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DAZN観戦 2023年J2リーグ第18節 ロアッソ熊本vsモンテディオ山形

2023-05-30 16:44:18 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の熊本の記事はこちら(13節・群馬戦、2-0)
※前回の山形の記事はこちら(15節・仙台戦、1-2)

<熊本スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 前節(水戸戦・3-0)出場停止となっていたGK田代がスタメン復帰。
  • 相澤の故障が発表され、4/25に発生して全治2か月との事。
  • 前節負傷交代した石川の詳細が発表され、5/25に手術実施して全治8か月との事。今季絶望か。
  • 来季加入が内定した藤井(中京大)が特別指定で前節から登録。

<山形スタメン>

  • 成瀬が水戸に移籍のため前節をもって登録抹消。形式的にはレンタル終了→再度育成型レンタル。
  • 15節に負傷した小西の詳細が発表され、全治4~6週間との事。

連戦が2週も組み込まれていた5月も今節で終了となり、月日が経つのは早いものだと実感する頃でしょうか。
その5月を、5戦で3勝を挙げているチーム同士の対戦。

しかし熊本はアクシデントに見舞われ、ストライカーの石川(9得点)を欠いて臨む事となり。
前節も2得点を挙げ、波に乗っていると思われた矢先の出来事であり。
オフの主力選手の大量流出から、ようやくチームが固まって立ち直りに成功していただけに、再びその懸念が蘇りかねない状況に。
払拭するには勝利が必須、という試合となったでしょうか。

そんな得点源の長期離脱という逆風を、前年味わった立場の山形。
その藤本は今季復帰したものの、入れ替わるようにデラトーレが離脱中と、センターフォワードのアクシデントは付き物といった感じの両チーム。

熊本のキックオフで始まると、後方で組み立てようとしたのに対して山形サイドは猛烈なプレッシング。
これによりスローインを得るという具合に、不安を抱える熊本に対して果敢に仕掛けにいった山形。
しかし要のCFが抜けても、スタイルの維持という面では影響は少なく。
最後方からのビルドアップの巧みさは何ら変わり無く、以降山形のプレッシングをいなし続けて好機を量産していきます。

果敢に熊本のボール保持に対抗姿勢を見せた山形。
前半9分にイサカのボール奪取から素早く前に運び、藤本のスルーパスを受けたチアゴが中央からエリア内を突くものの、熊本ディフェンスのチェックもありシュートはジャストミート出来ず。

一方の熊本もプレッシング意欲は旺盛で、13分には敵陣深め左サイドで松岡がボール奪取。
そのままカットインで左ポケットを突いてマイナスのボールを送ると、上村がミドルシュートを放ち、粟飯原に当たってコースが変わるもGK後藤雅がセーブ。
しかし安全な所に掻き出す余裕は無く、小さくこぼれた所をさらに大本が追撃。
枠に飛んで先制か、と思われたこのシュートを、戻った野田がヘッドでブロックと紙一重で凌いだ山形。
しかしこの決定機のシーンが暗示したように、以降も熊本の変幻自在の繋ぎに対して後れを取る事となります。

立ち上がりは右ハーフレーンに位置取る島村の動きが巧妙で、山形はワイドを意識するあまり繋ぎを許してしまう場面が目立ち。
これで色を失ったか、最終ラインにプレッシャーを掛けるものの、そうなるとアンカーの上村がフリーになるという具合に悪循環。
度々パスを通されては、前を向かれて自由に繋がれていたという印象で、アンカーシステムの相手への基本となる対策自体が疎かになっていたでしょうか。

こうして自由を得た上村に引き摺られるように、前線の選手も流動的にパスに絡んでいく熊本。
島村は中央~逆の左サイドにも張り出してパスを受けるようになり、その分ワイドの大本に多大なスペースが与えられて推進……という具合。

