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DAZN観戦 2024年J3リーグ第14節 アスルクラロ沼津vsヴァンラーレ八戸

2024-05-24 18:14:26 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

今季も上位に着けている沼津。
その特異な可変システムを冴え渡らせ……といった戦いも、前回(3節・今治戦、0-1)観た際には、キッチリ対策を取られると弱いというイメージが膨らみ。
それでも好成績を保っている状況に、自分としてもその考えが浮かんでは消えるといった感じですが、ここに来て2連敗とやや停滞。
そしてこの日は、前線でのボール奪取に定評のある八戸(「ボールゲイン」数がリーグトップとの事)が相手と、図ったかのように試練が訪れました。

その事を理解していたのか、沼津はキックオフの際、フィールダー10人が前目に位置取るという相手の度肝を抜くかのような布陣。
そしてGK武者がロングフィードを送る、変化を付けるとともに、「相手のプレッシング対策としてロングボール攻勢でいく」という動機付けの役割も果たすかのような立ち回り。

しかしこの姿勢も、どちらかと言えば苦心の色が強く出た格好に。
入りでコーナーキック攻勢(2~3分)を掴みペースを握った八戸、前半4分に早速中盤での永田のボール奪取から好機。
サンデーの推進からパスを受け直した永田、左ワイド奥という位置から果敢にシュートを狙う(ブロック)など、前への意識の高さを見せ付け。

それでも沼津は6分、菅井のロングパスを収めた和田がエリア内を突いてシュート(GK大西キャッチ)と、ロングボールへの傾倒をフィニッシュに結び付け。
お互いの狙いが交錯した入りを経て、10分以降は沼津が本来の持ち味であるボールポゼッションによる攻撃に入る事となりました。
つまりはビルドアップvsプレスという典型的な図式となり。

自身の土俵に持ち込んだかに見えた沼津でしたが、決定機を得れないまま次第に息切れ。
八戸の守備隊形の前に難色を示し始めます。
15分、例によってボランチに近い位置取りでパスを受けた安在に対し、前に詰めて規制を掛けたのは前澤。
この動きによりパスミスを犯してしまい、拾った山内の縦パスをサンデーが受けてショートカウンターに入る八戸。
そのまま細かいタッチでの前進を経てミドルシュート(附木がブロック)で脅威を与え。

八戸の守備は、2トップの片割れである佐藤碧がアンカーの菅井をマークし、その上で他選手がプレッシャーを与えるのが基本となり。
一方の後方は、沼津の3トップに対し3バックがマンツーマンで付くという姿勢。
しかし前述の前澤のように、状況によってはマークを受け渡して規制を掛けるという具合に、流動的かつ危機管理能力の高さが見られ。
この辺は老練な石崎信弘監督の下、約束事が細部に敷き詰められている感じが伺えました。

そんな八戸に対し面食らう沼津、スコアラーの和田もタイトな寄せに苦戦を強いられ機能しない攻撃。
しかし21分、自身も八戸の最終ラインに対するプレッシャーで、左サイド深めで森が柳下からボール奪取。
そして左ポケット奥へと持ち込みましたがシュートは撃てずに終わり。
目には目を、と言わんばかりにプレッシングを強める沼津ですが、全体的にその成果は今一つ。

そして再度自身の流れに持ち込む八戸。
27分には永田がエリア内からシュート(枠外)、28分にはショートカウンターから佐藤碧がミドルシュート(ゴール上へ外れる)と、フィニッシュも重ねるその攻撃は粗さが目立つものの迫力は十分であり。
31分には右スローインからの攻撃で、クリアボールを拾った音泉がグラウンダーでクロス。
これがコース上の佐藤碧に当たってこぼれ、沼津のカウンターとなり津久井がドリブルの体勢に。
しかし敵陣のまま前澤がこれを潰して再度矢印を反転させると、拾った永田の切り込みからのスルーパスを経て、稲積が左奥からクロス。
これをサンデーがヘッドで合わせましたが枠を捉えられずと、二転三転という流れは八戸がフィニッシュで締めと、現状での優劣を示す結果となり。

一方劣勢感が否めない沼津。
前述したように和田が徹底的に抑え込まれているのがその一因ですが、迎えた37分。
ロングボールを収めた和田が柳下のチャージで倒されると、エリアからすぐ手前の位置かつ後方から腕を使ったという事で警告の対象となり。
納得出来ない柳下を尻目に、ついに直接フリーキックの絶好機を得た沼津、中央という横軸の位置からも狙わない手は無く。
入念に作られるブラインドの壁、それに対し主審の注意も受けながら、時間を使って放たれたキッカー徳永の直接シュート。
しかし壁を直撃してしまい結局実らず、二次攻撃でCKに持ち込み、クロスに附木が合わせる(ジャストミートせず)状況に持っていったのがまだしもの事。

これを沼津が逃した事により、前半の終盤は八戸が攻め続ける展開に。
左スローインの連発で押し込み続けるも、沼津も粘り強いディフェンスでフィニッシュには持ち込ませず。
アディショナルタイムには逆の右サイドで、音泉がドリブルで切り込み、濱のチャージで倒れるも笛は鳴らずというシーンが生まれるなど際どいながらも凌ぎ。
スコアレスで前半を終える事となりました。

ともに交代無く、同じ22人で後半のスタートを迎え。
そして流れも不変となり勢いを持って押し込む八戸、早速の後半1分に山内の右サイドのドリブルが切欠となり、アタッキングサードでサッカーを展開した末に右CKに。
そしてスローイン→左CKと継続した末に、ファーへのクロスのこぼれ球を音泉が右ポケットからシュートしましたが惜しくもゴール上へと外れ。
5分には得意の敵陣でのボール奪取から、溜めを作ったサンデーを経て柴田のミドルシュートが炸裂。
これがゴールバーを掠める際どいボールとなり、その絵図の通りにゴールまで後一歩という状態に持ち込み。

後半も防戦一方の沼津、綺麗な繋ぎによる攻勢は期待し辛い状況に。
6分、GK大西のフィードを安在が跳ね返しての敵陣でボール確保。
そして細かな繋ぎでアタッキングサードを襲うと、中央でキープする津久井に対する柴田の反則で、またも絶好の位置での直接FKを得ます。
今度は徳永が助走を取り、蹴ると見せかけたうえで森がシュートと変化を付け。
壁を抜けたものの、惜しくもゴール左へ外れてしまい決められず。

11分頃から沼津がペースを掴むも、その攻撃の殆どは左サイドから。
この辺りは前半のように、安在が前目の位置を取っても、すかさず寄せてくる八戸ディフェンスの前に機能し辛いという思惑があったでしょうか。
濱と森の2人を軸にしての突破を中心として好機を重ねていくも、盤石とはいかず時間が進み。
16分に右CKに持ち込むも、(菅井が)柳下とのポジション争いによる小競り合いで時間を取られ。
そしてクロスに合わせた附木(ミートせず左へ逸れる)が柳下のチャージを受けて倒れ込むなど、神経戦の趣が強くなるゴール前での攻防。

相変わらず攻撃性の高い濱を軸として、均衡を破りたい沼津。
21分、自陣での濱のサイドチェンジは遮断されるもこぼれ球を津久井が拾って再度左サイドへ。
菅井→濱→森と経由しての前進、森が濱の追い越しを待って柳下の股を抜いてスルーパス、受けた濱が左ポケット奥からクロス。
この流れるような攻撃も、中央の和田の手前でGK大西がキャッチして実りません。

その左サイド重視の姿勢は、攻勢というよりは一糸の流れを掴むという状態だったでしょうか。
25分過ぎ辺りから、再び八戸のプレッシングの前にペースを失う沼津。
26分にゲーゲンプレスから前澤が前に出てパスカット、そして彼の切り込みからチャンスに持ち込み、音泉の右ポケットへのスルーパスに走り込んだ柳下がクロス。
クリアされて右スローインとなると、音泉がカットインを経てまたも右ポケットを突き、巻くシュートでゴールを狙いましたが惜しくも左へ外れ。
攻撃能力の高い柳下も最前線まで絡むなど、その押し込みぶりは最高潮といった流れに。

流れを変えるべく、28分に実績豊かな齋藤の投入に踏みきった沼津。(津久井と交代、齋藤が左ウイングに入り森が右に回る)
それも束の間、30分にクリアボールを直接収めた最前線のサンデーにより八戸の好機。
そのままドリブルで持ち込み、追い越す周囲の味方を余所に自ら中央からミドルシュートを放つと、ゴール右へ惜しくも外れる際どいフィニッシュに。
やや遠目からでもシュートを量産する傾向にあったこの日のサンデー、その姿にバーサーカーと形容したくもなりましたが、それでもそのパワーは脅威となり得。
(直後に八戸は佐藤碧→妹尾に交代)

