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DAZN観戦 2024年J3リーグ第6節 大宮アルディージャvsテゲバジャーロ宮崎

2024-03-26 16:40:07 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • 大宮は、市原がU-19代表に参加のため離脱中。

ふと、J3へ落ちてしまった大宮の戦いぶりが気になったので視聴。

DAZN中継では上位カテゴリのそれと比べ、明確に区別されてしまっているJ3放映。(解説者不在・試合前の監督インタビュー無し・スタッツの簡略化etc……)
しかしこと大宮のホーム・NACK5スタジアムは、観客席との距離感が殆ど無い事が幸いしてか、現場の熱気はそれなりに伝わるものとなっていたでしょうか。
それでもJ2時代に比べ客席の空き具合は隠せませんが……(この日の観客動員数は4,445人との事)

その大宮の成績はここまで3勝1分と、数多の降格クラブが必然的に掲げる「1年での昇格」の目標に向けてはほぼ最高の滑り出しとなり。
メンバーを見ても新人選手が多数起用され、リフレッシュ感が強く……と一瞬思ったものの、村上・清水祐・種田は今季初スタメンの事。
つまりは連戦によるターンオーバーを敷いての起用が交わっており、何とも言えない(とはいってもレギュラーの市原が代表不在という要素はあり)ですが、少なくともこの日はフレッシュぶりが存分に発揮された試合となりました。

宮崎のキックオフで始まった試合。
ボール権の通り開始から積極的に入る宮崎、一旦失うものの前線の守備も鋭く、阿野のパスカットから攻め上がりコーナーキックを獲得。
そこから2度目のクロスの跳ね返りを黒木がシュート(枠外)と、ファーストシュートにも辿り着く上々の入りとなります。
大宮とは対照的にこれまで未勝利という成績を描いてしまっている宮崎、それを払拭せんとする試合運び。

しかし前半4分。
大宮は最終ラインから運んで敵陣右サイドでの崩しに持ち込み、茂木戻し→清水祐ワンタッチでの縦パスで裏を取り。
そして右奥で受けた杉本が、カットインの姿勢からポケットへスルーパスを送ると、パス&ゴーをしていた茂木が走り込んで奥から果敢にシュート。
ニアサイドを豪快に破るゴールが生まれ、早々に先制点に辿り着きました。
流れの中でサイドバックが最前線まで上がって得点するという、前年までの硬直感が嘘のようなシーンを演じた大宮。(とはいえ前年もチーム初ゴールはこの茂木だったとの事)

文字通り出鼻を挫かれる事となった宮崎。
結果的にこの失点で齎された動揺は凄まじかったようで、ビハインド故に自ら最終ラインから繋ぐのが必須な立場になると脆さが露呈。
大武・黒木の2センターバックからのビルドアップは硬さが目立ち、少しプレッシャーを受けるとパスが乱れるという場面が多々あり。
そのため橋本をターゲットとするロングボールが道筋となるという具合に、「これが参入1年目に、あれだけ繋ぐサッカーで旋風を起こしていたあの宮崎なのか……」とカルチャーショックを受けてしまう内容でした。
12分には、中盤からのフリーキックで早くも放り込みを選択する等、ポゼッションスタイルは本当に何処かに置いてきてしまったかのような振る舞いも見られ。

何とか反撃体制を作りたい宮崎は、辻岡のフィード・阿野の仕掛けなど個人能力を盾とするで打開を図ります。
左へ送ったのち辻岡のサイドチェンジを炸裂させ、高い位置を取る青山へと通し。
阿野のドリブルは主にアタッキングサードでの崩しで利用し、23分には右奥を突いてエリア内へ横パス、これを橋本がスルーで中央へ通さんとする好機。
ディフェンスに遭い田中純には渡らずも、上のが繋いだボールを受けた阿野がミドルシュート(枠外)と、劣勢を跳ね返さんと敵陣で孤軍奮闘という感じでした。

しかしそれらを吹き飛ばしたのが杉本。
これまでも降りてのポストワークや、チャンスエリアでの叩きを中心に好機に絡んで来た杉本(13分には藤井のヒールパスを経てシュートも枠外)ですが、25分の大宮。
左サイドでの前進の姿勢から、戻しを経て逆の右サイドから攻め、スルーパスに走り込んだ中野克からクロス。
そして黒木の前に入り込みヘディングシュートを放った杉本、ボールは綺麗に対角の軌道を描き、左ポスト内側を叩いた末にゴールイン。
移籍後初ゴールにより、シュート以外は有能という評価を払拭ストライカーとして幾ばくか復権できたでしょうか。

