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DAZN観戦 2024年J1リーグ第14節 サガン鳥栖vs川崎フロンターレ

2024-05-17 18:17:04 | サッカー視聴記(J1)

<両軍スタメン>

「Jリーグの日」という事で、無理矢理気味に水曜に開催されたJ1リーグ。
思えば創世記の頃は、ジーコ氏はじめ様々な海外の有名助っ人が跳梁していたピッチ上。
しかし彼らは既にキャリアの晩年で、彼らに踏襲されるぐらいの当時の日本サッカーの低水準ぶりが露呈されるとともに、そこから這い上がるためのバネをせっせと作り上げるべく反発心を溜める時期だったでしょうか。
そんな「年金リーグ」と陰口を叩かれていたのが嘘のように、現代ではまず十分に走れる能力が第一である状況のJリーグ。

その流れに乗れていないのが、数年前は王者の立ち位置だった川崎。
しかし決して「走るサッカー」から距離を置いているという訳では無く、考えられる一因は世代交代の失敗。
かつての主力選手が軒並み高齢化し、かつ三苫はじめ本来次世代を担うべき人材は海外移籍。
そんな課題をカバーすべく必死に補強を重ねているものの、それをチームの実とする作業が巧くいっていないのか。
成績は次第に落ち込み、今季はとうとうボトムハーフで四苦八苦する状態に陥ってしまいました。

前節(札幌戦、3-0)はスコア的には快勝だったものの、既に最晩年で満足に走れないバフェティンビ・ゴミスをセンターフォワードに起用し殴り合うという、前述の創世記が思い起こされるようなスタイルで札幌を沈め。
そこから中3日、さらにこの後も中3日と、体力面に不安を抱えるチームにとっては人一倍キツくなる日程。
そして相手は走行距離リーグトップという対極的な存在の鳥栖(川崎は19位との事)という、逆風を浴びるようなカードとなりました。

その立ち上がり、川崎は鳥栖のプレッシングにも尻込みする事無く、ボール保持から何度も相手陣内へ切り込み。
マルシーニョの裏抜けを加えながら先制点を目指すその立ち回りに、体力面の懸念は感じさせず。

しかし鳥栖も、最終ラインでのボール保持で隙を窺うチーム。
前半8分、右サイドで前進の姿勢から、敵陣中間辺りで原田が中央へ縦パスを打ち込み。
そのパスは横方向で「縦パス」というのは語弊があるものの、しっかりと収めた菊地がミドルシュート、大南にブロックされるも跳ね返りを繋いでコーナーキックに持ち込みます。
するとこの左CKを素早くリスタートし、ショートコーナーを受けた手塚が左ポケット角からシュート(GK上福元セーブ)と意表を突き。
川崎の抱えるチーム事情を突くような、急な変化で仕留めようとします。

それでも川崎は、12分にGK上福元のロングフィードで一気に左ポケットを突き、そこにマルシーニョが走り込むという疑似カウンター。
マルシーニョが入れたグラウンダーのクロスはクリアされるも、その後ボールを確保し全員敵陣に入り込んでのポゼッションに持ち込んだ末に右CKをゲット。
ここから、キッカー瀬古のクロスをニアサイドで高井がドンピシャで合わせ、強烈なヘディングシュートでGK朴の上を破るゴール。
省エネも果たされる(と思われる)、ほぼ理想的な展開で先制点に辿り着きました。

リードした川崎、その後は家長のボールキープ力を存分に使う立ち回り。
家長も既に最晩年という年齢で、その姿はゴミス同様に前述のJリーグ創成期の事が思い出されるようなものでしたが、ペースを保ちたい現状では十分な武器であり。

そんなスローペース、しかし老獪な相手を崩さなければならなくなった鳥栖。
そのビルドアップの形は、原田が前に出る右肩上がりの陣形で、かつ残った3人の最終ラインが幅を広く取るというもの。
17分にはGK朴のロングフィードを、その原田が落とす初手から繋ぐ攻撃。
そして原田のクロスが大外で横山に収まりそのままシュート(ブロックを掠めて左サイドネット外)と、相手側へ突き出した槍を存分に活かさんとします。

そうした状況のなか、20分にあわやアクシデントという危機が。
川崎がパスワークで攻めるも鳥栖陣内深めこぼれ球となり、繋がんとしたマルシーニョが手塚と激突してしまうと、川崎側の反則で途切れ。
しかしダメージが深いのはマルシーニョの方で、腹部辺りを痛めたのか中々起き上がれない事態となります。
その時間は3分程と長くなったものの、何とか起き上がりピッチ外→復帰に。

これによりそれまでの流れが途切れる危惧が生まれ。
それを打破したのは鳥栖の方で、26分に右スローインからの繋ぎで奥を取り、菊地の最初のグラウンダーでのクロスはクリアされるも自ら拾って(原田とのパス交換から)再度クロス。
今度はファーサイドへの浮き球で、ゴール間近という位置で横山の足下に収まり、そのままシュートを叩き込んだ横山。
川崎サイドは大外から入り込んだ横山を(ファンウェルメスケルケンが)見ていなかったのが仇となった格好で、タイスコアとなります。

これで川崎はプランが狂ったでしょうか。
28分、敵陣でパスカットした瀬古が菊地に反則を受けると、素早いリスタートを選択。
縦パスを受けた遠野が中央からエリア内へ切り込みシュートにいくも、長沼のブロックに防がれます。
セットプレーでの変化ながら、ペース配分を脇に置く格好となったその姿に危機感を醸し出し。

鳥栖は序盤のハイプレスから、次第にマルセロが相手アンカーの位置に留まるという姿勢に落ち着く前線の守備。
しかし31分、川崎が最終ラインで繋ぎGKへ戻した所に、プレッシャーを掛けたのはボランチの手塚。
陣形を崩してでも……というその姿勢は裏目となり、蹴られた上福元のロングフィードが一気に裏を突くと、バウンドするボールをセンターバックがお見合いしてしまい山田が抜け出す事態に。
これを胸で落とした山田、スイッチ気味にマルシーニョがダイレクトでシュートを放つ決定機となるも、GK朴がビッグセーブ。
そしてすかさずミスしたDFに檄を飛ばす朴の姿が印象的となったシーンですが、それが冷めやらぬうちにパスをカットされて攻撃継続となるなど、無理なハイプレスが後方にも動揺を生むという危機となりました。

プレスも控えめとなるなか、お互いこうした疑似カウンター気味の姿勢で、隙を生じさせれば万々歳という状態に陥っていた感があり。
そして今度は川崎サイドにその隙が生まれ、37分原田のロングパスでマルセロを走らせ、高井が何とかクリアするも右スローインとなり。
すると鳥栖はこれを素早く始め、裏で受けたマルセロが右奥を取ってグラウンダーでクロス。
ニアに走り込んだ菊地がスルーすると、またもファーに横山がフリーで走り込む状況となり、ダイレクトでのシュートで再度ネットを揺らします。
今度は切り替えの部分で難を見せてしまった川崎により、鳥栖が逆転に至りました。

リードを許した川崎、それが切欠となり弱さを露呈してしまい。
自陣でパスミスが目立つようになり、球際でも劣勢となる厳しい状況に。
39分に鳥栖の攻撃、右ワイドからまたも原田の「横の縦パス」を中央のマルセロが受け、エリア内へラストパスを送る絶好機に。
しかし菊地はこれを収められず。

命拾いした格好の川崎でしたが、依然として反撃体制を整えられず。
決壊は時間の問題という流れで、迎えた44分エアバトルの連続を経てボールを確保した鳥栖、富樫の裏へのミドルパスで裏を取ったマルセロ。
収めてそのままエリア内へ進入し、GKと一対一に近い状態となりループシュートで上福元の上を抜いてゴールゲット。
前半のうちに挙げた追加点で、優勢ぶりを固める鳥栖。

しかしマルシーニョのあわやというシーンが影響し、長くなったアディショナルタイム。
川崎はゴールキックでのロングフィード、セカンドボールを拾ってから長らく敵陣右サイドでポゼッションを展開。
奥でスルーパスを受けた山田、手塚と横山の2人にアタックを受けるも、倒れながらのキープを経て起き上がってカットイン。
そして低いクロスを入れ、ニアで家長が掠めるように合わせると、その奥の木村に当たる格好でゴールに吸い込まれます。
ややもするとオウンゴール、という絵図ながら、家長のゴールとなり1点差に迫った川崎。
そしてそのまま、3-2と一重に点の取り合いといったスコアで終えた前半。

