ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

DAZN観戦 2023年J1リーグ第12節 名古屋グランパスvsガンバ大阪

2023-05-08 16:00:48 | サッカー視聴記(2023年J1)

<両軍スタメン>

中2日という厳しい条件下で行われた試合。
債務超過解消という課題にも立ち向かわねばならない影響かリアリズムに徹するかのように、勝ち点を重ねて上位を維持する名古屋もその影響は無視できず。
永井・野上・米本・ユンカーといったレギュラー格の選手をベンチに留め置き、この一戦に臨みました。

一方のガンバは、GK争い(東口・谷)が話題になるように、依然としてベストメンバーを模索中という状況。
既存の主力選手では理想のサッカーは行えないと判断されたかのように、スタメンを助っ人選手が占める割合が多くなり。
リーグ戦は目下1勝のみ(4分6敗)という散々な成績で、1敗のみの名古屋とは全く対照的。
そろそろリアリティの追及を果たさないと後が無いという、ダニエル・ポヤトス監督率いるガンバ。

名古屋のキックオフで始まった攻撃、藤井のロングパスの跳ね返りを拾った和泉がシュート(ブロック)と、いきなりフィニッシュに繋がり。
この試合でもそうだったように、いきなり相手のキックオフから際どい好機を作られるガンバは、どうにも試合の入り方がなっていない感が露わにされているようであり。

気を取り直して攻守を反転させペースを握らんとするガンバですが、今度はラフプレーというファクターが襲い掛かり。
前半5分のアラーノに対する森下の反則を切欠に、以降この両者は何度もバチバチとチャージし合う関係となりますがそれは後述。
これを境にガンバの反則が膨れ上がる時間帯に突入し、名古屋がサイドで得るフリーキックから好機を作り。
7分には左サイドからキッカー・マテウスが低い弾道でニアへのクロス、ゴールに向かうボールとなるもGK谷がキャッチ。
続く8分今度は右サイドから、マテウスはライナーの弾道でファーサイドへクロスを送り、酒井が合わせるもこのヘディングシュートは枠外に。
10分にも右コーナーキック(この場面では和泉がキッカーに)から、クロス→酒井フリックからのこぼれ球をマテウスがシュート(ブロック)と、セットプレーでひとしきりゴールを脅かす名古屋。

これで序盤の主導権を得た名古屋は、中2日の影響かプレッシングが強まらないガンバを尻目に、ゆったりとしたビルドアップからサイドチェンジを多用して崩さんとします。
12分には藤井の右→左へのサイドチェンジを受けた森下、細かいタッチでのドリブルから隣のレーンへとパス、受けた和泉が左ポケットを突いてシュート。(枠外)
この後ガンバも持ち味のポゼッションを高めんとパスを繋ぎますが、さしたる好機は生まれず。
主体的な攻撃という要素でも、名古屋が上回る立ち上がりとなりました。

その中で、15分にアラーノのロングパスをブロックした森下が痛んで蹲るシーンが生まれ。
18分には名古屋の反則でプレーが途切れると、すかさず再開しようとしたアラーノが眼前に居た森下を蹴ってしまい。
ダイレクトな削り以外の場面でも、この2人はラフプレーという要素から逃れられないようであったこの日。

17分にようやくファーストシュートに辿り着いたガンバ。(ロングパスを左サイドで受けた食野がカットインからミドルシュート・枠外)
依然としてプレッシングは大甘ながら、何度か敢行されるゲーゲンプレス(ポヤトス監督の「切り替えー」という日本語の指示を聞くと何か落ち着くものがある)により、名古屋の主導権を徐々に剥がしながら先制点への流れを作り上げたい所。
22分には名古屋のパスミスを拾って矢印を反転させ、素早いパスの送りで好機となるも、石毛のスルーパスはジェバリには合わず。
高いボールポゼッションの中でも、やはり得点への期待度はこうした早い前進からの好機なのは明白であり。

