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DAZN観戦 2024年J2リーグ第27節 清水エスパルスvsヴァンフォーレ甲府

2024-08-19 16:00:27 | サッカー視聴記(J2)

※前回の清水の記事はこちら(25節・仙台戦、1-2)
※前回の甲府の記事はこちら(25節・群馬戦、1-0)

<清水スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 原は体調不良との事(放送席の談)でベンチ外に。
  • 高木がプロA契約を締結。

<甲府スタメン>

  • 水野がJ3・岩手へレンタル移籍となり、前節(藤枝戦、3-0)をもって登録抹消。

富士山ダービーという事で、熱狂する清水・甲府の各サポーター。(観衆は16,943人)
しかし清水のホーム(IAIスタジアム日本平)故に、甲府はアウェイの空気を跳ね除けるまでには至らず。
ちなみにこの試合で累計入場者800万人を達成したとの事で、ホームゲームの強さとも相成り、難攻不落にも思える状況に。
そんな空気のなかパンイチで選手入場の後に付いてきた甲府のマスコット・ヴァンくんのメンタルの強さよ

それをサッカーで跳ね返したい、という甲府。
その手段は前線からのプレッシングで、立ち上がりから果敢に清水のビルドアップを阻みにいくという、最近のスタイルに反する立ち回り。
特に古巣対戦となったヘナトのモチベーションは相当なもので、規制を掛けられつつも送られる清水最終ラインの縦パスを、前に出て悉くカットに成功。
前半4分にそのヘナトのパスカットから、拾った荒木を経由し中央でウタカに渡ると、宇野に倒されて反則。
この直接フリーキック、距離はあったもののヘナトが直接狙いにいき、ゴール上へ大きく外す結果になったものの意気込みの強さをひしひしと感じる絵図となりました。

そんな相手の立ち回りに度肝を抜く格好となった清水。
5分には中山のラフな裏へのロビングを、走り込む鳥海に対し住吉が防ぎにいくも、交錯しながら鳥海がボールキープに成功し反則の笛も鳴らず。
そのまま左ハーフレーンからカットインしてミドルシュート(GK権田キャッチ)と、精神的に優位なうちに仕留めに掛かる甲府。
そして10分に最大の決定機が訪れ、自陣で関口が反則を受けると、そのFKを素早くリスタートさせ直接裏へとロングパスを送る関口。(この際さらに北川に倒されるも流される)
絶妙な位置へ落ちたボールにウタカが走り込むと、前に出たGK権田に先んじて触ったウタカのループシュートがゴールへ向かい。
権田を抜いて完全に決まったと思われたこのフィニッシュに、必死に戻った高橋がスライディングで掻き出しに成功、間一髪で失点を防ぎます。
しかしプレーは継続し深めでのプレス脱出を強いられた清水に対しヘナトが縦パスをカット、そして鳥海を経由して中山が左からカットインを経てミドルシュート(GK権田キャッチ)と、同様のパターンで締められた攻撃。

ゴールは生まれずも明らかに甲府ペースという立ち上がり。
反撃したい清水は、17分に最終ラインのパスワークで徐々に押し込んだのち、宇野の前進を経て左サイド奥でカルリーニョスに持たせる絵図を生み出し。
そしてマイナス方向へのカットインからミドルシュートが放たれ、枠外となるもブロックを掠めたためコーナーキックに。
ここから3本も続いたCKののち、スローインを挟んで尚も2本CKが続くという長丁場のセットプレー攻勢に入ります。

甲府の攻めたいという気持ちをそらし、焦りを生むには十分な攻勢。
しかし5本目の右CKののちの二次攻撃で、左から乾がクロスを上げたその刹那、突如ピッチが真っ暗に。
照明トラブルなのは明らかで、数秒後に復帰・再点灯した際ボールは既にファーサイド奥に転がるという状況に。
これで甲府のドロップボールから再開となりましたが、乾ならびに清水サイドは恐らく「クロスののち誰も触っていなかったためこっちボールだろう」という異議を主審に向けたものの、徒労に終わる事となり。
結局流れが途切れてしまい、そのまま0-0で飲水タイムに入ります。

ショートカウンターに持ち込みたいのは明らかな甲府の立ち回り。
第2クォーターでもそれは継続され、27分にもヘナトが距離を詰めて宮本のパスをブロックし、拾った荒木がウタカへ向けた裏へのロングパス。
しかし精度を欠いて右側へと流れてしまい、ウタカが走って拾ったものの結局遅攻となってしまう状態に。(その後右からクロス→アダイウトン合わせるも北爪に防がれる)
ハイプレスに舵を切ったものの、以前の頃(篠田善之前監督の全盛期)からは迫力も精度も落ちるのはある意味当然といった所でしょうか。
しかし29分またも敵陣で鳥海がカットし、こぼれ球をヘナト1タッチで縦パス→ウタカポストプレイを経て、アダイウトンが左ワイドからのカットインでエリア内へ突撃。
そして高橋を剥がした末に放ったシュートが、住吉のブロックを掠めてゴールを襲いましたが、ゴールバーを直撃してしまい跳ね返り。
またも決定機を逃す形になってしまうと、以降尻すぼみを余儀なくされる事となります。

清水のターンとなると、最後方からの組み立てで、乾をはじめ流動的に動く前線の選手へと縦パスを通す攻めが冴え始め。
そして32分、ブラガが送った縦パスを北川のポストプレイで受け直し、左へ展開ののち乾を経由して奥から山原のクロス。
ニアで北川が跳んだその奥で、カルリーニョスが脚で合わせるという完璧な流れで放たれたフィニッシュがゴール右へと突き刺さります。
失点を防ぎ続けた末に待っていた、先制点に辿り着いた清水。

その後も相手に流れを渡さず、37分に縦パス攻勢で前進の末に宇野がミドルシュート。
ブロックを掠めて外れるもここからCKを2本続けるなど、リードした事で「甲府に焦りを生ませる」ミッションは概ね成功しつつあり。

何とか攻撃権を取り返した甲府ですが、その手法は縦に速い運びのみという感じに。
ビハインドとなった事で必然的に主体的な攻めをしなければならない状況となりますが、間を通す縦パスを成功させても、その後スルーパスかサイドへの展開と前へのベクトルしかない状態となります。
熊本や山口の得意手である、敵陣でパスを上下動させる事で清水ディフェンスの弱点(バックパスに喰い付いて裏を取られる)を誘発させられれば、もう少し展開は変わったかもしれませんが……。

結局3分あったアディショナルタイムも、清水がボールポゼッションを貫く時間が大半で終わり。
甲府は立ち上がりの優勢ぶりは雲散霧消……という展開を強いられ、1-0のまま終了となりました。

現場もそんな空気を敏感に感じ取ったか、ハーフタイムで2枚替えを敢行。
中山・ウタカ→木村・マクーラへと交代し、反撃の狼煙を上げに掛かります。

後半のキックオフ、という所で、左側のゴール(前半は清水ゴール)ネットの補修作業のため先延ばしに。
立て続けに起こる運営レベルでのトラブル、これに苛立ちを見せたのはキックオフする側の清水で、改めて笛が吹かれると蹴り出されたボールを乾がそのままロングシュート。
貯め込んだストレスを吐き出すような手段で、とりあえず空気を整えに掛かったという立ち回り。

これを抑えた甲府は早速ベクトルを反転させ、GK渋谷のロングフィードをマクーラがフリック、アダイウトンに渡ってアタッキングサードを突く攻撃と化した清水キックオフからの流れ。
しかし一旦パスワークを経て戻して作り直しとなると、(関口が)再度マクーラを狙ったロングボールを送り、これが事件へと発展する事に。
今度もフリックで繋いだマクーラ、競り合った高橋と激突するのを尻目にまたも受けたアダイウトンが、エリア内へ切り込む決定機が生まれます。
ところが生まれたのは得点では無く、GK権田が前に出て抑えた所を勢い余ってチャージしてしまったアダイウトン、たまらず反則を告げる笛が鳴り響き。
そして主審(窪田陽輔氏)がカードを突き出した所、その色が一発退場を示す赤だった事で一転して騒然となるピッチ上。
納得出来ないという態度を示すアダイウトンですが、それと同時に激突した高橋とマクーラの容態も案じられたためそれ所では無くなった清水ゴール前。
マクーラは無事だったものの、高橋は倒れたまま起き上がれず、そのまま交代の運びとなってしまい。
蓮川が投入される事となり、高橋は自力で何とか起き上がりピッチを去るもその足取りは覚束ないものに。
しかし判定に不服な甲府はそれに対し苛立ちを見せてしまった(恐らく思いやりの無い遅延行為をアピールしたと思われる)事で、大塚真司監督自身が警告を貰ってしまい(なお放送席は、ベンチの今津が貰ったと勘違い)、この騒動は集結となりました。

数的不利となった甲府は、以降も3バックを継続し、ヘナトをアンカーとした3-5-1(5-3-1)の布陣を選択。
後半9分にはヘナトが乾から反則気味にボール奪取し、そのまま右へ流れてドリブルで運ぶという強引な好機の作り方。
そして右スローインに移ると、ポケット付近に投げられたボールをマクーラが胸でフリックし、鳥海が狭い所をカットインで抜いて中央からシュート。(住吉がブロック)
一人一人がより頑張らないと、この苦境は跳ね返せないという好機の作り方。

しかし俄然優位な清水。
この日ベストなプレーを見せていた高橋の負傷交代も、代わって入った蓮川の持ち運び能力が10人の甲府を自陣に押し込むのにうってつけとなった事で怪我の功名に。
彼が左ハーフレーンを運び、甲府ディフェンスがそれに対応せんとするとカルリーニョスが手薄となるので、簡単に左サイドアタックが成立する状況を生み出します。

そして12分、CKでの好機から戻して作り直すと、右→左への対角線のロングパスがカルリーニョスに届けられて再度アタッキングサードを突き。
カットインで中央に流れて右ポケットへスルーパスを送ったカルリーニョス、走り込んだ北爪のクロスはブロックで防がれるも、再度送ったクロスが大外の乾に収まり今度は左ポケットから仕掛け。
忙しなくサイドを動かした末に、戻しを経て放たれた山原のシュートがGK渋谷にセーブされるも、跳ね返りを眼前でブラガが詰めてゴールに突き刺します。
位置的に山原の左足でのシュートはクロスともとれるもので、却って他選手が合わせに前に出る姿勢を誘発できたでしょうか。(手前では北川が合わせにいっていた)

これで2点差となり、その後も清水は14分にカルリーニョスが突破から低いクロス、ニアで北川が合わせる(枠外)という具合にストロングポイントを押し付け。
何とか前に出んとする甲府の裏を突くシーンも数多で、16分には縦パスをカットした山原から、逆に縦パス→乾受けてスルーパス→北川で完全に背後を取り。
そしてエリア内へ進入し、小さいループシュートでGK渋谷を抜いた北川ですが、右ゴールポストに当たりモノに出来ず。
2点目と同じく眼前に詰めたブラガも今度は合わせられずと、得点にはならずも甲府を委縮させるには十分な決定機。

一方の甲府は、15分に村上→武富へ交代した事で微調整。
関口を右サイドバックとした4-4-1の布陣へ代え、前への人数を保つ事で対抗姿勢を取りに掛かります。

しかし19分、ここまで奮闘してきたヘナトが、スライディングで守備をした所で足を攣らせてしまい。
普段以上に稼働していた感が強く、その分限界も早く訪れたという感じでした。
古巣の清水サポーターからの声援にも応えながら、ピッチを去ったヘナト。(今津と交代し、林田がボランチに回り穴埋め)

その後もカルリーニョスの突破力に難儀し、押し込まれる状態を打開できずに時間を消費していく甲府。
25分に地上での繋ぎで敵陣へ運ばんとするも、右ワイドで持った関口はアーリークロス気味のロングシュートを選択せざるを得ず。
ゴールバーを掠めるあわよくばの軌道となりましたが、手法という面では苦し紛れの域を出ないものであり。

25分に飲水タイムが挟まれ、第4クォーターとなってもやる事は限られる甲府。
その最初の好機(27分)では、敵陣でマクーラがボール奪取に成功し、拾った鳥海から受け直したマクーラがそのまま単騎突撃。
フェイントを混ぜながらエリア内へ進入し、その所為でスリップし転倒してしまうもそれでもキープを果たすマクーラ。
何とか林田へ横パスを繋げたものの、この個での奮闘もシュートには結び付きません。
その直後、後方でのパスミスを突かれて清水のカウンターとなり、カルリーニョスの中央突破からのスルーパスがエリア内へフリーで走り込む乾の下へ。
決定的なシュートが乾から放たれるも、ゴール左へ外れて何とか命拾いと、好循環を僅か一手でフイにされるという流れに。

直後に清水は2枚替え、宮本・カルリーニョス→中村・矢島へと交代。(ブラガが左サイドハーフに回る)
これにより前面に押し出していたカルリーニョスの突破力が無くなるも、矢島を加えてのパスワークが冴え渡る流れへと移行します。

それに対し甲府は何とかプレッシングで対抗せんとしますが、やはり1人少ないという状況を変えられず。
後方でも巧みにかわす清水、時にはボックス内でGK権田もパスワークに加わりながら、数的優位を活かしてプレス回避を果たしていきます。
40分にはGK権田から右へ展開した清水に対し、浮き球パスを受けにいった北爪に荒木が寄せてこぼさせるも、住吉に拾われた事で結局繋がれてしまい。
そして空いていたボランチから運ぶ清水、という具合に何処かに空きが出来る状態はどうにもならず。(その後敵陣でポゼッションによる攻めもシュートは撃てず)
41分に最後の交代を敢行、鳥海→内藤へと代えるも、既にベンチワークで変えられるというものでも無く。

一方清水の最後の交代は38分で、ブラガ・北川→吉田・ヤクブへと2枚替え。
吉田が左SBに入る事で、山原が左SHに回って最終布陣となります。

大きく展開が変わる事無く迎えた最終盤。
44分から長らく最後方でポゼッションを続ける清水、それに対し甲府も関口が前に出て吉田に規制を掛けるなど懸命に対抗しますが、無残な結末に終わり。
住吉ミドルパス→ヤクブ胸でフリックにより一気に裏を突かれ、抜け出した矢島がエリア手前まで持ち運んだ末にラストパス。
そして並走していたヤクブが仕上げのシュートを放ち、止めの3点目を齎しました。

突入したATも、最後の意地を見せんとする甲府を嘲笑うかのように、清水がその裏を突く展開に。
何度もヤクブが脅かさんとし、GK渋谷が前に出てそれを防ぐという際どい守備を強いられます。

そして試合終了の笛が鳴り、3-0で快勝という結果に辿り着いた清水。
群馬・甲府と、監督交代を経て未だ組織力がいささか不透明な相手での連勝であり、その本質は推し量れないものの首位キープしている事実は変わらず。
この日のように受けに回る事無く、流れを維持出来るサッカーを上位相手にも行えるかどうかがカギでしょうか。

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