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DAZN観戦 2020年J2リーグ第42節 京都サンガFCvsザスパクサツ群馬

2020-12-27 16:00:45 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の京都の記事はこちら(32節・栃木戦)
※前回の群馬の記事はこちら(37節・町田戦)

J1昇格を目指したシーズンだった京都、その結果は言わずもなが。
大幅に選手を入れ替え、加入した選手は大物ばかりで、シーズン前の机上の理論では昇格に近い存在だったはず。

それでも目的を達成出来なかった原因として考えられるのは、新加入選手ばかりで連携を一からスタートさせなくてはならなかった事。
その連携を築くべき首脳陣、特に監督(實好礼忠氏)の手腕に力強さが感じられなかった事。
そして過密日程故、結果が求められたシーズン後半は同じメンバーで戦う事を選択した結果失速した事、辺りが主でしょうか。

開設して1年目となった新本拠地・サンガスタジアムKYOCERAの存在は、確かにホームアドバンテージといえる成績を残したものの、同時に芝の状態の悪さなど課題も残しました。
一方で、ストライカーのピーター・ウタカはシーズン終了を待たずして移籍の噂が流れたものの、残留に落ち着くという変化が。
これまで1年毎にチームを変えていたウタカ、どんな心境の変化があったのかは不明ですが、この日も選手入場の際に相手チーム(群馬)の中心選手・大前と抱き合いつつの入場シーンを見せていました。
Jリーグをリスペクトしているかのような振る舞いは誠に有り難いですが、そんな様子が勝負においてやや緊張感を削いでいるようでもあり。
ウタカの調子で左右されがちな攻撃となってしまった感があった今季の京都、果たして来季はどうなるか。

最終盤にきて好調の群馬、この日の結果次第で18位まで順位を上げる事が出来るとあって、序盤から飛ばし気味の入りを見せます。
前半2分にGK松原から左サイドへ展開され、そこから縦パス攻勢で攻め上がり。
奥まで進入した加藤がマイナスのクロスを入れると、大前のスルーを経て内田がエリア手前からシュート。(GK若原キャッチ)
4分には相手フリーキックからのクロスをクリアしてカウンター、大前のパスを受けた飯野が自陣からドリブル、そのまま一気にエリア内右へ進入と快足を見せたのちシュート。(ゴール左へ外れる)
戻りながらのディフェンスとなった京都ディフェンス全員をかわし、GKと一対一に近い状況まで持ち込んだこの場面の飯野。
そうかと思えば、9分には岩上がセンターサークルからロングシュートを放ち京都ゴールを脅かす(GK若原キャッチ)など、多種多様な攻撃で得点を狙う姿勢を見せていきました。

群馬の猛攻を凌いだ京都、10分過ぎから自身もペースを掴み能動的に攻撃を仕掛けます。
最後方のヨルディ・バイスも簡単にロングボールを送らず、ボールを持ったうえでサイドに動いたりしてと工夫を見せつつ組み立て。
ウタカの相方としてすっかり定着した仙頭のボールを引き出す動きも絡め、群馬を押し込んでいきます。

しかし中盤の23分、群馬のセットプレー。
右コーナーキックで、キッカー大前のニアサイドへのクロスがクリアされると、エリア内右で拾った飯野がシュート。
これがブロックされ、エリア内のウタカがクリアにいくもミスキックとなって岡村の前に転がり、躊躇わずシュートを放った岡村。
強烈なシュートに成す術無かった京都ディフェンス、何処と無くウタカの「緊張感の欠如」が最悪の形で出たような失点となりました。
ともかく群馬が先制し、それと同時に飲水タイムへ。

先制を許したものの良い攻めは見せていた京都、すぐさま反撃体制。
30分、相手のクリアボールを敵陣で庄司が拾いすかさずエリア内へ縦パス、受けたウタカがシュート。
GK松原がセーブし右へこぼれ、宮吉が詰めてシュートしたものの右ゴールポストの外側に当たりゴールラインを割ってしまい同点ならず。
痛い決定機逸となったものの、一方の群馬は直後に内田が足を痛め、続行不能となり担架で運ばれる事となってしまいました。(金城ジャスティン俊樹と交代)

相手のアクシデントという要素も手伝い、以降も押し込んでいく京都。
38分は右サイド奥からのスローインで、上がっていたバイスが受けたのちカットインからシュート。(ゴール右へ外れる)
39分には宮吉のロングパスがエリア内に入り、受けにいった仙頭がディフェンスに遭いこぼれ球となった所を、ウタカがシュート。(ゴール右へ外れる)
惜しいシーンは作るものの、ゴールは生まれず時間が経過していきます。
途中で京都・森脇と群馬・飯野が空中戦で激突、両者倒れ込む(41分)など、選手が倒れるシーンが目立った前半。
アディショナルタイムは長めの4分となり、押され気味の群馬はそこでようやくジャスティンがミドルシュート(枠外)と押し返す姿勢を見せるも、試合は1-0のまま前半を終えます。

