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DAZN観戦 2024年J2リーグ第5節 大分トリニータvs鹿児島ユナイテッドFC

2024-03-22 16:27:25 | サッカー視聴記(J2)

※前回の鹿児島の記事はこちら(2節・徳島戦、2-1)

<大分スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 保田がU-19代表に選出されたため、今節からチーム離脱。
  • 鮎川の負傷が発表されるも、発生日・全治ともに未発表。
  • 高橋の負傷が(以下同文)
  • ユース所属の小野誠竜・矢野が2種登録選手となり、2節(横浜FC戦・0-0)から登録される。

<鹿児島スタメン>

  • 小島がU-19代表に選出されたため、今節からチーム離脱。

九州ダービーの幕開けとなったこのカード。
県全てにJリーグクラブがあるのが九州地方であり、ことJ2に至っては、時には5クラブもの争いになる通称「バトルオブ九州」。(今季は4クラブ)

昇格組の鹿児島は、2度目のJ2での争いとなり。
その中でも前回のライバルが福岡・長崎・琉球であったのが、今年は長崎・熊本・大分と半数が入れ替わっており、昇降格の激しいサッカーリーグを如実に示しています。
この日の相手は大分で、野嶽兄弟が敵味方に分かれて戦う、藤本・薩川が古巣対決とメンバー的にも話題性は十分。

戦略的には、連戦という事で入れ替えたメンバーがカギとなり。
それは大分の長沢で、190cm超えの身長を活かした、ヘディングシュートでの得点感覚は一級品な選手。
ベテランの域で、かつ前年オフに契約満了で退団→再契約という特異なプロセスを経た選手という事で、これまではジョーカーの起用に留まっており。
この日はスタメンで出場、チーム的にも彼を積極的に生かす攻めを続けた辺り、得点力不足の解消を果たすための強引な手法にも思えました。
しかし結果的にはこれが大当たりとなり。

普段は閉会式ドームであり風の影響を受け辛い大分のホーム・レゾナックドーム大分ですが、屋根を開けたが故に強風に苛まれるピッチ上。
それ故に鹿児島はロングボール中心に立ち回る事となり。
前半2分、ゴールキックでロングフィード→跳ね返りを拾った藤本がミドルパスと浮き球で前進し、受けた武が右ポケットからシュート。
ブロックされて右コーナーキックとなり、その二次攻撃から星ロングパス→岡本落としを経て米澤がエリア内からシュート(GK濱田セーブ)と、その狙いは実るかに見えた立ち上がり。

しかし、大分も7分にゴールキックでロングフィード→長沢フリックと単純明快な前進から、右サイドで受けた野村がカットインを経て逆へ展開。
そして古巣対決となった薩川がカットインの姿勢からクロスを送ると、長沢が中央で合わせヘディングシュート。
その打点の高さに鹿児島センターバックもお手上げというような、シュートがゴールに突き刺さります。
起用の狙い通りに、早くも先制点に辿り着いた大分。

それでもこれまで全試合で先制されている鹿児島。(にも拘らず2勝1分1敗)
気後れせず反撃に掛かりたい所ですが、逆にそこを突かれ10分にカウンターに持ち込まれ。
薩川のドリブルからアタッキングサードに持ち込み、長沢のキープで遅攻に切り替わったものの、パスワークを経て野村がエリア内の弓場へラストパス。
これが遮断されるも右にこぼれた所を野村自らクロスを送る運びとなり、クリアされるも尚も左CKに。
そしてキッカー小酒井はグラウンダーでポケットへのパスと変化を付けると、野村のポストプレイで戻されたボールを弓場がミドルシュート。
藤本がブロックするもエリア内へこぼれ、すかさず詰めた渡邉新のシュートがゴールに突き刺さります。
あっという間の2点先取で、早くも優劣がハッキリする事となり。

2点差を追い掛ける事となった鹿児島、前回観た徳島戦と同様に、CBがワイドレーンへと持ち運んでからの縦パスでサイドから二択を迫る攻撃。
しかしそれに対し、大分は2トップ(守備時、長沢・渡邉新)がチェイスを怠らず。
従って戸根・岡本は余裕を奪われた状態でのパス出しを強いら、繋ぎの精度に欠き思うように前進を果たせません。

