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DAZN観戦 2022年J3リーグ第6節 ギラヴァンツ北九州vs愛媛FC

2022-04-21 16:01:19 | サッカー視聴記(2022年その他)

<北九州スタメン> 4-4-2(4-4-1-1)
GK 吉丸
RSB 藤谷 CB 藤原 CB 河野 LSB 永田
RSH 中山 DH 六平 DH 針谷 LSH 藤川
FW 前川 FW 高澤
<愛媛スタメン> 3-4-2-1
GK 徳重
RCB 鈴木 CCB 栗山 LCB 大城
RWB 三原 DH 矢田 DH 横谷 LWB 高木
IH 茂木 IH 佐々木
FW 近藤

J2から降格したてのクラブ同士の対戦。
こうした試合では、どちらの方が悲壮感が大きいかという事をつい考えてしまうものであり。

愛媛は2006年にJリーグに参入して以降、ずっとJ2の座に居座っていたものの近年の成績的な落ち込みを跳ね返せずに前年降格が決定、今季初のJ3を経験する事となり。
当然「1年でのJ2復帰」が目標である事は疑いようが無く、編成面でも過去にJ1経験のある選手(徳重・森脇・矢田・松田)を集め、準備を万端にしてリーグ戦に臨みました。
しかしいきなり開幕からの3連敗で躓く事となり、その後連勝して何とか巻き返しを図っているという最中。
北九州は愛媛のような長期的な低迷こそ見られないものの、1年のスパンでの躓きが致命傷となり急転直下、といったJ2での歩みを経て今回2度目の降格。
前回は前監督・小林伸二氏の手腕もありJ2復帰→一時の飛躍を経験出来たものの、もう同じ手法は使えずとあり、ここからどうするかを迫られている状態。
補強選手は肉付けといった感じで、主に前年に加わった選手を主戦力として挑んでいる今季。
とりあえず地盤を固めて、サッカーの質を高めた結果が昇格に繋がれば……といったスタンスでしょうか。

傍らから見れば、初のJ3で悪戦苦闘している愛媛の方が悲壮感が強そうですが、北九州も前節で大敗(沼津戦・0-4)するなど洗礼を浴び。
昇格戦線への蜘蛛の糸を掴むとともに、それに値するサッカーを繰り広げるのはどちらか、といった試合でしょうか。

主導権争いを経ての先制攻撃は北九州で、前半3分敵陣でのボールカットから、藤川のスルーパスをエリア内右で受けた中山がクロス。
跳ね返りを再度中山が拾い、今度はシュートを選択しましたがGK徳重がキャッチ。

しかし以降は愛媛がペースを掴み。
4節から変更したという、3-4-2-1のフォーメーションから織りなされる攻撃で、北九州のオーソドックスな布陣を縦横無尽に崩していきます。
10分、最終ラインでの繋ぎから横谷が右へ長いパスを送り、受けた三原が中央へ出したパスを近藤がダイレクトでエリア内右へ送り。
受けた茂木がワントラップからシュートを放ちましたが、GK吉丸のセーブで惜しくも防がれます。
前線3人の高さが不足しているという布陣のなか、高目に配置したウイングバックを軸に、敵陣で5レーンを意識した崩しを徹底しているといった印象の愛媛の攻撃。

一方の北九州、ビルドアップを大事にしているという点は変わらずも、前年までの3-1-6への変形は影も形も無くなり。
2センターバックからのオーソドックスな繋ぎを基本とするも、ボランチは針谷がアンカー的な位置取りで、六平が主に右サイドに張り出すという形。
針谷へのパスコースは中々開かないので、右サイドに人数を多くして前進していくという攻撃でした。
そのため左サイドハーフの藤川が、逆サイドでパスの出し入れに絡み、何とか攻撃を流動化させようという立ち回りを見せ。

次第に北九州も、20分にコーナーキックからの二次攻撃で河野がミドルシュート(枠外)、26分には左→右のサイドチェンジを受けた中山がカットインからシュート(枠外)とフィニッシュに繋げ。
しかし上記の基本線がぶつかり合った結果、愛媛優勢の流れというのは変わらず。
北九州は愛媛のプレッシングを受けるに従い、次第に攻撃が機能しなくなり攻撃機会を独占されるに至ります。

当然見られたのは愛媛の攻撃に晒されるシーンばかりで、33分大城のミドルパスはクリアするもセカンドボールを高木に拾われ、パスを受けた三原がエリア内右を突いてシュート。(GK吉丸セーブ)
39分にはパスミスで佐々木に奪われてショートカウンター、パスを受けた近藤がエリア内に進入してシュート(GK吉丸セーブ)と、危機を招いては吉丸の好守に助けられるといった展開を強いられ。

その後は膠着したものの、流れを変えたい北九州は右サイド偏重といった攻撃を改めたい展開に。
終盤の45分、GK吉丸からの繋ぎで針谷は左へ展開し、藤川が本来の左サイドをドリブルで前進したのちエリア内左へスルーパス。
そして走り込んだ高澤がゴール左を狙ってシュートしたものの、右へと逸れてしまいモノに出来ず。
最後に北九州が良い形を見せたものの、結局スコアレスで前半終了となります。

共に交代は無く後半開始の笛が吹かれ、今度は愛媛が主導権争いを制し、ロングパスで左奥からのスローインを得て攻撃権を掴みます。
そして左CKを得てからの二次攻撃(後半2分)で、矢田がエリア内へロビングを入れ、GK吉丸にパンチングで弾かれた所を横谷がダイレクトでシュート。(枠外)
続く3分には高木の左サイドからのクロスをファーサイドで三原が収めてから、戻しを再び横谷がダイレクトでシュート。
ブロックに入った北九州・藤川の腕に当たってハンドの反則、エリアからすぐ手前の直接フリーキックへと移り変わり。
しかしキッカー矢田の直接シュートはゴールバー上を掠めてしまい、惜しくもモノに出来ず立ち上がりの流れは終了します。

何とか相手の流れを切った北九州、基本線の右サイドでの攻撃を主砲としつつ、前半終了間際に見せた左サイドでの攻撃を副砲として使い。
7分には副砲で前進する姿勢をとってから、左サイドからのパスを中央で受けた前川が右へとスルーパス、奥で受けた中山がエリア内右でのキープののち戻し。
そして前川から放たれたダイレクトでのシュートを、GK徳重はキャッチにいくもファンブルし、拾った藤川が右へと流れてシュート。
しかしゴールライン寸前で愛媛・鈴木のブロックに阻まれてしまいます。
13分同じく中央で前川が受けると、左へ流れる姿勢を見せつつドリブルで前進したのち右へと展開、受けた中山のエリア内右へのスルーパスに六平が走り込んでマイナスのクロス。
これを中央で前川が合わせにいくも、愛媛・茂木に倒されて撃てず。
副砲をちらつかせつつの主砲による攻撃と、両サイドを意識させての攻撃で決定機を作っていったこの時間帯の北九州。

