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DAZN観戦 2023年J2リーグ第13節 ファジアーノ岡山vsモンテディオ山形

2023-05-05 16:47:12 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の岡山の記事はこちら(7節・いわき戦、1-1)
※前回の山形の記事はこちら(8節・大宮戦、1-2)

<岡山スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • yahooスポーツナビによると、10節(仙台戦、1-1)から明確なフラット4-4-2に基本布陣を変更している。
  • 故障者の発表は無し。離脱中の疑いがあるのはベンチ外が続いているハンイヴォン・坂本・GK山田大樹あたりか。
  • 来季加入内定の藤井(飯塚高)が特別指定選手に。

<山形スタメン>

  • 前年に引退し、クラブコミュニケーターに就いていた松本がコーチとして現場復帰。
  • 熊本が故障離脱から復帰し、前節からベンチ入り。
  • 前節(山口戦、1-1)負傷したデラトーレの詳細が発表され、全治8~10週間との事。

山形が連敗地獄に嵌っている他方で、引き分け地獄に苛まれていたのが岡山。
6連続引き分けの末に、前節ようやく勝利を挙げた(秋田戦、1-0)事で、巻き返しの機運が高まっている最中であり。

何とか最後に追い付いた昇格組の2クラブ(いわき・藤枝)との対戦を経て、以降はロースコアの接戦に持ち込む事で安定化を図っている感があり。
フォーメーションもダイヤモンド型4-4-2を改め、オーソドックスな4-4-2へと微調整したのもその一環でしょう。
しかし早い段階で失点した仙台戦・山口戦の例もあり、そんな戦いを貫いたうえで白星を得るには、最低でも前半は無失点で抑えなければ厳しいものがあり。

一方の山形も、連敗脱出を果たした(11節・ヴェルディ戦、2-1)のちの2戦目であり、巻き返しを図っているという立場は似通っており。
試合が始まり、お互いロングボールを裏へ送るという主導権の奪い合いを経て、ペースを掴んだのは山形。
目を引いたのは、最大の懸念であった、前年に存在していたゲーゲンプレスの鋭さが戻りつつある事。
敵陣で攻撃が途切れてもすかさず相手に規制を掛け、ボール奪取を果たして攻撃を継続するという立ち回りを序盤から敢行します。
前半7分にはそこからパスカットを果たした横山がそのままドリブル、右ポケットを突かんとして右コーナーキックに持ち込み。
そしてキッカー小西のクロスから、ニアサイドで野田がヘディングシュートを放ちましたがゴールポストを直撃。
いきなりの決定機逸となった山形の一方で、岡山も序盤の失点を辛うじて免れたワンシーンとなりました。

そんな山形の前線の圧をまともに受けた岡山ですが、プレッシャーをいなしつつ、バイスのロングパスが冴えるようになると徐々に良化。
15分には右サイド中盤で河野が拾い、中央へ移しつつ最終ラインへと戻した後にすかさずバイスが裏へロングパス。
山形の最終ラインを綺麗に突くボールとなるも、GK長谷川の跳び出しでクリアされて実らず。
それでもこうしたロングボールで深さを取った影響か、以降は山形のビルドアップの、縦パス・ミドルパスをカットして好機に持ち込む場面を目立たせます。

それでも最終ライン、ないしはゴールキックから繋ぐ攻めを諦めない山形。
23分にはゴールキック(最近はエリア内にフィールダーを3人入れてのスタートが流行っているっぽい)から、右へ展開ののちミドルパスはまたも遮断されるも、こぼれ球を繋いで継続。
小野が裏へロングパスを送り、眼前のブロックに当たったものの、かえって最終ライン手前で藤本に収まるボールとなり。
そして藤本はバイスと柳の間を突くドリブルでエリア内へと進入、そのまま2人の狭い間隙を抜いてシュートを放ったものの、GK堀田のセーブに阻まれ先制ならず。

