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DAZN観戦 2022年J2リーグ第16節 藤枝MYFCvsジュビロ磐田

2023-05-20 16:15:34 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の藤枝の記事はこちら(11節・仙台戦、3-2)
※前回の磐田の記事はこちら(11節・金沢戦、2-1)

<藤枝スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 14節(山形戦、2-3)で負傷交代した杉田の詳細が発表され、全治6~8か月との事。ほぼ今季絶望か。
  • 同じく14節で水野が負傷交代、詳細は未発表だがベンチ外が続く。

<磐田スタメン>

  • ファビアン・ゴンザレスの出場停止が解け、前節(群馬戦、4-2)初のベンチ入りののち途中出場。
  • 11節で負傷交代した大津の詳細が発表され、5/2の手術から完治まで約5か月との事。
  • 後藤が13節(ヴェルディ戦、0-0)で負傷交代、以降ベンチ外が続く。
  • 古川とA契約を締結。

順調に勝ち点・得点を稼ぎ、視界良好と思われていた藤枝。
しかし一寸先は闇で13節以降3連敗を喫しただけで無く、杉田・水野ら故障者も発生してしまい。
ペースダウンは必至という状況で迎えた「静岡三国決戦」の連戦で、前節・清水戦(0-5)は力の差を見せ付けられる格好となってしまいました。
ここでチーム方針変更などといった、弱気の姿勢を見せる事は百害あって一利なしと言わんばかりに、あくまで「静岡の序列を変えたい」と強気の姿勢を見せる須藤大輔監督。

それでも、薄くなったボランチの穴を埋めるべく、横山・渡邉をそれぞれ一列下げてのスタートとなった布陣はそれを隠しようも無く。
試合内容も、前半1分に磐田がゴールキックから短く繋ぐ前進をプレッシングで止められず。
その後は主体的な攻撃を繰り広げようとするも、中盤で奪われ逆に磐田のチャンスを生んでしまうという具合に、得意手であるビルドアップ・プレス双方を封じられる立ち上がりを強いられます。

今までのように渡邉が頂点という布陣では無く、かつアンデルソンが今季初スタメンという要素も抱え。
それは嵌らないプレッシングに表れ、磐田最終ラインの横の揺さぶりについていけずにかわされるシーンが目立ちます。
一方で最終ラインからのビルドアップも、磐田の前線の対応に難儀。
ボランチへのパスコースを切りながらのプレッシャーが巧く、山田大を始めこれまでの相手とは一味違うといった経験豊富なメンバー。
何とか磐田の前進を防がんとするも、14分に裏へのミドルパスを受けた山田大を川島が後ろから倒してしまい反則・警告と、後追いの反則も膨らんでいく苦しい展開に。

松本のエリア内でのシュート(4分・11分)やジャーメインのヘディングシュート(8分・23分)と、ひとしきり磐田がゴールを脅かす流れで試合は推移。
何とかそれを切りたい藤枝、25分に(川島縦パス→渡邉スルーという変化で通したのちの)アンデルソンのドリブル突破で好機を作り、右ポケットを突くアンデルソン。
グラッサのディフェンスに遭うも、エリア外へこぼれた所を拾いに行った横山が上原に倒されて反則。
これで中央からの直接フリーキックを得た藤枝、キッカー横山が直接狙いにいくも、壁を越えたボールは惜しくも落ちきらずゴール上へと外れ。
それでも直後の27分には磐田が左コーナーキックへと持ち込み、その流れの中でアンデルソンが(上原に)反則を犯してしまいさらに直接FKに。
左ワイドという位置ながら、キッカー上原はグラウンダーのシュートで直接ゴールを狙いにいき、GK上田がキャッチして何とか防ぎます。
直接FKの応酬も、苦しさが拭えないというような藤枝。

意図せずとも、反則を量産する流れとなってしまったこの日の藤枝。
そんなジャッジへの不満から、33分に異議で渡邉が警告を貰ってしまったのがケチの付き始めとなり。
以降既に警告を貰っていた川島が、磐田のポストワークに対し後ろからアタックを敢行する姿に、「いつか2枚目を貰うのでは……」という危惧を画面上からでも感じてしまい。
ちなみに磐田サイドも、30分にドゥドゥが足を痛めて途中交代を余儀なくされ、古川を投入します。
しかし41分にはその古川がドリブルで敵陣を掻き回し、久保の反則を呼んでまたも警告。
そして絶好の位置(左ハーフレーン・エリアからすぐ手前)での直接FKを得て、上原が再び直接シュート、今度は浮き球で壁の上を通しましたが惜しくもサイドネット外。

