備を行う金沢の圧力に屈する流れは尚も続き。
18分に庄司のパスカットから右サイドを運び、奥に持ち込んでCKを獲得したのち、ここから2本CKを続けるなど押し込み続けます。

何とかそれを跳ね除けた鳥取、反撃の狼煙を上げたのは21分でしたが、それは上記の自身での繋ぎとは無縁のものとなり。
金沢がGKまで戻して攻め直しとなった所に掛けたプレッシングが糸口となり、パスが乱れたため畑尾が蹴り出しを選択するも普光院がブロック。
エリア内へこぼれた所に、いち早く追い付いた松木がそのままシュートをネットに突き刺します。
これで1点を返し、ホームの大声援に包まれる雰囲気を幾ばくか変えるのに成功しました。

1点差となり、金沢サイドも地上から繋いで落ち着きを得る選択が多くなり。
バタバタした最終ラインが招いた失点だったため、ある意味当然の選択でしょう。

そしてそこに襲い掛かる鳥取のプレッシングと、立ち上がりとは逆転したかのような試合展開に。
敵陣でのカットを頻発させ、反撃の機運を高める鳥取に対し、27分金沢は大山が自陣で囲まれてのボールキープ。
すると倒れながらボールを足で挟む格好となり、ホールディングの反則で鳥取のフリーキックという判定が下されると、それでも足からボールを離さない大山を温井が押し倒してしまい。
これで両軍ヒートアップし、只ならぬ雰囲気を漂わせるピッチ上。(カードの類は誰にも出ず)

この空気からどちらが立ち直るか、という状況で迎えた29分。
金沢は右サイド後方(自陣からのフリーキック)から井上縦パス→小島フリックで一気にチャンスエリアへ運ぶ事に成功すると、ハーフレーンで受けた梶浦がカットインを経てのミドルシュート。
これが2点目同様に狭い所を通すボールとなり、ゴール右へと突き刺さり。
再びミドルシュートで2点差とした金沢。

このゴールにより、立ち直ったのは金沢、と言わんばかりにその後も攻勢を掛け。
システム的には、左ワイドに張りっぱなしの大谷を軸として、長短交えてそこに奥に届ける事が第一の攻撃。
それを盾にしながら、3点目のような他の選択肢を活かすという感じ。
36分には井上が対角線のロングパスをその大谷に通し、上げられたクロスをファーサイドで梶浦がヘディングシュート。
叩き付けて嫌なコースを突くこのフィニッシュを、GK櫻庭が身体を広げてコースを塞いだ末に足でセーブと、何とか防ぐ事に成功します。

このままでは神戸・町田と対戦するようなポゼッションの敗北という展開が避けられない鳥取。
終盤も近くなり、やや微調整の節が伺える立ち回りに。
金沢の前線五角形に入るのは1人のみとなり、世瀬がさらに降りて(ないしは開いて)その外でパスを受ける事が増え。
そして相手ドイスボランチの脇で、右で東出・左で普光院がパスを受けるというやり口でディフェンスを揺さぶりに掛かります。

この調整が奏功し、最後方でのプレス回避も容易となる流れが出来上がり。
43分にはハイプレスをGK櫻庭の短めのフィードで回避、温井の落としを経て前へ運び。
そして田中翔のスルーパスを受けた東出が右ポケットへ切り込んでシュート(ゴール左へ外れる)と、決定機への道筋も見え始め。

そして突入したアディショナルタイム。
ここも最後方でショートパスの連続でプレス回避した末に敵陣へ運び、後はアタッキングサード攻略という段階に入る鳥取。
左の松木が奥を取るも一旦戻して作り直しと、長らく繋いだ末に再度松木を使い、今度は普光院が左ポケットへのスルーパスを送った所に走り込み。
そしてクロスがファーサイドに上がり、田中翔のヘディングシュートで見事攻略に成功します。
これで再度1点差とした鳥取。

その後は何も起こらず3-2で前半終了となり。
点の取り合い(かつ中2日の試合で)で前線の消耗も激しく、ハーフタイムで両チームとも交代を選択します。
金沢はマリソン→土信田へ、鳥取は松木→小澤へと交代。

後半の立ち上がり、前半の再現を果たさんと積極的に仕掛ける金沢。
大谷のドリブルで左サイド奥を突き、グラウンダーのクロスに対しニアで土信田が走り込み、シュートは撃てずもCKとなったのが後半2分。

ここから怒涛のフィニッシュ攻勢に入り、この左CKからクロスの跳ね返りを西谷がミドルシュート、ブロックされるも尚も繋ぎ。
大山が左サイド手前からクロスを上げ、中央で土信田がヘディングシュートを放つもゴール上へと外れ。
続く4分には小澤の(小島への)反則で右サイドからのFK、再び大山のクロスから土信田がヘディングシュートという流れで、GK櫻庭のセーブで防ぐも再度CKに。
この左CKからも、キッカー大山のクロスをファーサイドで小島がヘディングシュート、ブロックされ混戦となった所を梶浦がシュート(ブロック)と徹底的に撃ち続けます。