序盤の決定機を逃した山形、このバイス・柳を中心とした屈強な集団というイメージがある岡山だけに、いかにフィジカル勝負を避けて(もちろん、ある程度球際での勝負は必須事項ですが)好機に持ち込むかがカギとなった感がありました。
特に29分、櫻川のチャージを受けた小野が足を痛めて1分程倒れ込んでしまうという具合に、前線のプレッシングを受ける立場の選手ならば尚更であり。
しかしその直前の27分に、ポストプレイに入った櫻川を倒してしまった野田、こぼれ球を田中雄が拾ってアドバンテージが取られ。
するとドリブルに入る田中雄をさらに野田が引っ掛けて倒してしまい反則の笛が鳴り、2人も反則相当のプレーで倒したという事で警告を受け。
これで野田は警告4度目で次節出場停止と、単に相手のフィジカルに対抗しようとするならばこういったリスクは避けられず。

こうしたフィジカル勝負で難儀といった山形、徐々にゲーゲンプレスを掛ける場面も減っていき。
34分に岡山のプレッシングをかわした末に決定機に持ち込み、野田のミドルパスを受けた藤本が中央へボールコントロールし、エリア手前で右へ横パス。
受けた横山が右ポケットからシュートするもGK堀田がキャッチと、またもモノに出来ず。
スコアも動かせず、結局は岡山に攻撃機会で上回られる、その姿は普通の平凡なチームと化したかのようでありました。
しかし36分に仙波の反則でフリーキックを得ると、中央かなり手前という位置からキッカー國分がエリア内右奥へロビング。
これを西村が足で跳び込んで合わせ、GK堀田が弾いて右CKに持ち込み。
ここからもクロスの跳ね返りを拾い、小西のミドルシュートがゴールを襲う(ゴール上へ外れる)などセットプレー攻勢を有効打に結び付け。

そんな山形の退潮を待っていたかのように、櫻川をターゲットとしたロングボール攻勢を仕掛ける岡山。
フィニッシュには辿り着けず(28分に田中雄がミドルシュートを放って以降は無し)も、そのプレッシングの衰え具合から、山形サイドをかなり消耗させていた感が伺えました。
課題だったであろう前半の失点も無く、結局スコアレスのまま前半が終わり。

その山形、後半頭から今季初出場だった横山に代えてチアゴを投入。
34分のチャンスを逃したのは、今後レギュラー争いにおいて高くつく予感がします。

そうして迎えた後半の入り。
山形は早速押し込んだのち、攻撃が途切れるも田中渉がカットとゲーゲンプレスを成功させて再度攻め込み。(後半2分、フィニッシュには繋がらず)
ハーフタイムでリフレッシュしたのか、前半同様のスタイルを取り戻したかに見えました。

しかし4分でした。
山形のゴールキック、ロングフィードを選んだものの岡山サイドが跳ね返した事で山形陣内で空中戦となり、これを仙波が回収して左サイドで攻撃開始する岡山。
そして人数を掛けて細かくパスを繋ぎ、鈴木の中央方面へのパスを仙波がスルーするとともに左ポケットへ駆け込み、輪笠のダイレクトパスを収めてシュート。
ボールは豪快に右サイドネットに突き刺さり、技ありかつ力強い仙波のゴールで岡山が先制点に辿り着きました。

山形としては一気に崩れたくない所でしたが、その思いも空しく6分。
またも山形陣内での空中戦を、仙波が左サイドで拾うという先程のリプレイのようなシーンで攻撃開始となると、ムークを経由して今度は佐野の突破からクロス。
中央で待ち受けていた櫻川が、野田のマークを外してヘディングシュートを放ち、ゴールネットを揺らします。
立て続けに得点し、2点リードを奪った岡山。

苦境に立たされる山形。
以降は岡山のその強固な守備がますます硬くなるのに対し、果たして得点に辿り着けるかどうか。
9分にカウンターに持ち込み、田中渉がチアゴへとスルーパスを送ったものの、遮断されて実らず。
しかもこの契機も、直前に岡山にビルドアップを遮断されてショートカウンターを受けかけたもの(小野が中央でパスカットに成功)であり、一向に攻撃に安定性が表れないといった状況。

