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DAZN観戦 2019年J2リーグ第42節 東京ヴェルディvsFC岐阜

2019-12-03 11:55:11 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回のヴェルディの記事はこちら(31節・山口戦)
※前回の岐阜の記事はこちら(順延23節・鹿児島戦)
※前回の両クラブの対戦はこちら(20節)

昇格争いには絡む事無く一シーズンを過ごしたヴェルディ。
前々監督のミゲル・アンヘル・ロティーナ氏(現セレッソ監督)による2シーズン、いずれもプレーオフ進出を果たしていただけに、彼を失った今季は「屈む年」を絵に描いたような一年となりました。
そして現在指揮を執る永井秀樹氏、生え抜き監督として注目され、ポゼッションスタイルのサッカーを前面に押し出す姿勢を一層強めんとしています。
しかしそもそも、ヴェルディというクラブ自体にパスサッカーの伝統が存在しているので、それを押し出すだけでは永井氏独自の色を出す事にはならない。
そしてそのヴェルディはJ2という舞台から抜け出せていないので、そのスタイルを成績に拘わらず貫くという事は、「ずっとJ2に居てもいいや」なんて思想にも繋がりかねません。
そんなヴェルディの最終節の相手は、既に最下位(22位)が決まってしまっている岐阜。

鹿児島との直接対決を、好ゲームを演じながらも最後の最後で敗れてしまい、そのダメージは中2日の連続という日程とも相成り甚大だった模様。
次の試合(39節・徳島戦)を0-7という惨敗で終えてしまい、これで事実上息の根を止められてしまった格好に。
結局鹿児島戦から勝ち点を1すら伸ばす事も出来ず、最下位で降格確定となってしまいました。

その岐阜が来季から挑むJ3という舞台、本当に何が起こるのかが判らず。
今季は前年最下位であった北九州が躍進しJ2復帰を決めるなど、僅かな拍子で一気に優劣がひっくり返る事もしばしば。
そしてそのJ3から1年で復帰したのは、現在J1である大分のみという、降格組にとっては非常に厳しいリーグ。
しかし1年で復帰できないと補償金も無くなり、予算減で一気に主力が居なくなるというジレンマ。(それはJ1→J2の比ではありません)
そんな恐ろしい舞台、いや台すら無さそうな場所に足を踏み入れる岐阜。

最終節というのは、チームから離れる選手を送り出す場になる事が多々。
ヴェルディも例外では無く、DFの田村が引退を表明し、この日スタメンに。(今季7試合目)
さらにこの日ヴェルディが面白かったのは、ボランチに藤田譲瑠チマという、現ヴェルディユース所属つまり2種登録の選手が初スタメンとなった事でしょう。(出場自体は4試合目)
送別会と歓迎会、二つの祝いが一緒くたに行われたかのようでした。

そして試合が始まると、ポゼッションのヴェルディと、カウンター主体の岐阜がガッチリと噛み合い。
それはヴェルディの一方的なボール支配という絵図になりました。
しかもジャイルトン・パライバ、クレビーニョといったスピード豊かな助っ人の存在で、単なる「パス回しに終始して大してシュートを撃てず」といった病状には陥らず。
前半2分、クレビーニョ→レアンドロ→奈良輪と渡り左サイドへ、そしてパライバに渡りエリア手前左からシュート。(GKビクトルがセーブ)
6分には奈良輪のロングパスを受けた梶川、左サイドからクロスを上げると、レアンドロがヘディングシュート。(枠外)
8分には岐阜の初めての攻撃からカウンター、平のロングパスを受けたパライバがドリブルでエリア内に進入。
そしてレアンドロ→小池と渡り、小池がシュート。(DFがブロック)

初抜擢で、しかも1ボランチという役どころのチマ、それに物怖じする事無く奮起。
敵陣でパスカットに顔を出したり、中盤の底からパスを散らしたり。

10分台辺りから岐阜も何度かボールを持ち攻撃機会も得ますが、それは悲惨もいいとこで、とにかく川西頼みという印象。
FW登録ながら、ボランチの位置かそれよりも下がってボールを受けに来る川西、彼抜きではビルドアップもままならないのかという疑念が沸き上がります。