そんな最前線の橋頭堡の存在感を受けてか、沼津サイドもそれを作るべく35分に川又の投入に踏みきり。(和田と交代、同時に森→鈴木へと交代)

まず八戸の攻勢の流れを変えたいという状況で、早速36分自陣からのFKを素早くリスタートすると、徳永が右→左への対角線のロングパスを齋藤に通し。
そして齋藤もすかさずのアーリークロスを選択と、八戸が戻りきらないうちの攻めの末に川又がファーサイドで足から跳び込み、合わずに終わるも脅威を与える事に成功します。

これで攻勢に……という訳にもいかず、元々精度に欠けた状態を強いられていたうえ、時間経過もあり試合は乱戦模様に。
38分に沼津のパスがズレた所を前澤がダイレクトで縦パスを送り返し、永田を経由して中央で受けたサンデーが再度ミドルシュート。(ゴール左へ外れる)
直後の39分、GK武者のロングフィードが右サイドでバウンドし、走り込んで拾った川又を起点として敵陣で繋いで逆の左サイドへ。
これを齋藤がダイレクトでサイドチェンジして右ポケットの徳永に収まると、スルーパスに走り込んだ安在のグラウンダーのクロスに、ニアで川又が合わせ。
ほぼ完璧という流れでしたが、川又のシュートは浮いてしまい枠外に。

お互い交互にゴール前に迫るという、エキサイティングな流れに突入した終盤。
それに従うように、42分左から稲積がクロスという攻撃を3度続けた八戸。
3本目のクロスが逆サイドへ流れた所を、拾った齋藤がボールキープで柳下を剥がして前進、そして持井とのワンツーで密集を突破してカウンターに持ち込み。
そしてスルーパスをエリア内へ通すと、受けた徳永とのGKと一対一状態が齎されます。
この日のハイライトというべき、ベテラン齋藤の技が生んだ決定機でしたが、放たれた徳永のシュートは距離を詰めたGK大西にセーブされ。
ゴール方向へこぼれた所を川又が詰めたものの、オフサイドを取られ無効となり(放たれたシュートもゴール寸前で前澤がブロック)非常に悔やまれる逃し方となってしまいました。

45分に八戸が交代、音泉→國分。
双方とも2度の交代(沼津が3人・八戸が2人)に留まるなど、均衡かつお互い好機を作る流れに、ベンチも動き辛くなった感があり。

そのままアディショナルタイムに入るも、流石に前述の決定機以上の見せ場は訪れずに終わり。
双方疲弊した状況で、八戸は妹尾の推進力に掛けて何度か攻め込むも、ゴールを奪いには至らず。
結局スコアレスのまま試合終了となりました。

最悪の事態(3連敗)は避けた沼津でしたが、無得点の状態は3戦続き、今後の昇格争いには課題を残す事となり。
沼津対策というファクターも膨れ上がって来た今季のJ3ですが、その山を乗り越える事が出来るか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第16節 ファジアーノ岡山vsヴァンフォーレ甲府

2024-05-23 16:01:26 | サッカー視聴記(J2)

※前回の岡山の記事はこちら(12節・清水戦、0-1)
※前回の甲府の記事はこちら(11節・群馬戦、4-1)

<岡山スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 末吉が累積警告により出場停止。
  • 早川がJ1・浦和から育成型レンタル移籍で加入し、前節(長崎戦、0-0)から登録され即途中出場、今節初スタメンに。
  • 高校卒新人の藤井がスタメンで初出場。
  • 太田の負傷が発表され、5/2に手術実施して全治約3ヶ月との事。
  • 放送席の談では、グレイソンとガブリエル・シャビエルが故障離脱との事。(事実グレイソンは後日公式発表される)

<甲府スタメン>

  • GKコボンジョがJ1・鳥栖からレンタル移籍で加入(登録ウインドーの例外適用)し、12節(愛媛戦、1-2)から登録されて即ベンチ入り、14節(秋田戦、3-2)以降スタメンに。
  • 神谷が負傷離脱(脳震盪)から復帰し、13節(大分戦、1-2)から出場を重ねる。
  • GK河田の再度の負傷が発表され、4/12に発生して全治4~6週間との事。
  • 10節(熊本戦、3-3)で負傷交代したGK渋谷の詳細が発表され、翌日に手術実施して全治約2か月との事。またGKコボンジョの獲得に伴い、12節をもって登録抹消。
  • 同じく10節で(HTで)負傷交代した小林の詳細が発表され、全治約4週間との事。
  • エドゥアルド・マンシャの負傷が発表され、4・24に発生して全治約6週間との事。
  • 12節で負傷した孫大河の負傷が発表され、全治6~8週間との事。
  • 木村卓斗の負傷が発表され、5/1に発生して全治8~10週間との事。
  • 三平の負傷が発表され、5/10に発生して全治6~8週間との事。

故障者続出という、ヘビーかつホットな状態を強いられているクラブ同士の戦い。
とはいっても、岡山・甲府ともに開幕前の編成では万全(と思われる)の戦力を積み上げ、特に外国人選手の豊富さは(J2内では)目を見張るものがあり。
そして序盤は快調な滑り出しだっただけに、リーグ全体を見ればこの度のアクシデント多発で、バランスが取れてきたというべきか。助っ人ゼロの群馬がダントツ最下位な状態なだけに

それでも甲府の方は、日本人選手の離脱の方が目立ちそしてあまりにも数が多く。
この試合の後も、三沢の負傷が発表されるなどその流れは現在も継続中であり。
その影響で、既に最晩年のウタカを休ませる余裕も生まれ辛い苦しいベンチワークを強いられる事となっている篠田善之監督。

そんな状況で迎えた一戦。
岡山はハイプレスを掛ける事は無く、ミドルサードで構えながらカウンターを狙うという立ち上がりの姿勢。
一方の甲府は、その相手を見るや普段以上に最終ラインから地上で繋ぐ、ボールポゼッションを高めるスタイル。
お互いに離脱者続出で、サッカーのスタイル自体が変わったような絵図を描きます。

その通りに前半4分カウンターに持ち込む岡山、その起点で岩渕が倒されながら縦パス、それを受けたルカオがボールキープの最中今津に倒されるという事がありながらも泥臭く繋ぎ。
そして左から岩渕がカットインを経てポケットからシュート(飯田がブロック)と、狙い通りの先制攻撃を果たします。

一方で、その和を乱しがちに映ったのがJデビューとなった藤井。
全員がミドルサードで構えるなか、甲府・飯田がボールを持つ際に激しく喰い付くという、1人だけハイプレスをしているかのような立ち振る舞い。
しかしその隙を突かれる事が多く、裏を取られるばかりか、自身も飯田のドリブルに手も足も出ないシーンを目立たせてしまいます。
6分にその弱点から攻める甲府、藤井をかわして持ち運んだ飯田のクロスはクリアされるも、拾い直して再度右からの攻撃。
佐藤の間を通すパスを受けた鳥海が奥へ切り込んで再度クロス、グラウンダーで入ったボールをニアでウタカが合わせるも枠を捉えられず。

その後も、プレスに出て来ない岡山を尻目にボール保持の姿勢を強める甲府。
しかしそれが最悪の結果を招いてしまい。
11分、GKコボンジョから作り直しとなった所で、ルカオのプレッシャーを受けつつのコボンジョの間を通さんとした縦パスがズレて岩渕の足下へ。
ワントラップからそのままロングシュートを放った岩渕、前に出ていたコボンジョは防ぐ事が出来ずゴールに突き刺さります。
慣れない事をした報いか、それとも今後のためにポゼッションサッカーを展開すべきという思考に陥ったのか。
ともかく、狙いの形が崩れて先制を許す事となった甲府。

一方リードが転がり込んできた岡山はこれにより躍動。
12分左ワイドで持った藤井がカットイン、ルカオとのパス交換を経て中央→右へと展開し、柳貴のクロスに繋げ。
これをファーサイドでルカオがバイシクルにいくも、手前でクリアされ炸裂せず。
すると左スローインからの再開を経て、クロスの跳ね返りを柳育がヘッドでエリア内へ送り返すと、トラップしたルカオはまたもバイシクルの体勢を取り。
今度はミートするも大きくゴール上へと外してしまい、どれだけバイシクルを撃ちたいんだと言いたくなる絵図でしたが、それだけ先制点で重荷が取れたという事でしょう。