終盤でのゴールで、反撃ムードが高まったに見えた川崎。
しかし最終ラインがそれを台無しにしてしまい、早々の後半1分にビルドアップに入らんとする所、トラップミスで富樫に奪われる事態に。
そしてそのままエリア内を突いた富樫、ディフェンスに遭うも右CKとチャンスを継続させ。
キッカー手塚はニアサイド・密集からやや離れた位置にクロスを送ると、木村がヘディングシュート。
距離がありキャッチを選択したGK上福元でしたがこぼしてしまい、すかさず富樫がこれを詰め。
持ち前の超反応でこの至近距離のシュートを止めた上福元でしたが、尚も混戦となるボールに、確保せんとする山田の後方から原田が突いて追撃。
3度目となるシュートは防げず、鳥栖の4点目が生まれる事となりました。

手痛い後方のミスとなった川崎。
それを引き摺るように、その後は攻撃機会を生み出せない時間が長く続きます。
9分に自陣で家長がボール奪取、こぼれ球を繋いで再度受けた家長がドリブルで持ち運び、ようやく攻撃に入りますが鳥栖の戻りによりポゼッションに入り。
しかしそれは一重に遅攻に持ち込まれるという感じで、今度は2点目とは逆の左サイド深めでの細かい繋ぎ。
そして橘田が後方からポケットへスルーパス、走り込んだ瀬古のグラウンダーのクロスが入ると、ニアで空振りしたマルシーニョを経てフリーで合わせたのはファンウェルメスケルケン。
人数を掛けて最後は逆のサイドバックが仕留める、という流れを築くも、シュートは枠を捉えられません。

その後、CKからのサインプレーで佐々木がボレーシュートを放つ(11分、ゴール右へと外れる)など、一定の反撃の流れは得るものの結果を出せない川崎。
ベンチが状況打開のため動く段階となり、13分にファンウェルメスケルケン・マルシーニョ→ジェジエウ・脇坂へと2枚替え。
それぞれCB・インサイドハーフに入る事により、大南が右SB・遠野が左ウイングに回りました。

その後前線では、左サイドながらフリーで動き回る遠野を軸とし、ボールサイドに人数を掛ける細かなパスワークに活路を見出す川崎。
しかし後方は、実績あるジェジエウが入ったものの依然として不安定で、故障を繰り返していた彼が未だトップコンディションで無い事を改めて痛感させる展開となり。
18分にそのジェジエウが前へ送らんとした所を菊地がブロックし攻守交替(シュートまではいけず)となるなど、ビルドアップ能力の減衰に苛まれる事となります。
一方の鳥栖は15分に動いており、横山→山﨑へと交代
これで山﨑がCB中央に入る事で、3-4-2-1へシフトする守備重視の采配を敢行した川井健太監督。

川崎が敵陣でボールを支配するも、鳥栖ディフェンスの前に細かな繋ぎを繰り返した末の実りは芳しくなく。
24分に両ベンチがともに動き、鳥栖は菊地・富樫→日野・河田に2枚替えと、両シャドーをそっくり交換。(菊地は脳震盪による交代との事でカード消費無し)
一方川崎は家長・瀬古→エリソン・山内へ交代、この2枚替えで山田・エリソンを2トップとした4-4-2へシフト。
サイドハーフは右に遠野・左に山内、ドイスボランチが橘田・脇坂という布陣変更に望みを託します。

それでもその直後(25分)、またも最終ラインに突っかけられ、(鳥栖から見て)右ハーフレーン深めでボールを奪われた末にマルセロがシュート(脇坂がブロックしCKに)と後方の危機は続き。
さらに26分にも日野のパスカットから鳥栖の好機(日野が脇坂に倒されて左奥からのフリーキックに)となり、セットプレーも絡んで時間も使われる事となり、川崎の反撃体制は途切れ。
流石にこれだけミスする流れが続けば……というのは自明の理ですが、結局次の得点までそれが継続する事となります。

それは30分で、左サイド自陣深めに追い込まれる格好となった川崎、何とか脱出せんと繋ぐもまたも右ハーフレーン深めの位置で河原が前に出てボール奪取した鳥栖。
エリア内へこぼれた所をすかさず河田が反応し、ゴールネットが揺れて鳥栖が更なる追加点。
全体押し込まれた末のプレス回避失敗という絵図に、川崎の命運は尽きた、というような5点目が齎されました。

尚もジェジエウが深めで日野にボール奪取される(33分)など、衰運を堰き止められない川崎。
34分に最後の交代を使い、大南→瀬川。

その後も、逆サイドまで張り出す遠野がパスを出し入れしてチャンスメイクせんとしますが、状況は厳しく。
必死にパスを繋ぐ川崎を尻目に、鳥栖は38分に残っていたカードを全て使い。
キムテヒョン・手塚・マルセロ→上夷・藤田にヴィニシウス・アラウージョへ3枚替え、脳震盪の交代と併せて全6人のベンチメンバー(GK除く)を使いきる結果になりました。

スコアを動かせないまま、時間はATへ。
3点差故に、焦り・緊張感とともに諦め・安堵感が交錯する時間帯であり。

その所為か鳥栖サイドにもミスが生まれ始め、そこからこぼれ球を直接佐々木がスルーパス、前線のマリソンに渡り川崎の好機。
しかし鳥栖のトランジションを受けた結果、ミドルシュートを余儀なくされてこれをGK朴がキャッチ。
結局これがAT唯一のフィニッシュとなった川崎。

一度大きく傾いた状態を戻すのは難しい、といった流れで、そのまま試合終了の時を迎え。
5-2で勝利した鳥栖、これが川井監督となってから初の連勝と、意外といった結果が生まれた試合となりました。

一方、見るからに心配な状態となってきた川崎。
最終ラインの不安定ぶりを、背番号一桁の選手が醸し出すようではムードも上がらないのも当然といった試合内容。
汚泥から這い上がり、再び上位を確保する日は来るでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第15節 徳島ヴォルティスvs栃木SC

2024-05-16 16:01:56 | サッカー視聴記(J2)

※前回の徳島の記事はこちら(13節・愛媛戦、0-0)
※前回の栃木の記事はこちら(8節・千葉戦、0-8)

<徳島スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 代行監督の立場だった増田功作氏が、前節(岡山戦、2-1)の指揮から正式に監督に就任。それに伴い、コーチの山口将弥氏がヘッドコーチへ昇格。
  • エウシーニョが累積警告により出場停止。

<栃木スタメン>

  • 前節(藤枝戦、0-1)出場停止だった石田・大森がスタメン復帰。
  • その前節はドイスボランチの3-4-1-2で、この日は奥田が一列前に上がるマイナーチェンジ。
  • 10節(水戸戦、2-2)で負傷交代した矢野は、2試合の欠場を経て13節(清水戦、1-4)から復帰。

あいにくの天気となった徳島のホーム・ポカリスエットスタジアムでの一戦。
徳島の負の感情によるものか……とはこの試合でも書いた事ですが、時を経て逆に、それを清算するべくの降雨となったでしょうか。
前節上位の岡山に勝利した事で、ようやく正常なチームへの足取りを始めた感があり。

守備を固める意識を高め、塹壕戦のように勝利を拾う流れを構築した増田監督。
何度か新監督招聘の噂は有れど、その戦いぶりが評価されてか正式に監督就任したのが前節の前の事であり。
拡大路線(欧州スタイルへの傾倒)の反動故の消極的路線か、と思われた監督への昇格だっただけに、開幕から散々荒廃してきたチームならびに関係者もとりあえず一安心といった所。

この日の相手は、そんな徳島にとって代わるように不振に至っている栃木。
やはり千葉戦の0-8が尾を引いているようで、以降引き分けを2つ重ねたのみの未勝利という歩み。
前節から最終ラインが、ラファエルと藤谷が左右入れ替わるという具合に、迷いも感じられるスタメンとなり。

キックオフでいきなり徳島は、森昂ミドルパス→渡ポストプレイ→チアゴミドルシュート(枠外)と、開始7秒でフィニッシュ。
対する栃木もその直後にゴールキックのロングフィード→イスマイラフリックから繋いで好機、左ポケットを取ったイスマイラの戻しから神戸がミドルシュート。(枠外)
開始1分間で、双方ファーストシュートを放つ珍しい入りとなりました。

この日の栃木は、最終ラインのみならず中盤の底も弄り、前節のドイスボランチ(神戸・奥田)から神戸のアンカーシステムに。
ここは迷い云々では無く、前から果敢にプレッシャーを掛け、徳島のビルドアップを阻む算段と推測されます。
しかし2トップの一角に入るイスマイラは、前年も指摘した通り規制の掛け方が巧くなく。
最終ラインにプレッシャーを掛ければボランチが空いた所を通され、逆にボランチを意識すると前に出れないという、守備面では一つの事しか出来ない弱点が露わとなります。

チームとしての狙いが外れる格好となった栃木。
12分に自陣で反則を受けると、その遠い位置(右サイド)から放り込みを選択するという、強引かつ不格好な手法で何とかリズムを掴まんとします。
その後も13分に、今度は敵陣浅めでのこぼれ球に対し、拾いにいった藤谷が田向と交錯する格好となっての反則。
田向の足が遅れて入ったという事で警告の対象となり、またも得たFK(左サイド)からキッカー石田が放り込み。(クロスが直接ゴールライン割る)
前半風上に位置し、さらに判定に運が巡っている間に、それを果たしたいという展開に。

