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DAZN観戦 2024年J3リーグ第3節 FC今治vsアスルクラロ沼津

2024-03-15 18:13:18 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • 今治のホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。

同県のクラブである愛媛がJ2復帰を果たしたため、再びそこから一歩下での戦いを余儀なくされる今季の今治。
自身が元はといえば、愛媛の下部組織的なクラブ(愛媛FCしまなみ)から独立したという歴史を持つため、そのライバル心が伺い知れるもののまずは追い付くのみ。

ライセンスも2022年の時点でJ2のそれを安定させ、再度昇格を目指す戦いへと臨む今季。
この日の相手は沼津で、こちらも前年で念願のJ2ライセンスを所得と、盤石の体制を築いたのがつい最近。
そして今季はともに開幕連勝スタートと、何かと共通点の多い両クラブの対戦となりました。

入りのボール争いを制し、コーナーキックを獲得するなど押し込む今治。
しかし有効打とはならずに、沼津がボールポゼッションを確保する展開に持ち込みます。
こうなると、開幕2戦で爆発した沼津の攻撃力が牙を向くという試合予想がチラつき。

前年からの特徴である、両サイドバックが可変する「偽SB」システムをふんだんに活かさんとする沼津。
両ウイングがワイドに張った上で、左の濱が最終ラインに残り、右の安在が中央寄りでボランチ~最前線の間を行き来する独特の動きをするSB。
相手にとって面食らうのは必至と思われますが、そこは監督・中山雅史氏も2年目であり、研究も進んでいたでしょうか。
相対した今治は、沼津の可変にも釣られる事無く、4-4-2ブロックを基本とする守備隊形を保つ事で対応を見せます。

前半8分の沼津の攻撃、最終ラインから濱が鈴木とのワンツーで持ち上がったのち、中央に居る安在へとパス。
その後サイドチェンジで右から攻め、森がポケットへスルーパスと、両翼をふんだんに使って攻めたもののこのパスを今治は遮断し防ぎます。
ゾーンディフェンスの色を強める事で、簡単には崩されないという意思表示がギンギンに現れていたピッチ上。
すると直後の9分、今治はゴールキックからロングフィード→阪野ポストプレイを経てボールを確保。
そしてヴィニシウスのボールキープを経て右サイドでクロス攻勢に持ち込みCKを獲得と、前線のパワーを活かした攻めという沼津と対極的な姿勢で渡り合い。

13分再び沼津は最終ラインからパスワークで前進、今度は今治もサイドハーフも最前線に加わる、ハイプレスで阻みにいき。
それをかわして敵陣に持ち込む沼津、左サイドで鈴木・濱・持井がトライアングルを作り、パス交換の末にポケットへとスルーパス。
走り込んだ鈴木が受けるも、これもディフェンスに阻まれフィニッシュは放てません。
すると再び直後の14分、沼津のビルドアップで自軍エリア内での攻防、プレッシングをかわしたもののその後のパスミスで今治が右サイドでボール奪取。
すかさず市原のスルーパスを奥で受けたヴィニシウス、カットインからクロスを入れる(誰にも合わず)速攻で脅かし。
ボール保持の姿勢は貫くものの、ミスも目立ってくるなど相手の対応を受けた事で勢いが削がれる沼津。

一方今治も、場を落ち着かせるべく最終ラインでは一定の繋ぐ姿勢を取り。
こちらはボランチの片割れが最終ラインに降りる3枚という、ほぼ典型の形からのパスワーク。
特段見るべきものはないものの、阪野狙いのロングボールを混ぜる事で奪われない事を重視していたでしょうか。

お互いボール保持の色を強めた事もあり攻撃機会が膨らまずに時間が進む中、スコアを動かしたのはやはり沼津対策が万全の今治の方でした。
22分、最終ラインに降りたモスキオンからの組み立てで、右サイドで前進の姿勢から市原が阪野を走らせる中央へのミドルパス。
これをしっかりと足下で収めエリア内を突く阪野、中村のチャージで倒されながらも時間を作り、走り込んだ山田の繋ぎを近藤がダイレクトでシュート。
沼津のブロック間を際どく抜いてゴールネットを揺らし、先制点に辿り着きます。