ビルドアップが巧くいかないため、全体的に下がり気味の重心を強いられる藤枝。
トップスコアラーの渡邉も前線でシュートを狙いにいく余裕は全く無く、これもボランチの主力2人を欠く影響の深刻さが伺えます。
それでも前半の終盤は、左右のセンターバックがワイドに開くなど、プレッシャーを掻い潜る工夫を見せる最終ライン。
44分には右サイドから岩渕が斜めに切り込み、エリア手前中央まで進んでボールキープののちに、エリア内へ浮き球を送り。
そこに渡邉が抜け出し、ポイントゲッターに好機到来かと思われましたが、オフサイドで終わり。
結局最後まで本来の攻撃力を取り戻せず、前半終了となります。

ハーフタイムで磐田の方が動き、山田・鹿沼→藤川・山本康へと2枚替え。
既にアクシデントで1枚交代していましたが躊躇わずにカードを切るその姿は、連戦故に年齢層の高い磐田らしい采配に映りました。(ちなみに遠藤はこの日ベンチ外)

迎えた後半。
藤枝はその攻撃力を発揮せんと、右サイドでは、小笠原と久保の間に岩渕が降りて中継役を務めるという振る舞いを見せ始め。
思い起こされるのが、セルジーニョが居た頃の松本(現在J3)のビルドアップのやり口で、中々持ち味が出ない久保の尻を叩くという意図でしょうか。
その通りに後半3分、岩渕からパスを受けた久保がドリブルで奥を突き、カットインを経てマイナスのクロス(シュートには繋がらず)と本領を発揮。
直後磐田の後方からのロングパスを山原がカットして継続、拾った横山のエリア内へのスルーパスに岩渕が走り込んでシュート。(松原がブロック)
重い腰が持ち上がるかのように、磐田ゴールに迫ります。

しかし容易に流れを渡さない磐田。
藤枝に久保が居るならばこちらには……と言わんばかりに、古川が推進力を発揮し中央ペナルティアークからシュート(6分・横山がブロック)と攻め立て。
直後のCKからも、二次攻撃で左ポケット奥へ切り込んでクロスを入れる古川。
クリアボールを藤川がバイシクルで繋ぎ、ジャーメインポストプレイ→藤川ミドルシュート(ブロックに当たり枠外)とフィニッシュで終わり。

ようやくダービーマッチらしい均衡した流れになって来たという印象で、それに乗るかのように、藤枝はこの男に好機が。
11分、右サイドでパスワークでの前進のなか小笠原が前線まで上がり、彼が上げたクロスをファーサイドで岩渕が折り返し。
クリアされるも拾ったのは渡邉で、そのままミドルシュートを放つと、エリア内左で横山がコースを変えてゴールネットを揺らします。
しかし横山の位置は完全にオフサイドであり、残念ながらゴールならず。

その後13分にも榎本が左からカットインでシュート、ブロックに当たってCKと、前半とは雲泥の差の藤枝の攻撃。
しかし攻勢に出るというのはリスクと隣り合わせでもあり。
直後のCK、GK三浦がクロスを掻き出すと、古川がドリブルに持ち込むカウンターの体勢を作ります。
たまらず追走した渡邉が足を引っ掛けてしまい反則、カウンター阻止という事で当然警告の対象に。
そして磐田サイドの主審(柿沼亨氏)への猛アピール(正直、大人数で主審へ寄ってたかるのは見苦しい……)を経て、この日2枚目の黄色いカードが渡邉に付き出された末に退場処分。
危惧が現実のものとなり、数的不利となってしまいました。

良い流れになりかけていた藤枝、この退場劇が文字通りそれをぶった切る事となり。
渡邉が抜けたのちも、大きくは動かず3-4-1-1という布陣(守備時は5-3-1)で耐える事を選び。
磐田のパスワークに押し込まれて何度もCKを与えるなど、攻撃に出る余裕は殆ど無くなります。(20分に岩渕→小関へと交代、横山がシャドーへシフト)