後半頭から、京都は宮吉→谷内田へと交代。
フォーメーションも、ウタカ1トップの3-4-2-1から、仙頭がFWの位置にシフトした3-3-2-2のような配置へと変更します。(川崎もボランチから一列前に上がる)

群馬ペースの入りを経て、早めに同点に追い付きたい京都が再び攻勢に。
後半4分、仙頭の浮き球のパスをトラップしたウタカ、この動作でエリア内に進入するもGK松原が飛び出して抑え撃てず。
しかし前掛かりとなった事でビルドアップのミスが目立ち始め、8分には加藤が敵陣深めでカットしてそのままミドルシュート(ゴール右へ外れる)と、群馬に攻撃を許す場面も目立ちました。

14分にはGK若原スロー→飯田スルーパスと少ないタッチで一気にウタカへ繋ぎ、ウタカも自分で決めるのではなく、エリア内右からマイナスのクロスという選択をしましたが結果に結び付かず。(クリアされCKに)
ここから京都はCKが4本も続くというセットプレー攻勢を見せ、バイスもエリア内でボールを持つシーンを作ったものの、やはりゴールは生まれません。

群馬サイドも20分に好機、右サイドで平尾のスルーパスから、受けた青木が田中とパス交換ののちエリア内へカットイン。
そして横パスを選択し、田中がダイレクトでシュートするも枠を捉えられず。
一進一退という絵図となりつつあった所で、23分に飲水タイムへ。(この直前に群馬は田中・青木→白石・林へ交代)

シーズン終了を前にして、ようやく上り調子の成績を描き始めた群馬、ここ5戦で4勝1分という数字は文句無しと言えるでしょう。

京都とは対称的に、シーズン前から下位に沈む事が予想されていた群馬ですが、幸いな事に降格無しのレギュレーションとなった今季。
昇格は二の次で形作りに邁進するシーズンとなったのは当然ですが、ここで危惧した「チーム作りの果てに何を残す事が出来るか」という課題は、無事結実を果たして今季を終える事が出来そうです。

戦力的に乏しく、それを直ぐに変える事が出来る程のクラブ力も持ち併せていない。
それでも復帰したJ2という舞台で、簡単に土俵を割らない姿勢を見せなければいけない。
当然オフには再編成の末、主力選手の引き抜きにも遭う事が予想されますが、何よりも重要なものを身に付けた1年だったと思います。

飲水タイムが明け、今季も残り20分強という佳境に差し掛かり。
京都が26分に川崎・森脇→野田・石櫃と2枚替え、仙頭と飯田が一列下がるという配置転換。
これでより後方からも圧を持って攻撃し、同点ないしは逆転を狙う姿勢に。
それに対して群馬はアクシデントが度重なり、27分に渡辺と京都・野田が空中戦で競り合い、両者倒れ込み。
頭部同士の接触で野田は無事に起き上がるも、渡辺は立ち上がれずに担架で運ばれ、またも交代を余儀なくされてしまいます。(川上と交代)

これで終盤に5バックシステムに移行する事が出来なくなった群馬ですが、更なる誤算が襲います。
37分にまたも空中戦で、交代出場の川上が肩から落ちてしまい倒れ込んでしまいます。
そして三度担架で運ばれ、交代枠はもう無いため守備固めどころか、10人で戦う事を強いられる群馬。
以降は林の1トップで、大前とジャスティンがそれぞれ一列降りる4-4-1のフォーメーションを採り、ひたすら防戦で凌ぐ展開に。

一方、当然の如く数的優位を活かし、猛攻を仕掛ける京都。
42分には右サイドからのFKで、石櫃のクロスに野田が合わせヘディングシュート。(GK松原キャッチ)
44分には谷内田がドリブルで切り込み、エリア内からシュート(ブロック)と圧力を掛けますが、群馬も必死の守備でゴールを割らせず。
ピッチ脇の奥野僚佑監督も、大声での指示でチームを鼓舞します。

0-1のままとうとうATを迎え、京都はバイスが前線に上がりパワープレイの構え。
7分という長いATに、群馬は再三犠牲を払ったうえにまだ耐え忍ぶ事を余儀なくされる不条理を味わうものの、それでも集中力を切らさず跳ね返し。
唯一のシュートシーンが、庄司を中心に敵陣でボールを散らし、右サイドで石櫃がキープから切り返してのクロス。
そしてファーサイドでバイスがヘディングシュートを放ちましたが、枠を捉える事は無く。

そして試合終了の笛が鳴り、とうとう勝利に辿り着いた群馬。
6戦5勝でフィニッシュという結果もさる事ながら、絶対的に不利な状況に陥っても、耐え忍んで勝つ姿勢を見せられたのが最大の収穫となりました。
降格枠が倍増しての戦いとなる来季、果たしてこの日のような苦境を跳ね返す戦いで残留を勝ち取る事ができるでしょうか。


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