その後愛媛も攻撃機会を増やし、お互いが好機を作っていく好試合とも取れる様相に。
そんな中ともにCKも量産していきますが、目立ったのがともに変化を付けてのフィニッシュ。
17分に左CKを得た愛媛は、キッカー矢田のショートコーナーを受けた茂木がそのまま左サイドからシュートを狙い。(GK吉丸キャッチ)
19分に今度は北九州の右CK、針谷のショートコーナーを受けた前川は少し溜めてエリア内へスルーパスを送り、奥に走り込んだ針谷がシュートかクロスか判別し辛い低いボールを入れるもGK徳重に防がれ。

お互い小手先の変化をぶつけ合った末に、ペースを掴んだのは北九州。
今度は中盤からの長いパスにより組み立てを見せ、目線を変えるのに成功した、といった攻撃を展開します。
23分、右から藤川が左サイドへミドルパスを送り、受けた永田がディフェンスに遭うも左CKを得。
ここでキッカーを針谷→中山へと変更した北九州、その中山のクロスをファーサイドで藤川が収め、そのままシュートするもGK徳重のセーブに阻まれます。
31分には最終ラインでの組み立てから、右で受けた藤谷がドリブルののち手前からクロスを送ると、ファーサイドでマークを外した高澤が合わせヘディングシュート。
しかしミートに失敗したのか、放たれたシュートはゴール右へと逸れて逃してしまった高澤。

ともにカードを切る事を躊躇ったまま試合は進んでいき、30分に先に北九州が選手交代。
中山→佐藤亮へ交代すると、32分に愛媛も最初のカードを切り。
佐々木→佐藤諒に交代と、両チームとも「さとうりょう」がピッチ上に登場する珍妙な流れとなりました。

35分の愛媛、パスワークで左サイド奥を突いて高木がクロスを入れると、ブロックに入った北九州・藤谷がハンドを犯してしまい再びエリアからすぐ側のFKに。
今度は角度の無い所からとあり、クロスを選択するかと思われた所で、キッカー茂木は第3の選択肢の横パス。
これをダイレクトで佐藤諒がシュートするも、枠を捉えられず。

交代選手の佐藤諒がフィニッシュを撃つシーンを作ると、北九州は38分に高澤→上形へと交代。
するとこちらも佐藤亮の右サイドからのミドルパスを中央で収めた上形、エリア内へ進入してシュートを撃たんというシーンに。
しかし愛媛・鈴木のチャージに阻まれ、倒れるも反則無く終わってしまいました。

終盤を迎え、戦術云々よりも勝利への執念が先に立つという絵図となり。
愛媛がその通りに先に押し込み、左サイド奥でのボールキープで相手の反則を誘発してFKを得ます。
するとベンチは3枚替えを敢行し、茂木・矢田・高木→行友・前田・内田へと交代。(44分)
行友は特別指定選手ながら、過去2試合途中出場で2ゴールという運気を持った選手であり、この土壇場での先制点が期待されての投入となり。
しかし同時に投入された内田がキッカーを務めてのセットプレー攻勢の方が目立つ事となりました。

結局CKから、大城のヘディングシュートが枠外になった所で愛媛の攻撃は打ち止め。
突入したアディショナルタイム、北九州が最後の攻勢に。
右サイドで攻撃に絡む藤川、ドリブルを経てエリア内右からシュートを放つもブロックに阻まれ。
CKを挟んだのち、さらに藤川が右で佐藤亮のスルーパスに走り込みクロス気味にシュートを放つ(GK徳重セーブ)など、右でも左でも関係無しに盛んにゴールを狙う藤川。
その意識が奏功して愛媛を押し込んだものの、やはり時間が足りず、先制点は生まれる事はありませんでした。

そしてスコアレスのまま試合終了の笛が吹かれ。
ともに勝ち点1を分け合った事で、昇格に相応しいクラブかどうかの審判が下されるのは先送りに、といった結果になったでしょうか。

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DAZN観戦 2022年ACL グループI第2節 広州足球倶楽部(広州FC)vs川崎フロンターレ

2022-04-20 16:02:17 | サッカー視聴記(2022年その他)

<広州スタメン> 4-1-2-3
GK ヘーリーパン
RSB ファンルイウェイ CB フェンイーファン CB ペンジアハオ LSB ワンティアンキン
DH チェンジェンフォン
IH ヤンシン IH スーティアンシ
RWG リージアハオ CF ファンカイジョウ LWG イエルンピョウ
<川崎スタメン> 4-1-2-3
GK チョンソンリョン
RSB 瀬古 CB 塚川 CB 車屋 LSB 松井
DH 小塚
IH 脇坂 IH チャナティップ
RWG 小林 CF 知念 LWG 宮城
※選手の表記はyahooのページに準拠しています

※前回のACLの記事-川崎vs蔚山

前年に引き続き、リザーブチームをACLの舞台に送る事となった中国のクラブ。
しかし今回は国政の事情(とはいってもウィルス対策が根底)故の事、という違いがあり、グループJの上海海港は出場辞退にまで至っています。
出場権を得ても、出場するのに意味があるのかどうかという思考をまず巡らせなければならない、という苦慮。

ともかく初戦で引き分けた事で、相手にどんな事情があれど手加減は許されない状況の川崎。
とはいっても中2日続きの日程もあり、こうした力の劣る相手には大胆なターンオーバーは必須。
そうして川崎が採った選択は、GK以外のスタメン全員入れ替えというものでした。

広州は初戦のジョホール・ダルル・タクジムFC(以下JDT)戦では退場者を出した上に、その一発レッドを喰らったグァンハオジンが、クラブから即解雇を言い渡されるという一悶着があり。
そのためか普段採っている3バックのシステムから変更し、4-1-2-3のフォーメーションと、川崎と同一のもので挑みました。
いきなりの前半1分に、センターフォワードのファンカイジョウがロングパスで裏抜けを図る攻撃。
しかしそれを防がれると、以降は前評判の通りに川崎がペースを握り続ける展開となりました。

前半3分に最初のコーナーキックを得てCK攻勢に入り、2本目の右CKからキッカー脇坂のクロスをファーサイドで収めた小林がシュート。(ブロック)
直後の5分にも、敵陣で知念が相手からボールをこぼした所をチャナティップがすかさず裏へ送り、走り込んで受けた小林がエリア内右へ進入。
そしてカットインの姿勢からシュート(GKヘーリーパンキャッチ)と、盛んにフィニッシュを放つ小林。

しかし序盤に結果を出したのは小林以外の選手でした。
7分に3本目のCKを得ると、キッカー脇坂のクロスを中央で知念が合わせヘディングシュート。
ニアサイドでの潰れに釣られてしまった広州ディフェンス、慌ててGKヘーリーパンが跳び出すも間に合わず、ゴールネットを揺らし。
先制に成功すると、堰を切ったかのようにゴールラッシュの流れとなります。

11分に広州がやり返し、左サイドで受けたイエルンピョウが遠目からシュートを放つも枠外に。
苦し紛れという距離のあったシュートだったものの、結果的にこれがこの日唯一のシュートとなった広州。
直後の12分に返す刀を受け、車屋のエリア内左へのロングパスに宮城が走り込み、ラインギリギリの所でダイレクトでクロス。
これをニアサイドで再び知念が、今度は足で合わせてシュートを放ち、ネットに突き刺して追加点。
尚も攻め立てる川崎、14分に再び裏へのロングパスでエリア内を突き、走り込んだ脇坂が左からマイナスのクロス。
ニアサイドで受けたチャナティップは一旦クロスを選択するもブロックされ、こぼれ球をシュートしましたがGKヘーリーパンがセーブ。
しかし尚も拾った知念が右へ横パスを送り、小林がシュートを放つも広州・ワンティアンキンのブロックに阻まれ。
必死で守った広州でしたが右CKになると、キッカー脇坂ファーにクロス→小林落とす→車屋ボレーシュートという流れる攻撃は止められず。
はや3点リードを得た川崎。

広州ディフェンスは4-5-1のブロックで構えるも、2列目を裏へのパスでスキップされて崩されるといったピンチの招き方を頻発させてしまった格好。
ここら辺は、やはり普段5バックで守る(であろう)チームだと思わされました。
そんな苦悩を余所に川崎の攻撃は止まず、19分には瀬古が倒されてフリーキックを得ると、そこからの攻撃でさらに瀬古が反則を受け。
今度はエリア内という事でPKとなり、4点目を取るべくキッカーを務めたのは小林。
しかしゴール左へ放ったシュートはGKヘーリーパンにセーブされ、跳ね返りを自ら詰めてゴールしたものの、楽勝ムードの渦中という事もありスッキリしない得点となってしまいました。
その後もCKから知念がヘディングシュート(28分)、エリア内へのロングパスに小林が走り込んでシュート(29分)と攻め続けるも、GKヘーリーパンのセーブに阻まれ。
4点リードのまま飲水タイムが挟まれます。

再開後、ボール支配するもフィニッシュに結び付かない時間が長くなり。
緩み感が漂い始める所で39分、敵陣で瀬古のボールカットからの攻撃、右サイドで繋いだのち小塚が中央へ流れ縦パス。
知念のフリックを挟んでエリア内の小林に渡り、シュートを放ちましたが左ゴールポストを直撃、しかし広州ボールをチャナティップが奪い返して継続。
エリア内での攻防を経て宮城が左からシュートを放ち、またもゴールポストに当たるも、今度はしっかりと小林が詰めてゴールネットを揺らし。
5点目を奪った川崎。
その後はスタミナ節約モードに移ったかそれとも上記の緩みの影響か、広州に攻撃を許す場面が目立ちましたが、0-5のまま前半を終えます。

前半だけでシュートは1対17と、誰が見ても優劣は明らかだった試合展開。
ハーフタイムに2枚替えを行った川崎、経験を積ませるべく五十嵐と田邉を投入します。(知念・松井と交代、小林がCFに回る)

一方の広州も同様に2枚替え、ファンカイジョウ・ファンルイウェイ→グオシューアイ・チェンクンに交代して後半に臨み。
そして後半2分、ゴールキックから短く繋いで組み立てる広州、川崎のプレッシングを掻い潜って左サイドで前進。
スルーパスを受けたグオシューアイがオフサイドとなり実らずも、一矢報いるという雰囲気は感じられた攻撃を見せました。

しかしそれを実らせるのはやはり良い守備あっての事であり、こちらの方面は決壊したまま。
5分の川崎の攻撃、敵陣でひたすらサイドを振るパスワークから、車屋のエリア内左への浮き球パスに走り込んだのは宮城。
トラップで中央方面へ流れたのちシュート、前に出たGKヘーリーパンの股を抜いてゴールネットが揺れ、6点目を奪います。

これで広州は得た自信も喪失したか、以降川崎の攻撃に対し、ウイングが最終ラインに降りてスペースを消すという守備ブロックが目立ち。
しかも確信を持っての5バックならまだしも、基本の4-5-1から相手の圧に屈して「降りてしまう」といった感じの守備で、時には両サイドとも降りて6バックに見えてしまう事もあり。
当然前線から規制は全く掛けられず、ほぼハーフコートマッチで川崎が攻撃を続けていく展開となります。
そんな中で川崎は13分にさらにカードを切り、脇坂→高井へと交代。
高井がセンターバックに入り小塚が中盤(脇坂の位置)に上がり、テストモードへと深入り。

以降は右ウイングを務める五十嵐の推進力を活かす、ないしは試すという立ち回りを見せる川崎。
14分に宮城の縦パスを中央で受けた五十嵐、そのままエリア内へ前進してシュートを放った(ブロック)のを皮切りに、様々な手でゴールに絡まんとします。
右サイドから奥へ進入してのクロス・エリア内でのカットインなど、サイドアタッカーとして振る舞い好機を作る五十嵐でしたが、中々結果に繋げられず時間は進んでいき。
迎えた18分、右ハーフレーンでボールを持った五十嵐、今度はエリア内へのスルーパスを選択。
すると後方から走り込んで受けたのは塚川で、右奥からのマイナスのクロスをニアサイドで小林が合わせたものの、ジャストミート出来ずに右ゴールポストに当ててしまいゴールならず。

直後に飲水タイムが挟まれて仕切り直し。(広州はリージアハオ・イエルンピョウ→イーグオチェン・シャディールシハケジャンに交代)
こんな早期に飲水タイムかと思わされましたが、その後30分にも採られ、東南アジア(マレーシア)の暑さを考慮して後半で2度(試合全体で3度)挟む措置を採ったようでした。
20分には広州・スーティアンシが塚川に腕でチャージされて倒れ込むなど、試合前に懸念されていたラフプレーの具合でも川崎に上回られるといったシーンに苦笑しつつも試合は進んでいき。

そして24分、最終ラインからのパスを降りて受けたチャナティップに見せ場が。
瀬古の縦パスがカットされたこぼれ球を拾ったチャナティップ、そのまま中央をドリブルで突き進みエリア内へ進入。
そしてシュートをゴール左へと突き刺し、7点目を奪います。
加入後リーグ戦では警告を貰う場面ばかりが目立ち、乗り切れていないという印象だったチャナティップ、この一撃で上昇機運に乗れるかどうか。

この得点後に小林が退き、遠野を投入した川崎。
尚もペースは変わらず、続く25分には左サイドから田邉がドリブルで切り込み、クロスがブロックされて左CKに。
キッカー遠野はファーサイドへのクロス、流れた所をエリア内で拾った宮城から再度クロスが上がると、五十嵐のフリックを経て奥で車屋が足で合わせシュート。
ゴールに突き刺さりこれで8点目、車屋自身も2試合で3ゴールという量産体制となりました。

散発的に広州も反撃機会を得ていたものの、前へとベクトルを向ければ、その分奪われた時の逆襲で人数不足になるというジレンマ。
川崎のパスワーク・ボールキープに対し、数的優位を作れなければ防げないというのが全体の雑感であり、やはり力量差は明らかでした。

その後27分に遠野がエリア内から強烈なシュートを放つもGKヘーリーパンがセーブ。
34分には中央からの直接FK、キッカー小塚が直接シュートを放つもゴール上へと外れ、という具合に川崎のフィニッシュは続けられ。

ひたすら川崎の攻撃を受け続ける広州、終盤になって疲労が色濃くなり完全に攻める余裕は失われ。
とはいっても川崎も疲労の色は隠せず、崩しの鋭さを失った所でフィニッシュは止み(40分の遠野のシュートが最後)、後は残された時間を消化するのみといった展開に。
最後に広州が意地で攻め上がり、アディショナルタイムにしてこの日初となるCKを得たのが見せ場だったでしょうか。
その後カウンターを喰らいかかり、チャナティップのドリブルをスライディングで止めて反則を受けたスーティアンシが警告を貰って締められてしまいましたが。

結局0-8で試合終了の笛が吹かれ、川崎が得失点差を大量に稼いだ一戦となり。
一方ライバルと謳われていた蔚山は2節でまさかの敗戦となり、2戦全勝となったJDTが3・4節で川崎と対戦。
この連戦が一つのヤマとなるのは明白であり、相手を上回る成績を残せるかどうか。

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DAZN観戦 2022年J2リーグ第10節 FC町田ゼルビアvsモンテディオ山形

2022-04-19 18:26:58 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の町田の記事はこちら(3節・金沢戦、2-1)
※前回の山形の記事はこちら(6節・ヴェルディ戦、3-3)

<前節からの変更>

町田=安井・太田に代えて長谷川アーリアジャスール山口を入れる。前線の位置も変え、平戸は前節の左サイドハーフから右SHへ移り、山口が左SH、長谷川アーリアがセカンドトップを務める。一方こちらも左右の位置が入れ替わりがちなサイドバックは、前節と同じ翁長が右・奥山が左でスタート。

山形=大勝した前節の流れを引き継ぐように11人不動のスタメン、さらにベンチメンバーも全く入れ替えは無し。

スタメン

前評判通りに横浜FCが絶対的首位の座を射止め、それを追い掛ける各クラブ、という構図になっているJ2リーグ。
その一番手として2位に着けている町田。
日程が進むにつれてドゥドゥや三鬼など離脱者が膨らみ、層の薄さという弱点が露呈しやしないかと不安になったりもしますが、成績的には順風であり。
この日は攻撃力に特化した山形をホームに迎えての一戦。
パスワークに長じた相手の攻撃を、持ち前の強度で跳ね返しつつリズムを乱し、そのうえで攻勢を掛けるというパターンに持ち込めるかどうか。

入りの攻防を経ての前半5分に山口が左ハーフレーンをドリブル、そのままエリア手前からシュート(ゴール左へ外れる)と、最初の矢を放った町田。
その後も敵陣でのボール奪取を、佐野のインターセプト能力を中心に冴え渡らせて主導権を握る事に成功します。

ファーストシュートを見せたのち、以降約10分にも渡って攻撃機会を独占する町田。
その頂点に位置するのがヴィニシウス・アラウージョであり、説明不要の前年まで山形のストライカーとして名を馳せた助っ人選手。
初の古巣対決となったこの日、得意のポストワークを見せつつも、主に中央で張って山形ディフェンスに脅威を与える役回りが中心となります。

そんな恐怖と戦いながらの試合となった山形。
17分に藤田の敵陣でのボールカットからアタッキングサードで展開、何度もエリア内を突くパスを送り、跳ね返され続けるもキープし続け。
エリア内右でキープする藤本の戻しから、攻撃の火付け役となった藤田がシュートするも枠外に。
やり返したいという意欲を見せた攻撃でしたが、ペースまで剥ぎ取る事は出来ず。
その後も町田が山形ゴールを脅かし続ける展開となります。

21分、高江の縦パスを受けた平戸からラストパスがヴィニシウスに出され、ペナルティアークからダイレクトでシュートを放つもGK後藤がセーブしてコーナーに。
続く左CK、クロスがクリアされたこぼれ球を高江がダイレクトでエリア内へ縦パス、翁長のスルーを経て受けた高橋がシュート。
これがブロックに入った山形・半田の腕に当たり、町田選手が一斉にハンドのアピールをするも流されてしまいます。
当然の如く、ピッチサイドのランコ・ポポヴィッチ監督からも激しいクレームが放たれる事態となり、これが常態化する事となったこの日の試合。(ちなみにポポヴィッチ監督は8節・千葉戦で警告を受けている)

しかしそれをパワーに変える事に成功したのか、25分にはクリアボールを自陣で収めたヴィニシウスから左サイドで攻撃、中央へ展開したのち長谷川アーリアのスルーパスを受けた平戸がエリア内右を突いてシュート。
これもGK後藤がセーブすると、ゴールバー上部を掠めてアウトし再び左CKに。
キッカー平戸はショートコーナー、山口のリターンから後方に戻し、受けた高江のミドルパスで角度を変えてエリア内を突く選択。
クリアされるもすかさず平戸がダイレクトで折り返し、これも跳ね返されますが自ら拾った平戸、カットインを経てシュートを放ち。
見事にゴール左上を捉え、自身のプレースキックを自分自身で締める攻撃で先制点を齎した平戸。

一方押され気味の流れでそのまま失点した山形。
反撃を試みますが、攻撃の軸となるべき山田康太が、ボールに触る機会が極端に少なく。
それだけ町田の対策がしっかりしているという事でしょうが、それ故に少ない攻撃機会も中々活かす事が出来ません。
そうこうしているうちに31分の町田がGK福井のパントキックで攻撃開始、クリアボールを拾った平戸から組み立て、山口のスルーパスに平戸が走り込んで左サイドからマイナスのクロス。
ニアサイドでアーリアがシュートと、得点期待値の高い「グラウンダーでマイナスのクロス→ニアサイドで合わせる」という攻撃を見せたものの、シュートは枠外で2点目はならず。

依然としてペースを掴めない山形、36分に業を煮やしたように自陣右サイドで山田康がボール奪取、藤田のリターンを受けて自ら前進。
そして逆サイドへロングパスを送る(チアゴ・アウベスには渡らずクリアされる)という強引な攻撃を展開し、これが切欠となったか攻撃機会を得れるようになります。
その後山田康は主に左サイドで攻撃に拘わり、チアゴとの関係性で前進を図るシーンを作るも、フィニッシュまでは辿り着けず。
39分チアゴのスルーパスに抜け出すタイミングが合わなかった山田康、44分には逆にスルーパスをチアゴに送り、エリア内で受けたチアゴが切り返しからクロス。
しかし結局シュートに繋がらず終わると、藤本がチアゴに対しダイレクトで上げるよう要求するシーンが見られるなど、チアゴの能力をどう還元させるかという苦心が感じられた山形。
結局1-0のまま前半を終えます。

前半シュート僅か1本に終わった山形の巻き返しが期待された後半。(ともにハーフタイムでの交代は無し)
立ち上がりから前半終盤の流れを踏襲し、同点に追い付くべく攻め上がります。
後半3分、町田GK福井のフィードをカットしたチアゴ、藤田のスルーパスをエリア内で受けるもディフェンスに囲まれて撃てず。
しかしチアゴに続くべく、尚も主導権を握る山形。
迎えた6分、右サイドでのパスワークの前進にチアゴが加わり、縦パスを受けるもディフェンスに遭いこぼれ。
しかし藤田が中央へ繋ぎ、南が鈴木のポストプレイを挟んでエリア手前からシュート。(枠外)

後半最初のシュートを良い流れで放ち、意気も軒昂といった山形でしたが、直後の7分にはGK後藤のパスミスから危機を招き。(シュートには繋がらず)
そのまま町田が攻撃権を握る展開へと突入し、それを遮断するかのように山形ベンチが11分に動き、鈴木→デラトーレへと交代します。

デビュー戦となった前節(秋田戦・5-1)で2ゴールを挙げたデラトーレ、この日も救世主的存在になるべく投入され。
山田康・チアゴ含め、役者が揃ったという感じの山形。
16分にはそのチアゴが左サイドの突破からカットインで中央へ、藤本へのパスがこぼされた所を山田康がミドルシュート、しかしGK福井がキャッチ。

それでも寄せが速く強度の高い町田ディフェンスを受け、攻撃権を握るまでには至らない山形。
22分にさらにカードを切り、藤田・チアゴ→小西・河合へと2枚替え。
攻撃の軸となっていたチアゴと、滅多に浅い時間に代わる事の無い藤田を退かせ、目線を変えんとします。
しかしその直後の24分の町田、翁長の反則気味のボール奪取からカウンターを仕掛け、左サイドへのスルーパスに走り込んだ山口がさらにエリア内へスルーパス。
走り込んだヴィニシウスがエリア内右奥からシュートし、GK後藤がキャッチするも、前掛かり故の恐怖とも戦わなければならない展開に。

25分に町田もカードを切り、ヴィニシウス・長谷川アーリア→中島・太田へと2枚替え。(平戸がセカンドトップへシフト)
その後双方攻め合うも、26分の山形・河合のシュート(GK福井キャッチ)以降はフィニッシュが生まれず、時間が進んでいきます。
球際の激しさも増していき、同時に町田・ポポヴィッチ監督のボイスも響き渡り。

そして迎えた35分、自陣左からの素早いスローインを受けた山田康がドリブル開始し、ポポヴィッチ監督が「(スローインの)ポイントが違う」と異議を唱えるのを尻目に敵陣に突き進む山田康。
そのままアタッキングサードに進入し、町田・深津のアタックを内側にかわしてカットインの体勢に入り、エリア手前中央でシュート。
ゴール左へと突き刺さり、一人で攻撃を完結させるという具合に、前半のフラストレーション(?)を見事に吹き飛ばしました。

同点に追い付き意気上がる山形、ベンチもその状態を維持したいと感じたのか、余っていた交代枠は結局使う事は無く。
40分には立役者の山田康が町田のロングパスをブロックして攻撃開始、受け直した山田康がエリア内へ縦パスを試みるもブロックされると、ひたすら右からクロスを入れる攻撃を繰り広げた山田康。
しかし勢いは見せたものの、それ以上シュートを放つ事はありませんでした。

何とか山形の圧力をいなした町田、試合終盤を迎えて再度ペースを握り。
42分に高卒新人の宇野を投入(山口と交代、セカンドトップに入り平戸が右SH・太田が左SHへシフト)と、若い力もチームに還元して攻め上がり。(45分には高江→安井に交代、宇野はボランチにシフト)

そして迎えたアディショナルタイム、佐野のカットから敵陣で攻撃を展開する町田、左から平戸のクロスがクリアされたのち逆の右サイドから深津がクロス。
ファーサイドで合わせにいった太田がこぼれ球を何とか繋ぎ、エリア内左から奥山がクロスと見せかけてのシュート。
GK後藤がセーブするも右CKで攻撃継続、キッカー平戸のクロスをGK後藤がパンチングするも、拾った安井がGK不在のゴールへシュート。
ループの軌道でゴールへ向かったボールは、寸前で山形・野田が頭でブロックと、惜しくも勝ち越しはならなかった町田。

結局1-1で試合終了、勝ち点1を分け合う事となり。
3戦未勝利という足踏みを強いられた町田の方が、今季は結果重視の趣が強いと思われるだけに痛手となった感の引き分けとなりました。
逆に山形は前年数少なかった、ビハインドの展開を後半に追い付いて勝ち点を得る試合を作れたのが高評価、といった所でしょうか。

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DAZN観戦 2022年J2リーグ第10節 ツエーゲン金沢vsヴァンフォーレ甲府

2022-04-18 16:05:43 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の金沢の記事はこちら(6節・長崎戦、1-0)
※前回の甲府の記事はこちら(4節・山形戦、1-1)

<前節からの変更>

金沢=センターバックの片割れでベテランの廣井が外れる。松本大輔不在のなか穴埋めを務めたのは本来右サイドバックの松田で、空いた右SBには毛利が5節以来のスタメン。また前節ボランチに入った力安に代わり、本来レギュラーの松本大弥が復帰。

甲府=前節勝利(大宮戦・3-1)の流れを受け、スタメンは11人とも不動。ベンチメンバーを飯島・大和→宮崎・石川と入れ替えたのみで、布陣を安定させて挑む。

スタメン

5戦無敗(3勝2分)と好循環を得ている金沢。
フォーメーションもいつでも4-4-2で安定……と思いきや、yahooの速報ページでは表記の揺れが見られ。
ダイヤモンド型4-4-2(4-3-1-2)や、サイドハーフを中央に絞らせた4-2-2-2といった形で表現されていますが、恐らくは流れの中で嶋田が頻繁に中に絞る~逆サイドに張り出すために起こっている現象でしょうか。
つまり大筋の基本形は変わり無い、と解釈しております。(しかし表記揺れが起こった試合は勝てていない……)
むしろこの日は、CBに松田が入るというイレギュラーな形の方が心配に映り。

その立ち上がり、金沢の攻撃は豊田へのロングボールを中心とした平常運行。
そんな立ち回りを相手に見せたのちの、前半6分でした。
最終ラインでの繋ぎから庄司が縦パスでスイッチを入れると、中央で受けた嶋田のスルーパスを、足下で受けた林が右へ流れてエリア手前からシュート。
ゴール左へと突き刺さり、縦に速い中央突破での攻撃を完結させたその様はまさに電光石火というべきでしょうか。
好調ぶりを先制点に繋げた金沢。

尚も8分、庄司が裏へのロングパスで林を走らせ、右サイドで受けた林がカットインでエリア内右を突いてから戻し。
受けた嶋田がヒールパスで戻すと、後方から松本大弥がミドルシュート(ブロック)と甲府ディフェンスを掻き回し。
この日左SHでスタメンの嶋田が、中央~右サイドでプレーしての崩しは効果覿面かと思われましたが、この好機は林が抜け出した際に追走しようとした甲府・北谷が足を痛めた事に拠るものといった印象でした。
倒れ込んで続行不可能となってしまった北谷、担架で運ばれて交代となります。(小林と交代、小林は左ウイングバックに入り須貝が右CB・野澤陸が左CBに)

早くもアクシデントに見舞われた甲府。
その後10分から金沢のコーナーキック攻勢も受け、リードを奪われた上に押し込まれる展開を強いられる。
そんな予感が過る立ち上がりとなりますが、持ち味のポゼッションサッカーでその不安を振り払います。
最終ラインからじっくりとボールを繋ぎつつ、選手の流動性を高めて好機を伺う立ち回りで、金沢ペースの雰囲気を変えに掛かり。
早期にポジションシフトを強いられた須貝も、以降は右サイドで盛んなオーバーラップを見せて好機に絡みます。

そして16分、中央→右への繋ぎを経て、降りて受けた鳥海がサイドを変えつつのドリブルで金沢ディフェンスをスライドさせつつ前進。
一旦手放したのち野澤陸のスルーパスを左サイドで受けた鳥海、そのままカットインでエリア内を突いてシュート。
GK白井がセーブするも、拾ったウィリアン・リラがすかさずシュートしてゴールネットを揺らし。

こうして早々に同点に追い付いた甲府は18分、浦上のロングパスを右サイドで受けた関口がドリブルでエリア内右を突き、スライディングしながらのシュート。(GK白井セーブ)
完全にペースを握った事を示すと、迎えた22分でした。
敵陣左サイドでの奪い合いを制した甲府、そのまま左サイドでの繋ぎを経て、鳥海が中央からミドルシュート。
ブロックされるも右サイドで須貝が拾って継続、関口のエリア内右への浮き球のスルーパスに走り込んで受けた須貝、金沢・松田のアタックを受けつつもキープしてシュート。
ゴールネットを揺らし、一気に逆転を果たした甲府。

反撃したい金沢ですが、甲府にボールもペースも握られている状況では厳しく。
26分にはクリアボールが豊田に繋がるも、前進しようとした豊田が足を取られてボールロストするなど、運気が巡っていないようなシーンも見られます。

そんな流れで迎えた29分、再び甲府がポゼッションを高めての攻撃。
右サイドでエリア内を突くも一旦最終ラインまで戻され、やり直して左からの攻撃を仕掛けると、野澤陸がドリブルで持ち運び中央へパス。
受けたリラがペナルティアークで反転しつつのシュートを放ち、ブロックされて左CKに。
キッカー長谷川はファーサイド大外へのクロスを選択し、高いボールをエリア外で収めた山田が、エリア内右角から再度クロス。
浦上が折り返したボールを鳥海がボレーシュート、三度ゴールネットを揺らして追加点。
あっという間の3得点で、一気に金沢ホーム(石川県西部緑地公園陸上競技場)の雰囲気を突き落としました。

先制点を取ったはずが一転、窮地に追い込まれた金沢。
その混乱ぶりは相当だったようで、33分には自陣でボールを受けた藤村が、棒立ちのまま甲府・長谷川のプレスを受けて奪われてしまうというシーンにも現れ。
何とか気を取り直した金沢、反撃を試みロングボール攻勢、豊田を狙うボール・林を走らせるボールを使い分け。
前半の終わり際にはサイドハーフのポジションを入れ替える(右に嶋田・左に平松となる)など、苦心を巡らせますがゴールには辿り着けません。

すると終盤の45分に再度甲府の好機、右サイドからの攻撃で山田がエリア内右へスルーパスを送り、走り込んだリラからマイナスのクロスが中央へ。
山田が合わせにいくもディフェンスに遭い混戦となり、こぼれ球を山田がシュートするもブロックされた末に、GK白井が抑え。
何とか4点目は防いだ金沢ですが、2点差のまま前半終了となります。

ハーフタイムを経て、交代は無かったものの、サイドハーフの位置を元に戻して臨んだ金沢。(嶋田が左・平松が右)
前半同様に最終ラインから繋がんとする甲府に対し、プレッシングを強めて攻撃権の独占を狙いにいきます。
その通りに甲府にパスミスを誘発させる流れとなるも、その最中の後半4分に決定機を迎えた甲府。
クリアボールを左サイドで収めたリラが溜めを作り、戻し→サイドチェンジを経て右で攻撃、関口のエリア内へのスルーパスに走り込んだ須貝からマイナスのクロス。
ニアサイドで長谷川が合わせて4点目か、と思われたシュートはゴールバーを叩いて上へと外れてしまいました。
またもエリア内のハーフレーンを突かれてのピンチに、命拾いしたといった印象の金沢。

しかしこの場面以外ではしっかりと相手のビルドアップのミスを誘い、反撃体制を整えます。
7分にはパスミスを拾った松本大弥から、縦パス→林ポストプレイ→豊田ダイレクトパス→平松と渡り、平松がミドルシュートを放つもGK河田がキャッチ。
着実に好循環を得ていき、迎えた12分。
敵陣右サイドでカットした藤村がすかさず中央へ縦パス、細かい繋ぎを経て嶋田からエリア内左へとスルーパス、走り込んだ長峰がクロス。
ファーサイドに上がったボールを捉えたのは豊田で、ヘディングシュートをネットに突き刺し。
1点差に迫り、反撃の狼煙を上げた金沢。

尚も押しまくり、左サイドから長峰が何度もスルーパスを送り、林を走らせる攻撃を展開。
こうして甲府に防戦を強いる事に成功しましたが、それは同時に甲府に5-4-1のブロックで構えられる事も意味します。
つまりはそこからの崩しを果たさなければ、同点に追い付く事は出来ない。

それを果たすべく21分にベンチが動き、3枚替えを敢行した柳下正明監督。
林・豊田・平松→大谷・杉浦恭平・大石へと交代します。
同時に甲府も、鳥海とリラに代えて宮崎とブルーノ・パライバに交代。