しかし徳島のボール保持が本領を発揮すると、それは叶わぬ願いとなり。
序盤は縦に速い攻めの意識が強く、前述のチアゴはじめ遠目から狙うという場面が目立っていましたが、栃木のチーム特性を理解してからはポゼッションを高め。
チアゴが降りてビルドアップの出口となる所に、藤谷が喰い付くというシーンが何度も見られ。
つまりはマンツーマンの意識が高いという、柳下正明氏がコーチを務めるチームらしい特徴が露骨に現れます。

20分に左からパスワークで前進しようとした徳島、栃木に遮断されるもこぼれ球を森昂がすかさず縦パスでカバー。
受けたチアゴも素早くスルーパスを送り、棚橋がエリア内でスライディングで繋いだ所を渡がダイレクトでシュート(GK川田セーブ)と鋭い一撃。
防がれた後も栃木の最終ラインにプレッシャーを掛け、橋本が左サイド深めで石田の蹴り出しをブロックし、左ポケットで渡が拾う好機に。
そして戻しを経てチアゴが中央からシュート。(枠外)
繋ぎの部分でミスが出ても、奪いきれなかったら逆にピンチを招くのが喰い付く習性があるチームであり。

その後はチアゴが降りて受けに来るのを利用し、入れ替わるように高い位置を取る田向を使って攻め上がり。
29分、児玉のミドルパスに入れ替わった田向、そのまま前進し右ポケットを突いてグラウンダーでクロス(その後こぼれ球を逆のポケットで拾った橋本がクロス)とベテランらしからぬ上下動で貢献します。

栃木は前述の遠目からのFKや、時折見せるカウンターに活路を見出すのみで、ひたすら徳島のパスワーク中心の攻めに難儀する展開に。
3-3-2-2(3-1-4-2)というオリジナルフォーメーションも、自然に南野がボランチの位置に回る事で5-4-1での守備を強いられるシーンが目立ちます。
必死の守備を見せるも、後追いの反則も膨らみ始め(36分には杉本に対するアフターチャージで神戸に警告)、30分台はそれによるセットプレーで時間を浪費する時間帯に。

そしてその流れから、仕留める格好となった徳島。
40分、ここは田向・チアゴが正常通りの位置での繋ぎで、杉本の前進からのパスを受けたチアゴの右奥へのスルーパス。
走り込んだ児玉のクロスがクリアされるも右コーナーキックで継続し、キッカー・チアゴのファーサイドへのクロスが杉本に収まり。
そしてワントラップから放たれたシュートがゴールネットを揺らし、セットプレーを量産した果てに生まれた先制点。
この際に杉本のハンドを主張した栃木サイド(実際に右腕に当たっているようではあった)でしたが、その前に何故杉本がフリーとなっているのかに着眼した方が良いように思えました。
マンツーマン守備で、杉本に付いていたはずの矢野が綺麗に外された結果GK川田が無理目な飛び出しを余儀なくされるという具合に、千葉戦と何ら変わらない症状であり。

その後も栃木の劣勢は変わらず、45分にも空中戦を制して確保したカイケからの前進で、溜めを作ったチアゴがスルーパス→田向右ポケット奥からクロスと特徴通りの攻め。
流れた所をさらに逆サイドから橋本がクロス、GK川田がパンチングで掻き出した所を児玉がシュート(枠外)と、分厚い攻撃を展開する徳島。
何とかその流れを切り、アディショナルタイムにはCK・ロングスローで徳島ゴールを脅かした栃木でしたが、状況打開には至らず。
1-0のまま前半終了となります。

ハーフタイムで交代カードに手を付けた栃木、藤谷→大谷へと交代。
チアゴの跳梁を許していた所を、駒を代える事で対処しようとしましたが、後半も然したる変化は無く。

反撃したい栃木ですが、敵陣へ運んだ所パスミスでボールロストするシーンを目立たせるなどその攻撃は正確性に欠け。
前半と比べ最終ラインから地上で繋ぐ意識が高まったものの、徳島と比べて可変する事も殆ど無いので相手のプレッシャーの的となるだけに終わり。

逆に徳島の攻撃の跳梁は止まず。
双方スローインばかりで途切れ途切れの流れを強いられる立ち上がりの中、後半6分にそのスローインを右奥で受けたチアゴがディフェンスに当てて出してCKに。
すると自身でキッカーを務めるチアゴ、追い風を利用してのインスイングのクロスで脅威を与えます。(ここではニアへのクロスにカイケが合わせにいくもクリア)
セットプレーで時間を使ったのち、10分には栃木の繋ぎのミスから敵陣で攻撃開始、児玉→杉本→棚橋と経由しチアゴに渡り。
そして中央からミドルシュート(大谷がブロック)と、その左足が冴え渡る展開に。

12分にはGKスアレスからの繋ぎ、左サイドから中央を使っての前進の末に橋本がアーリークロス。
ファーで棚橋が合わせにいくもこぼれ、クリアされるも杉本がヘッドで繋ぐというまたも分厚い攻めを展開すると、児玉のミドルパスが裏を突いた所を渡がボレーシュートで合わせ。
しかしGK川田のキャッチに阻まれ、異なる手札で再三攻めるも追加点は奪えません。

流れを変えんと、栃木が13分に2枚替えを敢行。(大森・矢野→森俊・宮崎)
しかしその直後(14分)にも、今度はカイケがドリブルで自陣から一気に右サイド奥を突きに掛かり。
そしてグラウンダーのクロスにニアで棚橋が跳び込む(クリアされてCKに)というあわやの場面を創出したカイケ。
特徴である最終ラインからの持ち運び(と表裏一体の、プレッシャーを受け続けての苦し紛れの縦パス)も、こうした形で活かせるのならば、天職はやはり(一時期途中交代で起用されていた)アタッカーでは無いのかと思わせるプレーであり。

好循環を保つ徳島でしたが、16分にベンチは3枚替えを敢行。
杉本・棚橋・渡→永木・杉森・柿谷へと交代しましたが、攻勢を続けていた事もあり、正直もう少し持たせても良かったのではないかと思ったり。(ベテランの多い徳島故に仕方無い側面はある)

その予感通りに、以降栃木が主導権を奪いに掛かり。
18分、石田の裏へのロングパスを右奥で受けた南野、橋本のクリアでこぼされるも宮崎が繋いで再度南野の下へ。
そしてワイドの位置から果敢にシュートを放ちましたが、惜しくもゴール左へと外れ。
20分にはラファエルロングパス→イスマイラフリックというお決まりの流れから攻撃開始、サイドを振ったのちに石田の右ポケットへのパスがまたも南野に。
ここはリターンを選択した南野、そして石田がダイレクトでクロスを上げましたが、ファーの森俊には僅かに合わず。

攻撃権を確保したい栃木ですが、それでも徳島は守勢にならず真っ向からぶつかり合う姿勢を取り。
23分には空中戦でボールを確保し、柿谷がワントラップからバイシクルで繋ぐ技を見せたのちポゼッションに入り。
右からの前進を経てポケットでキープする児玉が逆向きでヒールパス、そして走り込んだ田向が奥からクロス(クリアされる)と、ボールキープする中でもしっかり最後の局面まで繋いでいき。
栃木のポゼッションに対しても果敢にプレッシャーを掛ける姿勢を保ちましたが、ここでは24分に平松をスライディングで倒してしまった柿谷が反則・警告を受ける事に。

劣勢は変わらない栃木、それでも守りに入られ何もできないよりはマシだったでしょうか。
25分徳島が最終ラインから繋ぐ所を、前に出た大谷がボール奪取してすかさず縦パス、イスマイラが受けるショートカウンターに。
これを中央からミドルシュートを放ったイスマイラ(GKスアレスキャッチ)という具合に、相手が攻めの姿勢を見せてくれるだけチャンスはありそうな状況となり。
29分にも徳島の縦パスがズレた所をラファエルが逆にミドルパスを送り返し、宮崎の収めを経て再度イスマイラに渡り。
そして右へと流れて再度ミドルシュートが放たれましたが、右サイドネット外に終わり同点ならず。
攻撃面は栃木の中では万能のイスマイラ、それだけに守備能力の欠如が悔やまれる所。

30分に再び栃木ベンチが動き、神戸→青島へと交代、これで奥田がアンカーへとシフト。
その後32分に再度GKスアレスからの繋ぎで左サイドを前進する徳島、杉森のドリブルが奥田に倒されて反則・警告。
これで左からのFKとなった所で徳島ベンチも動き、橋本→高田颯へと交代。
あくまで攻める姿勢のカードを切ると、このFKからチアゴが低いクロスと見せかけて直接ゴールを狙う弾道のボールを送ります。(GK川田正面でキャッチ)