視界良好に見えた岡山ですが、続く14分、一旦GKまで戻して作り直さんとした所にプレッシャーを受ける格好に。
そして田上がウタカに奪われてしまい甲府のショートカウンター、こぼれ球を拾ったアダイウトンが左ポケット奥でGKブローダーセンを釣り出したうえでマイナスのクロスを入れると、ニアでウタカが合わせ。
2人の個人能力もあり、完全に決まったと思わされた流れでしたが、ミートがズレてゴール上へ外してしまったウタカにより命拾い。
ヒヤリとしたものの、その後は甲府のビルドアップを遮断しながら、攻撃機会を確保し落ち着きを取り戻す岡山。

甲府のボール保持の姿勢は変わらず。
21分に再度飯田がドリブルからクロスに持ち込み、ファーサイドで収めたアダイウトンがシュート(柳貴がブロック)と、突きたいのはやはり前述の通り藤井の居るサイド。
24分には飯田→鳥海へのパス出しで、上がらずにボールキープする鳥海に釣られてしまう藤井、そこからウタカへ縦パス→右に展開で出来たスペースを使われるという具合にやはり不安定さが目立ち。

甲府の次なる決定機は31分で、ここは右からの前進と見せかけて戻し→神谷ロングパスで左サイド裏を突く攻め。
そして受けた関口がカットインで左ポケット奥を取りマイナスのクロス、中央で鳥海が合わせシュートを放ちますが、GKブローダーセンのセーブに阻まれ同点ならず。

岡山も受けに回る過程で、何度か縦に速い攻めで甲府ゴールを脅かす展開。
26分にはその運びの最中でヘナトのアフターチャージ(アドバンテージで継続、その後ルカオがミドルシュートもGKコボンジョキャッチ)を呼び込み(ヘナトが)警告を受けるなど、本格的にポゼッションvsカウンターの様相を呈してきた試合絵図。

しかし30分過ぎ辺りから、そのカウンターの思惑は様子見だと言わんばかりに、岡山はハイプレスの姿勢を強め始め。
34分、GKコボンジョからの攻撃に対しプレッシングを掛ける岡山、関口→飯島のミドルパスはカットするもこぼれ球を繋がれて岡山陣内へ。
そして左→中央→右への展開を経て飯田のドリブルに持ち込むと、奥へ進入した所を後追いで藤井が倒してしまい反則と、思考を変えても弱点を露呈してしまう藤井。

このフリーキックからの攻撃を凌ぐと、変わった岡山の姿勢とともに流れも右往左往。
40分台に入ると、甲府のボール保持がそのハイプレスをかわすという形を採り始め。
先制点の場面で手痛いミスをしたGKコボンジョも、その後は間を通す縦パスをしっかり送り起点として機能します。
このまま前半が終わると思われましたが、44分を境に今度は岡山のペースに。
後方からロングパス・ミドルパスを蹴らせたうえで遮断という、こちらもハイプレスを機能させての好機。
45分には柳育の跳ね返しを早川足でフリック→ルカオスルーと意表を突く繋ぎ、そして右サイドで細かいパスワークに持ち込み。
そして早川が右ハーフレーンからミドルシュートを放ちますが、枠を大きく外して終わり。

結局1-0のまま前半が終了。
内容からして、ハーフタイムで(藤井ないしは早川の)交代があると思われた岡山でしたが動かず、双方そのままのメンバーで後半開始を迎えます。

岡山の流れで前半終了となった影響か、立ち上がりは甲府がバタバタとする展開に。
後半1分、関口の蹴り出しがあろう事かヘナトに当たって裏へと跳ね返り、ルカオに拾われる失態。(その後右奥からクロス→ブロックされコーナーに)
4分にもパスミスを早川が拾って岡山のショートカウンター、エリア内への岩渕へのパスを何とか遮断と、怪しくなり始める後方。

しかし岡山サイドも続く5分には自陣でパスミス、エリア内へと流れたボールをアダイウトンが走り込んでダイレクトでシュート(GKブローダーセンセーブ)と、ミスが即失点に繋がりかねない絵図を作り。
この混乱状態からどちらが立ち直るか。

甲府は9分、左からの前進もアダイウトンが詰まらされたのを受け、中央から佐藤が右サイド裏へロングパス。
右ポケットへ走り込んだ飯田が足で折り返し、中央でウタカが抜け出しシュートチャンスを作るもオフサイドとなり。
藤井の居る右サイド(岡山の左サイド)を突く、基本に立ち返る姿勢で立ち直りを果たさんとし。
一方の岡山は11分、敵陣右サイドで柳貴がボール奪取し、そのまま前進からのクロスでCKに。
こちらも縦に速い攻撃で我に返ると、このCK攻勢の2本目でキッカー早川のファーへのクロスに、田上が合わせヘディングシュートを放つもゴール左へ惜しくも外れ。

そして16分、岡山ベンチが最初に動き早川→木村へと交代。
局面を変えに掛かるとともに、末吉が出場停止なだけに、この1試合を藤井に託す腹積もりを見せたでしょうか。

しかしそうした姿勢が良い方に流れるとは限らず。
18分、木村の持ち運びが関口に反則気味に奪われると、敵陣から始められる甲府の攻撃。
ウタカ・飯島・鳥海の細かな繋ぎが中央でなされると、こぼれ球となった所を拾いにいった飯島が竹内に倒されて反則。
これにより先程の関口のチャージへの反則を猛アピールする岡山サイドですが、当然覆らず甲府の直接FKに。
一丸となっての戦いが、醜悪ぶりも招いてしまうという側面が表れ。
中央からという直接狙うには絶好の位置で、緊張のキックとなったこのFK、蹴ったのは神谷。
このシュートがゴール上部を襲ったものの、これもGKブローダーセンのファインセーブで何とか防ぎます。

決して悪い流れではない甲府ですが、得点出来ない状況に焦りも生まれてきたか。
以降飯田のロングスローを使い始めるなど無理矢理気味な攻めも交え。

岡山はそのロングスロー攻勢の最中に、田上が味方の藤田息のパッティングを受けてしまうというアクシデントもありました(田上は無事でピッチ外→復帰)が、これも凌いで反撃体制に。
強引な姿勢を見せ始めた甲府の逆を突くように好機を作り、甲府のクリアを柳育跳ね返し→木村フリック→ルカオと繋いだのが28分。
甲府はこれを凌ぐも、またもクリアボールが味方に当たり跳ね返り、左ポケットで岩渕が拾うという決定機を招き。
岩渕はカットインを経て中央からシュートを放つも、GKコボンジョが足でセーブと、ビッグセーブでミスを取り返す形となり意地を見せました。

29分に双方ベンチが動き、岡山は竹内・岩渕→輪笠・田中へと2枚替え。
甲府は鳥海→荒木へ交代します。

逆足サイドハーフの色が濃い荒木により、中央→逆サイドへの張り出しを目立たせ、空いた所に飯田が上がるというシステムで再度流れを作らんとする甲府。
34分、ウタカのミドルパスをアダイウトンが直接バイシクルで撃たんとしましたがジャストミート出来ず。
すると続く35分、右サイドでの繋ぎでウタカが奥を取ったのち、戻しを経て荒木がサイドチェンジのパスを左ポケットへ送り。
これを関口が折り返すと、トラップからまたもバイシクルを狙ったアダイウトン。
前半のルカオを彷彿とさせる一幕でしたが、これがあろう事か、クリアに入った阿部を蹴ってしまう事態に収束してしまいます。
当然ながら反則・警告を受けるアダイウトン。(阿部は肩にチャージされ多様で無事に継続)

何とか同点を狙う甲府ですが、ここで助っ人勢に時間切れが訪れたか、36分にヘナト・アダイウトン→中山・宮崎へと2枚替え。
中山はこれが今季初出場と、駒の薄いチームに良くある「交代するほど悪くなる」現象がチラつきかねない程、甲府の故障者続出は深刻であり。

そしてそれが現実のものとなり。
37分岡山は右スローインからの攻め、右サイドでのパスワークの最中に一旦カットされるも、輪笠が奪い返してすかさずエリア内へミドルパス。
これを収めたルカオが反転しながらシュートに持ち込むと、左ポスト内側を叩いてゴール内へ転がるボール。
最後はパワフルなルカオの実力が発揮され、リードを広げます。

これにより、意気消沈といった甲府を尻目に尚も攻める岡山。
スピード自慢の木村も果敢にゴールを狙いにいく展開となり、盤石に見えたものの41分にルカオが足を痛める(攣らせる)事態となりペースダウン。
同時に藤井も足を攣らせた事で、この2人を交代させる準備をする岡山ベンチでしたが、まずは甲府が先に動き。
といっても交代カードは既に使い果たしているので、3-4-2-1へとシフトして関口が右センターバック・荒木が左ウイングバックへと回り。
関口・飯田の2人を押し出す右サイド、という体制に掛ける事となりました。

