ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2023年J2リーグ第18節 徳島ヴォルティスvsFC町田ゼルビア

2023-05-31 16:33:40 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の徳島の記事はこちら(14節・大宮戦、3-1)
※前回の町田の記事はこちら(15節・ヴェルディ戦、1-0)

<徳島スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 渡が累積警告により出場停止。
  • 故障者のリリースは無し。推測されるのはベンチ外が続いているカカ・エウシーニョ・田向・石井・千葉あたりか。
  • 来季加入が内定している青木(日本大)が特別指定で15節から登録。

<町田スタメン>

  • J1川崎から松井が育成型レンタルで加入し、今節から登録。
  • 前節(清水戦、2-1)負傷交代した池田の詳細が発表され、全治8週間との事。

ここで触れた、藤枝が抱えていたジンクス破りを前節に達成されてしまった徳島。
「渡邉りょうがノーゴールでも勝つ」事を、出場停止で物理的に不可能な状況で綺麗に果たされる事となっての敗戦。(0-3)
それでもスタメンは不変で首位・町田との一戦に臨みました。
これで清水戦(13節・1-1)以降、出場停止の杉本(16節・金沢戦、2-0)以外は変更無しと、手応えを得ている以上今更1敗ごときで……という選択でしょうか。

ロングボール主体のパワーサッカーを展開する町田に対し、最後方からのビルドアップを中心に前進を図る徳島という判り易い絵図のサッカー。
ボールを握る時間帯が必然的に増える中で、どれだけ我慢ができるか。
その我慢とは、相手の堅守を崩せない事による焦りと、強力2トップを始めとするアタッカーの圧力への苛立ちという主な2点でしょうか。

前半3分の町田のゴールキック、右サイドへ密集を作ったのちに、GKポープは逆の左へロングフィードを送るというフェイントを早速敢行。
フリーで受けた翁長を軸とした左サイドアタックから、サイドチェンジを経て平河が右からクロスと、とにかく相手の逆を突く事で苛立ちの要素を増やさんという立ち回りを演じます。
そして続く4分には荒木が森昂に反則を受け、左サイドからのフリーキックを獲得。
キッカー下田のクロスからデュークが強烈なヘディングシュートを後方から放つ(枠外)という具合に、それにより生まれる相手の隙から一発で仕留めんとする町田。

7分の徳島は最終ラインからの右→左への対角線のロングパス、西谷がダイレクトで前へと送ると、受けた柿谷がドリブルを経てグラウンダーでクロス。
このニアサイドを突いたボールに杉本が走り込んでシュート、GKポープがセーブすると混戦の中こぼれ球となり、杉本・森海と立て続けにシュートを放ちますが至近距離でポープがいずれもセーブ。
際どいせめぎ合いとなりましたが、ゴールは割らせず。
ベテラン・柿谷の急所の突き方は一級品という感じで、町田の難攻不落の守備を破るキーとなる予感を孕ませます。

その後はお互い好機が生まれない時間が長くなり。
当然徳島は「ボールを握らされる展開」となり、後方でのパスワークで隙を窺うも果たせず……という状況に。
17分に森昂が縦パスを送ると、町田選手の間(3人)を通して玄に渡ったのちに前進。
西野のスルーパスで右奥で柿谷が持つ展開となったものの、奪われて終了。
先程の7分のシーンもロングパスを送ったのは森昂であり、前線のキーマンが柿谷ならば、後方はこの森昂の散らしという印象でした。

それでも町田の前線の圧力は、ただ居るだけでも相当なもの。
21分に自陣からのスローインで、安部が近くの杉本に渡そうとしましたがあろう事かファウルスローを取られ。
これで町田へと切り替わると、躊躇う事無く翁長がロングスローを入れる(シュートは撃てず)という具合に、判り易い武器によるプレッシャーに晒される徳島。
直後の22分には平河のドリブルを、後ろから倒してしまった西谷が反則・警告を受け、これで4枚目となり次節出場停止に。
この右サイドのFKから、キッカー下田はクロス気味に直接ゴールに向かうボールを入れ、GKスアレスは意表を突かれたものの正面でセーブ。
被害はどんどん膨らんでいきます。

一方西谷を窮地に追い込んだ平河も、34分には安部に対するアフターチャージで反則・警告。
これで平河も次節出場停止と同じ穴の狢となりましたが、この日はこれだけでは終わりませんでした。

試合の方は、徳島が攻めあぐみを見せる中で終盤を迎え。
ボールは握るものの思うように攻勢に入れないという、焦りを生みやすい状況を突きにかかる町田。
43分の左スローインから、受けた荒木がボールキープしながら逆走して徳島のベクトルを前に引き込んで逆サイドへ展開。
フリーの奥山政が縦パスを急所に送ると、そのベクトルの間を突くように綺麗にエリキに渡ります。
そしてエリア内に入り込んだエリキ、切り返しを経てのシュートでゴール左へと突き刺して先制。
徳島にとってはこの試合のように、プレッシングを掛けにいったギャップを突かれた格好でリードを奪われる事となりました。

前半残り時間は少ないながらも、やり返したい徳島は45分。
白井縦パス→柿谷受けて右へ展開を経て、玄が斜めに向かうドリブル。
町田のアタックを受けながらも右ポケットへ進入し、奥から入れられたマイナスのクロスをニアサイドで柿谷が合わせシュート。
これはチャンミンギュのブロックに阻まれ、続くアディショナルタイムでも西谷の左からのグラウンダーのクロスをニアサイドで受けた柿谷。
そして放たれたシュートもGKポープのセーブに防がれますが、立て続けのフィニッシュで後半に向けてファイティングポーズを保たんとする柿谷。