その後栃木は自陣でのスローインを直接カットされるなど、中々ボールを前に運べない状況を強いられ。
相変わらずプレッシャーの強い徳島に対し、膨らむ反則によるFKで遠目からの放り込みをする事ぐらいしかやれる事が無く。
そのFKから36分、キッカー石田の中央への低いボールに宮崎が足で跳び込むという一幕がある(合わずにGKスアレスキャッチ)など、1点差な以上どんな形でも……という可能性は残りますが。

主な絵図は徳島のパスワークという中で時間が進んでいき、手詰まり感漂う栃木サイド。
最後のカードは39分で南野→小堀となりましたが、局面を変えるには至らず。(徳島は38分にチアゴ→ブラウンノアに交代)

その後も高田颯の切り込みを使い、再三アタッキングサードでサッカーを展開する徳島。
そのままATに入り、得たCKでもショートコーナーからの繋ぎで時間を使うなど勝利への進軍に入り。

しかしその最中、栃木のスローインを例によってカットするも、その後のパスワークを遮断され。
そして栃木の繋ぎに対するゲーゲンプレスをかわされ、イスマイラがドリブルに持ち込むという栃木の実質最後にして最大のチャンスが。
ここで前に走る小堀へのスルーパスを選択したイスマイラでしたが、これが青木に遮断される結果に終わり、活かす事は出来ませんでした。

結局次の1点は最後まで生まれず。
1-0のまま試合終了となり、徳島が内容的にも順当といった勝ち点3に辿り着きました。

一方これで5連敗と、光明が見えない栃木。
試合から2日後、とうとう監督交代の一報が流れるに至り。
田中誠監督・柳下コーチが揃って解任(双方合意の下で契約解除)となり、新体制の構築を模索する事となりました。

この日はどちらかというと柳下コーチの思考(皆マンツーマンで付いていくところなど)が強く出た試合に思えましたが、それはやはり田中氏が風前の灯火である事を暗示するものだったでしょうか。
しかし柳下氏も、前年で既に余力を使い果たすかのような監督歴で、そのサッカー感は現代においては厳しいものがあり。(皆マンツーマンで付いていくところなど)
かくして元磐田子弟コンビの体制は終了となりましたが、新監督には昇格請負人こと小林伸二氏の名前が。
ここからの昇格は至難の業でしょうが、まずはしっかりとチームの建て直しを図ってもらいたい所です。

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DAZN観戦 2023~24AFCチャンピオンズリーグ決勝第1戦 横浜F・マリノスvsアル・アインFC

2024-05-15 18:09:04 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • コイントスでコートチェンジ。
  • アルアインの選手名はyahooスポーツナビに準拠。
  • マリノスのACL仕様の背番号は、ポープ(本来は1)・マテウス(11)・ロペス(10)の3人。

横浜Mベンチメンバー=GK飯倉 GK白坂 加藤蓮 加藤聖 渡邊泰基 渡辺皓太 山根 榊原 山村 井上 水沼 宮市

前回のACLの記事 - 準決勝第2戦・横浜Mvs蔚山(3-3・PK5-4)


苦難の道のりを経て、決勝の舞台に辿り着いたマリノス。
週末開催とあって観衆も十分、いや普段以上の大人数が集結し、良く雰囲気が演出されていました。

2003・2004年とリーグ連覇を達成し、2004・2005年と連続で参加したACL。
この黄金期といえる時代に、少なくともアジア王者に手が届くという地位を固めておきたかった所でしょうが、いずれもグループリーグで敗退と現実は非情であり。
その後、王者が現実的なクラブ最有力の枠は浦和に収まる形となりましたが、20年の月日を経て取って代わる事が出来るかどうか。

対戦相手はUAEクラブのアルアインで、ノックアウトステージに敷かれたサウジアラビアの包囲網を掻い潜って勝ち抜いてきた強豪クラブ。(ラウンド16の相手はウズベキスタンのナサフ・カルシFCでしたが)
スタメンには他国の助っ人選手が4人顔を並べている、マリノス同様に様々な国の力を取り入れており決勝に相応しい相手といえるでしょう。
(なお日本人では過去に広島・塩谷、浦和・中島が在籍)

ピッチ上は風が強い事もあり、コートチェンジが行われて迎えたキックオフ。
アルアインは1トップのラヒミの脅威的なスピードを生かす、典型的なカウンター主体のチームとの事であり。
その通りに攻撃権を支配するマリノスに対し、4-5でブロックを敷きつつマンツーマン気味の守備隊形を作るアルアイン。
マリノスが片側のサイドバックを上げれば、それに対しサイドハーフが下がって陣形を変える、という具合。

それを利用せんと、前半3分にマリノスはロペスが降りてポストプレイをすると、それに付いていったのはボランチのナデル。
愚直にセンターバックが喰い付くなんて事をしない辺り、流石にレベルが違うという事を匂わせます。

それはともかくとして、ホームの場で主導権を握りたいマリノス。
6分に攻撃が途切れたのちにゲーゲンプレス、右サイドでロペスがボール奪取すると、パスを循環させて再度ロペスにボールが渡った末にクロス。
クリアされて途切れるも、またも永戸が即時奪回して継続、今度は中央を縦に素早く運び。
植中→ロペスの縦パスはズレるも、クリアボールを拾ったナムテヒが逆向きでのヒールパスで左ポケットへ送って好機。
エウベルのクロスの跳ね返りを、逆の右ポケットで拾ったマテウスがシュート(枠外)と、前線の助っ人による圧力を発揮します。

アルアインはラヒミの裏抜けに対するロングボール・スルーパス攻勢が基本で、マリノスの攻勢を凌ぎつつ一発を狙うという立ち回り。
そのカウンターの槍も、GKポープの飛び出しなどで防いできたマリノスでしたが、迎えた12分。
アルアインの自陣左スローインという、脅威となり辛いシチュエーションだったのが却って拙かったか、投げられたボールをパクヨンウがフリックしてラヒミの下へ。
これをワンタッチで裏へ蹴り出し、自身で走り込むという選択をしたラヒミ、蓋をしに掛かったエドゥアルドを超スピードで追い越して拾う事に成功します。
そしてほぼGKと一対一状態で放たれるシュート、GKポープがセーブしたものの跳ね返りをM・アルバルーシに詰められ。
ゴール前まで戻ったエドゥアルドのブロックも及ばず、ゴールネットが揺れてアルアインの先制点が創出される事となりました。

突拍子も無くラヒミの脅威に晒される格好となったマリノス。
追い掛ける立場でのキックオフ、すかさず右へ展開してスルーパスでマテウスを走らせ。
受けたマテウスは右ポケットに進入するも、パクヨンウのアタックで倒されてボールロスト。(反則無し)
奇襲が実らず終わると、試合も膠着状態に。

かくしてマリノスは最終ラインからの繋ぎで、堅守の相手を崩すという展開を強いられる事に。
19分、畠中から斜めの縦パス→ロペスポストプレイ→エウベルと繋がんとし、遮断されるもこぼれ球を再度畠中縦パス→ナムテヒポストプレイと、同パターンで前進。
これを受けたロペスがドリブルでエリア内へ切り込み、左へ流れてシュートを放ったもののGKエイサのセーブに阻まれます。
まずはCBからの縦パスというのがスイッチとなる、という事を示しましたが、その後の同パターンはアルアインのパスカットに遭う事が目立ち。

リードした事で、アルアインも無理をせずボール保持で時間を使う選択も混ぜ始め。
それに対しハイプレスを仕掛けるマリノスは、26分M・アルバルーシのボールキープに対して追い込み、戻りながらのキープを強いたのちナデルのパスミスを誘い。
これを回収した植中がそのまま前進からミドルシュートを放つも、これもGKエイサにセーブされてショートカウンターも実りません。
逆にこれで得た右コーナーキックから、永戸のシュートに持ち込んだものの防がれるとアルアインがカウンター。
右サイドでスルーパスに走り込んだのはやはりラヒミで、さらに中央へダイレクトでスルーパスと、鋭い槍を放たんとしましたがこれは遮断したマリノス。

するとマリノスは、その後得意手である「偽SB」の色を押し出し始め。
高い位置を取る永戸をハーフレーンに置く事で、アルアインの守備隊形を崩さんと試みます。
29分エドゥアルドの持ち上がりに対し、永戸を見失ったM・アルバルーシがやむ無く(そう見えた)それを止めに前に出た所に、すかさず永戸へ縦パスを通したエドゥアルド。
ここから永戸→植中→マテウスと経由し逆サイド・右ポケットへ運び、マテウスのシュート気味のクロスをファーサイド奥でエウベルが折り返しと、綺麗な流れで繋いだものの中央には誰も居らず。
またも狙いを的中させながら、結果だけが伴わないという絵図に。