岡山は44分に最後の交代、藤井・ルカオ→河野・齋藤へと2枚替え。
前半の様相からしてどうなるかと思われた藤井ですが、攻めにも絡み、弱点も一丸となってのカバーに助けられ良く破綻しなかったというまずまずのデビューだったでしょうか。

前節(千葉戦、2-2)はアディショナルタイムで追い付いた甲府ですが、2点差となると厳しいのは当然であり。
リトリートに徹する岡山に対し全員(GK以外)敵陣で攻め上がるものの、その堅守を崩す事は出来ず。
逆に岡山の敵陣深めでのボールキープにより、満足な攻勢もままならずとなりました。

2-0のまま試合終了となり、4試合ぶりの勝利を果たした岡山。
手術実施により帰国となるグレイソンは今季中の復帰は難しく、苦境の流れは続くでしょうが、この日のように泥臭く勝ち点3をもぎ取り喰らい付く事が出来るか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第16節 鹿児島ユナイテッドFCvsV・ファーレン長崎

2024-05-22 16:00:58 | サッカー視聴記(J2)

※前回の鹿児島の記事はこちら(10節・愛媛戦、2-2)
※前回の長崎の記事はこちら(11節・横浜FC戦、1-0)

<鹿児島スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 武の負傷が発表され、4/5に発生して4/16に手術実施し、全治約3ヶ月との事。

<長崎スタメン>

  • ルヴァン杯2回戦(磐田戦、1-0)で負傷交代した岡野の詳細が発表され、4/30に手術実施して全治6~8ヶ月との事。
  • 負傷離脱していた新井が復帰しベンチ入り。

前半戦もこの試合含めて4戦と、折り返しが近くなり。
自身のサッカーを貫いてきた昇格組の鹿児島も、現在降格圏に至っているとあり、そろそろ何かしらの変化を示さなければ生き残りは難しい状況でしょうか。

変化といえど、一重に「変えれば良い」という訳では無く。
既存のメンバーが一回り成長を果たし、チームが良い方向へと回っていくのも一種の変化。
ここまでの戦いでそれが果たされたかどうかは傍らからでは不明ですが、前節から続く、清水・長崎と最上位に居るクラブが相手の試合である程度伺える。
そんな意気込みがあったかどうかは不明ですが、前節の清水戦は手酷い敗戦(0-4)に終わってしまい。
好機も殆ど作れずという内容だったようで、この日は長崎相手に、その負のイメージの挽回を目指す事となりました。

しかし13戦無敗という屈指の成績を維持し、2位に着けている長崎の牙城を崩すのは並大抵の事では無く。
前半3分、長崎のGKから始まる攻撃に対し、果敢にプレスを掛けにいったものの実らず。
田中隼のロングパスが一気に左奥の笠柳に収まった(その後カットインもすぐに奪われる)、その残像が強く印象に残る結果に繋がります。
以降、FW(守備時は鈴木が前に出て2トップ化)がプレッシャーを掛けにいっても、その他の選手が連動せず長崎のビルドアップを阻めないまま時間が進む事となり。

そしてそれが、「主体的な攻撃で何とかしなければならない」という意識を強めるに至ったでしょうか。
鹿児島の攻撃は特徴の通り、サイドバックが最初から前に上がり、サイドハーフと連動した「偽SB」戦術も絡めながらの前進。
ボールを握り、その立ち位置を取ってからサイドをパスで運ぶという攻撃ですが、それが悉く長崎の速攻に繋がる事となり。
9分、岡本が左サイド裏へロングパスを送り、(外山が内側を取ったうえで)ワイドを上がった福田に届けんとしましたが増山がこれをカット。
すると中央から秋野→ジェズスと縦を素早く運ぶ長崎、ジェズスは右へのスルーパスを選択し、外山も福田も上がった故のスペースをあっさりと突き。
受けたギリェルメが右ポケットに進入し、放たれた強烈なシュートがゴールネットを揺らします。
先制に成功した長崎に対し、前節同様開始から10分と経たないうちにビハインドとなってしまった鹿児島。

やり返したい鹿児島ですが、12分に右からの前進を経てワイドから五領が中央へパスを送ると、中原はスルーして奥の藤村に託したものの秋野にカットされ。
するとまたも長崎のカウンターとなり、ジェズスのミドルシュート(井林がブロック)にまで繋げ。
人数を掛けて攻撃する以上、好機を迎える前でカットされた時が怖い。
選手個人の力量が高い長崎が相手では尚更の事であり。

何とか14分、再び右からの前進で今度は五領がハーフレーンで縦パスを受け、星がワイドに。
この2人のパス交換の間に前に出た藤村に縦パスが通ると、スルーパスに走り込んだ星が奥からクロス。
そして中央ややニア寄りで鈴木が合わせヘディングシュート、GK原田にセーブされるも無事にやりきる事に成功します。

しかし守備面では相変わらず積極性は出て来ず。
SHが前に出るようになったものの、FWがアンカー秋野を気にした際は最前線までプレッシャーにいき、その結果SBが空く事に繋がり。
ここで更に後方の選手が連動すればハイプレスは嵌りそうですが、相手が3トップ故に、SBは常時ウイングにピン止め状態を強いられているためか出て来れず。
そしてボランチは、浮遊するジェズスを気にしなければならず、秋野に対して出られないという絵図が目立ち。

かくして、必ず(主に米田・秋野・ジェズスの)何処かが空くという状態になる長崎の地上でのビルドアップ。
時間の経過で、何とか慣れて嵌められるかという所で、秋野が最終ラインに降りる変化を見せ始めた(20分過ぎから?)のも大きな要素となり。

それでも27分、ロングパスを収めたエジガルに対し岡本が反則気味にボール奪取、右サイドを運んでいき五領が奥を窺う状況を作り。
そして戻しから藤村のクロスが上がると、ファーサイドで藤本がヘディングシュートを放ち。
しかしこれもGK原田のセーブに阻まれ、窮鼠猫を噛むといった同点弾とはなりません。

その後のコーナーキックからもモノに出来ないと、再開される長崎の激烈な攻撃。
それに対し鹿児島が無理矢理防ぎにいった結果反則も膨らむなど、個の力の差も表れ始め。
特に28分、ロングボールを収めたエジガルに対し、岡本が倒さんというアタックを掛け。
実際倒してしまうもそれでもボールキープを果たしたエジガル、起き上がった所を今度は中原に倒されて反則と、数人掛かりでも反則でなければ止められない結果に。
押し込まれる絵図の連続に、いつしかクリアした際のライン押し上げも全く出来ない精神状態を強いられたか、二次攻撃も簡単に許してしまう始末。

FKやCKから攻め立てる長崎、エリア内からギリェルメやジェズスがシュートを放ち(前者は31分・後者は33分)、鹿児島はそれを辛うじてブロックで防ぐという具合に防戦一方の展開に。
それでも35分、田中隼→米田のパスがややズレた所を星が奪い敵陣からショートカウンター、拾った藤本が右からクロス。
これが中央でバウンドして流れた所を、福田のヘディングシュートに繋げましたが、またもGK原田のセーブに防がれ。
長崎のカウンターを避けるべく中央での崩しを諦め、クロス攻勢に持ち込んでいた節のある鹿児島で実際狙いを的中させていたものの、三度とも原田に阻まれる手痛い流れを強いられる事となりました。
その後のCKでも、井林のフリック気味のヘディングシュートをセーブしたGK原田、とにかくこの日の当たり様は凄まじく。

結局その後も、長崎のポゼッションもカウンターも冴え渡る展開は続き。
45分のカウンターでは、ロングパスを受けたギリェルメが溜めを作り遅攻へと移行したのち、中央からショートパスでの崩し。
ジェズスがエリア内へ送り、エジガルのポストプレイを受け直した所で井林に倒されるも笛は鳴らずと、またも反則ギリギリでの凌ぎとなった鹿児島。
最後は鹿児島がボール保持したまま前半終了と、攻め手の無さも感じさせる絵図で締められました。

ハーフタイムでは交代無く、始まった後半。
何とか攻勢の流れを作りたい鹿児島、早々の後半1分で右から五領のクロスが上がると、ファーでトラップした鈴木がそのままバイシクルでシュート。(枠外)
気勢を上げるべくの派手な技の選択と推測しますが、これも効果は薄く。
結局は前半と同様、長崎の脅威に晒されながら反撃の糸口を掴むという展開を強いられます。

チャンスが訪れたのが6分、左ワイドからの繋ぎを経て藤村が対角線のロングパスを通し、受けた五領がカットインを経て斜めの縦パスを中央へ。
これを鈴木が受けてエリア内に進入し、シュートにいくも秋野のディフェンスと交錯して撃てず。
その後こぼれ球を何とか繋ぎ、星の右ポケットからのシュートが放たれるも枠を捉えられず。