ガンバの盛り返しによりどちらともいえない流れとなる中、33分にダワンが長澤へのアフターチャージにより反則・警告。
ついに出されてしまったイエローカードにより、再びラフプレーの機運が高まる事となり。
35分にはロングボールを合わせにいった丸山が、アラーノをチャージし倒してしまう事態となるも、競らなかったアラーノの反則という判定にガンバサイドが紛糾。
1分以上倒れ込む事態となるも、何とか起き上がったアラーノですが、これで負の感情が噴出してしまったでしょうか。
39分にはアラーノが前進する所をスライディングで倒され、こぼれ球を拾いにいったアラーノと、それを止めようとする森下。
そしてやはりと言うべきか、アラーノの肘打ちにも近いチャージにより森下が倒れ込む事態が発生してしまいます。
これにより警告を受けるアラーノ、さらに退場かどうかVARチェックが行われるも、警告止まりで命拾いとなり。

こうした一連の流れにより、再び名古屋へと傾く主導権。
37分には右から稲垣がライナー性のクロスを送り、ファーサイドで森下がボレーで合わせましたがゴール上へと外れ。
43分には左サイドでスローインから組み立てた末に森下がクロス、これもファーサイドで内田宅がヘディングで合わせるも、クォンギョンウォンのブロックに阻まれます。
苦境に立たされるガンバ、アディショナルタイムでは遠目からのFKでも放り込みを選択する等、ポゼッションスタイルのチームらしくない選択を取り。

結局スコアレスで終えた前半。
主力温存という手を打ってきた名古屋・長谷川健太監督は、ハーフタイムで早くも動き、永井を投入します。(内田宅と交代、これにより和泉が左ウイングバックに回り、森下が右WBへ)
これまで(リーグ戦)全試合スタメンを続けていた永井、FC東京時代から続く長谷川氏の欠かせない駒という位置付けは全く変わっていないようであり。

ガンバのキックオフで始まった後半も、最初に攻撃機会を得たのは名古屋。
後半2分敵陣に押し込んだ状態で、ガンバボールとなるも縦パスを前に出て藤井がカット。
そこから圧を掛けディフェンスに遭いながらもパスを繋いで前進、ラストパスが右ポケットの酒井に渡ってシュートが放たれますが、オフサイドで無効となり。
一方のガンバ、4分に中盤での奪い合いから半田がスライディングで繋いだ事で攻めに転じ。
尚も名古屋のディフェンスを受ける中、ラヴィのパスを受けたアラーノがエリア内左へスルーパス、受けた石毛がシュートするも藤井のブロックで防がれ。
共に綺麗なパスの繋ぎでは無いながらも、好機に結び付けるという力強さでゴールに迫り。
連戦で疲労度が無視できない状況が生み出す、泥臭さが目立つ展開となったでしょうか。

そんな中でも、綺麗に繋ごうという意識が高い(と思われる)ガンバ。
こうした展開を受けて、次に見出した活路は最終ラインの持ち運びで、9分にセンターバックの福岡がドリブルで前進。
ここから左へ展開ののち黒川からラストパスが送られるも、エリア内の食野の前でカットされ実りません。

11分に石毛も警告を受ける等、依然として反則というファクターが高割合を占める試合絵図。
名古屋ベンチは矢継早に動き、12分に酒井・長澤→ユンカー・米本へ2枚替えと、リフレッシュ効果も兼ねて流れを掴みにいきます。

その直後の13分に、ジェバリのポストワークを経て半田が右ハーフレーンをドリブルで運ぶ好機を得るガンバ。
カットインからのミドルシュートを選択した半田(ゴール左へ外れる)を見て、ガンバベンチも16分に動き。
食野→高尾へと交代、高尾が右サイドバックに入る事により半田が右ウイングと、その攻撃力を活かさんとする位置に回ります。(アラーノが左ウイングへ回る)
セレッソ・毎熊を彷彿とさせる、J2からの個人昇格を機に敢行される攻撃的な位置へのシフト。