結局前半は0-1のまま終了し、ハーフタイムでの交代も無く。
徳島サイドは終了間際の好循環を保つ選択を取ったでしょうか。

そして始まった後半戦。
リードを奪った事で順風に見えた町田ですが、後半3分に左サイドで西谷がドリブルする所を、平河が後ろからアタックを掛けてしまう場面が。
西谷が倒れず推進を続けた事で反則とはならなかったものの、危うく2枚目という懸念が浮かび上がります。

前半同様に、最終ラインからの組み立てで打開を図る徳島。
それに対する町田は、前半からデュークがしきりにプレッシャーを掛けるものの、以前のように相手サイドバックにまで付いていく事は無く。
中央を開けないという意識をこの日は貫いており、徳島にボールを握られながらも破綻しなかったのも、これが陰の立役者となっていたでしょうか。

一方徳島の前進は、前半しきりに縦パスを受けて繋ぎ役を演じていた玄の出番が減り。
これも町田の対策の一環でしょうか、次第に左サイドから西谷の突破頼みという状況を強いられていきます。
しかしこれが後の転換期を演出した節もあり一概には言えず。

相手の攻撃を封じつつ、ロングスローなどで一発を狙う姿勢の町田。
そのロングスローは、右サイドからでも翁長が逆に来てまで敢行するという具合に徹底を見せ。
その影響もありサイドが入れ替わるという事案も何度か見られます。
今思えば、左サイドに移ってボールに関わっていた平河を見るに、結果論ですが本格的にサイド変更した方が良かったと振り返り。

その懸念が噴出したのが17分。
徳島は自陣で西谷がボールを受けると、「ドリブルさせてはいけない」という思いが溢れてしまったのか、それに後ろからチャージしてしまう平河。
西谷が倒れて反則を告げる笛が鳴り、たまらず平河に対して警告ならびに2度目によるレッドカードを突き付ける主審。(谷本涼氏)
ドリブルに入る前に敢行したチャージという事もあり、「若さ故の……」と嘆かずにはいられない退場劇となりました。

ともかくこれで10人での凌ぎを強いられる町田。
すかさず2トップ(エリキ・デューク)をともに退かせて藤尾と沼田を投入、藤尾1トップの4-4-1へと変更します。(荒木が右サイドハーフに回る)

一方の徳島は21分に玄→中野へと交代。
数的優位のため労せずして敵陣に入り込めるという状況で、中継役よりもアタッカーを重視したでしょうか。
その後徳島のビルドアップに対し、町田はプレッシングを仕掛ける余裕は全く無く。
自陣でのディフェンスも、サイドをある程度捨てる選択を採らざるを得なくなり。

そんな相手に対し、徳島は早い段階(20~25分ぐらい)で西谷の推進力を押し出し、サイドに意識を散らせたのちに縦パスを打ち込み中央を使いにかかるという立ち回り。
その中央では数的優位となったぶん、アンカーの白井も受け手を他に任せて前線へ張り出すシーンが増えていき。
そしてそれらが繋がったのが29分でした。
右サイドでの繋ぎを経て杉本が中央へ斜めの縦パスを送ると、エリア内へ入り込む白井を尻目に受けに入った柿谷が左足アウトサイドでのパス。
そしてフリーで受けた白井がGKポープの眼前で横パス、森海が合わせてシュートと完全に崩しきってのゴール。
同点に追い付き、一気に優位な立場へと移り変わりました。

町田は追い付かれた事で前への意識を高めに掛かりますが、そのプレッシングは殆ど機能せず。
揺さぶりであっさりとかわされ、結局は攻撃権を支配される状況に陥ります。
たまらずベンチが動き、34分に荒木→深津に交代。
判り易く5バックへと移行し、同点を保つ事を重視する姿勢を取ります。

しかしその直後徳島の右スローインで再開すると、間を入れずに送られた中野のクロスをクリアしきれずに右コーナーキックへ。
そしてこのCKからショートコーナーで右ポケットを突く徳島、奥から西谷の戻しを経て白井がシュート気味に中央へグラウンダーのボールを蹴り込み。
そして柿谷がまたもアウトサイドで芸術的な合わせを披露すると、ネットに突き刺さるボール。
町田の意に反して、徳島がセットプレーから揺さぶる展開となった末に、逆転に成功します。

必死の守備固めの策も実らなかった町田。
その後も5-3-1の布陣は弄らず、掛けざるを得なくなったプレッシングで何とか徳島のボール保持を阻みにいきます。

そして39分に最後の交代を敢行し、奥山政・下田→太田・安井へと2枚替え。
右サイドに移った翁長からの飛距離の長いスローインで強引に敵陣へ進入に成功すると、その後もロングスローの連続でエリア内を窺う攻撃を続け。
しかし状況は苦しい事に変わり無く。

アディショナルタイムに突入(徳島は森海→棚橋へと交代)し、尚もセットプレー中心に攻める町田。
GKポープがプレッシャーを剥がしてのロングフィードを送り、チャンミンギュフリック→安井エリア内からシュート(ブロック)が唯一のフィニッシュとなり。

そしてその後は徳島の時間稼ぎのターンに。
左サイド奥でスローインの連続に持ち込んで迎えた最終盤。
最後まで出場を続けた柿谷がここでも美技を見せ、左足アウトサイドでのスルーパスが絶妙に左サイド奥を突き。
受けた西谷からのマイナスのクロスは惜しくもシュートに繋がらずも、このスーパープレーで花を添えられた末に試合終了の時を迎えました。

ホームという舞台の中、柿谷デーと言っても可笑しくない内容で勝利を手にした徳島。
町田サイドは今季初の複数失点を喫したという具合に、今度は良い方向へのジンクス打破となりました。

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