前半と比べ、CBが持ち運ぶ場面が多くなった鹿児島のビルドアップ。
長崎は常時カウンター狙い故にハイプレスは掛けず、センターラインを境として構えたうえでのミドルプレスがメインの姿勢で、長崎2トップ(守備時)の脇を岡本・井林のどちらかが前進する体勢で隙を突かんとします。

それが結果に表れると思われたのが13分の攻め。
GK泉森からパスを受けた藤村、ボールキープでエジガル・ジェズスを引き付けて右へ出し、井林が持ち上がる状況を作ります。
そして左奥へ対角線のロングパスを送る井林、受けた福田の戻しを経て(逆サイドに流れて来た)星がエリア内へ縦パス。
しかしこれがカットされるとまたも長崎のカウンターに繋がり、先制点のシーンと同じくまたも福田・外山の2人が不在となった左サイド(長崎から見て右サイド)を突き。
ギリェルメが持ち運び、中央でパスを受けたエジガルのキープから今度はエリア内での華麗な崩しが発動。
右ポケットでパスを受けたギリェルメから加藤→米田と横パスの連続で、これを米田がスルーした事で奥のジェズスがフリーでシュート。
これが左足アウトで放たれた心憎いフィニッシュとなり、GKのニアを破ってゴールに突き刺さり。
力量差を見せ付けての、貴重な追加点となりました。
(キックオフ前にギリェルメ・笠柳→モヨマルコム・松澤へと2枚替え、増山が右WGに回る)

一方光明が見えて来たはずの方策が、逆に失点の道筋となってしまった鹿児島。
その後もカウンターの槍に脅かされる展開は続き、16分にはCKを跳ね返され、自陣からドリブルで運ぶ松澤に対しかわされた藤村が後追いで倒してしまい反則・警告。

流れを変えたい状況なのは明白で、鹿児島ベンチは18分に中原・五領→田中渉・ンドカへと2枚替え。
しかしその後も長崎の攻めは続き、20分には櫛引が持ち運ぶという鹿児島のやりたい事を逆にやる絵図となり、右側を切りに来た福田を剥がしたのちにパス。
そしてモヨマルコムのドリブルから細かく繋ぐ流れに持ち込み、エリア内でパスを受けたエジガルがシュート。(GK泉森キャッチ)
22分には右スローインで直接裏に投げ入れ、増山のダイレクトクロスから松澤がヘディングシュート(左ポスト外側に当たり枠外)と、どんな攻め手も冴え渡らせて相手の心を折りに掛かり。
この直後に鹿児島はさらに動き、福田→圓道へと交代します。
(長崎は25分に加藤・エジガル→山田・フアンマへと2枚替え)

以降もCBの持ち運びから好機を作らんとしますが、リトリートの色を強めた長崎の前に、敵陣に運んでも何も出来ないという状況が多くなり。
手詰まり感が漂うものの、27分に藤村が中央での持ち運びの姿勢から縦パスを送り、受けた鈴木がエリア内へスルーパス。
走り込んだ藤本が足下で受け、GKと一対一の状況を作ったものの、これも原田の好判断の飛び出しでブロックされ撃てず。
しかし息つく間も無く、拾った米田からまたもカウンターを発動させる長崎。
今度はジェズスのスルーパスをエリア内で受けたフアンマがGKと一対一という、完全なやり返しとなります。
フアンマはGK泉森を左にかわし、決まったかと思われましたが、奥へさらに切り込んだ結果ゴールラインを割ってしまい4点目はならず。
(29分に鹿児島は星・藤本→野嶽・有田へと2枚替え)

鹿児島にとってこの決定機からも被カウンターとなってしまう辺り、最初から最後までそれに対するケアが足りていない感が窺え。
その後も無理に打ち込む縦パスをカットされて長崎の攻撃に繋がるなど、その傾向は点差が広がった事もあり強まる結果に。
それ故に、守備を固める長崎に対し、裏へロングボールを送るか圓道の仕掛けに賭けるかという状況となります。

攻撃機会も減少し、意気消沈の感が滲み出る鹿児島。
それを尻目に長崎は39分に最後の交代を敢行(ジェズス→名倉)すると、直後の40分でした。
長崎陣内からの右スローインで投げ入れられたボールを、直ぐに奪いたい鹿児島サイドを嘲笑うかのようにフアンマが収め、コントロールを経てスルーパス。
これでガラガラのアタッキングサードを突く状況となり、増山の奥からのクロスをファーサイドで松澤が合わせヘディングシュート。
今度はしっかりゴールに突き刺し、松澤の嬉しいプロ初ゴールという副産物も併さった追加点となりました。

窮地となった鹿児島。
その後CK攻勢に持ち込んだものの、実らず再度長崎ペースとなると、最早それを剥がすだけの余力は残っておらず。
カウンターを仕掛けずとも、足が止まりがちな鹿児島ディフェンスをパスワークで揺さぶりながら、敵陣でサッカーを展開していく長崎。

そのままATへ突入し、勝利は九分九厘確定という状況で、ゴールを狙いにいくフアンマ。
右からの増山の低いクロスをヘディングで合わせたり(枠外)、中央から無理槍気味に中央突破を図ってシュートしたり(ブロック)と、欲が噴出したかのような絵図を描きます。

結局これ以上のゴールは奪えず、そのまま0-3で試合終了となり。
これで14戦無敗となった長崎、この良好な視界を、秋に控えた新スタジアム開場まで保てれば昇格は必至といった所でしょうか。

一方の鹿児島、上位相手に合計7失点と良い様に痛めつけられた2戦となり。
SBが軸となる攻撃のシステム上ある程度仕方無いとはいえ、カウンターのケアは必須というようなこの日の内容でした。
つまりは前年の藤枝のような方針転換で、残留のための「変化」は不可欠な要素という事が示された感じですが、何処でそれを選択するか。

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DAZN観戦 2024年J3リーグ第14節 FC今治vs福島ユナイテッドFC

2024-05-21 16:00:29 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • 今治のホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。

9-0という記録的な大勝利を果たした岩手戦(11節)を契機に、3連勝とようやく波に乗って来た福島。
あの試合は、ともかく岩手のマンツーマン守備が福島の攻撃スタイルと相性最悪といった試合内容。
ひたすら福島のパスワークに釣られて崩されるのみの岩手という絵図に、福島サイドも参考程度にしかならないようなものでしたが、やはり結果が出るのはどんな相手でも最良の薬となったようであり。

この日の相手の今治は、前回(3節・沼津戦、1-0)観た印象ではゾーンディフェンスの色が濃く、沼津の可変システムにも殆ど動じる事が無かった守備面が強く残っています。
しかし最近は3連敗、かつ3バックへの変更を試みるなど、その芯の部分に揺らぎが生まれているようであり。
そして本来の4-4-2へと戻し、福島をホーム(アシックス里山スタジアム)に迎えて臨んだこの試合。

早々の前半1分に福島が先制攻撃、ラフなロングパスを収めた澤上、倒れながらもポストプレイで繋ぐ強さを見せた末の塩浜のミドルシュート。(ゴール左へ外れる)
この澤上も、一種のトレンドである「契約満了→再契約」という枠組みの選手(ただし前年はセレッソからのレンタル)であり、初スタメンとなったこの日でどれだけ足跡を残せるか注目点となり。
これを軸として攻撃サッカーの本領を発揮したい福島でしたが、その目的は果たされずに時間が進む事となります。

5分の福島は最終ラインから繋ぐ所、堂鼻が今治の前線に巧みに誘導された(日野が堂鼻の右を切りながらプレス)結果、サイドバックへのパスをヴィニシウスがカット成功。
そして前進からのカットインでミドルレンジでのチャンスを迎えましたが、ディフェンスに遭い撃てずに終わり。
何とかショートカウンターを防いだ福島でしたが、以降委縮するかのように今治に押し込まれ。
続く6分、竹内ロングパス→阪野落とし→日野という繋ぎは止めたものの、ゲーゲンプレスにより近藤が奪い返し継続する今治。
そしてそのままペナルティアークからシュートを放った近藤、山田将がブロックするも阪野がエリア内でこぼれを拾い、更にシュート(松長根がブロック)と攻め立てます。