20分台は再びヴェルディの一方的な展開に。
パスワークに加え、サイドチェンジ・ロングパス・クレビーニョのオーバーラップ・レアンドロのポストプレイ・パライバのドリブル突破などあらゆる手段を交えますが、先程とは違いシュートはあまり撃てず。(26分の梶川のシュートのみ)

そして30分台に。
再び岐阜側も攻め上がりを見せ混沌とする中、ヴェルディにその流れを断ち切る先制点が。
38分、チマのパスカットから梶川が中盤から一気にスルーパスを送り、これに小池がエリア内に走り込む絶好機。
小池は冷静にシュートを放つと、GKビクトルの股を抜けるゴールとなりました。
ここから殻が割れたかのように、前半のうちに追加点を重ねます。
2点目は44分、森田ドリブル→パライバ左からグラウンダーでクロス→梶川スルーという流れから最後は再び小池、ダイレクトで見事サイドネットに突き刺しました。
3点目はアディショナルタイム、パライバがパスカットから一気にドリブルでエリア手前中央まで持ち込み、レアンドロにラストパス。
エリア内右からシュートを放ったレアンドロ、確実にゴールゲット。
1失点後に一気に崩れてしまう、岐阜の所謂「敗者のメンタリティ」がこの日も露わにになってしまい、3-0で前半終了。

そして後半が始まっても、ヴェルディ圧倒的優勢という展開。
後半4分にはパライバスルーパス→レアンドロエリア内左で一対一となってのシュートをGKビクトルがセーブなど、危ない場面ばかりでちっとも攻め込めない岐阜。
たまらず後半7分、川西→前田、柳澤→塚川に交代の2枚替えを敢行します。

この交代後ようやく攻撃機会を得れるようになった岐阜ですが、流れの中からのシュートは20分までお預け。(9分にコーナーキックから甲斐がヘディングという1本だけ)
その20分には、前田・馬場のベテランコンビの前進から、村田がエリア内に進入してシュート。(GK上福元がキャッチ)
攻撃陣での頼みが川西・馬場・前田のベテラン頼みとなっていただけに、村田のこの活躍が新鮮に映った感じとなった岐阜。

これが切欠となったか、ようやくスムーズな流れでチャンスを作り始めた岐阜。
21分には村田のボールキープからフレデリック→馬場→前田と繋がり、前田がエリア手前からシュート。(DFがブロックしコーナーに)
その後のコーナーでの當間ヘディング(GK上福元がキャッチ)を経て、25分には前田が右からカットインしてシュート(ブロック)、27分にはショートカウンターで塚川がエリア内左からシュート(GK上福元がキャッチ)と攻勢を掛けます。

しかし岐阜の良い流れもそこまでと言わんばかりに、ヴェルディに追加点が(29分)。
その流れを作ったのはまたしてもパライバの規格外の如きドリブルで、一気にエリア内左に進入してシュート。
GKビクトルが足で防いだものの、ファーに転がったボールを小池が詰めて4点目、小池はこれでハットトリック。

これ以降も岐阜は攻め上がりますがゴールは遠く、ようやく1点を挙げたのが、ヴェルディ側が交代策を経て田村にキャプテンマークを付けさせるという情緒溢れる展開になった後でした。
それもヴェルディに5点目(パライバが左サイドからカットインしてのシュート)が生まれた直後の事で、時すでに遅し感が一層強まった時間でしたが。
尚得点内容は、三島のロングパスから前田→馬場クロス→塚川ヘディングシュートという流れる攻撃。

そして試合終了。
岐阜にとって悪夢のシーズンが終わりましたが、最終戦もやはり悪夢の大量失点という内容。
近年はJ3にも群馬・讃岐・熊本など、J2から降格したクラブが増えて来ただけに、這い上がるには相当苦労しそうですがやるしかありません。

一方のヴェルディ、「らしさ」を存分に発揮して気分揚々といった結果となりましたが、来期はこれを継続しつつ勝利に繋げられるのか。
パライバという飛び道具の威力はこの日も健在でしたが、それはヴェルディの伝統からはやや規格外なものでもあり、伝統を取るのか勝利を取るのかという悩みの種は来季も付いて回りそうです。(もしパライバが移籍しなければ)


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