しかしその執念の采配も実らずとなります。
20分にガンバのパスミスから名古屋がショートカウンター、マテウスのスルーパスでユンカーが右ポケットを突く絶好機に。(その後ユンカーのシュート気味のクロスをGK谷が抑える)
これまでの戦いぶりのように、ミスから流れを失う危惧が生まれると、そこから間もない22分でした。
藤井が右サイドでパスカットしてここも敵陣から攻撃を始める名古屋、拾ったマテウスから中央を突く動きを見せると、ワイドを上がる藤井がフリーに。
そして中央からパスを引き取った藤井が右ポケットを突き、奥からグラウンダーでクロスを入れて「後はゴールに押し込むだけ」というシーンが生まれます。
最初に合わせにいったユンカーはミート出来ずも、福岡のクリアをブロックするような形で稲垣が詰め、文字通りゴールにねじ入れました。

スコアレスの時間を長くしてきたものの、結局リードを奪われてしまったガンバ。
キックオフ前に一気に3枚替えを敢行(石毛・ダワン・ジェバリ→宇佐美・山本理仁・鈴木)し、勝負に出なければならない状況となります。(これを境にフォーメーションも4-4-2へとシフト、鈴木・宇佐美の2トップに)

当然ながら、ボールポゼッションを高めるだけではその打開は図れず。
有効となっていた福岡の持ち運びも絡めつつ、何とかチャンスを作らんとします。
しかしその間にも襲い掛かる名古屋のカウンター、32分にボールカットした米本がドリブル、それを反則覚悟で宇佐美がチャージするも繋がれてアドバンテージに。(のちに警告)
そしてマテウスが戻ってきた鈴木に反則を受けてやっと止まるという具合に、名古屋の個の力を活かしての推進力はやはり脅威となり。
ここからFKを経てさらに左CKへと移行し、その間に名古屋はマテウス→野上へと交代。
そのため和泉が蹴ったこのCK、ファーサイドで丸山の折り返しから巧く繋げ、ユンカーのシュートに持っていくもGK谷がキャッチ。

そしてセットプレーの流れが途切れると、野上が右WBに入った事で森下・和泉がそれぞれスタートの位置に戻り。
5-4-1のブロックを固めるという、逃げ切りかつカウンターであわよくば追加点という姿勢へと舵を切ったのが明白となった名古屋。
そのブロックの外側でひたすらボールを回しながら隙を伺うガンバ、という攻防となります。

パス出しの基点かつ、隙を見て中央突破の二択を強いられたのが福岡。
ポヤトス氏のサッカーを良く知る選手らしい役どころを務めたこの日ですが、それが報われないのが何とももどかしく。
42分には藤井のパスカットからまたも名古屋が素早く攻め運び、ユンカーのトラップで裏を取られかかった末に反則、警告まで貰ってしまいます。(福岡本人は反則自体不服そうでしたが)

この反則による名古屋の直接FKを何とか凌ぎ、迎えたAT。
右サイドからのラヴィのクロスは逆へと流れるも、拾ったのち山見がカットインに入った事でシュートチャンスを迎えます。
中央でパスを受けたラヴィ、さらにエリア内右で彼のパスを受けた半田と何処でシュートするのか隙を伺った末に、戻しを経てラヴィのシュート。
これをGKランゲラックがセーブして凌ぐも、尚も右CKと好機は続き。
キッカー宇佐美クロス→半田フリックを経てエリア外へとこぼれた所、拾った山見のミドルシュートがゴール右を襲い。
しかしこれもGKランゲラックがセーブと、これまで目立つ所の無かったランゲラックが本領発揮とばかりに決めさせません。

折角のビッグチャンスもモノに出来なかったガンバ。
その後またも永井のボール奪取で、名古屋のカウンターになりかけた所を黒川が反則で止めてしまい警告という具合に、被害は膨らむばかりとなりました。
結局このFKを蹴るかどうかという所で、試合終了の笛が鳴り響き。

ウノゼロでキッチリ勝利した名古屋の一方で、ガンバの低迷ぶりは何処まで続くのか。
内容を見る限りチーム改革の成果は現れつつあるだけに、今後フロントレベルも含めて非常に難しい局面を強いられる事となりそうです。

にほんブログ村 サッカーブログ Jリーグ(J1)へ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする