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DAZN観戦 2024年J2リーグ第17節 ロアッソ熊本vsモンテディオ山形

2024-05-29 16:17:15 | サッカー視聴記(J2)

※前回の熊本の記事はこちら(14節・水戸戦、0-2)
※前回の山形の記事はこちら(10節・仙台戦、0-2)

<熊本スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 岡崎の負傷が発表され、5/9に発生して5/14に手術実施、全治約6週間との事。
  • 負傷離脱していた小長谷が、15節(横浜FC戦、0-0)に復帰して途中出場。

<山形スタメン>

  • 前節(秋田戦、0-2)はyahooスポーツナビでは3-3-2-2(3-1-4-2)との事で、今節再び基本布陣に戻す。
  • 菊地が清水から育成型レンタル移籍で加入し、12節(徳島戦、1-2)から登録されてベンチ入り、以降2試合にスタメン出場。
  • 10節で(HTで)負傷交代して以降離脱していた安部が、今節復帰してスタメン出場。
  • 吉田がプロA契約を締結。
  • 堀金の来季加入が内定し、その1日後に特別指定選手となり15節(水戸戦、0-1)から登録され、即途中出場を果たす。

ズルズルと後退を余儀なくされている山形。
前回取り上げた「みちのくダービー」で敗戦し、その試合後の一部サポーターの蛮行もあり、運気を逃がすのを止められず。
次節(愛媛戦、2-1)は勝利したものの、そこから敗戦が込む事となってしまい。

その間、菊地が加入したり、特別指定となった堀金を即起用したりと色々試行錯誤を繰り返し。
前節は3バックで挑んだものの、どうやら特異なスタイルの秋田対策という側面だったようで、今節また4-2-3-1(4-2-1-3)へと戻し。
安部・岡本ら離脱者も復帰する中、選択肢が増えたというべきか、ないしは迷走が止まらないというべきか。
この日の相手は、3-4-2-1への布陣変更で迷いを無くした熊本で、そのホーム(えがお健康スタジアム)に乗り込んでの一戦。

いきなりの前半2分に岡本(スタメン2試合目)が右からロングスローを投げ入れる、従来の山形とは一線を成した手法での入り。
これで主導権を得る事に成功したか、ボールを握って攻勢を掛ける山形。
プレッシングで対抗したい熊本ですが、ウイングバックの大本・岩下が、上がり目の位置を保つ山形ウイング(イサカ・氣田)によりピン止めを強いられ前に出れず。

前半5分、左サイドで前進の姿勢から南が藤本へミドルパス、跳ね返りを拾って右の岡本へ。
ハーフレーンからミドルシュートの体勢に入る岡本、しかしキャンセルしてイサカに託すと、マイナスのカットインで角度を付けてからのクロス。
これをファー奥で藤本が合わせる(ジャストミートせず枠外)という具合に、アタッキングサードで少しずつ変化を加え、先制を果たさんとします。

そんな山形の攻めを中々遮断出来ない熊本は、自身もポゼッションを高める事でファイティングポーズを取り。
既にお馴染みの距離感の近いパスワークは布陣変更後も健在で、山形のプレッシングに対してもボールを奪われず維持するシーンを増やし。
しかしアタッキングサードでは、手前からクロスを上げる選択が多く工夫が足りないという感じ。

それでも10分台には、大本の推進力を活かしながら右サイド奥を突けるようになり。
17分から3本コーナーキックを続けるなど、攻撃機会を増やしてペースを奪い返す熊本。
しかし一気呵成とはいかず、敵陣でパスを繋ぎつつも、戻して作り直しを選択するなど落ち着いた立ち回りも見せ。
遅攻には遅攻で対抗するその姿勢に、山形も次第にテンションを落としてハイプレスを控えめにするなど、ペース配分が良く考慮された試合絵図となりました。

こうした展開故に、先んじて未勝利状態から抜け出した熊本の精神的優位が目立つ事となったでしょうか。
23分、GKへの戻しで山形のハイプレスを誘ったうえで地上から繋ぎ、右サイド深めに追い込まれるも江﨑がロングパスで脱出。
大崎を狙ったこのパスは小西に遮断されるも、その小西が大崎と交錯した事でこぼれ球となり(反則無し)、拾った藤井が大本とのパス交換で右奥を突いてクロス。
GK後藤雅がパンチングで跳ね返すも、拾った豊田がミドルシュートを放ち、これが左ゴールポストを直撃し枠外となる際どいフィニッシュとなります。
一撃を受けた山形も、直後の24分に敵陣でのこぼれ球を確保したのち小西がワンタッチで縦パスを藤本に通し。
右ハーフレーンで受けた藤本、カットインで中央寄りからミドルシュートを放って(ゴール左へ外れる)やり返し。