すると30分、アルアインはアルハシェミのロングパスのセカンドボールを拾って攻撃に入り、ロメロの縦パスに入れ替わったパラシオスが右ポケットに進入。
そして放たれたシュートが、GKポープの股を抜けてゴールに突き刺さります。
大きな追加点か、と思われた所にVARが介入すると、際どいながらもオフサイドの判定が下され。
マリノスサイドが、オフサイドと判断したのか緩い守備になったというシーンだっただけに、その通りになって本当に助かった格好に。

それでも攻撃権を支配しているマリノス、34分に松原ミドルパス→植中収めで最前線での崩しに入り、横パスの連続を経て喜田がエリア内やや右からシュート。
GKエイサにセーブされて左CKになると、ショートコーナーからの繋ぎの末に中央からマテウスがミドルシュートを放ちましたが、これもGKエイサのセーブで防がれ。

フィニッシュは順調に重ねる流れの中で、どうやらエドゥアルドが足を痛めてしまった模様であり。(何時かは不明)
プレーが止まった際にピッチ脇のハリー・キューウェル監督と話し合った結果、以降松原が最終ラインに残る左肩上がりの布陣を固定化。
このカバーにより、カウンターのケアを強める姿勢を採り。

恐らくハーフタイムまで持たせて……という思惑でしょうが、それは叶わずに36分、ついにエドゥアルドが倒れ込んでしまい続行不能に陥ります。
上島の出場停止でCBが不足気味ななか、交代に選ばれたのは渡邊泰。
何とか自力でピッチ外に出たエドゥアルドに代わり、37分に投入されました。

アクシデント発生で流れが悪くなるマリノス。
その後の流れは今一つで、アディショナルタイムには再び縦パス中心の崩しから、右ポケットに切り込んだマテウスがマイナスのクロス→ナムテヒシュート(マテウスがオフサイドで無効に)というのが唯一の決定機。
この際にGKエイサがロペスとの交錯で痛み、長らく倒れ込んだ事もあり攻勢はブツ切りとなり。

結局0-1のまま前半が終了。
ハーフタイムではともに交代無く、運命の後半戦へ……と言ってもまだ2戦目があるのですが。

後半もマリノスの流れはイマイチで、早々の後半2分にラヒミと渡邊泰が頭部同士で激突し、ラヒミの方が激しく痛む事態に。
幸い何事も無かったものの、早く攻勢を整えたいマリノスにとってはアクチュアリープレイングタイムの減衰はなるべく無くしたい状況。

その焦りを突くように、アルアインは6分GKエイサのロングフィードをパラシオスがフリック、流れた所をロメロが浮かせてラヒミへ送り。
そのラヒミがヘッドからの収めで一気にエリア内へ切り込む好機となりましたが、永戸のカバーで辛うじて防ぎ。
こうした一発の縦に速い運びが、致命傷になりかねない戦いを強いられます。

気を取り直して攻めるマリノスでしたが、前半とは打って変わってフィニッシュに持ち込めず。
アルアインの守備力が冴え渡る展開から、10分を過ぎると今度はアルアインが攻撃権を支配する流れとなり。
マリノスの攻め疲れを見計らうかのように、パラシオスが様々なサイドに張り出してパスを引き出す姿勢によるボール保持の色を高めるアルアイン。
13分には再度カウンターでスルーパスをラヒミの下に送る(手前でカットされる)という具合に、マリノスの焦りを増幅させる狙いは成功しつつありました。

このままでは厳しいマリノス、状況打破のためにベンチが動いたのが16分。
喜田・エウベル→渡辺皓・宮市へと2枚替えし、喜田はキャプテンマークを松原に託しピッチから退きます。
以降、永戸の上がりが控えめになり逆に右の松原が高い位置を取る絵図が増えるなど、新たな手法を交えて崩さんとするマリノス。
その変化に付いていかんとするアルアインですが、19分に畠中の縦パスを降りて受けるロペスに対し、ついにCBのアルハシェミが喰い付くという絵図が生まれ。
戻しを経て左サイドから前進し、宮市の奥からのクロス(クリアされCKに)にまで持ち込み、フィニッシュは放てなかったものの決壊の兆候が見られたでしょうか。

これ以降カウンターにも持ち込めず、専守を余儀なくされるアルアイン。
23~24分に長らくポゼッションを続けるも前進出来ずにいたマリノスですが、最終ラインから畠中の持ち運びで局面を変えると、彼の縦パスを受けた植中の右奥へのスルーパスにマテウスが走り込み。
そして低いクロスを入れたその先にロペスが脚から跳び込む理想的な流れを生み出しましたが、手前でナデルにクリアされて実らず。
それでも後方からの運びは有効で、25分に今度は渡辺皓が中央を前進したのち、狭い局面でのロペス・ナムテヒとのワンタッチパスで崩しに掛かり。
そして植中のスルーパスに抜け出す渡辺皓、遮断されるもエリア内中央へこぼれた所に永戸が走り込むという場面となりましたが、これも辛うじてクリアされ撃てずに終わります。

そして27分、とうとうスタンドの観衆(の殆ど)が待ち望んでいた瞬間が。
最終ライン→左サイド(宮市)で前進の姿勢から、中央(ロペス)→右ワイド(マテウス)へサイドを移すという典型的な繋ぎから、カットインを経てポケットから上げられたマテウスのクロス。
ポストワークののちエリア内へ走り込んだロペスの動きが効いて、ヘッドで合わせた中央の植中に対しアルハシェミは競り合えず、ゴールネットに突き刺さるボール。
ゴール前に人数を掛けた末のフィニッシュで、1-1の同点となります。

これで攻める姿勢を見せなければならなくなったアルアイン。(アウェイゴール制度は無いため)
30分にナデルが左サイドを持ち運ぶ所、植中が反則で阻止して警告を受けると同時に、足を攣らせて倒れ込む事態に。
殊勲の同点弾を挙げた植中ですが、ここで退く事となりました。(山根と交代)
同時にナムテヒ→榊原へと交代し、5人の交代枠を使い果たしたマリノス。(以降アンカーに山根が入る)

これで得たFKからのクロスや、ラフな裏へのボールを拾わせたのちのプレスで奪うという「ストーミング」的な手法から、何とか攻撃機会を得るアルアインですが迫力は薄く。
マリノスとは対照的に、ここまで交代カードを全く使わない事もあり、ラヒミの脅威をはじめその能力が鈍ってきたでしょうか。
チームを支えてきた守備力も、35分に宮市の左からの仕掛けに対し、2人が止めにいった結果カットインからのクロスを許す(ファーのマテウスには合わず)などその組織力は薄氷の状態に。
それでも動かないベンチのエルナン・クレスポ監督。

そして右奥からスローイン→右CKというセットプレーの連続に持ち込んだ39分。(33分にも同様の流れが)
キッカー・マテウスの最初のクロスは跳ね返されるも、山根の落としを拾った榊原が右ポケットを突いて継続し、再度上がるマテウスのクロス。
これをファーサイドで宮市がボレーで合わせにいき、折り返されたボール(放送席ではシュートミスと言われていた)に渡辺皓が抜け出して合わせた事でゴールネットを揺らします。
これに一旦オフサイドを告げる笛が吹かれるも、VAR介入によりオンサイドが判明し、判定が変わった末の勝ち越し点に。
胸すく逆転劇に沸き上がるマリノス。

しかし逃げきりという作業が待ち受ける終盤戦。
そしてその最中に畠中が足を攣らせてしまったため、ポジションチェンジを強いられる事に。
彼の代役のCBに松原が入り、右SBには山根。
そして渡辺皓と榊原がドイスボランチのようになり、畠中がロペスと横並びの2トップ状態といった最終布陣に。

そのため、攻撃的なマリノスでも専守を余儀なくされ。
ATに突入し、攻め続けるアルアインの流れを切らんとしますが、自陣でパスカットに遭う事で一方的な守勢を強いられます。

そしてクロスをクリアするも、そのこぼれ球を合わせに跳んだトラオレに対し永戸が激しくぶつかってしまい反則・警告。
それと同時に、植中と同様に足を攣らせてしまう永戸という具合に、既に満身創痍なマリノスメンバー。
ここでようやくアルアインは最初の交代(M・アルバルーシ→アルシャムシ)を使ったものの、結局この1枚のみに終わります。

ともかくこれで得た右ワイドからのFK。
蹴る前にエリア内でパクヨンウが松原を押し倒してしまい、警告を受けるという一幕もありましたが、キッカー・ロメロはクロスと見せかけて直接シュート。
意表を突かれる格好となったマリノスですが、シュートはゴール上へ僅かに外れと、命拾いとともにようやく勝利の光景が膨らみ始め。

その後も押し込まれ続け、アルシャムシがエリア内に切り込まんとする所を渡邊泰が倒してしまうというヒヤリとする場面もありましたがノーファール。
最後は這う這うの体という感じでしたが、試合終了の笛が鳴り響き、勝利に辿り着いたマリノス。
しっかりとホームの地で1戦目をモノにしましたが、まだ激戦必至の第2戦が残されています。
果たしてアウェイ・UAEの地に乗り込む、その戦いの行方は如何に。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第15節 藤枝MYFCvsブラウブリッツ秋田