そしてその流れを食い止めきれず、8分に新井が左ポケット奥へ切り込み、クロスがブロックされて迎えた左コーナーキック。(キッカーは新井)
クロスの跳ね返りを加藤徹がヘッドで繋ぎ、クリアミスで流れた所を日野が右ポケットからシュート、GK吉丸がセーブするも尚も拾って継続。
モスキオンの右手前からのクロス、中央で竹内が足でフリックし左へ流れた所に、待ち構えていたのはCKキッカーの新井。
ダイレクトで放たれた強烈なシュートが枠内に跳び、ゴールに突き刺さります。
掴んだペースを離さなかった今治、早々にリードを奪いました。

追う立場となった福島、今度こそ攻撃サッカーを、と言わんばかりにその後10~17分の間は攻撃権を独占。
ポジションチェンジを絡めながらの、間を通すパスワークという持ち味を発揮しての攻めを展開しますが、今治ディフェンスもそこは岩手とは違い。
16分に、本来とは逆の右へとドリブルしてきた森に対し、左SBの加藤徹がしっかり奪うという具合に持ち場を崩さず対応します。

そして福島のターンはここで終わり、18分以降は再び今治の独壇場という展開に。
福島は15分にGK小澤にまで(澤上が)掛けたプレッシャーで、白井のパスをエリア内で塩浜がブロックという場面を作っており。(ゴールラインを割り繋げられず)
それ故ハイプレスに舵を切ったものの、この18分には今治がそれをいなした末に、右から市原がエリア内へスルーパス。
走り込んだ日野がシュート(山田将がブロック)と好機を作り、かつ再びのCKに持ち込み。
この右CKからもショートコーナーを経て、受け直したキッカー新井がクロスと見せかけてカットインで右ポケット奥へ。
そしてシュート気味のクロスを入れ、ヴィニシウスが走り込むという場面を作ったもののGK吉丸がセーブして何とか防ぎ。

色を失う福島。
23分にはお馴染みのMFでのショートパスで前進する所を、前に出てパスを受けた上畑が3人に囲まれた末に奪われてショートカウンターを受け。(右からモスキオンがクロスも合わず)
ならばと24分、自陣左ハーフレーンで大関が囲まれかけた所、右スペースへラフなショートパスを送ったもののこれも繋がらず近藤にカットされショートカウンターに。(左から加藤徹クロス→ファーでヴィニシウス合わせるもDFに当たりCK)
マイボールになっても前進出来ずと、手詰まり感が漂います。

追加点を上げたい流れとなった今治。
27分にはモスキオンが右→中央へロングパスを送った所、クリアにいった山田将が堂鼻と被ってしまい、ヘッドがミート出来ず逆方向に浮かぶというミスに。
これを拾った日野、エリア外まで飛び出してきたGK吉丸をかわして左ポケットに進入せんとするも、すかさず身を倒してきた吉丸がボールを抑え。
守備面でもバタバタし始めた福島の隙を突くチャンスも、結局モノに出来ません。

福島の防戦一方という展開は35分まで続き。
ここに来てようやく微調整が効き、大関が上畑の後ろに降りてボールを持つ事、つまり3枚の最終ラインとなってボールを保持する流れを作り。
そして攻撃権を取り返す事に成功します。
38分に山田将→上畑と間を通すパスを決めてから、(最後方が3人となった事で)高い位置を取った松長根を軸に右から前進。
塩浜のクロスが跳ね返された後もボールを確保し、右から大関がカットインシュートを放つもGK小澤がキャッチ。
これが1分以来のフィニッシュと、憚らずもほぼペースを握られていた事を証明するに至る結果に。

それでも道中今治の反撃を受けるなど、盤石とはいえない展開のままアディショナルタイムに突入。
再び右サイドからの前進で、大関のスルーパスを奥で受けた塩浜が低いクロスを送ると、大外でフリーの森が収める絶好機に。
しかし放たれたシュートは左サイドネット外と、これを逃してしまった福島。
その後もボールを握って攻めますが、最後は右奥へ切り込んだ松長根が日野の反則気味のアタックでボールを失った(笛は鳴らず)所で前半終了の笛が。
今治のハイプレス、そしてタイトな寄せに難儀していた事もあり、「事件」の伏線を醸し出しつつの折り返しとなりました。

ハーフタイムでの交代は無く、迎えた後半開始。
入りの攻防を経てまたも今治が攻撃権を確保し、後半3分には市原の右→中央へのミドルパスを中央で受けた日野が、ボールキープを経てペナルティアークからシュート。(ブロック)
何ら変わりないその光景に、後半も展開が不変のまま続くと思われました。

今治の攻めにも触れておくと、この場面や前半27分のような、斜めのミドルパス・ロングパスに福島サイドが難儀している風であり。
4-3-3のままプレッシングを掛ける福島ですが、どうしてもウイングが中央に規制を掛けなければならない場面が生まれ、空いたサイドへの展開が楽に行われ。
そのサイドには、モスキオンや新井のボランチが張り出してパスを受ける事が多々あり、今治はそこをパス出しの起点としていた感じでした。

何とか今治のペースを剥がしたい福島。
流れを変えるべき存在は前半あまり攻撃に絡めなかった中心選手の針谷で、5分に右ワイドでボールを持つと、そのまま同サイドへ縦パスを送るというフェイントから中央の大関へパス。
これで僅かなスペースを得た大関が(1人剥がして)ドリブルで前進を果たすと、ディフェンスに遭った所を拾った針谷、そのままワイドからクロス気味にシュートを狙い。
これが無回転でゴールを襲うボールとなるも、バーを直撃と惜しくも決まらず。
しかし左サイドで鈴が拾って継続、左ポケットで受けた森がカットインからシュートを放ちましたが、ゴール右へ外れ。
連続で放った有効打に、決められずもムードを幾ばくか変えられたでしょうか。

10分、ドリブルするヴィニシウスを阻みにいった鈴とのデュエルで、こぼれた所を上畑が拾っての福島の攻撃。
倒れ込む鈴を尻目に縦に素早く運び、左ポケット奥を取った上畑のクロスがブロックされた所で、ヒートアップした新井を筆頭に判定に異議を唱える今治サイド。
しかし腕を使って止めにいった鈴に対し、ヴィニシウスが肘打ちを頭部に入れていた事から、ヴィニシウスに警告が出る結果となります。
不満を貯めたまま福島の左CKで継続すると、キッカー針谷の中央へのクロスを、塩浜がGKをブロックする姿勢から合わせるヘディングシュート。
これが右ポスト内側を叩いてのゴールインとなり、同点弾に喜ぶ福島サイドを尻目に、またも判定に異議を唱える状況を強いられる今治。
当然ながら覆らず、振出しに戻っての試合再開となります。

14分に福島ベンチがまず動き、澤上→矢島へと交代。
その後の展開は不穏な今治サイドに従うように乱戦模様となり、15分に敵陣右サイドでボール奪取した福島、針谷の持ち運びでショートカウンターを仕掛けた所に近藤が反則を犯し。
一方で17分には、今治がスルーパスでヴィニシウスが右サイドに抜け出す好機となり、カットインで中央へ切り込まんとするヴィニシウス。
しかし付いてきた堂鼻に倒されると、こちらには反則の笛は鳴らずという結果になります。

そんな流れの中、迎えた18分でした。
今治の攻撃を、プレスバックしてきた塩浜が奪った事でカウンターに持ち込む福島、森が一気にドリブルで敵陣に運びます。
これを必死に追走する市原、止めるには反則しかないという状況で選んだのは、あろう事か森の足へのタックル。
完全に足にいく姿勢にしか見えないそのチャージで倒れた森、これがそのすぐ後ろを走っていた矢島の激昂を呼び起こす事となってしまいます。
一部始終を側で見る事となった矢島の、すかさず市原を押し倒しそのまま行われる暴挙に、試合どころでは無い状況となるピッチ上。
何とか双方の選手が入り乱れてそれを止め、幾ばくかのブレイクののちに主審が判定を下す絵図に持ち込まれます。

結果は市原の警告に対し、矢島は退場というものであり。
当然ながら矢島の行為は許されるものでは無いですが、それを招いたのは市原なのは周知の通り。
ならばラフプレイによる警告に加え、「乱闘を招いた」という査定を加えての退場が妥当では無かったでしょうか。
「ラフプレイによる一発退場」という選択も加わる状況では尚更で、結局3つの選択肢のうち一番軽いものを選んでしまった主審。(原田雅士氏)
かくして矢島を筆頭に福島サイドが納得し難いものとなったのは当然ですが、ともかくここから数的不利での戦いとなる事に。

しかし再開(23分)は福島の左からのFKで、キッカー針谷のクロスをファーサイドで松長根がボレーシュート。(白井が頭でブロック)
続く24分にも、山田将のロングパスを収めた塩浜から好機を作り、パスを受けた森がエリア内に入ってシュート(ブロックされCKに)とペースを掴む福島。
不満をエネルギーに変えるかのように、一丸となり勝利を目指します。