リードされた沼津、ここまでフィニッシュはゼロなので一層苦しくなった感があり。
裏へのロングパスを交えながら打開を図りますが、今治の守備体制は簡単には崩せません。
今治は先制して以降、山田とヴィニシウスの位置が逆になり、阪野・ヴィニシウスの2トップで前線の守備を行っていたものの30分台には両者元の位置へと戻り。

こうして、ポゼッションスタイルのドツボ(ボールは握るもシュートが遠い)に綺麗に嵌り込んでしまった感のある沼津。
基本形から時折変化を付け、濱が左ワイドでパスを受けたり、安在が後ろに残って濱が上がったりする場面もありましたが流れは変えられず。
31分には再び最後方、自陣エリア内から繋ぐ姿勢を取ったものの今治のプレッシングに嵌められ、中央エリア目前という位置で阪野にカットされる大ピンチ。
阪野はそのままエリア内へ入り、左へ流れてシュートしましたが菅井のブロックで何とか防ぎ。

しかしその後もCKやスローインで押し込む今治。
34分に左スローインから近藤がダイレクトでクロス、ヴィニシウスのヘディングシュートが放たれるも枠外に。
40分には加藤がロングパスをカットして矢印を反転させ、中央でパスを受けた山田がミドルシュート、地を這う軌道でゴール左を襲うもGK渡辺のセーブに阻まれ。

基本はゾーンディフェンスながら、沼津が最終ラインに戻した際にはプレッシングを躊躇わないという具合に守備のメリハリは抜群という感じでした。
そしてそこから逆襲と、リードしているという立場も味方にしてゲームを支配。

結局1-0のまま前半が終了。
沼津はシュート1本(29分、森のクロスを持井が足で合わせたもの・枠外)と、追い掛ける立場にしては非常に苦しい展開を強いられ。

そして迎えた後半。
試合内容は大きく変わる事無く、最初の好機も今治で後半3分。
右スローインから阪野足でフリック→山田ラフにサイドチェンジと、沼津のボール保持を嘲笑うかのようなアバウトな繋ぎから、近藤が収めてポケットへ進入したのちは細かなパスワーク。
時間を使った末に逆の右サイドから、ヴィニシウスがカットインの姿勢からクロスを上げると、モスキオンがゴールに背を向けた状態でヘディングシュート。(枠外)
反撃に転じたい沼津にとって、嫌らしい攻めの内容の末にゴールを脅かし。

その後も今治の守備体制に苛まれるものの、ゾーンディフェンスの弊害か反則が膨らみ始め。
J1で守備力が目立つ福岡・柏辺りと同じ傾向で、間でパスを受けた相手に対し、寄せが甘くなるとつい足を出してしまうため起こる現象でしょうか。

リズムが乱れがちとなる展開ながら、とにかく得られる好機は活かしたい沼津。
9分に左サイド奥で持井がモスキオンに倒されて反則、これにより敵陣深めでのフリーキックを獲得。
しかしキッカーの位置に2人(森・徳永)が立ち、フェイントを交えた末に徳永がマイナスのクロスと変化を付けた末に、それがあっさりカットされてしまうという目も当てられないシーンしか描けず。

一方、自身の反則もあり沼津の攻撃シーンばかりが目立つなか、11分にようやく後半2度目の攻撃機会となった今治。
ここも右スローインをヴィニシウスが収め、阪野の中央へのパスと手数少なくチャンスエリアを突き、受けた近藤がペナルティアークからシュート。(ゴール左へ外れる)
2度ともフィニッシュ(それも際どい)に結び付ける、非常に効率の良い攻めを披露します。

何とか今治の守備を破りたい沼津、14分に今治のスローインをカットしてトランジションの最中での攻撃に入り。
そして鈴木のロングパスで素早く裏を突いたものの、抜け出た持井の前でGKセランテスが飛び出してクリア。
続く15分には菅井が最終ラインに降り、濱が上がるという変化を付けたビルドアップから、その菅井→濱への縦パスが通って左サイドから攻め。
濱はドリブルで左奥を突きに掛かったものの、戻ったヴィニシウスのスライディングに阻まれシュートには辿り着けません。

20分には自陣でのディフェンスからカウンターに持ち込んだものの、先程と同様に左サイドを持ち運んだ濱は結局減速の末にディフェンスに遭い。
遅攻を強いられている状態故に、折角の速攻の体制も活かせない悪循環に嵌っていた感があり。
直後に和田・鈴木→川又・津久井へと2枚替え、何とか打開を図ります。(津久井が右WGに入り、森が左WGに回る)
22分には右サイドからの攻めで、津久井が低いクロスを送り、ニアで川又が合わせにいくという交代選手による好機。
こぼれ球をさらに川又が追撃にいき、ポケット奥でシュート気味に折り返すもGKセランテスに抑えられ実らず。