その大宮の攻撃体制は、所謂「偽SB」システム。
左SBの植田が中寄りの位置を取り、サイドハーフの種田がワイドに張りっぱなしという、近年お馴染みとなったものであり。
序盤は先制点のシーン然り、逆の右サイドで茂木が跳梁しての攻めが中心となりましたが、2点目以降はこの体制通りに左からの攻撃を増やす事となります。
29分、最終ラインからの運びの流れで、種田が後方からのパスをダイレクトで裏へミドルパス。
この時藤井は降りると見せかけたボディフェイントからの抜け出しで黒木を釣った末にそのパスを受けるなど、宮崎ディフェンスを翻弄しての好機。
その後藤井のパスはカットされるも、エリア内へこぼれた所を拾った中野克が切り返しからシュート(辻岡がブロック)と有効打を放ち。

一定の拘りが見られた大宮の攻撃ですが、その後は大宮のビルドアップにもミスが目立つようになり。
そのパスミスを拾って好機を生み出し(33分)、流れを変えに掛かる宮崎。
34分に橋本がミドルシュート(GK笠原キャッチ)、36分には阿野のクロスから魚里がヘディングシュート(GK笠原キャッチ)と、「1点取れば流れが変わる」の精神の下攻め立てます。

しかしその1点は、無情にも大宮サイドに入る事となり。
37分ここも最終ラインから組み立てる姿勢で、小島がタイミングを計り一気に裏へロングパス。
走り込む藤井に対し大武が蓋をするのに失敗、スピードで上回られて藤井が触る結果となり、たまらず前に出たGK青木がかわされた所で藤井と交錯。
そして主審の笛が鳴り響き、反則・PKの判定となってしまいました。
キッカーは杉本が務め(ゲットした藤井が蹴りたそうな雰囲気が画面に映し出される)、ゴール右へと蹴り込んでGKの逆を突き3点目。
宮崎はCBコンビがともに裏を取られるという、問題はビルドアップ能力だけでは無かった事が露呈される結果となり。

その後の宮崎は見るも無残という感じで、41分の大宮のパスミスを拾ってショートカウンターになりかけた場面しか好機は無く。
一方的に大宮の攻めを受け続け、今季初出場の種田(一応、ルヴァン杯1回戦ではスタメン出場)に左からの前進を任せ続けるという、一種の練習のような恰好の絵図となり。
ここで結果を出したかった種田、何度も左サイド奥を抉るものの得点どころかチーム自体にもフィニッシュを齎す事無く、前半終了の時を迎え。
そしてハーフタイムで退く(泉と交代、同時に清水祐→石川へと交代)など、長澤徹監督自身も、ある意味テスト的な起用と割り切っていたでしょうか。
一方この後激しく追い掛けなければならない宮崎も2枚替え、辻岡・酒井→吉田・江口へと交代します。

ベンチワークで流れを齎したかった宮崎・大熊裕司監督でしたが、それは果たされる事は無く。
大宮が前半同様、投入された泉が左ワイドに張りっぱなしというシステムから攻め込むシーンが続きます。

当然決定機も多く、後半5分には左CKから、キッカー泉はショートコーナーを経てグラウンダーでマイナスのクロスと変化。
これを中野克が合わせシュートしますが、惜しくもゴール上へと外れ。
7分にも再三攻め込む大宮、泉のボレーシュート(GK青木キャッチ)など好機を作った直後、宮崎のトラップミスを茂木がダイレクトでスルーパスを送った事で息もつかせぬ攻撃。
受けた中野克が右奥からカットインし、ボックス内で更にマイナス方向へ切り込んだ末にシュート。
良い角度から放たれ、決まったと思われたシュートは左ポストを直撃と、更なる追加点は挙げられず。

