ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

DAZN観戦 2020年J2リーグ第6節 ジェフユナイテッド千葉vs東京ヴェルディ

2020-07-20 18:17:28 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の千葉の記事はこちら(2節・大宮戦)
※前回のヴェルディの記事はこちら(1節・徳島戦)

開幕節から未勝利が続いていたヴェルディですが、前節ようやく初勝利。(甲府戦・4-2)
ポゼッションを重視するスタイルだけに、ここまで勝てないor得点出来ない試合が続くと、あっという間に批判の的になってしまうだけに大きな1勝だったでしょう。

自分達のサッカーを取るか、勝利という結果を取るかを天秤にかけなければならないのがプロという場の常。
ただし今季は降格制度が無くなったイレギュラーなリーグ戦となったため、無理に昇格を目指すのでなければ、極端な事を言えば前者に全振りのスタンスでも生き残れる。
永井秀樹監督の下、極端ともいえるポゼッションサッカーに邁進している現在のヴェルディがそんな腹積もりなのかは不明ですが、勝ち負け以外の何かをひたすら追求しているようにも見えます。

ただし以前にも書いたように、このパスサッカー・ポゼッションサッカーは、言うなればヴェルディ自身の伝統でもある訳で。
Jリーグ発足以前から、JSLリーグ時代に「伝統」のサッカーを貫き通す、当時の日本サッカーのレベルでは異端の存在かつ結果を出してきた歴史を持つヴェルディ(旧・読売クラブ)。

そんな訳で、ポゼッションスタイルだけでは「=永井氏のサッカー」とは言えず、新たな色を植え付ける必要がある。
それが現在見られている可変システムで、攻撃時3-4-3・守備時4-4-2(4-3-3?)という流れの中での変更に、永井色を見出しつつあるのでしょう。

この日の相手の千葉は、正反対といってもいい守備型のチーム。
それをどう崩していくかに注目が集まるカードとなりました。

試合が始まると、予想通りにヴェルディ側がボールを支配し、パスワークで相手守備を翻弄。
サイドから攻撃を仕掛けても、無理にクロスを上げるという展開にはせず、あくまで守備の崩れを狙っての攻撃。
前半4分、平の右へのサイドチェンジを小池が受け、藤本とワンツーで前進。
奥に進んだ所を千葉・船山に倒されて反則・フリーキックとなり、キッカー藤本のクロスに若狭がニアサイドで合わせるも枠を捉えられず。
11分には藤田譲瑠チマの縦パスを受けた端戸が千葉・高橋壱晟に倒されて反則、再びFKを得ます。
今度は中央からで、井出が蹴ると見せかけて空振り、そして藤本が直接グラウンダーで狙いましたがゴールポストを直撃。
GK新井章太は一歩も動けずとフェイントが決まったと思われる絵図だっただけに、決めたかった所でしょう。

ともかく、ショートパス攻勢だけでなく、サイドチェンジや楔のパスも交えて攻撃を展開していくヴェルディ。
千葉の4-4-2の守備ブロックを積極的に崩さんという意識は明らかで、そしてそれが千葉側の反則の増大に繋がっていきました。
まあFKで好機を掴んだのは立ち上がりのみでしたが。

しかし32分、千葉の反則が決定機に。
コーナーキックからのクロスがGK新井章太に跳ね返されての二次攻撃、拾った藤本から右サイドに渡り、再び井上がクロス。
これに合わせにいった平が千葉・田坂の足に引っかかり倒れると、審判の笛が鳴りPKに。
千葉サイドからすれば納得しがたいような与PKでしたが、これをキッカー・端戸がゴール左に決めてヴェルディが先制します。

追う展開になった千葉、こうなると今季は苦しい。
過去5試合はいずれも完封勝ち・完封負けであり、先制すれば勝利・されれば敗戦とハッキリした戦績です。
それでも逆転負けが多かった前年よりは改善しているといえますが。

カッチリと型に嵌ったチーム、そんな印象である現状の千葉ですが、そうしたチーム作りは今季から監督の座に就いた尹晶煥(ユンジョンファン)氏の十八番。
またコンディション重視の側面も見せ、前節は過密日程を考慮し、GK以外「全とっかえ」のターンオーバーを千葉で初めて披露します。
セレッソ時代にはACLの予選でこうした起用を見せ、それがACL軽視という物議を醸し出したりもしましたが、中2・3日の試合が続く日程ではこの姿勢が重要なのも確かです。

ただしこうした起用法を連発すれば、サブ組で行われるサッカーが全く別なものになり易いという問題もあります。(ルヴァン杯の予選で良く見られる光景)
幸いにも前節・金沢戦は櫻川ソロモンの初ゴールなどで快勝(2-0)、特に守備において零封したのは、守備重視のスタイルであるチームにとっては朗報でしょう。
そしてこの日に繋げたい所でしたが、ビハインドの展開に立たされどうなるか。