逆に大分の攻撃は2点リードを活かし、自身でもボールポゼッションを高めて相手の攻撃機会を減らす立ち回りを増やし。
当然ながら鹿児島はプレッシングでそれを妨害しなければならない状況。
しかし大分の技が冴え渡り、ボールを奪えず。
相手ディフェンスを際どく抜く股抜きパス、受け手が微妙に動いてパスコースを作る、パスの動作をキャンセルし切り返してキープなどと様々な手で翻弄し繋ぎます。

こうした流れから、20分台から鹿児島は殆ど攻撃が出来なくなり、逆に攻め上がる大分。
25分には左から薩川がグラウンダーでニアに走り込む長沢に合わせるクロスを送り、DFに当たりこぼれた所を野村が走り込んでシュート。(ブロック)
30分には敵陣でのボール奪取から右へ展開、野嶽惇が弟・野嶽寛とのマッチアップを制して右奥からカットインしシュート。(枠外)
鹿児島の反撃は27分の大分CKからのカウンターぐらいで、ここでも武のドリブルからの星へのパスがカットされて実らず。

そうして時間と余裕を奪った末に、さらに追加点を得る大分。
34分左サイド奥でのパスワークの中で、ポストプレイの体勢でパスを受けた薩川が(戸根に)倒されて反則。
これでエリアからすぐ脇の左サイドからのフリーキックとなり、キッカー野村のクロスをニアサイドで長沢がフリック気味に合わせ、流れるように右サイドネットへと突き刺します。
ここでもストーン役の藤本との身長差が歴然だった鹿児島、たった1人のターゲット(他に190cmの安藤が居ますが)にやられ続けた格好となり。

厳しくなってきた鹿児島は、ここから最終ラインが持ち運びでは無く、ロングパスを再度使い始め。
対策されていた感があったが故の切り替えでしょうか。
これは一定の成果を上げ、39分に戸根が右ワイドから送ったロングパスを武が収め、奥を突いてのマイナスのクロスがクリアされてCKに繋がり。
この右CKから、クロスの跳ね返りを野嶽寛がミドルシュート、ブロックされた後も拾って二次攻撃。
右からの田中のアーリークロスを岡本がヘディングシュート(GK濱田正面でキャッチ)と、フィニッシュに持ち込み。

それでも守備面では、相変わらず長沢狙いのハイボールに苦戦するCB。
41分にはこぼれ球を追い掛けた際、岡本が長沢の腕でのチャージを受けると、激高した岡本は右タッチライン際で長沢を押し倒す事態に。
これで両者ヒートアップし、仲裁が入ったのちも尚も長沢が岡本に詰め寄る緊迫の絵図を招きます。
その間に野村が(田中に)顔にチャージされて長らく倒れ込んでいた事もあり、試合の流れはブツ切れとなり。

結局鹿児島は以降攻撃機会を満足に得れず、アディショナルタイム(3分)終盤に藤本の落としを経て放たれた武のシュート(枠外)のみに終わり。
3点差のまま、前半終了となりました。

ハーフタイムで、大分は先程痛んだ野村が交代に。
中川が同ポジションで投入された事で、身長的に190cm超え~160cm以下の選手が混在するバラエティ溢れる前線となりました。

迎えた後半、まずは1点を返したい鹿児島が反撃体制を作りに掛かり。
後半2分、右サイドからの前進にトップ下の田中が加わってのパスワークを経て、武のカットインで中央からの崩し。
野嶽寛左ポケットへパス→米澤ダイレクトでクロスから、藤本が脚で合わせる(枠外)ファーストシュート。

このシーンのように、後半は田中がサイドに流れてのプレーが目立つようになり。
前半はポジションの通り中央を軸にした動きでしたが、大分の素早い寄せに苦しんでいた感があったための修正だったでしょうか。
6分にも武がドリブルで右サイドを推進し、溜めたのち追い越す田中へとスルーパス。
その田中の低いクロスを、再び藤本が今度はフリックのように脚で合わせたもののこれも枠を捉えられず。

流動性が増した鹿児島に対し、それでも大分は強度高く寄せるものの、後半3分の長沢の(藤村に対する)アフターチャージによる反則・警告など仇となる場面が膨らみ始め。
14分にも、パスワークの最中に田中が小酒井のアフターチャージで倒され反則。
これにより中央からの直接FKを得ると、キッカー田中は直接シュートを狙い。
ゴール右を襲うフィニッシュとなるも、GK濱田のセーブでゴールは奪えません。

前半よりも得点の可能性が増したものの、結果を出せない鹿児島。
大分は守勢ながら、カウンターを繰り出したのち遅攻に切り替えてパスワークなど、時間を使う立ち回りの色を高めて3点差を活かしに掛かります。
17分にこの日2得点の長沢を交代させ、伊佐を投入。
前半から勝負を賭ける、というような采配は綺麗に奏功しました。

一方の鹿児島のベンチワークは、追い掛ける立場とあり早め早め。
11分に米澤・武→福田・西堂へ2枚替え、まずは両翼を交代させ。
19分にこちらも1トップの藤本が交代となり、鈴木を投入。
長沢同様に積極的にフィニッシュを狙った(特に後半)ものの、無得点という結果に終わりました。
それでもゴールを割れないまま、24分に早くも最後の交代。
星・山口→渡邉英・ンドカへと2枚替えし、カードを使いきった大島康明監督。

時間が進んだ事で大分のチェイスも甘くなり(というかリトリート主体に落ち着いた感があり)、CBがワイドに向かって持ち運ぶ攻撃パターンを再び膨らませる鹿児島。
そこからサイド攻撃を仕掛け、逆サイドのサイドバックが中に絞るという、特色を全て出しての攻撃で何とか得点を狙い。
28分には敵陣で田中が左→右へとサイドチェンジを敢行し、ワイドで受けた西堂が奥を突く姿勢から、戻しを経て渡邉英が手前からクロス。
クリアボールが真上に上がり、鈴木と安藤が競り合うも触れずバウンドした所を、強引に鈴木がバイシクルで撃ちにいくも上へ大きく外れ。
続く30分には左サイドからの前進でポケットを突きにいき、田中のポストプレイがズレた所を渡邉英がミドルシュート。
ブロックされるも、拾った西堂が今度は右ポケットから巻くシュートでゴールを狙うも、左へ惜しくも外れ。

この、最後の交代から暫くの時間帯が鹿児島にとって千載一遇の好機だったでしょうか。
大分に一度も攻撃させずに押し込み、フィニッシュも膨らませたものの、ゴールだけが遠い結果に終わり。

そして押し込まれる大分が采配で手を打ち、33分に野嶽惇・小酒井→有働・羽田へと2枚替え。
これにより3-4-2-1へと布陣変更、3バックが右から藤原・安藤・香川となり、ウイングバックが右に有働・左に薩川。
典型的な5バックシステムのようでしたが、敵陣で守備をする際は有働が前に出て、これまで通りの4-4-2でプレッシャーを掛けにいき。
言わば可変式っぽい守備システムでしたが、切り替えにおける隙も健在であり、まだチャンスはあるという鹿児島の状況。

決定機が訪れたのは40分、ゴールキックを短く繋ぐ攻めから、ンドカのポストプレイを交えての前進を経て田中が左ポケットへスルーパス。
そして福田のクロスがファー奥へ上がり、鈴木の折り返しがディフェンスに当たるも尚も繋ぎ、西堂がシュート。
近距離からゴール上を襲ったものの、バーを直撃と運にも嫌われる結果となり、モノに出来ず終わりました。

結局無得点のまま終盤を迎え、冷や汗を掻いた大分サイドも、5バック色を高める事で完全な逃げ切り体制に。(43分に渡邉新→松尾へと交代)
既に運気は残っていないというような鹿児島ですが、諦めずに攻め上がり。
突入したAT早々という時間で、戸根ロングパス→ンドカフリックがDFに当たりこぼれた末に右奥の西堂へ渡ると、囲みに来た大分ディフェンスを振り切ってのカットイン。
ポケットを突けるかという所で、安藤が後ろから手を使う形で倒してしまいましたが、笛は鳴らず反則無しで攻撃終了。
判定も味方せず、という場面でしたが、前半の乱闘騒ぎを経て主審(山下良美氏)の判断も極端に慎重になってしまっていたでしょうか。(特に後半は警告相当のような反則でもノーカード、という判定が多かった)

その後もめげずに攻め込む鹿児島。
福田が左からカットインシュートという場面も作りましたが、これも藤原のブロックで防がれるなど、最後までゴールには辿り着けず。
結局3-0のまま試合終了となり、九州ダービーの初戦は敗北に終わりました。

一方今季初の複数得点での快勝となった大分。
それでも総得点5のうち3点が長沢と、一度退団の運びとなった選手がここまでのウェイトを占めるという状況が珍妙でもあり。
「無理使いはしたくない」「彼抜きでは得点はキツイ」という板挟みにならないか一抹の不安が過る所で、今後どういった舵取りになるか。

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