劣勢を絵に描いたような宮崎の状況ですが、FW橋本がこの直後から奮闘する事に。
8分に上野のパスがブロックされ、右奥へこぼれたボールを拾いそのまま強引にカットインシュートを放った橋本。(GK笠原キャッチ)
続く9分にも右からの前進を経て、橋本がマークに遭いながらもフィジカルで強引にカットイン、そしてポケット奥からのクロスでCKに繋げ。
主力の移籍が相次ぎ、前線の選手では宮崎の全盛期(2021年)を知る唯一の存在となりつつあるだけに、この苦境で思う所があったでしょうか。
何とかあの時の宮崎を取り戻さんという、プレーぶりでチームを引っ張らんとします。

大宮は多彩なフィニッシュを見せる前線とは裏腹に、後方ではパスミスが目立つなど盤石という訳では無く。(浦上・村上ともに今季初スタメンなので仕方ない側面もあるが)
14分には宮崎の右奥からのスローイン、エリア内へ直接投げ込まれたボールを、クリアしにいった村上がまさかの転倒。
これを橋本が浦上を背負う形で受けたもののシュートは撃てずと、一歩間違えれば危ない絵図も作ってしまい。

18分に、HT同様に双方選手交代。
宮崎が阿野・上野→楠・吉澤へと2枚替えを敢行、大宮は植田→下口。

阿野から楠と、ヴェルディ勢同士(レンタル中)の交代となった宮崎の右サイド。
直後の19分にはその楠がクロスを送り、ニアに走り込む橋本に惜しくも合わずと、前者に劣らない働きを保たんとします。(ちなみにCKのキッカーも阿野→楠へと引き継ぎ)

しかし大宮は、万能なレギュラーの下口(クロスのみならずターゲットにもなれる)が入った事で攻撃の圧力を強め。
20分にはその下口が左からクロスを入れ、合わせにいった藤井からこぼれたボールを小島がシュートするもGK青木がセーブ。
その後もCKやミドルシュートなど散々に宮崎ゴールを脅かし、GK青木の負担も増大という展開に。
26分には右奥に進入した藤井から低く速いクロスが入ると、青木はこれを咄嗟に足を出すという形でクリアして防ぎ。
GKがエリア内で手を使えずという守り方に、追い詰められている感がありありでしたが、そうした奮闘はその後報われる事になります。

20分から約10分間も、大宮の攻撃一辺倒という流れは続き。(30分に大宮は藤井→中野誠也へと交代)
何とか凌いだ宮崎は、それが途切れた直後の31分自陣での左スローインからの攻め、受けた吉澤が倒れながらもスルーパスを供給。
これをライン際で魚里が受けそのまま奥へと切り込んでクロス、茂木のブロックを掠めてニアサイド低目へ落ちる所に橋本が走り込んでシュート。
GKのニアの狭い所を破ってゴールインと、ここしか無いという狭い所を通したうえでモノにし、1点を返します。

しかし全体的には流れは不変であり。
点差を縮められた大宮、その後もセットプレーから下口や村上がヘディングシュートを放つ(前者はGK青木キャッチ、後者はゴール左へ外れ)など、得点の匂いは依然として高く。

そんな大宮にあやかろうとしたのか、37分に最後の交代を敢行する宮崎。
投入された駒は元大宮の吉永でした。(青山と交代)
それでも右サイドは楠の突破力が目立つため、吉永はさして好機に絡む事が出来ず。

そのまま突入した終盤。
45分に宮崎はFKからの二次攻撃、左から入れられたマイナスのクロスを吉澤が合わせシュート。
しかしゴール上へ外してしまいます。
直後に大宮も、敵陣で長らくパスを繋いだ末に左から泉が切り込みポケットへ、そして小島のクロスが上がり。
跳ね返りを泉がヘディングシュート、GK青木がこれを前に出たうえで跳んでセーブ、さらに藤井がそのこぼれ球を追撃。
しかし枠を捉えられずと、ともに決定機が交錯するも決まる事は無く。

突入したアディショナルタイム、しかしお互い決定機逸の直後とあり、流石に緊張感をずっと保つのは難しくなってきたか。
江口が石川に対するアフターチャージで反則、同時にこの日初となる警告がこの時間帯で生まれ。
その後スローインを直接収めにいった橋本が石川にチャージされて反則と、最後は反則塗れといった流れに突入した感がありました。

結局3-1のまま試合終了。
大宮は無敗・宮崎は未勝利が継続という、対照的な形は不変に終わりました。

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