前線の選手を複数取り替える策を採ってきた両チーム。
24分の金沢、左への展開ののち再び長峰がスルーパスを送る攻撃、エリア内左へ走り込んだ大谷が奥からクロス気味のシュートを放つもGK河田がセーブ。
一方の甲府は宮崎のボールキープ力を交え、敵陣でパスワークを展開していく立ち回り。
そこから放たれるフィニッシュを、金沢は凌ぎつつの反撃。
今まではスルーパスの供給役だった長峰が、クロスを入れる役への移り変わりも見せ、同点を狙いにいきます。

そして29分に左CKを得ると、キッカー藤村のクロスが直接ゴールに向かい、パンチングで逃れようとしたGK河田の拳を掠めたボールがゴールに吸い込まれ。
同点かと思われたものの、合わせにいっていた大谷がキーパーチャージを取られてしまい残念ながら無効となります。

それでも諦めずに攻める金沢、32分に嶋田→小野原に、36分に毛利→力安に交代とカードを切っていき。
小野原はそのまま左SHに入るも、嶋田と同様中央に絞るシーンが多く、ボランチのようにも見え。
恐らくこれと嶋田の動きが合わさった事で、7節・熊本戦(2-2)のスタメンは4-3-1-2のように見えたのだと推測します。

それはさて置き、肝を冷やした甲府は以降GK河田のフィードが直接パライバや宮崎に収まり、彼らのキープ力で時間を作り。
その隙を突きたい金沢は、36分に甲府のCKを防いでのカウンターに持ち込み、GK白井のフィードを右サイドで受けた大谷のスルーパスに大石が走り込み。
そして大石から上がったクロスを、中央で杉浦恭が合わせヘディングシュートを放ちましたが、惜しくもゴール左へと逸れ。
逃げ切りを図る立ち回りを見せるも、隙を突かれる形を作ってしまう甲府、この辺りは前年からの体制変更の影響でしょうか。
それでも39分にはパライバがエリア内右からシュート(GK白井セーブ)を放つなど、金沢サイドに一定のプレッシャーを与えつつ時間は進んでいきます。(40分に甲府は長谷川・林田→三平・石川へと交代)

2-3のまま突入したアディショナルタイム、放り込みによる攻撃も交えながら最後の攻勢を掛ける金沢。
前線へのミドルパスがこぼれた所を小野原が拾い、ディフェンスに遭いながらも前へ運び、クリアされたボールを力安が拾い右サイドからクロスを入れる体勢へ。
力安から上がったクロスをファーサイドで松本大弥が折り返し、そして中央で小野原がシュート。
必死にフィニッシュに繋げたものの、甲府・野澤陸が頭でブロックして防ぎ、実る事は無く。
それでも攻めは止まず、最後に得たCKでGK白井も前線に上がるシーンにまで持ち込みます。
しかしこの左CKからのクロスはファーサイドの杉浦恭が折り返しに失敗、そして試合終了の笛が鳴り響き。
2-3で惜しくも敗戦となった金沢、前年もここまでは上位をキープ出来ていただけに、同じ轍を踏まずに調子を維持したい所でしょう。

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DAZN観戦 2022年ACL グループI第1節 川崎フロンターレvs蔚山現代FC

2022-04-17 16:01:35 | サッカー視聴記(2022年その他)

<川崎スタメン> 4-2-3-1
GK チョンソンリョン
RSB 山根 CB 山村 CB 谷口 LSB 佐々木
DH ジョアン・シミッチ DH 橘田
RSH 家長 CH 遠野 LSH マルシーニョ
FW レアンドロ・ダミアン
<蔚山スタメン> 4-4-2
GK チョヒョヌ
RSB キムテファン CB イムジョンウン CB キムヨングォン LSB ソルヨンウ
RSH 天野 DH イギュソン DH パクヨンウ LSH ヴァレリ・カザイシュヴィリ
FW オムウォンサン FW レオナルド
※表記はyahooのページに準拠しています

4月とはいえ、アジア地区(グループIはマレーシアで集中開催)はとてつもない暑さに見舞われ。
そんな中で行われるサッカーは、ペース配分にもウェイトを置かなければならないという苦しさが滲み出るものです。

迎えた初戦は川崎にとっていきなりの、前年敗退した相手である蔚山と対戦する事となる、つまりリベンジマッチとなりました。
蔚山のスタメンも、前年観た名前の選手が多数を占めている……と思いきや、ウォンドゥジェやユンビッガラムが離脱中らしくそのウェイトは思ったほど高くなく。
おまけに補強で加わった選手は、日本にとって馴染み深い名前。
マリノスからレンタルで加入した天野、2019年のJ2得点王であるレオナルド、前年までガンバのセンターバックだったキムヨングォン(金英權)の3人が加入。
今季もリーグ戦(Kリーグ)では無類の強さを発揮しているらしく、新たな力を得て日本のクラブに立ちはだかる、という印象となりました。

川崎は通常のフォーメーションである4-1-2-3から、直近のリーグ戦である8節・柏戦(1-0)でシフトした4-2-3-1を継続。
ドイスボランチシステムを採用し、今季中々置き所の無かったシミッチを起用して中盤の底を固めたのに手応えを得たようで。
一方の蔚山も、普段の天野をトップ下とした4-2-3-1をマイナーチェンジし、レオナルドとオムウォンサンの2トップである4-4-2へとシフト。
天野は右サイドハーフでスタートを切りました。

入りに川崎がコーナーキック攻勢に入るも、有効打が撃てずに蔚山ペースに移り変わり。
前半5分、左サイドでの攻撃に逆サイドから天野が加わりパスを受け、そのまま遠目からシュートを放つも枠外に。
このシーンをはじめ、ポジションは変わってもトップ下のような振る舞いで攻撃を流動化させていた天野。

それでも蔚山の基本は、前年の対戦時と同様のポゼッションスタイル。
暑さの影響もあり、敵陣深くに進入してもじっくりとパスを繋いで攻め直すシーンが数多見られました。
そして9分には自陣でのカットから、カウンター気味に敵陣に運んでオムウォンサンがミドルシュート(ゴール左へ外れる)という具合に、相手に隙があれば鋭く突くという展開。

後手を踏んだ感のある川崎も、16分には橘田のボール奪取からダミアン→マルシーニョと繋がり、中央からマルシーニョがミドルシュート。(GKチョヒョヌキャッチ)
リベンジを果たす意気込みが感じられた、という所で、蔚山はこの辺りから本来の4-2-3-1へと戻した感があり。
オムウォンサンが右サイドへと移り、天野はトップ下を務めつつ、守備時は4-4-2ブロックの最前線に張る役を務める事に。

好機はそこそこ作るも、様子見+暑さの影響でペースは中々上がらないといった序盤戦。
そこで生まれた先制点も、スローペースから一瞬の隙を突いたものでした。
21分、最終ラインでパスを回す蔚山、そこからパクヨンウが裏へとロングパスを送り。
走り込んだレオナルドが収めてそのままエリア内へ進入し、左へ流れたのちシュートを放つと、角度のついたグラウンダーのボールが右サイドネットに突き刺さり。
レオナルドのトラップがハンドという疑惑があったものの、覆る事は無く蔚山が先制点を奪いました。