2024-05-14 16:00:27 | サッカー視聴記(J2)

※前回の藤枝の記事はこちら(12節・水戸戦、3-2)
※前回の秋田の記事はこちら(10節・岡山戦、0-0)

<藤枝スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 閑田(大阪学院大)の来季加入が内定し、その後特別指定選手となり今節から登録される。
  • カルリーニョスが今季初のメンバー入り。

<秋田スタメン>

  • 水谷・喜岡以外に主な故障者のリリースは無しも、ベンチ外が続いている岡﨑・中村辺りが該当か。

アンデルソン・ウエンデルといった助っ人パワーを活用し、上昇機運に乗った藤枝。
前年も在籍していたアンデルソンはともかく、ウエンデルの起用そしてその活用方法は異質に映り。
この日のスタメンは、GK北村以外に前年の主力だった選手は西矢ぐらいのもの(最高出場成績がアンデルソンの23試合・1290分)で、不振による微調整を経て大幅な刷新が図られる結果に辿り着いた格好に。
そしてベンチにはカルリーニョスが初めて入るという具合に、尚も新たな血の投入が図られ。

かくして、超攻撃的vs秋田一体の試合が始まり。
ともにベクトルの違うチームカラーながら、立ち上がりは類似的なサッカーによる一進一退。
元来ロングボール主体の秋田は言わずもなが、藤枝もウエンデルの登用以降、彼を前線に上げた所に放り込むパワーサッカーの手法を多用している現状。
前半2分に左サイドで空中戦を経てボールを確保したウエンデルから、パスを受けたシマブクが奥へ切り込んでクロス。
クリアされた跳ね返りを矢村がダイレクトでシュート(枠外)と、その新たな武器からまず一矢を放ちました。

しかし藤枝が同じ土俵に立った結果、本家のパワーサッカーつまり秋田の攻勢が本領を発揮。
早速直後の3分にロングボールでの攻めから右スローインとなり、小野原がロングスローの体勢を取るお馴染みの光景に。(ここはフェイントで短く放る)
小柳の縦パスをカットするも、その際にアンデルソンが味方の大曽根に削られてしまうというアクシデントも生まれるなど、カオスな状態を強いられる事となる藤枝。(アンデルソンは無事でピッチ外→復帰)

ペースを掴んだ秋田、6分にボールキープするウエンデルから今度はボール奪取に成功してカウンター、畑が持ち運びから左ポケットへ裏抜けのミドルパス。
これに走り込んだ青木がダイレクトでシュートするも、ボールはサイドネット外。
続く7分にも空中戦を制したのち縦に速く運び、青木が中央を持ち運び右へ展開、受けた畑がクロス。
これがピンポイントで走り込んだ青木の頭にピタリと合いましたが、ヘディングシュートはGK北村のセーブに遭い決められず。

秋田のスタイルがスタイル故に、守備時の藤枝はほぼハイプレスを諦める格好に。(すぐにロングボールを蹴られるため)
パワーサッカーを繰り広げる相手の攻撃を凌ぎながら、いかにこちらの攻撃でリズムを取り替えすかという展開に。
9分に自陣深め右サイドから繋ぎ始め、大曽根・山原の動きながらのパス交換で秋田のゲーゲンプレスをいなし。
そして左へ展開ののち西矢が対角線のロングパスを右奥へ送る(大曽根には繋がらず)と、本来のボールを動かしながら裏を突く攻めを見せ。
この姿勢がカギとなりそうですが、以降は秋田の強度の高さに苦しむ時間が長くなります。

13分にも中盤での空中戦から、青木のフリックを拾いにいった諸岡が平尾のチャージを受けて反則。
これで秋田の左サイド浅めからのフリーキックとなり、クロスの跳ね返りを小野原が逆の右サイドから再度クロス。
これを河野が落とし、拾った小柳がシュートとセンターバックのコンビプレーで仕留めたかに見えましたが、シュートは惜しくもゴール左へ外れ。
主導権を握りながらも、創出する決定機で中々決められず。

また秋田は純正4-4-2でのディフェンスながら、そのパワーを前面に押し出す姿勢故か(というか単にマンツーマンの意識が強いためだろう)、持ち場を離れてしまう事が多々。
21分の藤枝の攻撃、右ワイドに開き縦パスを受けにいったアンデルソンに対し、CBの河野が付いていく格好となります。
ここで奪いきりカウンターになりかけたものの、藤枝が本来の流動性を高めた際に耐えうるのか、という懸念も浮かび上がり。

それでも、そんな不安材料を余所に好機を重ねる秋田。
23分には諸岡のボール奪取から、小野原がワンタッチで送ったミドルパスを小松が入れ替わる事でウエンデルを剥がして抜け出し。
そして右ポケットに進入してシュートを放つも、GK北村のセーブを掠めて右ポストを直撃と、またも後一歩の所で運が巡って来ず。
攻撃権は順調に増やしていくものの、肝心のゴールが決められない流れとあり、その積極性にやや陰りが見え始め。(単純に藤枝がプレスに出て来ないという事もあり)
従来なら躊躇わずに縦パス・浮き球パスを前線に送る所を、戻して作り直しを選択する事が目に見えて多くなります。
CBからボランチへパス出し→再度CBへ戻すという具合に、本当に秋田のサッカーを観ているのかと錯覚する場面もあり。

一方秋田のプレッシングに苛まれる藤枝は、次第にウエンデル狙いのロングボール一辺倒を余儀なくされる流れに。
後方で何とか流れを作りたい状況で迎えた35分、右サイドでの前進の姿勢から戻して作り直しを選択すると、中川創→GK北村→山原と長い距離を取った地上でのパスでサイドチェンジ。
これに秋田はプレッシャーを掛けるも長距離なため間に合わず、山原の裏へのロングパスを許す事に繋がります。(走り込んだ先で矢村が小柳に反則して実らず)

こうした地道な作業が、好循環に繋がったでしょうか。
41分、敵陣右サイドでのボール奪取から戻しを経てパスワークに入ると、梶川が右→左へ対角線のロングパス。
送った先は一気に左ポケット奥で、例によって上がっていたウエンデルの折り返しが決まると、矢村が中央で合わせヘディングシュート。
完璧な流れで放たれたフィニッシュでしたが、GK圍の左足でのビッグセーブに阻まれ先制はなりません。

その後攻勢に入る藤枝、相手のお株を奪うセットプレー攻勢。
CK2本に加え、ウエンデルのロングスローも使いながら攻め立てましたが、フィニッシュは生まれる事無く前半終了となり。

スコアレスでの折り返し。
パワーを存分に発揮し、攻撃機会・フィニッシュを多く得た秋田。
苦労しながらも主体的な攻めの道筋を得て、最後に流れを掴んだ藤枝。
そのぶつかり合いはスコアが示す通り一歩も譲らずで、交代も無く後半開始を迎えました。

その入りで、自身の展開に持ち込んだのは秋田の方。
後半2分にやはり小野原のロングスロー、跳ね返りを左へと展開して才藤の低いクロスがエリア内中央へ。
これを最初に合わせにいった佐藤は撃てずも、浮かんだ所を小松がバイシクルでシュートを放ち。
ウエンデルがヘッドでブロックするも、左CKで継続と秋田理想のセットプレー攻勢に。

しかしここから生まれたのは事件、では無く珍事でした。
ここでもクロスの跳ね返りを繋いで二次攻撃に入った秋田、佐藤が中央からエリア内に切り込んだ所でスリップしてしまい。
それでもそのままシュートにいった佐藤でしたが、中川創のブロックで跳ね返されると、勢い余って中川創を削ってしまう事となり。
またこぼれ球を藤枝が繋いでカウンターか、という所で反則を告げる笛が鳴った事で、これとは別件で藤枝サイドが紛糾する事態となります。

当然ながら猛烈に異議を飛ばす須藤大輔監督と、その前に立っていた秋田選手との言い争いも発生し。
その秋田選手は、左サイド故に必然的に須藤監督の側に居る状況となっていた才藤で、反則したのちポジションに付いた佐藤も同サイドに居た事で話がややこしくなったでしょうか。
それに対し主審(窪田陽輔氏)が警告を突き出した所、紛糾冷めやらぬ才藤があろう事かペットボトルを叩きつける蛮行に出てしまいます。
そして踵を返した主審が、またも警告を突き出すと、2度目という事象に従い赤いカードまで突き出す事態に。
才藤の連続警告による退場かと思われましたが、秋田サイドの抗議と、審判団の協議によりこの退場が取り消される事となり。
最初の警告はあくまで佐藤の反則に拠るもので、(佐藤と才藤が同じ側に居る事もあり)須藤監督と言い争いしていた才藤に向かって出される絵図になるという主審側の勘違い。
それがお互い誤解に繋がってしまった故の結果、と推測します。
いずれにせよ、あわや数的不利になりかねなかった秋田は命拾い。