千葉は43分、右サイドで田坂がロングパス、これを川又が落として米倉が拾い奥へ進入。
米倉から低いクロスが上がり、山下敬大がスルーしたボールを船山がシュートするも、ブロックに遭いゴールならず。
反撃に出たい所でしたが、結局チャンスはこのシーンぐらいで、0-1のまま前半終了。

逆にリードしたまま前半を終えたヴェルディですが、後半頭に早くも動きます。
小池→佐藤優平・奈良輪→福村へと交代を敢行。
佐藤優平はこの日初のベンチスタートとなっており、反対に小池はリーグ再開後45分しか出てない試合が目立つなど、コンディション重視の交代が見て取れます。

リードされた千葉は、後半前掛かりになりプレス。
前からボールを奪わんと仕掛けますが、それでもヴェルディの支配力の前にそれが実る事は殆ど無く。
逆にヴェルディにチャンスを量産されるという、前回取り上げた大宮戦でも見られた展開になっていきます。

後半8分には再び直接フリーキックを与え、キッカー佐藤優平が角度的に厳しい場所(左サイド・エリア角すぐ脇)ながら直接狙いますが、惜しくもバーを叩きます。
10分には左→中→右への展開の後中央で細かいパス回し。
チマからパスを受けた佐藤優平がエリア内に短いスルーパス、これに端戸が抜け出しますが、GK新井章が飛び出してブロック。
こぼれ球を繋ごうとする千葉から佐藤優平がカットし、井上がミドルシュート。(GK新井章キャッチ)
その後も佐藤優平や井出がミドルシュートを狙うなど、目立つのはヴェルディの攻撃ばかりに。
千葉はロングパスで打開を試みるも、シュートまで繋がりません。

飲水タイムを挟み、27分にGK新井章の左サイドへのロングフィードが、山下敬ヘッド→船山収める→為田(川又と交代で出場)クロスもブロックと繋がりスローイン。
これを増嶋がロングスロー(この日は前半早々からロングスローを見せていた)、これが低い弾道でニアサイドを突くと、米倉が触って中央へ。
山下敬が落としたボールを船山がシュートし、GKマテウスがセーブするも、山下敬が詰めて蹴り込みゴール。
チームにとって今季初の同点ゴールはロングスローからという泥臭いものとなりました。

既に4枚交代していたヴェルディ(17分井上→森田・25分井出→山下諒也)、これで苦しくなったかと思いきや、その後も気丈に攻撃を仕掛けます。
31分には相手CKからのカウンター、山下諒がドリブルで一気にエリア内まで持ち込むと、さらに奥に進むと見せつつヒールパス。
これに藤本が走り込んでシュートするも、GK新井章がキャッチ。
カウンターで千葉ゴールを脅かすと、33分でした。
中央のパス回しで下がり目で受けた端戸から、チマ→福村と左に展開すると、福村はアーリークロスを選択。
すると落下点に走り込んだ端戸がヘディングシュート、これがループの軌道でGK新井章の頭上を越え、ゴール内に落ちる美しいゴール。
ポストワークから上がってヘッダーという、CFの仕事を綺麗にこなした端戸の勝ち越し点となりました。

再び勝ち越されてしまった千葉、前節結果を出した櫻川を36分に投入。(船山と交代)
早速櫻川がドリブルを見せ、こぼされたものの見木(高橋壱と交代で出場)が左サイドへ繋ぎ、ボール回しの後再び受けた見木がエリア手前左から巻くシュート。(ゴール右に外れる)
一つ攻撃が繋がり、反撃ムードが漂います。

しかしビハインドはやはり重く。
42分、右サイドからの田坂のクロスに櫻川がヘディングシュートを叩きつけるも枠外に。
43分は田口が左へ長いパスを出してから自身も前進、為田のクロスをバイシクルでシュートしたもののこれも枠外。
結局1-2のまま試合終了と、1点は挙げたもののまたもや先制された試合で敗戦となりました。

一方のヴェルディは連勝。
前節は相手の甲府がメンバーを落としてきたうえフォーメーションを弄ってきたので、好材料になる内容だったかどうか疑問符が付いていましたが、見事に好調ぶりを繋げました。
この日は相手の堅守に苦しむ事も少なく、シュート数でも上回るなど、内容面でも良化の兆しが窺えたヴェルディ。
開幕節の閉塞感は振り払えたでしょうか。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« DAZN観戦 2020年J2リーグ第5... | トップ | DAZN観戦 2020年J1リーグ第5... »

コメントを投稿