お互い好機が交錯するも、次第に慣れてきた熊本が、WBを前に出してハイプレスを見せるようになり山形のビルドアップを規制。
また自身でのビルドアップも、伊東が降りてボールを受けるようになり流動化させんとします。
27分、上村周が前に出て縦パスをカット、そのまま速攻に入り右から大本が低いクロス。
これをニアで大崎が合わせシュートするも、GK後藤雅にキャッチされ先制ならず。
前節(徳島戦、2-1)プロ初ゴールを挙げた大崎、これでこの日もゴールという結果に向かう勢いが付き。
29分には豊田がカットしたボールを拾うとそのままドリブルに入り、西村をブリッジ気味にかわして一気にエリア内を突かんとするもGK後藤雅に抑えられ。
32分には中盤から上村周が一気に右ポケットへスルーパス、走り込んでダイレクトで撃ちにいった大崎でしたがゴール左へ大きく逸れ。

立ち上がりの勢いを失った山形は、次第に熊本のハイプレスにも苦しめら、後方から逃げのロングパスを強いられる状況に。
後藤優が交錯で痛むシーンも複数回起こるなど、ペースを取り戻さんとしても果たせずに時間を浪費していきます。
対する熊本も、それにより山形が後ろで構えるようになると攻めきれない流れとなり。
中盤からのフリーキックでも放り込みを選択するようになるなど、停滞感が蔓延し始め。

そのままアディショナルタイムに入り、熊本はGK佐藤優のロングフィードからの攻め、頭で合わせた大崎が自ら拾い右サイドで溜めを作り。
そしてパスワークで逆サイドへ運び、岩下が左ポケットを突く好機となるも西村に蓋をされて撃てず。
良い守備対応をした山形は、敵陣でボール奪取した小西が(伊東に)反則を受けてFKに。
右ワイド遠目という位置でキッカー後藤優はクロスを選択し、中央ややニア寄りに上がったボールを、西村がヘッドで合わせましたがGK佐藤優がセーブ。
CKで継続か、という所でしたが許されず、ここで前半終了の笛が吹かれます。

ボールポゼッションのぶつかり合い、といった前半の試合絵図でしたが、全体やや遅れを取った感のある山形。
そのため後半開始からギアを上げ、激しく攻め上がります。

後半2~3分、吉田が一気に左ポケットへロングパスを送り、走り込んだ後藤優が奥からラフにクロス。
これは跳ね返されるも岡本が拾い継続、敵陣でポゼッションを高めながらエリア内を窺うという攻撃に。
イサカが2度エリア内を突く場面を作ったものの、デイフェンスに阻まれ実らず。

しかしその圧力か、熊本は自陣でパスミスが目立つようになり、それによりさらに攻撃機会を重ねる山形。
4分にはこぼれ球を拾った岡本から速攻を選択し、スルーパスの連続で右奥を突いた末にイサカがグラウンダーでクロス。
これをニアで藤本がフリック気味に合わせ、対角線の軌道でファーを襲ったもののゴール左へ外れ。

この状況をモノにしたかった山形ですが、同時に前半の「遅攻同士のぶつかり合い」を崩す結果にもなり。
そして焦りの方が噴出してしまったか、7分左から吉田のアーリークロスに対し、合わせにいった藤本とイサカが被った結果頭部同士で激突してしまい。
両者とも起き上がり無事に継続したものの、藤本の方はダメージが大きかったようで、その後脳震盪による交代が取られる事となり。

これを境に山形は再びテンションを落ち着かせ。
13分に熊本の攻撃を浴び(スルーパスを受けた藤井が右ポケット奥からクロス気味にシュート、ゴールバー直撃)たのち、14分にGK後藤雅から組み立てる本来の姿による攻撃。
プレッシングを後藤雅のフィードでいなすと、左→右へとサイドを振りながらパスワークで前進し、イサカの右からのカットインが防がれるも中央で氣田が拾う好機。
そしてエリア内へ縦パス→後藤優のポストプレイを経てミドルシュートを放った氣田、江崎がブロックした跳ね返りをさらに藤本がシュートしましたが、枠外となり決められません。
この直後に、前述の通り藤本が退く事となり。(高橋と交代・同時に氣田→坂本に交代)

相手が動いた事で、熊本サイドも藤井→小長谷へ交代と動き始め。(18分)
負傷離脱から復帰したら、基本フォーメーションが変わっていたという状況を強いられた小長谷、この日はその後プレースキッカーを務める事が中心となり。

