<神戸スタメン> 4-2-3-1
GK 飯倉
RSB 酒井 CB 菊池 CB 槙野 LSB 小林
DH 山口 DH 大﨑
RSH 初瀬 CH アンドレス・イニエスタ LSH ボージャン・クルキッチ
FW 大迫
<京都スタメン> 4-1-2-3
GK 上福元
RSB 白井 CB 井上黎生人 CB 麻田 LSB 荻原
DH 川﨑
IH 福岡 IH 松田
RWG 宮吉 CF ピーター・ウタカ LWG 武富
毎年のようにホットな話題を振りまく神戸ですが、今季もそれは例外では無いようで。
ただし今回は負の要素が溢れ出ているといった感じですが。
既知の通り、代表ウィークを迎えた所で、依然勝利の無い神戸(ACLプレーオフでは勝利しましたが)は監督交代に踏み切り。
三浦淳寛氏に代わり、前年途中までJ3・今治の監督を務めていたリュイス・プラナグマ・ラモス氏(今季からヤングプレーヤーデベロップメントコーチに就任していた)が就任する事となりました。
前年のガンバと同様、サッカーの内容よりも結果を求める姿勢を強めた事のツケ(低迷する=チーム崩壊に直結する)が出たという感じで、経験豊富かつJリーグの経験もあるリュイス氏にチームの建て直しを一任するのまでは納得できる動き。
しかしそれで終わらなかったのがこのクラブの宿命でしょうか。
リュイス氏の肩書は暫定監督となっており、それに合わせてスポーツ・ダイレクターに就任したのが永井秀樹氏という事で、蜂の巣をつついたような騒ぎが起こる事となりました。
【トップチーム 体制変更のお知らせ】
— ヴィッセル神戸 (@visselkobe) March 21, 2022
リュイス ヤングプレイヤーデベロップメントコーチが監督を務め、暫定的に指揮をとります。
また、永井秀樹氏がスポーツダイレクターに就任することが決まりました。
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永井氏はご存じの通り、前年発覚したパワーハラスメント問題によりヴェルディの監督を辞任、それに伴い1年間のライセンス停止処分を受けている立場。
この人事を成立させた三木谷浩史氏はそれを周知しているようであり、にも拘らず強行したようでもあります。
外野の騒然とした声が大きくなる中、JFA会長・田嶋幸三氏や、先日チェアマンに就任した野々村芳和氏もパワハラをあたかも容認するかのようなコメントを残した事も火に油を注ぐ結果となり。
この人事の是非については今更語るまでも無いですが、個人的には、これから監督を務めるリュイス氏の心境が非常に気になる所です。
あくまで「暫定」の立場という事で、「永井氏の処分が解けたら、成績如何に拘わらずすぐさま(永井氏と)監督交代されるのでは無いか」という懸念は拭えず。
外野の憶測でしかない意見ですが、それを想像させるには十分な人事で、仮にそうでは無いとしてどうして実行したのかが不透明というレベルであり。
海外(スペイン)でも監督経験を重ねている指導者(リュイス氏)に対して、使い捨てるような扱いにも見て取れ、傍らから見てどうしても納得出来ないという結論に至ってしまいます。
前置きは長くなりましたが、こうした状況の中で、過去にパワハラ問題で監督辞任を経験した曺貴裁(チョウキジェ)氏率いる京都との対戦が組まれているのは運命の悪戯か。
「ダイヤモンド型4-4-2」というフォーメーション上の落とし所を長らく強いられるなど、非常に難しいチームの引継ぎを任されたリュイス氏。
これに加えてセルジ・サンペールや武藤の故障離脱という、マイナス要素満載の神戸の現状。
選択したのは4-2-3-1という布陣で、イニエスタトップ下・ドイスボランチを両立させる手段を採りました。
GK飯倉がロングフィードを選択する場面が目立つも、その飯倉のキックが乱れるシーンが量産される等、立ち回りがグラついている印象を受けたこの日の神戸のサッカー。
それでも相手の京都は、監督交代後の初戦という事で出方を窺っていた節があり、普段のような果敢なプレッシングはあまり見られず。
神戸はサイドチェンジを多用するなど、ゆったりとした展開に持ち込みたいという節が伺え。
それに対して京都はマイボールになった際のスピード感は健在で、前半15分には武富が中央をドリブルで持ち上がりミドルシュート。
ブロックされるもクリアボールを福岡が落とし、右サイドからウタカがボレーシュートにいきますがミートせず枠外に。
押し気味に映った京都でしたが、負傷したのか24分に早々に武富が交代する事となります。(金子と交代、松田が左ウイングへシフト)
慣れないながらも、徐々にボール奪取するシーンを増やす京都。
31分には敵陣で福岡がボールカットし、松田のパスを受けたウタカがドリブルで神戸DFを振り切り、エリア内に進入する絶好機。
しかしGK飯倉が前に出てブロックし、何とか防いだ神戸。
神戸の好機にはやはりイニエスタの美技が絡み、35分にはクリアボールからの山口のポストプレイを受けたイニエスタ、そのまま山口と2人でパスを繋ぎながら前進。
そしてエリア内を突いてイニエスタのダイレクトでのヒールパスから、山口がシュートしましたがゴール左へと外れ。
結局前半はスコアレスで終え。
様子見という意識が強かった中、神戸は守備のソリッドを高め、ウタカを中心とした京都の攻撃を防いだという印象。
そして後半勝負という算段を立てていたようでした。
先に仕掛けたのは京都で後半2分、ポジションチェンジを駆使して敵陣でパスを繋いで攻撃を展開。
その中でウタカは左サイドに開いてチャンスメイクに徹し。
この場面ではシュートには繋げられませんでしたが、このエースの献身性がのちの展開を左右する事となりました。
京都が押し気味に見えた入りでしたが、神戸は4分に自陣での山口のボール奪取から速攻。
イニエスタ→初瀬と経由して左サイドに渡り、ボージャンがドリブルでエリア内左を突き、中央へパスを送った先には上がってきたイニエスタが。
直前でカットされるもこぼれ球をエリア内で大迫が繋ぎ、最前線まで上がっていた初瀬がダイレクトでシュート。
強烈なボールがGK上福元のセーブを弾いてネットに突き刺さり、先制点とともに自身のJリーグ初ゴールを挙げた初瀬。
苦境を跳ね除けるような先制点に盛り上がるホーム(ノエビアスタジアム神戸)の中、さらに好機を作る神戸。
8分槙野の左→右への対角線のロングパスに酒井が猛然と走り込み、奥からクロス。
クリアされて右からのスローインで組み立て、イニエスタのミドルパスがエリア内右を突き、走り込んだ山口のマイナスのクロスを大迫がシュート。(ブロック)
その後CKを得て、キッカー・イニエスタのニアサイドへのクロスを菊池が合わせヘディングシュート、しかしGK上福元がセーブ。
決定機を逃し激しく悔しがる菊池の姿に、初勝利へのムードも高まりつつありましたが、そうは問屋が卸さず。
10分の京都の攻撃、こぼれ球を拾ったウタカがドリブルするも先程と同様にサイド(右)に開いたのち、中央へミドルパス。
受けた荻原がエリア内左を突いて側の金子にパス、その金子のクロスがブロックされこぼれると、すかさず荻原が詰めてボレーシュート。
神戸・槙野のブロックも及ばずゴールネットを揺らし、こちらはJ1初ゴールと、神戸・初瀬と同様に記念すべき得点を挙げた荻原。
冷水をぶっ掛けられたような状況の神戸、直後のキックオフでは、ボールを受けたイニエスタがそのまま中央をドリブル。
絵になるようなイニエスタの中央突破を見せる事で、流れを掴まんとしましたが、その思いは果たされる事無く。(この攻撃はイニエスタが右へとパスを出してから繋ぎ、左からボージャンがシュートも枠外)