いきなり窮地といった鳥取でしたが、何とか凌いだ末に最初の攻撃に入ったのが7分。
ここでそのボールポゼッションによる攻めの神髄を発揮し、大城がボールを持つ所に長谷川アーリアが降りて大山を引き付けると、その左脇を通す縦パスを送る大城。
これを普光院ポストプレイ→世瀬浮き球パスとワンタッチの連続で左へ繋ぎ、受けた温井の裏へのパスはブロックされるも、東出が拾って右へ展開して崩しの姿勢に入り。
ボールを持つ長谷川アーリアから、またも中央の世瀬→右ワイドの伊川→中央の東出とサイドを揺さぶりながらのワンタッチパスの連続でギアアップすると、東出がフリックを選択した事でエリア内へ転がるボール。
そして普光院が抜け出してシュートにいき、GK上田が前に出てブロックするも、こぼれ球を田中翔が詰めて無人のゴールに突き刺します。
最終ラインから完璧に崩しきり、同点に追い付いた鳥取。

これで振出しに戻り、意気上がる鳥取はその後、投入された小澤の推進力を押し出して攻め上がり。
自らのカットインや裏抜けを交えて左サイドを跳梁するその姿に、金沢もタジタジになるように、その攻めの圧はすっかり消え失せ。
鳥取の最終ラインにプレスを掛けるも、3失点目の影響が大きく、奪えずに結局自陣でリトリートを強いられる時間が長くなり。

かくして盤石の攻撃体制を得た鳥取。(ビルドアップの体勢は前半同様、相手ボランチの両脇で出口を作るスタイル)
組織力で攻略しつつ、個の力を前線の矛とする姿勢で攻撃権を支配します。
それでも金沢が自陣で5-4-1で固め始めた事で、フィニッシュはミドルシュートに留まるなど難しい崩しを余儀なくされる展開。

このままでは勝てない金沢が交代要員を準備していた所、23分に小澤が左ワイドからカットインの体勢に。
エリア内に入るかどうかという所で、梶浦に倒されて反則の笛が鳴り、PKにはならずも左角すぐ脇という絶妙の位置でのFKを獲得します。
セットプレー守備となったものの、金沢はここで交代を選択し大山→塚元。(梶浦がボランチに回り塚元は右シャドーに)
シュート・クロスどちらも可能という位置で、壁が作られないのを見たキッカー普光院はシュートを選択しますが、ゴール上へ大きく外れ。
勿体無さの方が強く残る結果となり。

これを境に鳥取の勢いも削がれ、26分には逆に金沢が左ポケット奥を突き、大谷がマイナスのクロスという好機。(手前でカットされ撃てず)
すると鳥取ベンチも動き、28分に長谷川アーリア→富樫へと交代。
これで東出がインサイドハーフに回ったようでしたが、以降東出の前残りが目立ち守備時は4-4-2の色を強める結果となります。
またこれにより普光院が長谷川アーリアの役割、つまりビルドアップの際にボランチに降りる繋ぎ役に回り。

布陣が変わった事で、その後方も乱れ始める鳥取。
32分に最後方から繋ぐも、GKへ戻した所に大谷のプレッシャーが襲い掛かり、櫻庭のパスが大谷を掠めるも何とか右の大城に繋ぐという危ないシーンが。
その後の大谷→東出へのロングパスもズレる(一応、小澤がこれを拾ってドリブルで奥へ運ぶ)という具合に、怪しげとなるビルドアップ。
それを突きたい金沢、34分に自身が最終ラインから組み立てる攻撃で、右へロングパス→戻しを経て今度は左から石原が中央へミドルパス。
これを土信田が絶妙なトラップで反転しながら収めた事で、二階堂を外した末に横パス、受けた塚元がドリブルでエリア内を突く絶好機に。
ディフェンスに遭うも左に流れながら確保した塚元、そのラストパスを託された大谷がシュートするも、GK櫻庭のセーブに遭い決められず。

35分に双方選手交代が行われ、金沢は大谷→櫻井。(これによりシャドーが右に櫻井・左に塚元)
一方の鳥取は東出・田中翔→常安・東條へと2枚替えで、常安が右ワイドに入る事で富樫・東條の2トップとなった感があり。(つまりは完全な4-4-2か)

以降、富樫・東條のポストワークを使いながら再度前進の流れを作る鳥取。
しかしそれにより、今度はフィニッシャーがゴール前に居ないという問題が生まれた感があり。
39分には中盤で富樫・東條の2人が繋ぎ、富樫→世瀬へのスルーパスが遮断されるも、拾った常安が左ポケットに進入成功。
溜めを作ったのちの戻しから温井がクロスを上げるも、ファーに走り込んだ富樫には僅かに合わず。
いかにも2トップに上がる時間を与えるかのような攻撃。

そして終盤を迎えると、疲労感からか鳥取の攻撃は機能不全となり。
やはり最後は地力の勝負に落ち着くというように、金沢が攻撃権を支配する流れに突入します。
44分に最後のカードも使い、小島・庄司→杉浦・山本へと2枚替え。(櫻井が右ウイングバックに回り、シャドーは右=塚元・左=杉浦)

一気に劣勢となった鳥取、44分にはカウンターを反則で阻止した二階堂が警告を受けるなどその被害が出始め。
そのFK、中盤の位置からですが放り込みを選択し、乱戦の末に杉浦が左ポケットからシュートに持ち込み。
これを脚先で東條がブロックして防ぎますが、これが当たり所悪く(先の細い所に当ててしまったか)、その後の金沢の二次攻撃の間も倒れ込んだままとなる東條。
プレーが途切れた所で治療に入ると、続行不可能となり無念のインアウトに。
それでも最後のカードを残していた鳥取、曽我を投入し破綻を防ぎます。

窮状に陥ったような相手を仕留めたい金沢でしたが、こちらも終盤故に放り込みオンリーとなる攻撃。
土信田のフリックを活かしながら押し込みますが、結局フィニッシュには辿り着けず。
3-3のままスコアは動かず、引き分けで幕を閉じました。

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