しかしこれによりリズムが狂った秋田。
その後藤枝が、ウエンデルのロングスローの連続で攻撃権を奪うと、再び最終ラインからの繋ぎでリズムを掴まんとする展開に。

流れを変えるべき状況となった秋田は、16分にベンチが動き畑・小松→大石・梶谷へと2枚替え。
ここでも最初に交代ボードに表示されたのは小松では無く青木の番号と、審判団がどうにもバタバタしている印象を残す絵図が生まれ。
それが両チームにも波及したのか、17分には藤枝のパスミスから、拾った梶谷のスルーパスで秋田の好機。(右奥から大石クロス→跳ね返りを左から才藤クロス)
19分に今度は秋田がバックパスをミスし、拾ったアンデルソンが右奥へ切り込んでマイナスのクロス(大曽根の手前でカットされる)と、お互い様の流れとなるピッチ上。

それでも、新たに入った梶谷のターゲット能力を活かして優位に立つ秋田。
彼のフリックを軸に再度攻撃機会を膨らませるも、得点出来ないという流れは相変わらずであり。

そして24分に再度動く秋田ベンチ、佐藤・青木→ケンチザンガ・半田へと2枚替え。
これで梶谷が左サイドハーフに移り、主なターゲットはケンチザンガという体勢になります。
一方の藤枝も26分にカードを切り。
ウエンデルに代え、初出場となるカルリーニョスを投入。
これでカルリーニョスが右CB・中川創が左CBとなり、カルリーニョスはウエンデルと異なり最初から前に上がらないのでこちらも体勢変更。

29分の藤枝、左サイドからパスによる前進を経て西矢が運ぶ体勢となり、ポケットへのスルーパスに走り込んだアンデルソンがグラウンダーでクロス。
これをニアサイドで矢村が合わせましたが、ジャストミート出来ずゴール右へと外れてしまい。
一方の秋田は31分に左スローイン、才藤のロングスローをニアで河野がフリック→半田落とし→梶谷と繋げ。
バックパスから諸岡がシュートを放つも大曽根がブロック。
お互い得意手によるフィニッシュの応酬と、この時間帯でも優劣が付かない展開を繰り広げ。

しかしここから、シマブクを跳梁させる事でペースを掴む藤枝。
34分に中川創のスルーパスを左奥で受け、切り返してポケットへ進入したのちシュートを放ったシマブク。(枠外)
この時点ではまだ自ら仕掛ける事はあまりしない状態でしたが、35分にベンチが動き梶川→中川風へと交代。
これでパサーよりもフィニッシャーに傾倒した結果、突破力を武器にする腹積もりが固まった感がありました。

一方秋田も、それに伴い(シマブクの背後を突くように)右サイドで大石がクロスに持ち込む攻撃で対抗姿勢。
しかし41分に最後のカードを使って(小野原→栗本)からはすっかり減衰し、藤枝のパスサッカー+シマブクのドリブルにひたすら押し込まれる状態となり。
「謎の助っ人」感のあるカルリーニョスも、43分に右からロングスローを放り込み、クリアボールを更に自身で折り返す(その後山原フリック→中川風も撃てず)などそれなりにチャンス創出に貢献します。

それでもスコアが動かないまま、アディショナルタイムへ。
依然として優位を保つ藤枝はその突入直後、右からパスワークで前進の姿勢をとったのち、平尾がマイナス方向へサイドチェンジを送るという具合にあくまでシマブクを使い。
中川創を経由して受けたシマブク、縦突破かカットインかの二択に持ち込んだのち、後者の姿勢からクロス。
これをアンデルソンがフリックし中央の矢村に渡る絶好機となり、中川風への横パスを選択した事でディフェンスと縺れ混戦となるエリア内。
シュートにいった矢村は空振りするも、そのこぼれをすかさず中川風が押し込み、ゴール左へと突き刺さるボール。
最後はゴール前での執念が勝る格好で、とうとう先制点に辿り着きました。

一方ここに来てビハインドとなった秋田、残された時間で、千葉戦(11節・2-1)の再現を狙いたい展開。
右からロングスローという状況に持ち込んだものの、ここで残っていたカードを使った藤枝ベンチ。(大曽根・シマブク→河上→鈴木、中川創が左ウイングバックへシフトか)
これにより待たされたスロワーの村松は、再開するタイミングを掴めず、あろう事か遅延行為による警告を貰ってしまい。
最後まで審判との波長が合わないといったこの日の秋田でした。

右CKに持ち込み、GK圍も上がる総動員体制で同点を狙ったものの、クロスが逆サイドに流れた所を平尾が拾って藤枝のカウンターに。
必死で戻る圍を尻目に、中盤からロングシュートを狙った平尾でしたが、これは栗本がヘッドでブロックして何とか2点目は許さず。
しかしフィニッシュを放てないまま、最後は反則で藤枝のFKとなった所で試合終了の時を迎えました。

4連勝を達成した藤枝、降格圏から一気に浮上し、この日をもって相手の秋田を順位で抜く事にもなり。
同じ前年の昇格組のいわき同様、新たなメンバーを駆使して戦う腹積もりは構築されつつある、といった所でしょうか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第15節 ベガルタ仙台vsザスパ群馬

2024-05-13 16:00:45 | サッカー視聴記(J2)

※前回の仙台の記事はこちら(10節・山形戦、2-0)
※前回の群馬の記事はこちら(11節・甲府戦、1-4)

<仙台スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 長期離脱していた真瀬が11節(清水戦、2-3)で復帰し、以降毎試合途中出場。
  • 石尾・工藤蒼・オナイウの3人が揃ってプロA契約を締結。

<群馬スタメン>

  • 監督を交代。5/8付で大槻毅監督を解任(正確には「双方合意の下で契約解除」)し、ヘッドコーチの武藤覚氏が昇格という形で新監督に。
  • yahooスポーツナビ、DAZNの予想フォーメーションとも3-4-2-1の布陣。しかし守備時は佐藤が前に出て高澤と2トップになっての5-3-2となるため、3-3-2-2(3-1-4-2)と推測。
  • 前節(清水戦、0-3)負傷交代した北川がベンチ外に。

ここでも述べた通り、目下1人負け状態となってしまっている群馬。
とうとう監督交代という(名目上の)特効薬に手を付け……となったものの、そこまでにも様々な事があり。

僅か1勝のみの体たらくに、サポーターの我慢も限界という状態に陥ったか、12節・長崎戦(1-2)の試合後に所謂「バス囲み」が発生し。
これにフロント陣も慌てた(とはいうものの、「説明する」と釈明しておいて出て来なかったのがバス囲みが起こった原因らしい)か、緊急的にサポーターカンファレンスの開催が約束され、実際4/30に行われる事となり。
ここで行われた侃々諤々の議論?を経てさあ再出発、というのが解り易いチーム再建の流れでしたが、これでも全く浮上しない成績。
連敗は尚も2つ伸び、その顛末がこの監督交代となりました。

徳島・水戸に続いて今季3クラブ目の監督交代ですが、いずれもコーチの昇格という消極的選択となっている新監督。
3クラブとも「解任」「契約解除」の枠組みなので、違約金も伴う(と推測される)ため新監督招聘の余裕が無い、というのが容易な邪推であり。
目新しいのは、3人(徳島=増田功作氏・水戸=森直樹氏)とも監督経験はこれが初めてという要素でしょうか。
コーチからの昇格は、既に就任済みの有力なコーチ(監督経験あり)が後を引き継ぐ(清水の秋葉忠宏氏とか)というのが解り易い手法ですが、こうしたリスクマネジメントにも一定のコストが必要なのは言うまでも無く。
そうした人材も枯渇気味なのか、ないしは偶然にも新たな人材発掘というトレンドに繋がるか、興味深く見守っていこうと思います。

かくして、前年チーム最高といえる成績を残した大槻氏を切る事を余儀なくされ、再スタートを図った群馬。
布陣的には、高橋を1ボランチとした、アンカー+2インサイドハーフ(玉城・天笠)の位置取りに。
3ボランチというメンバー選択が織り成すフォーメーションで、2トップのプレッシングによる積極性を出したかったでしょうか。
その通りに前半4分、左サイドで佐藤が反則気味にボールを奪い、そのまま奥へ切り込みにいくショートカウンターを展開しますが奪われて実らず。
5分にも玉城がカットに成功して繋ぎに入りますが、佐藤→天笠のパスがズレるという具合に、前線でボール奪取してもその後の正確性に欠けフィニッシュに繋がりません。