このままセットプレーを交えながらの攻めで、時間を使いながら今治に何もやらせない。
そんな理想も頭を過る流れとなりましたが、流石にそれは浅はかなものであり。
25分に今治は阪野→アンジェロッティへ交代と、疲労感漂う時間帯に決着をつけるべき駒を投入します。

必然的に始められる今治のボール保持による攻勢に対し、守備体勢を取る福島。
その布陣はCFを抜いたのみの4-3-2を基本としながら、森が降りての4-4-1になったり、大関がウイングバックとなっての5バック化など流動的なものに。
この、攻撃では無く守備で流動性を保つといった福島の対抗姿勢により、中々フィニッシュに持ち込めない状態を強いられる事となった今治。

31分に両ベンチが動き、今治は加藤徹・新井・日野→野口・三門・高瀬と一挙3枚替え。(全員同ポジション)
福島は針谷・大関→城定・宮崎へと2枚替え。
以降福島は宮崎がアンカーで、インサイドハーフに城定・上畑という布陣に。

数的不利でも、状況によっては果敢にプレスを掛ける福島。
それでも33分にはそれが切欠となり今治の好機、三門のスルーパスを右奥で受けたヴィニシウスがカットインを経てシュート。(GK吉丸キャッチ)
ようやく辿り着いたフィニッシュを契機として、勝ち越し点に辿り着きたいという展開に。

しかしそのゴールしか見えないという意識が仇となったでしょうか。
37分、逆に福島がボールを握りパスを繋ぐ状況になると、宮崎⇔城定のパス交換での揺さぶりを経て城定が右から持ち運び。
そして松長根→城定→上畑→森スルーパスという流れるような前進で左ポケットを取ると、走り込んだ鈴がグラウンダーでクロス。
中央に走り込んだ塩浜はミート出来ずも、逆にこれが絶妙なフリックとなり(狙ったかどうかは不明)、流れた所に上畑が走り込んでシュート。
ゴールネットを揺らし、不利な立場を一変させる逆転弾に沸き上がる福島サイド。

まさかのビハインドとなった今治。
最後のカードを使ったのは39分で、ヴィニシウス→松本へと交代。(左サイドハーフに入り、近藤が右SHに回る)
一方福島も同時に、上畑・森→大森・清水へと2枚替え。

交代後も4-3-2は変えず、最終布陣にせんとした福島。
その後も今治のボール保持に対し、ブロックを敷いた外側での回しを押し付ける絵図を続け、フィニッシュを撃たせません。
しかし鈴が足を攣らせる事態が発生したため、ATでは鈴が最前線に回り、松長根が左に回るとともに大森が右SBに降りる緊急的措置。
これによりFW2人も降りての、4-4-1による逃げきり体制となり。

一向に満足に攻められない今治。
パスを繋ぐ最中に白井が前線に上がる、単なるパワープレイにあらずという姿勢により何とか同点を目指さんとします。
そして左から野口の低いクロスが入ると、ニアでアンジェロッティが収めるという、最もゴールに近づくシーンが。
それでも福島の必死のディフェンスに遭いシュートは撃てず、かくして万事休すとなりました。

1-2のまま試合終了の笛が鳴ったその刹那、精根尽き果てるように倒れ込むピッチ上の福島選手。
それでも結果は逆境を跳ね返しての勝利なのは揺るぎ無く、また一つチームとして成長を果たせたでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第16節 横浜FCvs清水エスパルス

2024-05-20 16:00:54 | サッカー視聴記(J2)

※前回の横浜FCの記事はこちら(11節・長崎戦、1-0)
※前回の清水の記事はこちら(12節・岡山戦、1-0)

<横浜FCスタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 宮田がJ3・鳥取へ育成型レンタル移籍となり、今節をもって登録抹消。
  • ユース所属のGK大亀が2種登録選手となり、今節から登録される。

<清水スタメン>

  • 元松本監督の反町康治氏がゼネラルマネージャーに就任。
  • 11節(仙台戦、3-2)で負傷した蓮川の詳細が発表され、全治8週間との事。
  • 乾が負傷離脱から6試合ぶりに復帰しベンチ入り。

連勝を7にまで伸ばしている首位・清水。
「未だ(J2内では)巨大戦力を要しているのだから当然の事」という反論は有れど、その実力通りに成績を残す事の難しさは、前年のシーズンを通して実感済みでもあり屁でも無い事でしょう。

1点勝負の連続の末に4連勝を果たした岡山戦以降は、揺り戻しが効くかのように3戦で10得点。
いずれも下位クラブが相手とはいえ、その力量差通りに押し切る事の難しさ……とまたループしそうなので止めておきます。
ともかく、この連勝街道が止まるのは何時かという所で、迎えた横浜FCとの上位対決。

素早い寄せが織り成す、狭い局面でのボール争いが続く入りとなり、最初の好機は前半4分という遅さに。
そしてそれは清水で、住吉低い弾道でロングパス→矢島足下で浮かせるフリックで敵陣に運んだのちも、横浜FCのタイトな寄せの前にサイドを変えるの連続。
それでもブラガのカットイン→左への展開を経て山原のクロスに持ち込み、ファーでの宮本の胸での落としをカルリーニョスが拾うというボックス内での攻防に入りましたが、結局はディフェンスの前に撃てず。

流石にリーグ最少失点の横浜FCだけに簡単にはやらせてもらえない……というシーン。
しかしここから、過去3試合とは打って変わって清水の攻撃力の脅威は急速に萎んでいく事となります。

5分の横浜FCの攻撃、最終ラインから左へと展開して前進という、典型的な地上でのビルドアップ。
しかし福森がボランチの位置を取り、ワイドから中野スルーパス→小川キープで溜めてポケットへスルーパス→中野と運んでいく際に、ワイド奥へ走り込んでいく福森。
まずはこの可変を印象に残した横浜FCですが、この攻撃でコーナーキックを得た結果、例によってキッカーを務める福森によりその存在は希薄となり。

その後、清水が中盤で相変わらずユーリを中心とした横浜FCの寄せにによりビルドアップに難儀する間に、横浜FCが攻撃を構築していく流れに突入。
言葉では説明し辛いものの、左サイドではワイドに張りっぱなしの選手を一人作り、かつ前述のシーンみたくそこを流動的にするといった立ち回りでしょうか。
10分に右から攻めた際には、ドリブルで敵陣に運んだカプリーニが切り返しからその左ワイド奥へ一気にロングパス、受けたのは中野。(その後ポケットから中央への戻しを経てユーリがミドルシュート、枠外)
その後も高橋利が裏へのミドルパスを受けたり、小川が張り出して溜めを作ったりと、左サイド奥の流動性が目立ち。
その結果CKを量産→福森の悪魔の左足という、ストロングポイントの発揮に繋がる事となります。

14分の右CK、福森ニアにクロス→高橋利フリックという定型から、ファーに浮いた所をガブリエウがヘディングシュート。(ゴール左へ外れる)
16分にはカプリーニが宮本に反則を受け、中盤近く(右ハーフレーン)からのフリーキックでしたが、放り込みを選択。
エリア内中央へ入れられたボールにユーリが脚から跳び込み、クリアされるもガブリエウがダイレクトでシュート(高橋祐がブロック)と、相変わらず羨ましくなる程の精度を誇るその左足。
しかしその感情に浸る暇も無くさらに右CKで継続すると、今度はショートコーナーを経て戻しからクロスという変化を付けた福森。
誰も触れずにファーでバウンドした所を、大外でまたもガブリエウがヘディングで合わせると、3度目の正直でゴールネットに突き刺さります。
セットプレーによる得点ながら、その機会の量産も見逃せないという攻撃により先制した横浜FC。

キックオフから再開した清水は、直後に横浜FC同様のセットプレー攻勢(FK→CK×2)に持ち込んだもののゴールは奪えず。
流れでの攻撃の拙さが浮き彫りになるのは不可避、という所で早くも動きます。
といっても交代では無く、これまで散々使用して来た3-4-2-1への布陣変更。
原が右センターバック化して、矢島が右へと移りウイングバックにシフト。
北川の1トップでカルリーニョス・ブラガの2シャドーというポジションチェンジが為されました。(23分頃)

これによりミラーマッチとなり、清水の攻撃に狙いが一つ加わり。
それは果敢に寄せてくるユーリの裏を使うという事で、最終ライン→宮本へのパス出しの際に喰い付いて来る事が目立つユーリ。
その狙いは概ね当たり、38分にはその状況から宮本の縦パスを受けたカルリーニョスが溜めを作ったのちスルーパス。
これでブラガが最終ライン裏を取るという好機になるも、中野のカバーにより受けられず終わります。