山形は決してやられっぱなしでは無く、半分を過ぎた辺りからは自身もボールポゼッションを高めて攻撃機会を増やし。
それでも現在のポイントゲッターはチアゴであり、サイドハーフである以上いかに彼に良い流れで渡すかがカギとなる状況。
熊本のプレッシャーを受けながらのそれは中々厳しいといった印象は拭えません。
30分には敵陣で川井が奪い、縦パス→藤本ポストプレイを経てアーリークロス、ファーサイドでチアゴが走り込んでボレーで合わせたもののその体勢は苦しく枠外に。

前半も終盤を迎えて再び熊本の攻勢が強まり。
そんな中42分に山形がチャンスを迎え、チアゴが左サイドを前進するもディフェンスに遭い、一旦戻したのち小野の中央へのパスをチアゴがスルーして國分に渡り。
そして縦パスを受けた藤本が左ポケットからシュートを放ちますが、ゴール右へと外れ先制ならず。
しかし熊本は山形の好機直後の緩みを見逃さず、ゴールキックを素早くフリーの上村に繋いで前進。
スルーパスで一気に左ポケットを取り、松岡のマイナスのクロスを粟飯原が合わせシュート。
GK後藤雅がセーブするもこぼれ球を再度粟飯原がシュートと、立ち上がりの決定機を彷彿とさせる連撃でしたが、2本目は熊本がブロックとまたもDFに防がれます。

攻撃機会では互角といった様相でしたが、以上の印象から熊本サイドがかなり押していた感じであった前半戦。
スコアレスで前半を終えたのは、山形サイドにとっては何よりの良薬でした。

後半を迎え、変わらず積極的な姿勢を取る山形。
しかし修正はしっかりと施し、國分が上村につきながらのプレッシングで自由を奪い。
こうなると熊本は上村を使わずに攻めるしかありませんが、その初手の後半2分、ロングボールを収めにいった粟飯原が野田に倒されるも反則の笛は鳴らず。
たまらずピッチサイドの大木武監督も激しく異議を飛ばすという具合に、前半の良好な流れが失われつつあったでしょうか。

そして結果に反映されたのはあまりにも早く。
3分の山形、敵陣で攻撃が途切れるも熊本の繋ぎに対してゲーゲンプレスを掛けて右サイドで國分がカット。
そして素早く左へ展開し、エリア内へラストパスがチアゴに渡る絶好機となると、前に出たGK田代を嘲笑うかのようにループシュートを放ったチアゴ。
ゴール右へと突き刺さり、ペースをひっくり返した象徴となる先制点を獲得しました。

これまでの展開からして、リードを奪われたショックは大きいといった熊本。
自覚は無かったかもしれませんが、流れ的に逆らう事が出来ず。
5分の熊本の攻撃、平川がドリブルで敵陣へ運ぶも、藤田息のチャージを受けた末に國分と縺れて倒れ込み。
その際に腕でボールに触れてしまった國分のハンドとなるも、またも(藤田息の)反則の笛は鳴らずというシーンに激高する大木監督。
それを受けて今度は主審も警告で返してしまうという具合に、不穏な空気が漂います。

反撃に転じようとするも、山形サイドが上村のチェックを欠かさなかった事で、前半とは異なり上村を安易に使えない状況に陥った熊本。(前半大いに利用していただけにそのギャップは甚大であっただろう)
繋ぎ役として平川が降りてカバーを試み、15分には大西縦パス→平川フリック→粟飯原ポストプレイ→平川スルーパスとダイレクトでの繋ぎで前進。
中央で島村が受けてエリア内を伺い、ディフェンスに遭ったこぼれ球を粟飯原が拾いシュート(小野がブロック)と、流れるような攻撃。
その直後の16分に粟飯原→大崎へ交代と、CFの穴を埋めるのに必死な采配を見せる大木監督。
前進は果たせているだけに、ポイントゲッターが決めて流れを変えたい所だったでしょう。

しかし追い打ちを掛けるように、18分に松岡が足を痛めて(攣って?)しまい担架で運ばれる事態に。
たまらず2度目の交代をせざるを得なくなったベンチ、道脇を投入して大崎を松岡の左ウイングへとシフト。