山形は前述のようにGK後藤雅を中心に後方で繋いでからのフィード、という手法で組み立てるものの、一転して中々攻撃機会を得れない時間帯に突入。
一方の熊本も、伊東を中盤の中継点として前進を果たしたい狙いは伺えましたが、好機は外回りからのサイド攻撃に終始。
膠着感が露わとなるなか、26分に山形ベンチは後藤優・イサカ→國分・杉山へと2枚替え。
熊本もそれを見てから動くというパターンで、31分に大本・伊東・大崎→阿部・石川・べジョンミンと3枚替えを敢行します。

このベンチワークを経て優勢に立ったのは熊本で、32分左から大西がアーリークロスを送ると、ニアでべジョンミンが胸トラップして浮かぶボール。
こぼれ球をワイドで拾った小長谷が杉山に倒された事でFKとなると、クロスが濃厚という位置ながらキッカー小長谷は右足でゴールに向かうボールを入れ。
これがクリアされて左CKとなると、さらに小長谷は直接ゴール狙いを含んだクロスを送る(GK後藤雅キャッチ)など、セットプレーでもダイレクトでゴールを狙う事でプレッシャーを与え。
続く34分には、山形の得意手であるGK後藤雅のフィードを阿部がカットして反撃に入るなど、交代で好循環が生まれつつあり。

一方、坂本・杉山の元熊本勢が揃い踏みとなった山形。
38分にその杉山に決定機が訪れ、左からの吉田のクロスが跳ね返されるも中央で拾って継続。
そして小西エリア内へ縦パス→高橋ポストプレイでフリーの杉山がシュートチャンスとなりましたが、ダイレクトで放った杉山のシュートは浮いてしまい枠外に。
古巣相手(一部サポーターからブーイングも上がっていた)で遠慮した……という訳では無いでしょうが、試合を決める事は出来ませんでした。
直後に山形は最後の交代、岡本・南→川井・松本へと2枚替え。
脳震盪による交代も絡んだため、6人全員(GK以外)投入する運びとなり。

終盤を迎え、お互い間延びも目立つようになる中、繰り広げられる精神力勝負。
42分、前に出て高橋からボール奪取した江﨑、そのまま左サイドに張り出して自ら持ち運び。
プレスバックにいった高橋が後ろから倒す格好となって反則・警告となり、再び左ワイドからのFKを得た熊本。
キッカー小長谷は先程と同様ゴールへ向かうボールを蹴り、ゴール上部を襲ったもののGK後藤雅のセーブに阻まれ。
その後の右CKでも、今度はキッカー豊田がゴール狙いの軌道で蹴る(上へ大きく外れる)など、「一発で決められるならば決めてしまいたい」という思惑も伺える攻撃。
後半追い風となったのもあるでしょうが、普段細かく繋ぐ熊本でもこうした思考に陥る辺りが、一つの勝ち点がシビアとなるサッカーという競技でしょうか。

そして迎えたAT。
山形は自陣から國分のスルーパスで一気に裏を突きに掛かり、クリアされ右スローインとなると川井がロングスローを入れる体勢に。
ロングスローで始まりロングスローで終わる、といったこの日の山形の攻撃でしたが、実際その通りになるとはこの時思いもよらず。
投げ込まれたボールは跳ね返されるも、確保した小西はクロスでは無く、右ポケットへのミドルパスでスペースを突き。
これを奥で受けた安部、キープする所に防がんと突き出された江﨑の足が、削ってしまう格好となり倒れ込む安部。
すかさず主審の笛が鳴って反則・PK獲得と、熊本サイドにとっては納得し難い判定となりましたが、モロに接触してしまった以上言い訳は利かず。
勝ち点を左右するものなったこのPK、キッカーは高橋が務め、ワンフェイクを入れてゴール左へとシュート。
GK佐藤優が届かない位置へとしっかり決め、土壇場で山形がリードを奪いました。

反撃の時間も殆ど無く、アバウトな攻めを余儀なくされる熊本。
それにより先程敵陣エリア内で痛んだ安部が、今度は自陣でべジョンミンとの競り合いで倒れる事を余儀なくされるという珍妙な絵図も生まれ。
結局ボール確保して時間を使った山形が、そのまま逃げきる事となりました。

これで6試合ぶりの勝利と、何とか負の流れを堰き止めた山形。
目標の優勝には周回遅れとなった感が否めませんが、次は好転させるフェイズに入る事が出来るでしょうか。

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