goo blog サービス終了のお知らせ 

ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

DAZN観戦 2022年J2リーグ第8節 レノファ山口FCvs大宮アルディージャ

2022-04-07 16:03:56 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の山口の記事はこちら(4節・琉球戦、2-3)
※前回の大宮の記事はこちら(5節・徳島戦、0-2)

<前節からの変更>

山口=インサイドハーフ(の片割れ)が神垣→山瀬に代わった他は10人不動。3連戦というスパンでも、6→7節に右サイドバックが眞鍋→石川へと代わっただけと安定した布陣。

大宮=6→7節で11人とも不動だった反動か(それとも単に完敗した影響か)、半数近くの5人を入れ替え。最終ラインを3人も代え、センターバック2人は田代・栗本→西村・新里、右サイドバックが山田将之→茂木。中盤の一枚を大橋→大山へと代え、ウイングは矢島慎也がベンチスタートとなり、前節左WGだった柴山が右に移り、左に奥抜。システムは4-2-1-3→4-1-2-3といった感じで、スタメン復帰した大山がアンカーとなり三門と小島がIHに。

スタメン

開幕から未だ勝利無しという状況に、迷走感が半端無くなってきた大宮。
6節(岡山戦、1-1)では、GKが2人とも負傷により交代(南・上田)を余儀なくされ、フィールダーの栗本が急遽GKを務めるといった事態も起こってしまい。
フロントがGKの緊急補強を示唆している(本日、J3北九州から志村がレンタル移籍)ものの、そんな土台の揺らぎを見逃してくれるほど前節の相手・町田は甘くなく、完敗(0-3)を受けてディフェンスラインも再びの入れ替えが行われたこの日。
そろそろ監督・霜田正之氏もデッドラインを越えてしまいそうな状況で、計ったかのように以前の仕事場である山口との対戦が組まれていました。

しかし霜田氏が監督を務めていた山口も、3年目の2020年には降格同然の成績(22位)へと低迷していたチーム。
当時の状況は若手を主体とした大化け狙いといった感じの編成で、未知数の選手が何人も布陣に入っていましたが、流石に期待値過剰のように映り。
低迷は妥当といえたでしょうが、この2年弱の間に選手構成も大幅に変わった山口。
センターラインを実績あるベテラン選手が主に務め、その脇で支えるように沼田・橋本の新人がサイドで躍動するという、芯が通ったような今季の編成。
「もう昔に戻る事は無い」といった言葉が思い浮かぶようであり、新天地でも苦境に苛まれる霜田氏相手にどんな結果を見せ付けるのか。

大宮はもう後が無いという状況の通り、ハイプレスを敢行し敵陣でのボール奪取を狙いにいくサッカー。
前半2分にはその通りに、右SBの茂木が右サイド深めでボールを奪ってそのままシュート気味のクロスを入れ。(枠外)
しかしそのハイプレスは山口も同様のスタイルで、かつビルドアップ能力も冴えを見せているチームであり、練度では確実に上回られている状況。
3分には渡部のロングパスでかわされると、一気に前線に繋がってエリア手前左から沼田がシュート、ブロックされた跳ね返りを上がってきた渡部がミドルシュート。(枠外)
続く4分には最終ラインでの繋ぎを経て、左サイドで橋本がドリブルからグラウンダーでクロス。
ニアサイドでの大槻のポストプレイを経て、佐藤謙介がミドルシュート(大槻に当たって跳ね返る)と、フィニッシュを浴びまくる展開となります。

左SB・橋本を中心とした推進力を矛とした攻撃が終始冴え渡ったこの日の山口。
大宮もそれに対抗せんと、10分に奥抜が左サイドをドリブルしエリア内左を突きますが、佐藤謙に反則気味のディフェンスで止められて実らず。

立ち上がりを過ぎて落ち着きを見せていきましたが、次第に双方ミスが目立つ展開に。
18分に山口がクリアミスでボールを奪われピンチを招くと、続く19分には大宮もミスからボールロストしてクロスまで持っていかれ。
20分には大宮の後方からのロングパスに対し、クリアにいった渡部のヘッドがフリックのようになってしまい、裏に抜け出す奥抜。
しかしGK関が前に出てクリアし、辛うじて防ぎます。

ピリッとしない流れを経て、次第に地力に勝る山口がコーナーキックを得ていくなど押し込む展開に。
しかし大宮も押されつつ、最終ラインからのロングパスで好機を作らんとします。
27分は西村の裏へのロングパスが奥抜に渡り、左からのカットインでエリア内中央でシュートにいくも、足を振った際に山口・ヘナンをチャージしてしまい反則を取られ。

30分台に入り、山口は中盤でサイドを振りつつ、大ベテラン・山瀬をエリア内に走らせる攻撃を展開。
40分には中央~左でパスを繋いだのち中央で佐藤謙が縦パスでギアチェンジ、大槻の戻しから再度佐藤謙が左サイドへスルーパスを送り、走り込んで受けた田中からクロス。
低いボールにニアサイドで山瀬が跳び込みますが、惜しくも合わず。

着実に好循環を得ていた山口でしたが、終了間際にヒヤリとする事態が発生します。
44分石川が大宮・小野のチャージを受けて痛んでしまい、一度は起き上がるも再度倒れ込んでしまい慌ただしくなるベンチ。
何とかプレー続行し、前半の残り時間を右WGの高木がSBを務める事で対応。
アディショナルタイムの大宮のセットプレー攻勢を凌ぎ、無事にやり過ごします。