一方沼津に殆どフィニッシュを許していない状況ながら、ボールは握られっぱなしという状態が続く今治。
絵的によろしくないと感じたのか、服部年宏監督は26分に早くも動き。
山田→松本へ交代した事で3-4-2-1へシフトと、5バックシステムによる守備強化を図ります。(松本は右ウイングバックで、市原が右センターバックに回る)

そしてリズムを乱された沼津の方が反則を量産する流れとなり。(29分に安在に警告)
31分、ヴィニシウスのドリブルが濱に倒されて反則、FKというタイミングでさらに新井→楠美へと交代した今治。
中盤右サイドからという距離のあるFKながら、放り込みを選択とリスクを回避する立ち回りを図り。
一旦攻撃が途切れるもモスキオンがボール奪取し二次攻撃、スルーパスに走り込んでクロスを入れたのは前残りしていた福森(合わず)という具合に、焦る相手から時間と攻撃機会を奪う勤めを果たしていきます。

何とか追い付きたい沼津、気を取り直して33分に敵陣で崩しを図る展開を作りますが、安在の縦パスが主審に当たった事で切られてしまい。
流れが悪い時は運も味方しない、という状況で、34分にさらに2枚替え。(持井・菅井→齋藤・沼田)
川又・齋藤と、元日本代表のベテラン勢に賭ける事となります。

以降左サイドは齋藤がワイドに張りっぱなしで、ハーフレーンに森という攻めの体制に。
それを活かしながら攻め込むも、キーとなるべき齋藤もかつてのキレは既に無く、結局今治のブロック外でパスを回す時間が多くなり。
38分には逆に今治のカウンターを招いてしまい、ドリブルで単騎突破を図るヴィニシウス。
そしてペナルティアークまで切り込みシュート(枠外)と、ボール支配率だけが膨らみ肝心のフィニッシュは……という状況に何ら変わり無く。

39分に今治は最後の交代と、先に3度の交代を終える事に。
近藤・阪野→弓場・アンジェロッティへと2枚替え、前線の運動量を補填して最終局面に臨みます。

41分に左サイドでのFKから、ようやくの好機を迎える沼津。
ここも徳永・森の2人によるパス交換と変化で入り、上がった徳永のクロスから附木がヘディングシュートを放ちます。
しかしゴール右下を襲ったこのシュートは、GKセランテスのファインセーブに防がれ同点ならず。

乾坤一擲の攻めも防がれ、後が無い沼津は44分に徳永→佐藤尚輝へと交代してカードを使いきり。
以降も諦めずに攻め込みますが、今治のカウンターにも脅かされる(44分、市原のミドルシュート・枠外)など、フィニッシュは相変わらず今治の方が目立ち。

そしてアディショナルタイムに突入、という所で左サイドを齋藤が攻略に掛かり。
カットインでポケットの森に渡り、中央への浮き球パスを選択するも楠美のブロックに阻まれ。
この際に楠美のハンドをアピールしたものの実らず終わると、いよいよ退潮は避けられない流れに。

またも矢印を反転されて今治が敵陣へと運び、スルーパスに走り込んだモスキオンが濱に倒されて反則。
これにより右サイド最奥・殆どCKという位置でのFKを得ると、ヴィニシウスのキープで時間稼ぎ。
そして何とか掻き出されたボールをアンジェロッティが拾い、カットインからの戻しを経て楠美がミドルシュート(枠外)とフィニッシュで終え。
その後もカウンターで運び、アンジェロッティのスルーパスに弓場が抜け出すもオフサイドそして弓場がボールをピッチに出す遅延行為で警告という具合に、ゴールを脅かしながら時間を使うという両得の姿勢を貫きます。

最後の攻撃に入った沼津ですが、森のドリブルが止められ、直後の齋藤のパスがカットされた所で試合終了となり。
1-0のままスコアは動かず仕舞いで、今治が開幕3連勝。
脅威の攻撃力相手に、守備で上回ったその内容は見事の一言、そんな戦評が似合う一戦だったでしょうか。

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