その後反撃に出たい川崎ですが、ボールポゼッションで上回る蔚山の立ち回りにリズムを掴めず。
最終ラインの形を頻繁に変えるビルドアップで、ボックス型⇔丁の字型への変形は下より、FWのレオナルドまで最終ラインに降りる場面も見られるといった流動性。
暑さのせいもあり積極的なプレスにもいけず、そのまま30分に飲水タイムが採られます。

明けた直後の32分に好機を掴む川崎。
左サイドをマルシーニョがドリブルし中央へ横パス、そこから遠野→ダミアン→エリア内の家長へと繋ぎ、家長の横パスから山根が右からシュート。
しかしここもGKチョヒョヌがキャッチして防ぎます。
ようやくペースが出て来たか、以降も攻撃権を握る川崎ですが、ボールを握っての攻撃は巧くいかず。
シュートに持ち込めたのは敵陣で奪った時であり、巧くショートカウンターに繋げたい所でしたが、プレスの頻度自体が減りがちな試合の中では厳しいものがありました。

そして前半も終盤を迎えると、再度蔚山がボールを握る展開となり、カザイシュヴィリのボールキープ力を交えつつゲームをコントロールしていき。
44分にはそのカザイシュヴィリが、長いパスワークを経てキムテファンのスルーパスに走り込んでエリア内右からシュート。(GKチョンソンリョンキャッチ)
反撃の気勢を削がれた格好となった川崎、結局0-1のまま前半を終えます。

後半を迎え、川崎はフォーメーションを弄り本来のものに戻し。
<後半頭からの川崎> 4-1-2-3
GK チョンソンリョン
RSB 山根 CB 山村 CB 谷口 LSB 佐々木
DH シミッチ
IH 橘田 IH 遠野
RWG 家長 CF ダミアン LWG マルシーニョ
これで蔚山の目線を変えたか立ち上がりの後半1分に決定機、右サイドで家長を中心に組み立てる体勢に。
山根の縦パスがエリア内のダミアンに入り、こぼれるも拾った橘田がエリア内中央からシュート、しかしGKチョヒョヌにセーブされモノに出来ず。
敵陣で崩す体勢が出来たと思われましたが、6分には敵陣でシミッチがボールカットしてのショートカウンター。
こぼれ球をダミアン→遠野→家長と繋ぎ中央で前進、家長のダイレクトシュートが放たれるもGKチョヒョヌがキャッチ。
13分にはシミッチが自陣からロングパスを送り、エリア内左で受けたマルシーニョが中央へ流れ、浮き球をダミアンがシュートにいくもジャストミート出来ず。
組み立てとショートカウンター、そして中盤省略という三方を駆使してゴールに迫らんとします。

蔚山はその川崎の姿勢に押され気味となり、16分最初にカードを切る事に。
天野→イチョンヨンへと交代し、イチョンヨンは天野と同じポジションを務め。
直後に川崎のCKを挟み、川崎サイドも遠野→脇坂へと交代。
ともに中盤に実績ある選手を加えるベンチワーク。

その後も押し込む川崎ですが、ダミアンのバイシクルが遥か上空へと上がってしまったり、マルシーニョのドリブルが囲まれて奪われたりと個人技がやや空回りしていたかのようであり。
そこで24分に3枚替えを敢行した鬼木達監督、山村・橘田・マルシーニョ→車屋・知念・宮城へと交代します。(家長が右WG→左インサイドハーフにシフト)

25分に宮城が左からカットインし、中央で彼のパスを受けた家長がシュート。(ブロック)
26分にはフリーキックから右へ展開し、山根のクロスを知念が合わせヘディングシュート(枠外)と、交代選手が絡んで好機を作る川崎。
途中にダミアンがエリア内でバイシクルシュートにいくも、蔚山・キムテファンを蹴ってしまう冷や汗ものの反則となるシーン(ここでカードが出なかったのは運が良い)もありましたが、ようやく攻撃リズムが出て来たという印象でした。
劣勢の蔚山が30分に2枚替えを敢行(カザイシュヴィリ・イギュソン→ユンイルロク・コミョンジン)しても尚も攻め、ダミアンの落としを受けた宮城がエリア内左へ進入、右足で撃つと見せかけ切り返して左足でシュートするもブロックされ。
CKを得たという所で後半の飲水タイムが採られるという、日本ではほぼ見られない現象となったのには苦笑しましたが。

明けてからのCK攻勢でもモノに出来ず、進んでいく時間と暑さの前に焦燥感が漂いつつある川崎。
35分にダミアン→小林へと交代し、最後の攻勢に入る……と思われましたが、これを境に蔚山のペースへと移り変わり。
苦しい時間帯でもボールを大事にしつつ、川﨑のプレッシングを巧に剥がしてキープ。
そして出来たスペースをスルーパスで突くという立ち回りで、追加点を狙いつつ時間を使うという川崎にとって最も嫌な展開に持ち込みました。
しかしその蔚山も、レオナルドが足を攣らせてしまい交代を余儀なくされ。(パクチュヨンと交代、40分)

その後はしっかりとブロックを敷く蔚山に対し、川崎がその外側からどう崩すかという展開に。
しかし中々果たせずに時間が進み、とうとうアディショナルタイムを迎えます。(その中で小林・知念が2トップの4-4-2へとシフトしたっぽい)
度々いい形を作ってきた宮城を軸として、敵陣左サイドから彼がどう動くのか、という流れとなり。
そこでカットインやらエリア内左への浮き球パスやらと様々な手を尽くす宮城。

それでも得点はならず、何とか逆の右サイドで山根の手前からのクロスがクリアされた事でCKを得たのは皮肉というべきでしょうか。
何でも良いからチャンスが欲しい川崎にとっては僥倖に変わりなく、この右CK、キッカー脇坂のクロスの跳ね返りを宮城がボレーシュート。
散々左サイドを掻きまわしたご褒美のゴールか、と思われたシュートでしたがこれもGKチョヒョヌにセーブされ、続いて左CKに。
既にATも3分を過ぎ、蔚山にとっては後ひと踏ん張りという所で、今度は中央に上がったクロスを直接GKチョヒョヌが抑えにいき。
しかしこれをあろう事かファンブルしてしまい、こぼれ球をすかさず車屋がボレーシュート、ゴールネットに突き刺し。
土壇場で同点に追い付いた川崎、チョヒョヌは(知念の)キーパーチャージをアピールしたものの覆る事は無く。
正直その姿は見苦しいと感じましたが、ファインセーブから一転しての致命的なミスとあっては、その心情は複雑なものがあり責められず。

結局1-1で、引き分けに終わったこの試合。
前年グループリーグでは全勝だった川崎も、今季は戦力ダウンしている以上、この結果は仕方無いといった所でしょうか。

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