すると仙台の逆襲が始まり、7分にオナイウの右サイドの突破から右コーナーキックに持ち込み。
そしてキッカー長澤のクロスを中央で菅田がヘディングシュート、GK櫛引がセーブした所にすかさず眼前で詰めた松井。
菊地がヘッドでクリアするも、その場は既にゴール内だったためゴールが認められました。(一応その後のクリアも、郷家が詰めてネットを揺らしたためどちらにしろゴール)
早々に先制点した仙台を尻目に、この日も追い掛ける立場を余儀なくされた群馬。

ビハインドで焦る相手に対し、仙台はボールポゼッションを高める事でそれを増幅させに掛かるという、アドバンテージを最大限生かす典型的な立ち回り。
しかしそれは、既に成績的に死に体に近い群馬に対しては最もやって欲しくないものと化し。
11分、間で最終ラインからのパスを受けた松井から右へ展開して前進、縦パスを入れ替わりで受けたオナイウの突破に持ち込むという攻撃。(ポケット奥からクロスも中島には合わず)
続く12分今度は逆の左サイド、中島のスルーパスを受けた相良がカットインを経て左ポケットからシュート。(GK櫛引キャッチ)
一度両翼に渡れば、その威力でゴールを脅かすという単純かつ強力な手法でありました。

何とかペースを確保すべく、前監督のサッカーよろしく最終ラインからの繋ぎを試みる群馬。
以前の体制に比べ、最終ラインが心なしか幅を取っている感があり、相手の前線を動かさんという意識が高まっているようでした。
しかし仙台の卓越したプレッシャーに対し効果的とはならず、前進にも窮する状態に。

すると29分にその最終ラインの繋ぎでミスが生まれ、それがスコアに直結する事に。
直前にも敵陣での松井のカットからショートカウンター(スルーパスを受けた中島が奪われて撃てず)、というシーンを作られましたが、これで精神的にも追い詰められていたでしょうか。
城和の単純な左への足下パスでしたが、これをあろう事か菊地が受けられずオナイウに拾われると、すかさずのサイドチェンジを受けた相良が中央を推進。
トランジションを強いられプレッシャーを掛けられない群馬を尻目に、果敢に放たれたミドルシュートが、GK櫛引を棒立ちにさせた末にゴール右へと突き刺さります。
群馬とは何から何まで対照的、という事を証明するかのような仙台の追加点となりました。

これ以降群馬の最終ラインは大事にいきたいという思いが強まった結果、幅を取る姿勢は影を潜め、前体制のような中央重視の繋ぎに終始する事に。
その一方で前線は開き直りからかプレッシャーを強め、32分にはGK林の蹴り出しを前に出た高橋がブロック。
これがゴール方向へ向かった結果左へ外れる際どいものとなったのが、前半最大の見せ場だったでしょうか。

ボール保持を軸として攻勢に入りたい群馬ですが、その姿勢からはほぼ何も起こらず。
逆に44分左サイドへの対角線のロングパスが高田にカットされた所を、プレスバックした山中が奪って前進からグラウンダーでクロスと、ストーミング風味な手法から好機を作るという逆現象に陥る事となり。

結局どちらの攻撃方法でも、フィニッシュを放てない群馬。
アディショナルタイムにオナイウの裏抜けが菊地の反則を呼び込んだ事で、セットプレー攻勢で時間を使う仙台。
GK櫛引が菅田と交錯するという一幕もあり、最後まで仙台の優勢という流れで前半終了となります。

後半開始の前に、両チームともベンチに動きが。
仙台がオナイウ→真瀬へ交代と、駒の豊富さを存分に発揮する一方で、群馬は玉城→佐川へと交代。
FWに入る佐川に伴い、佐藤が一列降りて右IHとなるポジションチェンジも交わる采配となりました。

ベンチワークを経て始まった後半も、積極性を何とか形に繋げんとする群馬の悪戦苦闘という絵図に。
しかも今度は、それが反則ギリギリのアタックという、悪く言えば悪目立ちする格好となり。
特に後半5分には、郷家が城和のスライディングを受けるも反則の笛は鳴らず、群馬がボールを繋ぐ間にも長らく倒れ込む郷家。
そして仙台のホーム・ユアテックスタジアム仙台のスタンドから声高く上げられるブーイングと、その雰囲気の悪さをスタジアム全体に波及させてしまった感がありました。(郷家はその後起き上がり無事に継続)

サッカー的には、ハーフレーンでパスを受ける佐藤を何とかビルドアップの出口としたいという群馬の立ち回り。
しかし当然仙台サイドもそこへのチェックは欠かさないので、それは容易な事では無く。
潰されて中々形に出来ない中で、12分にパスを受けた佐藤が囲まれながらもワイドに流れてボールキープ。
そして2人を剥がして前進に成功(その後高橋が反則を受けて途切れる)と、この攻防をモノにして流れを掴みたいという思惑を盾に対抗姿勢を見せます。

そしてそれが結実したのが14分、ここも田頭が右サイドで反則気味にボール奪取し、佐藤を経由し逆サイドへの展開。
そして中央を2トップが強引に突破を図ると、細かな繋ぎから佐川のポストプレイを経て高澤が抜け出す事に成功し、後ろから松井に倒されて反則・警告。
そしてその位置はペナルティアークからすぐ手前と、絶好の直接フリーキックとなります。
キッカーは当然佐藤で、入念に時間を取った末に左足で放たれたそのシュートがゴール左上を襲い。
ゴールバーを直撃するも、バウンドで浮き上がったボールには既に高橋が詰める事に成功しており、悠々と放たれたヘディングシュートでゴール。
1点を返し、望みを繋ぐ群馬。

同点、そして逆転への希望が生まれた群馬ですが、その後は仙台の層の厚さが襲い掛かり。
直後の18分(群馬のゴールは17分)、GK林のロングフィードでターゲットとなったのは右サイドの真瀬で、セカンドボールを繋いでの攻め。
そして受け直した真瀬がカットインで中央へ流れた末に左ポケットへ縦パス、受けた中島が奥へ切り込んでグラウンダーでクロスと、素早く急所を突き。
クリアされるも跳ね返りをエリア内で拾い続ける分厚い攻めの末に、最後は3度目のクリアボールを長澤がミドルシュート。(ブロックを掠めて枠外)
フィニッシュで終わった上にCKで継続と、群馬に流れを渡さないという意思表明の攻撃。

その思惑通りに攻撃機会を減らされてしまった群馬。
巻き返すべく29分に動く武藤監督、山中・佐藤→杉本・和田へと2枚替え。
これで従来の、「4-4-2→攻撃時3バック」というシステムへと変更し、投入した杉本・和田がそれぞれ左サイドハーフ・右SHへ。

ここから、左右センターバックの持ち運びも交えながら、人数を掛けて押し込む体勢に入る群馬。
下がり目のサイドハーフと入れ替わるようにサイドバック(右=田頭・左=菊地)が奥を取らんとして上がるなど、同点への執念を形で示すものの、それでも膨らまないフィニッシュ数。
34分に仙台の後方からのロングパスを高橋がカット、そのまま左サイドでパスワークに入った末に、スルーパスに走り込んだ天笠がクロス。
ファーで高澤がヘッドで合わせるも、折り返しのミスか逆方向へ飛んでしまう(その後クリアボールを高橋がミドルシュート、GK林キャッチ)という具合に、折角作り上げた前進の流れもモノに出来ません。

逆に仙台が落ち着きを取り戻し、敵陣でのボールポゼッションから戻して作り直しを選択したかと思えば、CKを獲得して菅田のループヘッドでゴールを脅かす(38分)など盤石の流れに。
群馬がとうとう最後の交代を余儀なくされる(41分、田頭・高澤→大畑・平松)と、堰を切ったかのように動き出す森山佳郎監督。
相手がカードを使いきったのを見計らい、ハーフタイム以外で使わなかった交代カードを切り始めるという、強者の振る舞いを見せます。

まずは42分に相良・郷家→名願・菅原へと2枚替え。
その後も菅原がターゲット、名願がサイドアタッカーとして前線で働く一方で、44分に長澤が(佐川への)アフターチャージで反則・警告を受けるという具合に強度の低下を確認すると再度動き。
45分に松井→松下へと交代と、5バックにはしなかったものの引き締め直し逃げ切り体制に。
最後のカードはAT内で中島→エロンと、あっという間に使いきって時間も消費させました。

何とか勝ち点を積み上げたい群馬。
最後はロングスローでゴールを脅かしに掛かりますが、天笠の左からの低いクロスに繋げ、GK林が抑えた所に城和が交錯してしまうというぐらいが目立った好機となり。
そして試合終了の笛が鳴り響き、2-1でホームの仙台が順当というべき勝利を挙げました。

新監督を立てての船出は厳しいものとなり。
未だに勝ち点が6のままと、このままでは焦燥感が膨大となるのも時間の問題という状態ですが、まずは連敗を止めなければどうにもならず。
今まで様々なクラブ(時には中国でも)でコーチを歴任していた武藤氏、ここからの秘策はあるでしょうか。

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