そして失点もそのCKからでした。
21分敵陣深めでジャーメインがボールカットと、既にビルドアップもままならない事が示される藤枝。
古川・ジャーメインにエリア内を踏襲された末に左CKに逃れ、さらにもう一本継続。
このタイミングで磐田は松本→ゴンザレスへと交代し、キッカー上原のクロス。
これを中央でグラッサがドンピシャで合わせヘディングシュート、ゴールネットを揺らして先制点に辿り着きます。
強度と守備の落とし込みが要求されるセットプレーの連続に、耐えられずとなってしまった藤枝。

ゴンザレスの投入で藤川が右サイドハーフへと回り、ジャーメインとの2トップのような布陣になる磐田。
以降も藤枝に攻撃をさせず、敵陣でサッカーを展開する数的優位の戦いを続け。
24分に上原の左からのクロスを藤川がヘディングシュート(GK上田キャッチ)、25分に長らくパスを繋いだ末にジャーメインがペナルティアークからシュート(ブロック)と、追加点は時間の問題という磐田。

藤枝ベンチは27分に動き、小笠原・平尾・アンデルソン→工藤・久富・矢村へと3枚替え。
これで最終ラインは右から久富・川島・山原・工藤の4バックとなったでしょうか、久保・榎本を2列目に置く攻撃的な布陣に。(4-4-1ないしは4-3-2)
それでも殆ど見られない4バックで、どれだけ好機を作れるか。

その懸念の通り、前に運ぶどころか逆に自陣深めで奪われるシーンを頻発する等、付け焼刃の感が拭えない藤枝。
そして迎えた33分、磐田は松原が左サイドでパスを出したのち中央で受け直してボールキープ、こぼされたのちのパスワークを経て右サイドでポケットを突くという縦横無尽の絡み。
そして入れられた松原のクロスが、ブロックに入った山原の左腕に当たってしまうと、ハンドの反則を告げる笛が鳴り響きます。
PKという絶好の追加点のチャンスを得た磐田。
一方の藤枝は万事休すな雰囲気となりますが、キッカーを務めたゴンザレスはタイミングをズラしてのループシュートを選択。
その狙い通りにGK上田の逆を突いたものの、肝心のシュートは浮いてしまいゴール上へと外れてしまい。
まさかのPK失敗となったゴンザレス、いただけないといったキックになってしまいました。

この隙を活かしたい藤枝ですが、攻撃の要となるべき横山が、スタミナ切れを迎えたのか37分に退き。(金浦と交代)
直後の38分、磐田は前掛かりな藤枝の隙を突き、ジャーメインが左ポケットを突いてグラウンダーのクロス。
これをファーサイドで藤川が走り込みシュート、工藤のブロックでこぼれるも拾い直した藤川がまたグラウンダーでクロス、中央で収めた松原がシュート。
しかし判断良く距離を詰めたGK上田がセーブと、紙一重で追加点は許さず。

それでも反撃はままならず、FWのような位置を取る金浦に対するロングボールへと傾倒していく藤枝。
数的不利かつ、攻撃を支えるメンバーが殆ど退いたとあっては仕方無い事ではあり。
しかしそれでゴールに辿り着けるほど甘くはありませんでした。

結局磐田に時間を使われる展開に持ち込まれ。
突入したアディショナルタイムでも、川島を前線に上げるパワープレイも実らないまま、攻撃機会を得れず。
逆に磐田はボールキープと見せかけ、スローインのボールを入れ替わりでエリア内を突いたゴンザレスがシュート(GK上田セーブ)と、最後まで決定機を窺う流れを維持。
そして試合終了の時を迎え、清水同様に藤枝に「先輩」の秩序を見せ付けました。

途中盛り返していただけに、渡邉の退場が高く付く格好となってしまった藤枝。
前半の異議での警告が完全に余分であり、主審は一旦注意のみ引き下がった後の出来事だけに、「これだけ言えば貰ってしまう」という線引きが出来ていなかったようで。
J2初年度故の幼さ、では済まされない結果となり、次戦も渡邉不在での戦いを強いられるなかどう凌ぐでしょうか。

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