13分再び京都の攻撃が始まると、中盤で神戸のディフェンスに遭いながらも前進し、ウタカが左サイドへ展開。
受けた荻原が今度はクロスを供給し、ファーサイドで福岡が足で跳び込む所にGK飯倉が跳び出し。
キャッチにいくも弾いた飯倉、こぼれた所を宮吉が詰め、シュートはゴール上部に突き刺さり。
あっという間に逆転を果たした京都、2得点ともウタカが囮となるようなチャンスメイクに徹した動きで、他選手が見事に活かされた結果となり。
神戸にとっては、ウタカのフィニッシュを第一に警戒する意識があったでしょうか。
一気に雰囲気も変わり、京都の攻撃を受け続ける事となる神戸。
何とか空気を代えようと、19分には最終ラインでのビルドアップから槙野が左サイドをオーバーラップ。
山口の左→右へのサイドチェンジを経て、中央へ渡ったのちにイニエスタがエリア内へ縦パスを送ると、受けたのは槙野でさらに大迫へラストパスを送るもGK上福元に抑えられ撃てず。
上福元が大迫と交錯して痛む中、20分に神戸は交代カードを切り初瀬→汰木に代えると共に、慣れ親しんだダイヤモンド型4-4-2の形へとシフトします。(大迫・ボージャンの2トップ、上福元は無事にプレー続行)
その後は汰木のスピードを活かす形で攻め込む神戸。
24分には大迫のエリア内へのスルーパスに走り込み、右からシュートを放った汰木でしたがゴール左へと外れ。
それでもその存在は京都にとって脅威となり、28分に京都も布陣変更に踏み切ります。
福岡→メンデスへ交代すると共に、3バックへとシフト。
<後半28分以降の京都> 3-3-2-2
GK 上福元
RCB 井上黎 CCB 麻田 LCB メンデス
RWB 白井 DH 川﨑 LWB 荻原
IH 金子 IH 松田
FW 宮吉 FW ウタカ
湘南戦でも使った手口で、その狙い通りに神戸ペースを剥がします。(同時に神戸もボージャン・大崎→リンコン・中坂へと交代)
直後に京都は敵陣での松田のカットから好機、ウタカがここでもエリア内へスルーパスを送る役を務め、走り込んだ松田が左からシュート。
しかしGK飯倉が顔面でセーブし、何とか防ぐ神戸。
30分には神戸のスローインを奪って攻撃、金子のドリブルからパスを受けたウタカが中央エリア手前からシュート。(ブロックに当たり枠外)
今度はフィニッシュを務めたウタカの姿に、京都サイドに余裕が生まれているような印象を受けた時間帯。
何とかビハインドを跳ね返したい神戸ですが、交代で入ったリンコンは殆どプレーに絡めずに時間が進み。
かといって大迫もこの時間帯はボールタッチが少なく、やや機能不全といった感じの2トップとなっていました。
ポゼッションを高めて攻め込まんとするも、ロクにシュートを放つ事は出来ず、時間はとうとうアディショナルタイムへ。
その最中に、京都は残っていた交代枠を全て使う3枚替えを敢行。
宮吉・白井・荻原→山田・アピアタウィア久・本多へと交代し、空いた右ウイングバックに井上黎がシフトします。
するとその直後の好機、こぼれ球をウタカのポストプレイで繋いだのち左サイドを抉り、奥に進入した松田がカットイン。
そしてエリア内左から低いクロスを送ると、投入されて間も無い山田が左足で合わせ、ネットに突き刺します。
この土壇場で山田のJ初ゴールが生まれ、決定的な追加点を挙げた京都。
最後は何とかフリーキック攻勢に持ち込んだ神戸、エリア内の乱戦から大迫シュート(ブロック)→酒井シュート(枠外)と連撃を浴びせるも、ゴールを奪う事は出来ず。
1-3で京都が勝利し、開幕節以来の2勝目を挙げました。
黒い噂が交錯する中、記念すべきゴールの交錯という結果となったこの試合。
人を成長させるのはやはり成功体験を得るのが大事だと思うので、この日のゴールシーンが良い底上げになれば……といった所でしょうか。