不安視された石川でしたが、退く事無く後半に臨み。
逆にセンターフォワードを交代させる手段を採ってきた山口。(大槻→岸田)

山口のレジェンドというべき存在の岸田、入りから山口の攻撃に圧を加えます。
渡部のロングパスを岸田が落として敵陣で展開し、右サイド奥でスローインを獲得し、高木がロングスローを放り込む状況に持ち込んだのが後半2分。
クリアボールが上空へと上がり、ヘナンのフリックを経て岸田が反転しながらのボレーシュートを放ち。
しかしゴールバーを直撃してしまい、惜しくも得点は奪えません。
その後も4分にCKから、クリアボールを佐藤謙がボレーシュート(ブロック)とゴールを脅かしに掛かる山口。

いきなり流れを変えたい状況を強いられた大宮。
それを果たすべく直後にカウンターを展開し、小野の長いスルーパスに走り込んだ奥抜がエリア内左で受け、中央への横パスに走り込んだ三門がシュート。
GK関のセーブに阻まれたものの、その後大宮は敵陣でのボール奪取からの好機を連発。
ペースを取り戻したかに見えました。

しかし10分の山口、左サイドで橋本の浮き球の縦パスを沼田が足でフリック、奥で拾った岸田のリターンを受けた沼田がエリア内左に進入してシュート。(大宮・西村がブロック)
どうしても橋本を中心とした左サイドでの前進を止められずにいた大宮。
前回も書いた通り、SBに本職が不在というのが重くのしかかっているようでした。
主力の中では、この日起用された茂木が最もそれっぽいというのが何とも言えず。
その茂木も本来はマルチプレイヤータイプで、主戦場は3バックでの右側(右CB・右ウイングバック)といった存在。
左の小野(こちらの起用はある程度信念が感じられますが)も含め、受けに回ると明らかに苦境に陥る状態を何とかしたい所。

15分に2枚替えを敢行(河田・小島→富山・矢島慎)したものの、主導権は山口が握り。
16分には再び左サイドから攻撃、橋本のスルーパスを受けた沼田が奥へ進入、そのままカットインからシュートを放つもGK南がキャッチ。
18分にも沼田の前進から今度はグラウンダーでのクロスを選択すると、中央で岸田が跳び込み、流れるもファーサイドで高木が拾い。
そして中央へと切り替えしてシュートしますが大宮・西村がブロックと、辛うじて防ぐシーンを頻発させます。(その後の左CKでも岸田がヘディングシュート、ゴール上へ外れる)
押せ押せの山口でしたが、スタミナを考慮してか19分に山瀬が退き。(神垣と交代)

何とか耐えつつ好機を掴みたい大宮は、WGの位置を入れ替えて左に柴山・右に奥抜という布陣に。
山口サイドに対処する時間を作らせるのに乗じ、23分に押し込んだのちに大山のボール奪取で二次攻撃、彼のスルーパスがエリア内に走り込む柴山へ。
そして中央からシュートするも、山口・渡部のブロックに阻まれます。
しかし結果的に一時の好機でしか無く。

25分の山口の攻撃、やはり左サイドアタックを敢行して橋本・沼田のホットラインに田中も加わってのパスワークで前進、沼田のクロスが防がれて左CKに。
そしてキッカー石川のクロスがニアサイドに上がると、高木フリック→中央で沼田合わせるという定型の流れがゴールネットを揺らし。
沼田のシュートはジャストミートしなかったものの、散々左サイドを掻きまわしたご褒美のようなゴールとなり先制点は山口に入りました。

追い込まれつつある大宮、29分にCKを獲得し、クロスの跳ね返りを西村がバイシクルでシュートしますがゴール上へと外れ。
直後にカードを使い、両WGを交代する手を打つ霜田監督。(奥抜・柴山→高田・三幸)
右に高田がそのまま入るも、左WGには小野が上がって入り。
空いた最終ラインは、左SBに茂木が回り、右SBには三門が回るという具合に激しく動きます。(三幸はIH)

その後も山口に、CKから田中にシュートを浴びる(枠外)など依然として苦しさを隠せない大宮。
それでも大山の敵陣でのボール奪取が冴え、押し込む流れを掴みます。
37分には右サイドで大山が奪い、パスワークを経て富山が中央を前進、(山口・石川との激突で)こぼれた所を矢島慎が拾ってシュート。(GK関セーブ)
しかしその大山が42分に交代(大橋と交代)すると雲散霧消してしまい。(同時に山口も佐藤謙→佐藤健太郎へと交代)

試合を閉める段階に入った山口、神垣がアンカーの位置へと降り、投入された佐藤健はプレッシングを強化する役回りとなります。
その狙い通りに大宮は自陣から中々脱出できず、山口は左奥で時間を使うシーンも作るなど、左サイドの跳梁は依然として止まず。

そのままATに入り、何とか好機を作りたい大宮。
三幸が中盤で反則気味にボール奪取し、拾った高田が長い距離をドリブルして一気にエリア内右へ。
そしてシュートを放ちましたが、角度が足りずにGK関にキャッチされてしまい万事休す。
その後の西村を前線に上げてのパワープレイも空しく、得点を奪えぬまま試合終了の笛を聴く事となります。

2勝目を挙げて8位に浮上した山口とは対照的に、誰が見ても危険な状態が続く大宮。
ビジョンの無いクラブは去るのみ、という現実をJ2から突きつけられているかのようであり、跳ね返す術はあるのか。