何とか気持ちだけは負けまいと、球際で強さを増す格好に。
その影響か13分、西村が櫻川との競り合いでお互い倒し倒されというシーンになり、櫻川が倒れて西村の反則に。
するとボールを拾わんとした山田拓がさらに櫻川にチャージしてしまい、たまらずヒートアップして山田拓に詰め寄る櫻川。
前半から徹底チェックに遭っていただけにその苛立ちは理解できるものであり、ラフプレーへの傾倒は悪印象を持たれ易いだけに、負けている状況でも避けたい所です。

この直後にその櫻川に代え、チアゴを投入した岡山。
これで2人のチアゴ・アウベスが揃ってピッチに立つ状態となったこの試合。

チアゴ(岡山)の投入により、多少アバウトなボールであってもその能力で追い付き、好機とする事が出来るようになる岡山。
当然、攻めなければならない山形にとっては脅威以外の何物でも無く。

自陣を固める意識を強める岡山に対し、小西のドリブルなど前任者(ピーター・クラモフスキー氏)の時代とは斬新な手も使い押し込みを図り。
20分にはその小西の右サイドのドリブルからの好機、田中渉がニアサイドに低いクロスを送ると、國分がワントラップで奥へ切り込みますがGK堀田のブロックに遭い撃てず。
その直後には南の敵陣でのボール奪取により、反則を受けた事で左ハーフレーン・エリアからすぐ手前という位置での直接FK。
これを國分が直接狙うも、壁に当たりモノになりません。

23分に山形は田中渉・國分→河合・後藤優へと2枚替え。
岡山も25分に佐野・ムーク→田部井・河井へと2枚替えと、双方交代カードを切っていき。

岡山は左サイドでチアゴにボールを受けさせる流れを作り、そこから攻め込まんとしますが、2点リードもあり基本はボールキープに徹する立ち回り。
カウンターに持ち込みスペースに出したボールにチアゴが追い付いても、味方の上がりを待った末に結局戻す(30分)など、前年貪欲にゴールを狙っていたチアゴの姿からは想像も出来ない落ち着きぶりを見せます。

一方の山形も、ミドルパスを右ポケットに送り、チアゴに受けさせる流れで何とかゴールを狙い。
34分にはそのチアゴの右からのマイナスのクロスが、ニアサイドで河合に合いかけるもディフェンスに遭い撃てず。
こうした攻めによりCKも量産し、キッカーに2人が立つ(主に小西・國分)など工夫を凝らすものの、やはりワイドからのクロスでは岡山の中央の硬さを崩す事はままなりません。
結局その流れは最後まで不変となり。

38分に最後の交代を敢行する山形、小西・山田拓→高橋潤・藤田。(同時に岡山も仙波・田中雄→本山・高木に交代)
藤田が右サイドバックを務め、空いたボランチには河合が回り。
さらに藤本がトップ下に回り、高橋潤が空いたセンターフォワードに入るという極端なポジションチェンジを敢行しました。

押し込む流れは出来つつあるものの、ゴールへの期待度は薄い状況は変わらずの山形。
45分に岡山が右サイドから前進し、逆へ展開ののち高木が左ポケットへ切り込んでカットインと、シュートを撃っても良さそうな攻めの流れでも戻してボールキープを選択。
相手を焦らせる立ち回りを存分に貫くという具合に、勝利に飢えている度合いは、「惜しい所で勝てず」の引き分けを量産していた岡山の方が上だったでしょうか。

それでも突入したアディショナルタイム、クリアボールを高橋潤が何とか繋ぎ、後藤優のスルーパスでチアゴ(山形)が抜け出すという千載一遇の好機が訪れます。
そして右ポケットへ切り込んでシュートを放ったチアゴですが、ゴール左へと僅かに外してしまい、どうしても得点出来ない山形。
その後野田を前線に上げてパワープレイの体制を取るも、有効打は撃てず。
結局2-0のまま試合終了の笛が鳴り、岡山に対し膝を屈する結果となりました。

一方連勝した岡山。
未だ4勝ながらまだ1敗(8分)と、前年の徳島のような、終盤にその引き分けの多さが目を引きながらも生かされる状況を作れるでしょうか。

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