それでも攻撃機会の増加に繋がらず。
というのも、守備面では横浜FCのロングボール攻勢を食い止める事が出来ず、押し込まれてセットプレーという流れが続いたため。
相変わらず誰かが張っている左ワイドで奥を突く事が多いですが、逆の右でもカプリーニの仕掛けが目立つので、清水ディフェンスはどちらかを重視する訳にもいかず。
それにより、これまではアーリークロスしかしないという(自分の)イメージが強かった山根も、右奥まで進入してクロスを上げる(34分、中野がファーで折り返すも繋がらず)など一変させるに至ります。
一方で清水のロングパスによる攻撃は実にならず、セカンドボールも拾えないという格差も表れ。
地上での繋ぎには光明が見えたものの、相変わらず横浜FCの寄せ自体は健在なのでその狙いを遂行する機会自体が少なく。

かくして、スコアが動いたのちの清水の攻撃機会15度に対し、横浜FCは17度と上回られ。
反撃したい清水の気勢が削がれたという形で、前半が終了します。

ともに交代は行われなかったハーフタイムを経て、始まった後半。
清水はキックオフでいきなり仕掛け、左へ展開ののち山原がスルーパス、これを上がっていた北川がエリア内で受けた事でCKに繋がります。
続く2分には、自身のゴールキックからも短く繋いで左サイドから前進、中村亮の裏へのミドルパスに山原が走り込み。
遮断されたものの、拾い直した山原がそのまま遠目からシュート。(GK市川キャッチ)

何とか地上から攻めきりたいという思惑が出たかと思えば、4分には矢島が右→中央へとロングパス、このセカンドボールを北川が拾っての攻撃。
北川→カルリーニョスのスルーパスはカットされるも、こぼれを拾った宮本がミドルシュートを放ち、ブロックに遭うも右CKに。
そしてキッカー矢島ファーにクロス→中村亮折り返しという流れを経て、クリアされたボールを中村亮が反応してシュート。
しかしこのシュートはガブリエウが頭部でブロックと決死の守備(実際その後暫く倒れ込んだガブリエウ)に阻まれ、多種多様な手法による攻勢も実りません。
尚も続いたCKから、カルリーニョスのヘディングシュートが放たれましたがGK市川がファインセーブ、その後の高橋祐→北川への折り返しも不発とまたも寸での所で防がれ。

この時間帯は、横浜FCサイドはユーリの喰い付きが自重気味になり。
最終ライン→宮本にパスが出ても、前に出ず構える事が目立ちます。
この姿勢が押され気味な展開を招いたとも言えますが、8分にはカウンター気味にユーリが持ち運び、エリア内へとラストパス。
そしてカプリーニがシュート(住吉がブロック)と、一発の脅威を見せる事で対抗姿勢。

立ち上がりの攻勢でいけると踏んだか、9分と早めに乾の投入に踏みきった清水・秋葉忠宏監督。
カルリーニョスと交代してシャドーに入り、同時に矢島→北爪へ交代と2枚替えで勝負を掛けに来ます。

以降、原が最前線まで上がり攻撃参加するなど、3バック時に見られる清水攻勢の証が示され。
乾は14分にGK市川にまでプレッシャーを掛け、フィードを蹴らせた所を回収に成功するなど、この流れは何時までも続くかと思われました。

しかし、乾投入によるもう一つの側面が不利に働いてしまい。
持ち味である、降りてビルドアップの出口として働かんとする乾ですが、それにより再度ユーリが前に出て規制を掛けにいく姿勢を誘発させ。
中心の乾に対し激しいデュエルを仕掛けるというのは、前年から全クラブの共通的事項となっている感があり、ユーリもそれに倣って乾にスペースを与えない立ち回りを徹底。
前半と違いこの喰い付きを有効利用する余裕も無く、再び勢いが削がれる結果となり。

かくして15分以降、攻撃機会を独占するに至った横浜FC。
17分ガブリエウが前に出て敵陣でボールカット、そのままエリア内へラストパスを送ると、右ポケットで受けたカプリーニがカットインシュート。(GK権田キャッチ)
20分には中盤で清水の攻撃を止め、こぼれ球を拾った福森が一気にエリア内へとロングパス、収めたカプリーニが右ポケット奥からクロス。
これがゴールへ向かう軌道となり上部に逸れるという際どいものとなるなど、同点としたい清水のベクトルの逆を突いた末に、カプリーニという鋭い矛を存分に活かす攻め。

ペースを失ってしまった清水は、巻き返さんと20分にブラガ→松崎へと交代。
それでもスペースを与えてくれない横浜FCの前に、生きる機会は少なく。
23分に横浜FCのクリアボールを北川が跳ね返し、それを拾った北爪が右奥へ持ち運ぶ(その後クロスもブロックされる)というような、巧い具合にトランジション際を突ければ良かったでしょうが……。

一方の横浜FCベンチ、最初の動きは28分(小川・高橋利→伊藤・櫻川)と、清水の動きを見てからというアドバンテージを存分に活かすような立ち回り。
そんな相手に対し焦りを増幅させる清水、29分の横浜FCのCKでの競り合いで、ガブリエウと北川が交錯した末にヒートアップ。
前半から激しいデュエルを強いられてきた試合だけにある意味当然ながら、余計な要素は加えたくない状況であり。

30分に清水が最後の交代、原・宮本→西澤・タンキへと2枚替え。
ボランチ片方を退かせてどうなるかと思われた布陣は、乾がボランチになり、北川・タンキが2トップという4-4-2へと戻す選択が取られました。
以降、投入されたタンキをサイド奥へ走らせての攻めが目立ちましたが、クロス精度の無い(この日見た限り)タンキがクロスを入れるという状況に持ち込んでも怖さは無く。

攻撃力を発揮出来ないという展開に苛立ちも募ったでしょうか。
34分に松崎が右奥へ持ち運んでカットインと、持ち味を発揮するもディフェンスに遭いこぼれ。
拾った西澤がユーリと縺れ、清水の反則が取られたという所でアウェイ側ゴール裏は判定に対するブーイング一色となり。
その際に足を攣らせて倒れた福森、交代に則しての遅延行為を取られたか(詳細は不明なので推測、なお放送内では井上への警告との事だが公式記録では福森)警告を受けるという一幕がありましたが、それでも気丈に時間を使いながら退く福森に対してもブーイングを浴びせ。
そしてこれに併せ、横浜FCは残りの3枚のカードを一気に使う采配を敢行しました。(福森・井上・中野→岩武・和田・中村拓)

交代により、ガブリエウが左CBへ・山根が左WBへ移るポジションチェンジが行われましたが、後は逃げきるのみという横浜FC。
清水にとって救いは、横浜FCが未だに前線でプレッシャーを掛ける姿勢をある程度保っている事で、それを突きたい状況に。
42分に自陣で反則を受けると素早くリスタートし、乾が一気に最終ライン裏へロングパスを送り、タンキが走り込んだもののガブリエウのカバーで防がれ。

ユーリ・ガブリエウの守備力は最後まで健在といった横浜FCですが、最終盤の45分にとうとう、松崎の右奥への仕掛けに対しガブリエウが倒してしまい反則。
これでガブリエウが警告を受けるとともに、奥からのFKという好機を得た清水。
それでもここからのクロス攻勢ではやらせず、後はアディショナルタイムを凌ぐだけとなります。

しかしカウンターで前線へ運んだ事で、横浜FCが敵陣でサッカーを展開するというものになった最後の局面。
左CKへと持ち込んでの時間稼ぎで、何とか脱出せんとした清水のミドルパスをガブリエウが跳ね返して尚も継続させ。

そしてAT+6分でした。
伊藤が溜めを作り、和田とのパス交換を経てドリブルに入った末にスルーパスを右ワイドの中村拓に通し。
そして奥で溜めたのちに上げられたクロス、櫻川が合わせたボールが真下に落ちると、詰めた伊藤がゴールネットを揺らす事に成功。
起点とフィニッシュ両方を務めた伊藤により、勝利を確定させる追加点が齎されました。

その後清水は、キックオフからの攻撃を何とか北川のシュートに繋げたものの、ゴールを奪う事が出来ず。(岩武がブロック)
2-0で試合終了の時を迎え、横浜FCが見事に清水の連勝ストップを果たしました。

敗れた清水、ここに来て前年終盤のような症状の負け方が気掛かりな所であり。
組織力で上回られ、球際の攻防・ビルドアップが機能しないという、前年最終戦の水戸戦を思い起こすような内容。(あの試合は引き分けという結果でしたが)
弱点をさらけ出した事により、今後下位クラブからの取りこぼしも懸念されるでしょうが、払拭し首位を保つ事が出来るか。

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