めげずに攻め込む熊本、20分に再び上村に代わって中継点となる平川を中心に前進、右サイドを推進した島村の縦パスでチャンスエリアで受け直した平川。
そして切り返しでブロックを剥がした末にエリア内からシュートを放ち、GK後藤雅がセーブしたボールをエリア内で大崎が詰めるという、前半同様の決定機が生み出されます。
しかし大崎のシュートは枠を捉えられず、左へと外してしまいモノに出来ません。

焦りを隠せない熊本サイド、直後には竹本のドリブルが藤田息に倒され、またも反則無しとなった事で紛糾するベンチ。
警告付きとなった監督の代わりと言わんばかりに、藤本主税コーチが激しく異議を飛ばした末に自身も警告を受けてしまいます。
その後も攻め上がるものの、流石に決定機を逃し続けていては見通しは暗く。
それを受ける山形サイドは峠を越したと言わんばかりに、24分に最初のカードに手を付けてイサカ・チアゴ→田中・横山へと2枚替え。(田中がトップ下に入り、國分が左SHへ)

何とか石川不在をカバーせんと、前線で動き回る道脇。
25分には山形のビルドアップに対してプレッシャーを掛ける余り、GK後藤雅に対してアフターチャージしてしまう一幕もあり。
それでも27分には、浮き球を収めた所を野田に後ろから倒されて反則と、ポストプレイヤーの仕事を果たします。
これで左ハーフレーン・エリアからやや手前という絶好の位置での直接フリーキックとなりましたが、キッカー平川の直接シュートは上へと大きく外れ。

どうしても得点出来ない熊本、時間が進むにつれて焦燥も激しくなってきたようで。
縦パス→フリックを多用しては繋げられずと、繊細なパスワークは影を潜める事となってしまいます。

逆に、32分に再び2枚替えを敢行(藤田息・國分→岡﨑・高橋)した山形は運動量の補填と共に攻め手も維持。
熊本の失速を尻目に攻勢に転じると、36分に南のロングパスを左サイドで収めた高橋が反則を受け。
このFKを素早くリスタートさせ、左奥を突いた小野のクロスがクリアされた事でさらにコーナーキックに移り。
ポジション争いでヒートアップを見せるなど、熊本の苛立ちも再び露わになる中、キッカー田中のクロスがクリアされるも逆の右サイドで二次攻撃。
そして川井のクロスをファーサイドで野田が叩き付けるヘディングシュート、大西が満足に競れずにGK田代も脇を抜かれてしまい、ゴールに吸い込まれます。
貴重な追加点はセットプレーで手にした山形。

ディフェンスの集中力も欠如した感が表れ、折れるのは必至といった状況の熊本。
キックオフの前に最後の交代を敢行(竹本・島村→田辺・藤田一、大本が右WGに回る)、何とか闘争心を維持せんとします。
必死にパスワークで前線へ運ぶも、逆に山形の守備は最後まで切れる事無く。
フィニッシュに辿り着けないまま、時間はとうとうアディショナルタイムへ突入します。

どうしても相手の壁を破れない熊本に対し、その隙を突く山形。(43分に藤本→吉田へと交代、高橋がCFへシフト)
中盤でボールを奪うと、小野が果敢にロングシュートを狙いにいき、GK田代が辛うじてセーブと3点目を意識させます。
そしてひたすら長いパスワークを演じ、プレッシングを掛ける熊本を嘲笑うかのようにマイボールを確保。
最後には左サイドに密集させたうえで逆へ展開→裏へのロングパスを通し、横山がGKと一対一に持ち込みます。
そしてGK田代をかわした末に、右奥から無人のゴールへと蹴り込んだ横山。
途中出場で3ゴール目と、スーパーサブとしての秩序を保った末に試合終了となりました。

一方厳しい試合となった熊本。
どれだけ良い流れを作っても、やはりフィニッシュを決められなければこうなるといった展開に綺麗に陥ってしまい。
特に道脇・大崎の2人は、個人レベルでも早く初ゴールが待たれる状況でしょう。

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